2週間ぶりの来院

2年前に頸椎症と診断され、中々完治出来ていなかった50才代の男性患者Bさん。

首痛、五十肩、肩コリで3か月前からの通院で、良くなったり、元に戻ったりを繰り返しながら、徐々に良くなっています。トラックの運転と荷物運搬が主な仕事のため、早く仕事が終わると、治療時間を作って来院されています。熱心に治療を受けられ、五十肩は治りました。

まず上腕診(肘内側横紋の触診)で左頸椎、左腰椎、左脳幹に対応する個所に1本置鍼。これで、Bさんの基本治療終了です。

「あれ?左の脇が痛い・・・・・」

「・・・・そうなん?そしたら・・・右向いてください・・・ここ痛ない?」

「・・・痛い!」

「ここに刺すけん・・・・どうですか?」

「・・・・??・・痛ない!どしたん?」

「凄かろ?・・・・これ、全部山元先生が見つけたんじゃけん!」

側頭部のIソマトトープ(小さな人型)に狙いを定め、圧痛点をしっかりとらえると、見事に痛みは無くなっていきます。同様に右側頭部の右肩、右胸椎に置鍼。

「これ・・・・絶対効いとる・・・これは、気持ちええな~」

次に首診で右肝、右心、右三焦、左腎、左肝、左胆、左心包にそれぞれ置鍼し、首を緩め内臓を整えます。後は、30分ほどフォークソングを聴きながら休んでもらいます。

最近のBさんの状態は、安定しています。年内に1~2回来られると、いいお正月が迎えられると思います。

京都の1週間出張治療で・・

丁度、私が夜行バスに乗って京都に向かう日、60才代の女性患者Aの右膝が急に痛くなりました。1週間に1度の来院を1年3カ月続けておられるAさん、本来なら痛くなった膝の治療が出来たのですが・・・・今回は、7日間にわたる長期出張だったため、出来ませんでした。

誠に申し訳ございませんでした。

Aさんからは、「頭の鍼は、私には刺激が強すぎるので、別の治療法をして欲しい。」という依頼があり、山元式新頭鍼療法(YNSA)を鍼を使わず行っています。

上腕診(肘内側の横紋の触診)では、

左   頸椎、胸椎、小脳

・・右     なし

首診では、全てに反応なし。

首診は、12内臓点の診断をするのですが、異常なしということになります。そこで、本来なら基本治療である頸椎、胸椎、小脳の治療を優先すべきなのですが、Aさんが最も気にしている右膝の治療から始めました。

右膝の治療点は、G点という側頭部と耳ウラを軽く押圧して、右膝の状態をチェックしてもらいます。また、同じ側頭部にIソマトトープ(小さな人型)があり、この膝の位置に押圧。

そして、右膝の状態チェック。

「・・・少しずつ、良くなっています。あらっ、左膝と同じくらい上がるようになってきました。」

「右膝のどこが痛いですか?」

「・・・・ここです。」

「・・・・なら、ここ・・痛くないですか?」

と、右肘の圧痛点にパイオネックス(円皮鍼)貼っていきます。これで、十分膝が動き、痛みもほとんどなくなりました。

次に、Aさんにはベッドでゆっくり仰向けになってもらいます。そして、上腕診で反応のあった左頸椎、左胸椎、左小脳に対応するオデコ、側頭部に指を置いて7~8分。その後は、20分程ゆっくり休んでもらいました。

最後に、上腕診で左頸椎、左胸椎、左小脳のチェック。3カ所ともゆるんでいました。

20年間膝痛で悩んでいる・・・

60才代男性患者Cさん・・・20年前に、落差が1mのところから転ろび、それ以来、膝痛に悩んでいます。膝の痛い個所に鍼やお灸をする治療を受け、ある程度は、良くなるのですが、それ以上良くならないので、鍼灸治療はやめていました。

今回、来院されたのは友人の紹介によります・・・患部に触れず、頭や肘に鍼を刺すという事に、興味を感じたそうです。

Cさんは、随分膝が痛そうで、引きずるように歩いています。イスから立ち上がるときは、必ず机などをつかまないと、立つ事は出来ません。

早速、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)で頸椎、腰椎に反応があり、左右それぞれに1本づつの置鍼で、ゆるみました。

首診では、左側腎、膀胱、三焦に1本づつ置鍼すると、肝、心包、大腸もついでゆるんでくれました。右側は、腎にのみ反応。2本の置鍼でゆるみました。

少し専門的になるのですが、腎、膀胱、肝のツボは膝を流れています。そのためこの治療だけで、Cさんの膝に影響を与えていると思われます。次に、側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の膝に当たる個所に置鍼です。

Cさん・・・ここらあたり、痛いところを、教えてください・・・」

「そこ、そこ痛いです。」

「・・・・どうですか?・・・・ちょっと、立ち上がっていただいてよろしいですか?」

「???????さっきまでが、ウソ・・・・のようなんですが・・・普通に、立ち上がっているんですが・・・・ウソでしょう?」

「痛みは・・・どうですか?歩いてみてください・・・」

「・・・左膝は・・・・痛くない・・・左足首が痛いです。」

「そしたら、左足首をねらいますね〜・・・・・どうですか?」

「・・・・ふ〜ん・・いいですね❗️こんなに早く治るんですか?」

などと、会話をしながら反対のIソマトトープ(右側頭部)2本置鍼。左肘、上腕に鍼を刺して抜き終了としました。普通に歩いて帰られるCさん、今週中に来られます。どのような経過になるのか楽しみです。

京都出張治療5日目

師走の京都は、寒い(最高温度9℃)

大徳寺の茶室は、障子で外気が遮断されているだけです。そのため、30分前にエアコンで暖を取っても、室内の温度は、中々上がりません。そこで、服を着たま出来る操体法を行うことにしました。

「先生、今日は肩甲骨を中心にやってください。」

茶室に入るや否や、30才代の女性患者Aさんが、訴えて来られます。底冷えのする京都で、肩甲骨がカチンコチンにこっているようです。Aさんは、モコモコの上着に厚手の靴下を履いています。靴下の上から、指揉(も)みと思いきや・・・・・足をよく見ると、左足の方が右足より15mm程長い。そこで、骨盤調整から始めます。

「Aさん、左の踵(かかと)を、私が親指で押し上げていますから、ゆっくり押し込んでみてください・・・・決して、力まないで・・・カラダの中心腰を使って・・・痛かったやめてくださいね~・・・」

などと言いながら進めていきます。冬場は布団に入ると膝を立てたくありません・・・寒いから。それで、踵(かかと)を押し込むだけの操法に・・・・・1回で足の長さが整いました。これは、山元式新頭鍼療法(YNSA)の脊椎を整える基本治療に当たるかも知れません。

次に、冷えた足をゆっくりと揉(も)んだり、揺(ゆ)すったりの操法。

やっと、肩甲骨の操法になります。Aさんにはうつ伏せになってもらい、肩甲骨の圧痛点に私が手を置くだけです。仰向けになってもらっても、肩甲骨の圧痛点に手を添えるだけ。

25~30分行い、終了としました。

この操法では、翌日あるいは、翌々日にカラダの変化がある事もしばしば見受けられます。

来月にその経過を伺いたいと思います。

京都出張治療4日目

京都出張治療4日目

庭師の60才代男性患者Cさん。剪定(せんてい)ハサミを使うことはできるのですが、箸(はし)で少し重いモノが持てません。右手中指に力が入らないそうです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)では、左(左側から治療点を見つけるようにします)。上腕診では、左頸椎、左胸椎に反応があります。

左頸椎は、A点と呼ばれるオデコ中央部の生え際に3本置鍼で、コリが取れ整いました。左胸椎は、側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の胸椎1本の置鍼で、整いました。

Cさんのように、右手に問題があるのに、上腕診では左側に反応があるということは、よくあります。この上腕診からの治療は、脳、自律神経を整える基本治療です。Cさんの右手中指の治療は、この基本治療の後から行います。

「Cさん、ここに痛いところありますか?」

「そこ、痛いです。」

右側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の右手に当たるところに2本置鍼をします。

「これで、右手どうですか?」

「軽くなった気がします。」

「今度は、オデコの方に刺しますよ・・・・」

「痛っっった❗️」

C点の指に当たるところに1本置鍼。

「お箸を持って来ますね・・・・・・これ(みかん)を挟めますか?」

「・・・・問題ない・・・感じですが・・・・中指の先が、変です。」

「そしたら、右足を出してください・・・・ここに、お灸しましょう。」

という訳で、Cさんの右足第3指の圧痛点を3カ所見つけ、お灸。これが効いたようです。

Cさん、普通に箸を使って中指に違和感がなくなったようです。これで、治療終了。

京都出張治療3日目

音楽家であり、音楽療法家の50才代女性患者Aさん。慢性的な右肩コリと首に張りがあります。合谷診(人差し指と親指の間の触診)では左右共にコリがあります。こんな時は、左からでも、右からでも治療を始めます。

「それでは、行きましょう。」

「は~~い、行ってらっしゃい❣️」

最初から、吉本新喜劇のノリで・・・・カックンʅ(◞‿◟)ʃq…

上腕診で、脳、頸椎、胸椎、腰椎の状態が分かります。Aさんの場合、置鍼1本ですべての個所がゆるみました。Aさんは右肩が張っているのですが、首診では左に多く出ています。

なぜだか分かりません。一本の置鍼で首診のコリもゆるんでいきました。

「さて・・・・これから、右肩をねらいますね。」

右側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の右肩に、2本置鍼。

「どうですか?」

「・・・・・あれっ・・シリコン入っていたのが・・なくなった感じ・・・何が起こっているんですか?」

「よくわかりません・・・これで、30分ほどゆっくり休んくださいね~」

最近の治療では、このパターンが多く、患者さんには30分間置鍼した状態で眠っていただきます・・・・30分たって、

「Aさん、ゆっくり出来ましたか?」

「自分のいびきで、目が覚めました❣️」

「肩・・・・メチャメチャ楽ですわ~~~」

と、絶好調のAさんでした。

京都出張治療2日目

京都出張治療2日目

ラグビーをしているガッチリとした体型の40才代男性患者Bさん。1カ月前にギックリ腰のような状態になり、2週間前から太もも、膝、ふくらはぎにも痛みが出て、仕事に差し支えるようになりました。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)では右手に反応があるのですが、上腕診(肘内側の横紋の触診)では全て左腕に反応があります。そこで、もう一度合谷診をするのですが・・・

やはり、右手に反応があります。本来、この合谷診で右手に反応があれば、右側からの治療をするのですが、上腕診では、全て左腕が反応。仕方なく、左側から治療に入ります。

脳点、A点(それぞれ、オデコ中央部の生え際)に1本づつ置鍼。Bさんのカラダは素直に反応して、1回でゆるんくれます・・・これで、脳幹と頸椎が整いました。

次に、胸椎をねらいます。先日の山元式新頭鍼療法(YNSA)上級セミナー1では、Iソマトトープ(小さな人型)をしっかりと習いました。そこで、Iソマトトープの胸椎(左側頭部)に置鍼をします。3本置鍼でやっとゆるみました。

さて、これから肝心の腰椎。左耳と、もみあげの間の圧痛点に2本置鍼。

「痛っっったあ・・・これは、効いてます‼️」

「・・・・Bさん、腰・・・どうですか?」

「頭が痛くて・・・・腰どころじゃ・・・・腰・・・あれ?ウソみたい・・・いい感じ」

「歩いてみてください。」

「・・・・大丈夫・・・・大丈夫です‼️」

あとは、30分ゆっくり布団で休んいただき、終了としました。山元式新頭鍼療法(YNSA)は、しっかりポイントを抑えると、効果があるようです。

ロンドクレアントで見つけたベラスケス(画家)風の陶板

京都出張治療初日

京都出張治療初日

私が、昨夜から滞在予定のロンドクレアント(ギャラリー)で、関東から来られた女性音楽家も、宿泊することとなっていました。いわゆる、ダブルブッキング。これも、何かのご縁と、ロンドクレアントのご主人と3人で遅くまでワイワイお酒を楽しみ、朝8:30から30才代女性患者Aさんになっていただきました(私は、ギャラリーのフロアで寝ました)。

仕事柄、肩こり、右手中指、薬指、小指が痛いそうです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)をすると、右手が痛いにもかかわらず、左手に圧痛点があります。そして上腕診(肘内側の横紋の触診)もほぼ左に反応がありました。Aさんは、山元式新頭鍼療法(YNSA)と相性が良いのか、ほぼ1本の置鍼でゆるんいきます。

上腕診では、24ヶ所中14ヶ所反応があったのですが、10本の置鍼ですみました。

「何か・・・重い布団を頭からかぶった感じで心地よいです。」

「う~~ん、そりゃいいわ~」

「以前受けたことのある鍼は、緊張感があったのですが、この鍼は、リラックスできますね~」

「そりゃよっかった・・・・そしたら、今度右手をねらいますね。」

昨日習った右側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の右指めがけて置鍼です。

「どうですか?」

「・・・・あっ、いいみたいです。」

「今度は、右足を出して下さい・・・・右手の指は、どこが一番痛いんですか?」

「薬指です。」

「う~~ん・・・・ということは、この4番目の趾(ゆび)・・・ツンツンバリしますね・・・・勝手にツンツン鍼(ばり)って言ってるんですけど・・・」

「だと思った❗️」

「どうですか?」

「何か・・・・眠くなってきますね・・・」

目をつむってボ~~とするAさん。最初は足の趾(ゆび)が、やや痛く感じるのですが、途中から心地よくなるようです。これで、右指もゆるんきます。最後は、うつ伏せになっていただき、肩甲骨に鍼を刺し抜き終了です。

「体が楽になりました」というメールをいただきました。ありがとうございます。

膝が痛くて・・・

60才代の女性患者Cさん、 10月中旬に稲刈りをして膝が痛くなりました。その後、色々治療をしたそうですが、膝は痛いままです。車から下りて歩く姿が痛々しい。左脚を引きずりながら、歩いておられます。

「左の股関節から、膝までが、しびれたような痛みで、どうしようもないんです。」

「Cさん、2年前に来られた時の治療方法と、かなり変わったのですが・・・それでも、いいですか?今は、頭に鍼を刺して、膝を治しているのです。」

「・・・・ええ、いいです・・・」

「左の膝が痛いのだから・・・・・ここ、痛くないですか?」

「痛い‼️」

Cさんのオデコ生え際中央部、やや左上(H点)の圧痛点を爪で押し、圧痛点を確認しました。すると、Cさんニコッと笑顔。信用していただいたようです。

まず、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)から、基本治療を行い自律神経を整えます。次に、左H点(オデコの生え際、正中線より2cmのところから、2cm上の圧痛点)、左G点、左D点(共にこめかみ)、左G1~G3(左耳のウラ側)に置鍼。

「これで、膝の状態はいかがでしょうか・・・・・歩いてみてください。」

「・・・・・・・・歩いて・・・痛みが・・・ここの1点・・・・だけです??・・・」

左股関節からしびれる様な痛みが、膝下内側の1点の痛みになったのが、信じられない様な表情のCさんです。

「膝のどこが、まだ痛いですか?」

「・・・・・ここかな?・・・ここです。」

「そしたら、左腕を出しください・・・・・ここ、痛くないですか?」

「痛い‼️」

左膝の圧痛点に対応する左腕の圧痛点を、軽く押圧。Cさんの場合、圧痛点が3~4ヶ所ありました。それぞれに鍼を刺して抜いていきます。

「これで、歩いてみてください・・・・・どうですか?」

「・・・・・・痛く・・・・ないです❗️」

「あ~、良かった・・・・そしたら、腕にパイオネックス(円皮鍼)を貼っておきましょう。」

左腕の圧痛点に3ヶ所パイオネックスを貼って終了としました。普通に歩いて玄関を出られるCさん・・・・山元式新頭鍼療法(YNSA)の素晴らしさを実感しました。

 

データーを取りました

鍼が嫌いなのに鍼灸院に来てしまった40才代の女性患者Aさんの続報です。今日は、鼻からノドにかけて痛みがあり、背中(胸椎5番あたり)と、そのウラの胸骨が痛いそうです。

Aさんには、仕事中の姿勢を正す指導をした上で、今回は、山元式新頭鍼療法(YNSA)の、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側横紋の触診)、首診を行い、鍼を刺す代わりに指先をAさんのオデコに置く施術を行います。そして、施術後、上腕診、首診をしてその変化の有無をチェックします。結果、下記のようになりました。

上腕診

左・頸椎+ →  頸椎+   右・小脳+ →  小脳+

胸椎+ →  胸椎ー

腰椎+ →  腰椎+

脳幹+ →  脳幹+

大脳+ →  大脳+

小脳+ →  小脳+

首診

左・腎+  →  腎+    右・腎+  →  腎+

膀胱+ →  膀胱+     膀胱+ →  膀胱ー

胆+  →  胆ー      胆+  →  胆ー

心+  →  心ー      三焦+ →  三焦+

大腸+ →  大腸+     肺+  →  肺+

三焦+ →  三焦ー

胃+  →  胃ー

脾+  →  脾ー

上腕診の基本治療で、ほとんど成果が出ていません。理由は、左A点(オデコの生え際)、左E点(左眉毛の上)を治療中、Aさんが咳き込むため、急きょ、脳点9番(頭頂部付近)に指置きを、変更したためだろうと思います。そのため、基本治療は5分しか出来ませんでした。

次に、左右Y点の肺(側頭部)に指置き。

「頭が引っ張られ、血が上って来るような感じです。」

と、Aさんがいうため、中止して、Y点の左大腸と左肺に指置き。指置きの合計時間25分でした。左中心に治療したため、結果左の首診が良くなっています。

「先生、ノドも背中もスッキリしました!」

次回は、基本治療をしっかりする約束をAさんとしました。