60才代の男性患者Cさん、10年前に犬の散歩中に膝の力が抜けるようになり、膝の内側が痛くなりました。野球でキャッチャーをした時に悪化させ、それ以来コラーゲンを膝に打ち、だましだまし膝痛と付き合っていましたが、昨年末からは、コラーゲンも効かなくなり、ついに人工骨の手術をすることになりました。
しかし、友人の勧めで手術の前に、当院で治療を受けることになり来院されました。一度人工骨にすると、その部分の骨の再生は無くなり、カラダは異物が入ったと認識します。こんな不自然な治療は、お勧めできません。山を見ずして木ばかり見ている治療は、その場限りのものです。
私が上腕診と併用して膝診という脳、頸椎、胸椎、腰椎の状態を診る診断法(これは、私が勝手に行っているもので、学会で認められているものではありません)をしているので、膝痛のCさんにとっては、好都合だったようです。早速、いつもの手順で合谷診から行っていきます。
合谷診:(人差しと親指の間の触診)左→左の上腕診と膝診を行う
上腕診:
膝診:
首診:
膝診でも、胸椎の1番~3番がもの凄いコリ・・・・・・とここまで書いて、Cさんのカルテを見ると・・・・・いつの間にか、他の人のカルテに置き換わっていました・・・・こんな事は初めてなのですが・・・・やはり、Ipadのカルテは、触りどころが悪いと、消えたりするのでしょう・・・・ただ、毎回記録として写真で置鍼の状態を残しているので、大まかなことを記述できるので、続けます。
膝診の膝窩横紋(膝の内側にある横線)は胸椎の1~12番の状態を示しており、その治療点は眉毛の上にあります。そこで、1本眉毛の上に置鍼して、膝を触ると・・・・柔らかくなっています。まだ胸椎1番のところに圧痛点が残っているので、もう1本置鍼して触れると、ふにゃふにゃになっています。
「Cさん、これで膝はどうですか?」
「・・・・・ええええっ痛ない!画期的・・・何があったんですか?」
「いやいや・・・・たった2本でこんなに変わるのに・・・・まだ手術する気ですか?」
と、やや強気で説得に行く私。後は頸椎の治療点に2本置鍼して、膝に関する治療点に3本、トルコのテキチ先生の見つけた治療点に2本置鍼して終了。
「これで、どうですか?」
「・・・全然大丈夫・・・・正坐も出来るし・・・・・キャッチャーの格好しても大丈夫・・・・こんなに膝が曲がる(立った状態で膝を鋭角に曲げて胸に着けることができます)・・・・手術やめとこう!」
という事になり、1週間後に来院する事となりました。次回はしっかりとカルテ作成します。