バネ指に関して

バネ指の治療にヒラメ筋に鍼を刺すのはなぜか?

前腕の深指屈曲筋をはじめとする屈筋群や、指の動きに関わる腱や腱鞘を使い過ぎた結果、腱と腱鞘が炎症を起こしスムーズな動きが出来なくなります。この時、最も影響を与える筋肉が、深指屈曲筋であると考えられます。この深指屈曲筋に対応するのが足のヒラメ筋です。この2つの筋肉は良く似ています。この似た2つの筋肉は片方が緊張して筋膜を絡(から)めると、もう一つの似たような筋肉の筋膜も絡んでバランスを取ります。

バネ指の原因となった前腕の深指屈曲筋の使いすぎ炎症及び緊張に対して、ヒラメ筋の筋膜が遠くから引っ張ってバランスをとっているのです。綱引きをする時、一番ハジの綱を持つ人が力持ちなのは、影響力があるから・・・・よく似ていると思います。今日は、バネ指に関してYouTubeを作ります。

贅沢な時間

NHKが鍼の特別番組を放映したので、少しずつ世間一般に浸透し始めたのか、患者数0の日が今月に限っては、ありません。いずれにせよ、数千年の歴史ある鍼治療が、山元敏勝先生によって西洋医学との融合を計ったのですから、今後ますます進化していくことは、明らかです。私も、一鍼灸師としてその流れに乗っている幸せを感じます。

鍼灸師は、患者さんに触れることを仕事にしています。触れて患者さんのカラダの状態を把握します。最近、足の指を丁寧に診るようにしていますが、私の触れる指の角度、重心移動で患者さんの反応が一瞬にして変化します。私の場合、ツボを見つけた時、イメージが浮かぶ時があります(いつも浮かぶ訳ではありません)。点であったり、線、面であったり様々です。イメージに伴って、何とも表現できないある種の感覚が生まれる時もあります。多分、この感覚は患者さんが感じている感覚に似ているのだろうと思います。

患者さんに触れる手が、元気でなければ患者さんが体調を崩してしまいます。そこで私がやっているのは、熱い朝風呂の後の、水シャワー。寒い冬でも浴びています。シャワー後のカラダはポカポカと暖かいので、患者さんに触れる手は、元気です。それから、治療室の中央に高さ40cmの障子、引き出し付き3畳間があるので、いつでもゴロンと寝転がることができます。そこで、YouTubeで紹介しているセルフケアをしています。ここが「カラダ研究所」で贅沢な時間を過ごしています。

痛みに感謝

午前中に、YouTubeの制作。今回は、頭痛の改善法です。

筋緊張性の頭痛に対処する4分41秒の動画です。最近は、デスクワークでPCの画面ばかり見て同じ姿勢を長時間続けている方が多いと思います。そういう方は、首、頭、目などが痛くならなければ、カラダは壊れます。カラダが「止めて!stop!」のサインを痛みで示してくれます。痛みは本当にありがたいです。

私が、小学生のころ・・・・60年前、社会科の授業で、第一産業(農林水産業)の割合が、80%だと習った記憶があります。高度成長期に突入し始め、中卒の若者が「金の卵」と言われ始めた頃です。都会に人々が移り住み始め、そこで第二次産業と呼ばれる製造業、建設業が脚光を浴び始めます。この当時の人々は、やはり肉体労働が主であったと思います。ところが、この様な産業分類自体が、古典的であるといわれる今・・・・気がつくと、肉体労働をしない仕事の方が、主流になりました。

PCの前で、カラダを固定し、目と頭に血液を流す仕事を当たり前にしています。人類史上、こんな不自然な期間は初めてだと思います。敏感な人々は、それを察知して痛みとして訴えてくれています。治療家は、その痛みに寄り添い分析し、解決するだけです。

YNSA は共同作業

全ての患者さんには、独自の感性があります。その感性を第一番に優先する治療が、山元式新頭鍼療法(YNSA)です。山元先生は、150万人もの患者さんから聞き取り調査をして、分析し、仮説を立て検証されました。山元先生の類い稀なる能力と人類愛が、何千年もの歴史ある鍼灸治療に一つの楔(くさび)を打ってくださいました。

YNSAの治療を始めて、まだ1年ほどの新座者ですが、私はこのYNSAに掛けます。なぜなら、この治療は、患者さん主導だからです。患者さんの感性に全てを委(ゆだ)ねているのです。カラダは常に治ろうとしているのです。その声を聞くのがYNSAです。お薬はいりません。カラダがお薬をだします。人工的なお薬にたよると、カラダが弱くなります・・・・・・そんなこと、普通に考えたら分かります・・・・多くのお薬は石油でできています。石油は、地球が生まれて地球に上手く還元出来なかった物資。これからできた物質を私は、信用しません。

カラダは常に良くなろうと働いています。その方向性や治療点は患者さんが教えてくれます。あちこち触って鍼を刺すと、カラダを良くしようとする気の流れが生まれます。その流れを作っているのが、患者さんのカラダなのです。つまり、鍼は補助的な物で、治しているのは患者のカラダなのです・・・・決してお薬ではないのです。

今日は、お酒を飲んで・・・・ちょっと強気ですみません。

指先のタッピング(軽く叩くこと)

私が20才代の頃だったか、30才代の頃だったか導引術に興味をもち、短時間でしたが、ある教室で学んだことがあります。ほとんどの事は、忘れましたが唯一しっかり身に付いたのが、指先のタッピング。

(今回のYouTube は、このタッピングが出てきます。興味ある方は、どうぞご覧ください)

 

脱力した指先が道具となり、患者さんの頭皮を刺激します。脱力した垂直の指先が頭皮に当たると、血流の悪いところに、ピリピリした痛みが生じます。それと同じ痛みを施術者の指先も感じるため、患者さんの痛みと痛みの個所が分かります。そのため、

「ここ痛いですね。」

「はい・・・???」

といったいった返事が返ってきます。こういう時は、

「私も、同じ痛みを指先で感じるんです・・・・だから、分かります。」

と説明するようにしています。とここまで書いて、何故同じ痛みを感じるのか・・・・・今まで考えたことが無かったことに気付きました。「指先 感度」で検索すると色々情報を提供してくれますが、よく分かりません。とにかく、人間の指先は高度なセンサーである事に間違いありません。

ここで、少し寄り道。

最近、患者さんの足にパイオネックス(皮内鍼)を貼って、患者さんには、そのパイオネックスに軽く触れて「ぼっ~~」とするように指導しています。また、当院の治療では、私がパイオネックスの上に軽く指先を触れる治療します。これは、効果が直ぐ出て患者さんからも好評です。

これは、指先から出る静電気と関係があると思います。冬になると衣服などの摩擦でカラダに静電気がたまり、ドアノブなどに触れると「バッチ!」と乾いた音の静電気が流れることがあります。この静電気、自然素材ならばゆっくりと流れるため、快適です。当院は天井、壁、床全て自然素材の板張り。私は床に座り込んで治療をしているので、アースをしていることになります。

静電気=気ですから、患者さんと私が指先を介して気を流しているのだと思います。

本題に戻ります。

指先は、高度なセンサー。タッピング(軽く叩くこと)でセンサーが感度良く働くのだと思います。タッピングしながら、痛みの変化を感じとれます。是非ともお試しください!

 

花粉症対策(その2)

患者さんの中には、花粉症で鼻がつまったり、目がかゆくて、しょぼしょぼしている人がいます。私は、まだ花粉症の患者さんを治した事はないので、明確な治療法は言えませんが、山元式新頭鍼療法(YNSA)で、肺、大腸、鼻、目の治療点があるので、それらの治療点を刺激する方法は、お教えできます。

今年から来年にかけて、花粉症治療を少しずつ研究してみようと思います。どうしても、腰痛、膝痛などで来院する患者さんが多く、花粉症を治しに来る患者さんは、いません。実際、鍼灸は運動器系(神経、筋肉、骨、軟骨などで構成されて、身体の支持や移動そして、内臓を保護する器官)の治療だけしか出来ないというイメージを持っている人が大半だと思います。

ところが、外科的手術以外は、ほとんど対応出来ます。それを証明するためにも、花粉症治療が確立出来ればもっと、世に広まると思います。実際、YNSAの先輩治療家は花粉症治療をしておられます。昨日の「花粉症対策」で、述べたように西洋化した食事を本来の日本の食事に戻して、腸内環境を良くしながら、YNSA の治療で花粉症を治療することが、今の日本に必要なことだと思います。

薬に頼らない花粉症セルフケアの提案

①感覚点(目、鼻)の刺激

②治療点(肺、大腸)の刺激

③刺激方法・タッピング2種類

明日、これでYouTube を作ります。

花粉症対策

今年は、杉花粉が多いので花粉症の方は、大変です。私は、まだなったことがないので、どんなものか本当には分かりません。そこで、足立・有馬小児科神経内科の先生が書かれた文章の一部を掲載して、理解を深めてみようとおもいます。

『なぜ腸内細菌の異常がアレルギーの発症を起こすのかという話を理解していただくために、簡単な免疫の話をします。まずアレルギー反応を引き起こすのは、リンパ球という白血球の一部です。私たちの体内には、生まれつき、免疫を強めるリンパ球と免疫が行き過ぎないように抑えるリンパ球があり、このバランスが取れていることで、私たちは重い感染症にかからず、ひどいアレルギーにも悩まされずに生きています。この免疫を抑える方のリンパ球をTreg(制御性T細胞、ティーレグ) と呼んでいます。つまりアレルギーを発症する人はTregが少ないため、免疫反応の抑制が効かずアレルギーを発症すると考えられます。逆にTregを増やすことができれば、アレルギーを抑えることができると考えられます。現在のところ、このTregを増やすのに関わっているのが、腸内細菌叢の中で酪酸(らくさん)を産生する酪酸菌と考えられています。酪酸菌によって腸内で作られた酪酸は、腸の粘膜を通過し、腸管内のリンパ組織に働き、Foxp3という遺伝子の発現が増加した結果、Tregが増加すると考えられています。よく耳にする乳酸菌ではなく、酪酸菌です。全身のリンパ球は循環していますので、腸管内で増えたTregは体中に循環し、花粉症やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などの症状を抑制してくれると考えられます。

では酪酸菌をおなかの中で増やすにはどうしたらいいのでしょうか。酪酸菌を多く含む食材を食べ、酪酸菌のエサとなる食物繊維をたくさん取れば、腸内で酪酸菌を増やすことができます。酪酸菌を多く含む食物といえば、ぬか漬け、ナチュラルチーズ、納豆等です。

(中略)

近年、小児の患者さんのうちでアレルギー疾患をもつ方の割合は急速に増加しています。

3月から5月の春先には、患者さんの約半分位がアレルギーがらみの症状で受診されることも稀ではなくなりました。今、私たちの食生活は肉食が多くなり、野菜摂取、海藻摂取が不足しています。アレルギーとはほぼ無縁であった私たちの父母の世代は、玄米を食べ、野菜を食べ、おやつといえば蒸したイモやイリコで、家で漬けたぬか漬けを食べ、今よりも確実に多くの発酵食品と食物繊維をたべていました。その頃は、アレルギーが健康上の問題になることは、ほとんどありませんでした。日本人は欧米人に比べて、酪酸によってTregが誘導されやすいとするデータもあるようです。うちの子はアレルギーだからしかたないとあきらめる前に、もう一度、食生活を見直して、薬に頼らず、アレルギーを自力で改善するようにトライしてみてはいかがでしょうか?』

とあります。西洋化した食事を本来の日本の食事に戻して、腸内環境を良くすることから始めなければならないようです。花粉症の人は、情報としてこのようなことを知っておられると思いますが、ついつい、病院で処方された薬に頼るのだろうと思います。

鍼治療は、元々カラダが治ろうとするのを、手助けする一つの手段です。そのため、食生活の改善と共に、自律神経や内臓を整える山元式新頭鍼療法(YNSA)は非常に効果的だと思います。

はかどらないYouTube 制作

山元式新頭鍼療法(YNSA)のYouTube 制作をしているのですが、なかなか出来ません。何故なら、創始者の山元先生の経歴が、凄いので、ついつい紹介していると伝えたいところが、伝わらなくなってしまいます。

そぎ落として、やっとそれなりに・・・一番伝えたいところは、下記です(YouTube用のカンペより)。

世界中に、山元式新頭鍼療法(YNSA)が広まった一番の理由。それは山元先生のお人柄と患者さんに対する愛情だと思います。宮崎のセミナーでお会いした時、私は「今まで会った人の中で一番神様に近い人だ」と感じました。

若い女性患者さんが「先生は、私の鍼ーポッター」と言って思わずハグをしそうになったのを、ほほえましい記憶としてしっかり覚えています。世界中どこに行ってもこのような治療をされている山元先生ですから間違いなく広まっていったのだろうと思います。今後は次世代の我々が日本中に広めていくのが責務だと思っています。

山元敏勝先生の著書

 

改めて山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」を読み直しています。山元先生が一番おっしゃりたい事は、「体は、自分で自分を治療する力を持っている」という真実だと思います。その一説を記載します

『人間の体は、つねに「元気にしよう、もっと元気にしよう」という方向に向かって、さまざまな機能を働かせています。

針の効果をご説明したときに、人間の体は、モルヒネと同じ働きをして痛みを止める「エンドルフィン」と言う物質を作り出せることをお話ししました。

この他にも人間の体は、心筋梗塞や狭心症の治療に用いられる「ニトログリセリン」と同じ働きをするEDRFと言う物質を作り出すこともわかっています。

最近では、痛みを軽減させたり、精神を安定させたりする「オキシトシン」というホルモンが、体をなでるだけで分泌されることもわかってきました。私たちの体は、体にトラブルが起きると、それを治療する物質が分泌されるようにできているのです。「医学の父」と言われる古代ギリシャのヒポクラテスは、「人間はだれでも体の中に百人の名医を持っている」と述べています。体が持つ、自分で自分を治療し治す力、つまり「自己治癒力」は驚くべき力を備えていて、痛みであっても、体の不調であっても、うつ病やパーキンソン病の症状であっても、そして麻痺であっても、改善させる力を備え持っています。

YNSAの針の役割は、その力を引き出すに過ぎません。症状を改善させているのは自分の体自身なのです。』

この本のタイトルに「あきらめなければ」とあるのは、難病を治し続けておられる山元先生だから感じられる、生命力に対する畏敬の念と患者さんへの愛情、励ましのように思います。この本は何度も読み返す必要があるようです。

これでいいのだ!

70才代の男性患者Aさんは、息苦しさから「死」さえも感じたのですが、通院されて2ヶ月近くになり、徐々に良くなっています。週に2回のペースで通院され、昨日の朝は、目覚めると全く息苦しさがなく、奥さんに

「ワシ、治ったんじゃろか・・・・全然苦しくない。」

と言ったほどの気持ち良さを感じたそうです。ところが、その日に病院(定期検診)に行き出された新薬があまり合わない気がするそうです。私は医師でないので、薬に関して知識がありません。何一つアドバイスをする事はできません。しかし、患者さんが飲んでいる薬が、どのような作用を及ぼすのかを知っておく必要はあります。そこで、Aさんに薬の説明書を持って来ていただきました。友人の薬剤師に見てもらい、少しずつ勉強していこうと思います。治療が終わり、帰り支度(じたく)をしているAさんが、

「先生、お灸はしないんですですか?」

「いいや、やりますよ。」

「以前にも言いましたけど、私が40才くらいのころ、肺気腫になってお灸で治したんです。肩甲骨と肩甲骨の間の1ヶ所にお灸をしただけなんですが・・・」

「・・・肺兪(はいゆ)かな?・・・・」

どうやらAさん私にお灸をしてもらいたいようです。今回は、肺兪(はいゆ)と思(おぼ)しき個所にパイオネックス(円皮鍼)を貼って済ませたのですが、次回はお灸をしてみようと思います。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の治療に変更して1年ほど経つのですが、経穴(つぼ)の名前を口にすることが全く無くなっているのに、少し驚きました・・・・・そして、何故か、専門学校時代の経穴の教科書を開いてみたくなりました。当時は、教科書にイラストを描いてイメージで経穴(つぼ)を覚えていたのです。

今見てみたら、楽しく勉強していた様子が伺(うかが)えます。試験の間際まで描き続けていたと思います。しかし、これらの知識を捨てさって山元式新頭鍼療法(YNSA)に鞍替(くらが)えしたことに、爽快感を感じます。これでいいのだ!