あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋10

 

 

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!からの抜粋10

神経の説明を、山元敏勝先生がされています。

『YNSAは、中枢神経や脳の器官に大きくあたり働きかける

では、針の刺激は、どうやって脳に伝わるのでしょうか。

目で見たもの、耳で聞いた音、鼻で嗅いだにおい、手や足で感じたものなど、人間の体が感じた情報は、すべて脳に伝えられます。

そして、人間の体は、すべて脳からの命令で動いています。

体には、その情報や脳からの命令を運ぶ道がたくさん通っています。それが神経です。

テレビなどで手術の様子を見たことがあるかと思います。そのとき、傷つけないように注意深く白い繊維をよけているところを見たことがあるのではないでしょうか。この白い繊維が神経です。

神経は、脳のさまざまな領域から出ていって、束になって脳の付近である脳幹を通り、背骨の中へとつながっていきます。

この背骨の中の神経の束は、「脊髄(せきずい)」と呼ばれています。

脳幹を通る神経の束と脊髄はあわせて「中枢神経(ちゅうすうしんけい)」と呼ばれ、神経の中で最も重要な働きをします。

そして、この中枢神経は、背骨の隙間から、「末梢神経(まっしょうしんけい)」という細かい神経に分かれ、体中にはりめぐらされているのです。

この細かい末梢神経には、脳から直接出ているものもあります。目と情報や命令のやりとりをする「視神経(ししんけい)」、鼻と情報や命令のやり取りをする「嗅神経(きゅうしんけい)」などです。このような脳から直接出ている末梢神経は脳神経と呼ばれています。

YNSAの針の刺激も、神経をとって脳に伝わります。

YNSAの点に刺した針の刺激は、神経の中でも最も重要な中枢神経に大きく働きかけます。

また、さまざまな働きを持つ脳の器官にも作用します。あわせて内臓をコントロールする自律神経や、感覚や筋肉の働きをコントロールする脳神経などにも強く働きかけます。

原因のある部位とつながるYNSAの点から情報を受け取った脳が、「治療すべき確かな場所」に、「治療に必要な確かな命令」を送っているといえます。』

頭に針を刺すと、末梢神経から中枢神経、脳に刺激が伝わり脳がさまざま判断をくだすのだと思います。その現象を山元敏勝先生がいち早く理解され、その法則を発見されたのだと思います。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋9

科学が証明した、針の6つの効果の残り3つ

 『4)硬くなった筋肉を緩め、血液の流れをスムーズにする

針は、硬くなった筋肉をほぐし、血液の流れを良くします。

針を刺すと、筋肉の中の血管が広がり、筋肉の中に血液が多く取り込まれます。すると、血液の中にある酸素やさまざまな成分によって、痛みや緊張で硬くなっていた筋肉が緩み柔らかくなるのです。筋肉が柔らかくなることによって、さらに血液の流れが良くなる効果も生まれます。

5)体を守る免疫力を高める

針には、外敵から体を守る力を高める働きもあります。

体には、細胞やウィルスなどの敵が体内に入ってくると、それを体の外に出したり、死滅させたりする、「免疫」と言う働きがあります。

ひと言で免疫といってもその働きは実にエキサイティングで、まるでハリウッドで作られるSF映画の戦闘シーンのような戦いが、体の中で毎日繰り広げられているのです。

血液中の白血球という成分が、体に入ってきた敵と戦うことはよく知られています。その白血球が持つ免疫細胞には多くの種類があり、体を守ってくれるその細胞たちの名前も、まさに映画の登場人物のようです。

全身の組織に存在して、出会った敵を次々と食べていく大食細胞の「マクロファージ」。このマクロファージは、体に入ったウィルスやカビ、がん細胞も食べてしまいます。

そして、敵を見つけると攻撃して破壊する「ナチュラルキラー」。この細胞は、がん細胞が大きくならないうちに破壊したり、ウィルスや細胞に感染してしまった体内の細胞も破壊していきます。「マクロファージ」は敵の細胞を食べるとその敵と同じ仲間に目印をつけると言う技も持っています。司令官の役割を持つ「ヘルパーT」がその目印を見つけ部下である「キラーT」に出動命令を出して、敵を攻撃させる。体内ではこのような連携プレーまで行われています。

体の中にはまだまだたくさんの免疫細胞による働きがあり、体をつねに外敵から守っているのです。

しかし体が熱く疲れたり、ストレスを受けると、この免疫力は下がり、病気にかかりやすい状態になってしまいます。針の刺激にはこの免疫力免疫の力を高める働きがあるのです。

6)自己治癒力を高める

針は、人間がもともと持っている、病気を治す力を高めます。

人間の体には「自己治癒力」と言う働きがあります。文字の通り、人間は、自分で自分の体を治療して、治す力を持っているのです。いまお話した敵と戦って体を守る免疫も、この自己治癒力のひとつです。

体は切ったり転んだりして傷ができても、もとの状態にもどります。傷によって細胞が壊れても、細胞が再生して元の状態に戻るのです。また、風邪をひいたときでも暖かくして寝ていれば、薬などを飲まなくても治ってしまいます。

骨が折れても、周りを固定して動かないようにすることで、骨の折れた部分はつながり、元の状態に近い形に回復します。

トカゲが敵から逃げるために自分で尻尾を切っても、もとの状態にもどることはよく知られています。

実は、人間の内臓にも、そのような働きがあるのです。人間の肝臓は、切除しても元の形にも再生します。仮に肝臓全体全体の80%を切除してしまっても、数ヶ月後には元の形にもどるのです。

人間の体には、このように、かかってしまった病気や傷を自分自身で治す働きがあります。

針にはこの自己治癒力を高める働きがあるのです。

このように針が持つ効果についてお話しすると、人間の体にはいかに人間自分の体を守り、元気を保つための働きがあるのかが、おわかりいただけると思います。

針には、この人間がもともと持っている力を引き出し、強める働きがあるのです。』

このように、針には人間の持つ潜在能力を引き出してくれるのです。そして、最近つくづく思うのは治療というのは、患者さんとの共同作業であるということです。患者さんの体の声を2人で聞いて、確認することが最も大切なことだと思います。

明日は、神経について説明します。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋8

科学が証明した、針の6つの効果のうちの3つ

『では、針から刺激を受け取った脳は、体のためにどんなよいことをするのでしょうか。

その答えが、アメリカのハーバード大学の研究所を始め、世界中から報告され、明らかになっています。

わずか直径0.25ミリの針の刺激は、脳に、驚くような働きを起こさせるのです。

1)痛みを抑える働きのある物質を、脳から放出させる

針は、脳から全身に、痛みを抑える物質を放出させます。

あまり知られていませんが、人間の体は、痛み止めの薬と同じ働きをする物質を作り出すことができます。

この物質は「エンドルフィン」といい、「脳内モルヒネ」とも言われています。

モルヒネと言うのはご存知の通り、がんなどの強い痛みを止めるときに使われる物質です。

突発的な事故にあった直後など、怪我があるにもかかわらず痛みを感じなかったという話をよく聞きます。これは脳が瞬時にエンドルフィンを分泌して、激しい痛みや苦しさをから体を守っているのです。

針は脳の茎である脳幹の上の部分、視床下部などからこのエンドルフィンを放出させ、痛みを抑えることが明らかになっています。

2)痛みを脳が感じないように、情報の通り道をブロックする

針には、体から脳への情報の通り道をブロックする、つまり通せんぼをして、痛みの原因を脳に伝えないようにする働きもあります。

痛みや怪我などをした部分で起こっているように見えますが、そのメカニズムは大変におもしろく、実は、痛みは脳がつくり出しているのいるのです。

たとえば、腕を机にぶつけたとしましょう。その瞬間、「机にぶつけた!」という情報が瞬時に腕から脳に伝えられます。すると、ぶつけてしまった腕の部分が痛いと言う感覚を、脳が作り出すのです。

わざわざ痛みを作るなんて、なんてのは意地悪なのだろうと思ってしまいます。ですが、その反対です。痛みを感じることで、その部分にトラブルが起きていることや治療が必要なことを知らせたり、それ以上怪我をしないように守ってくれているのです。

尖ったものを踏んだときに「痛っ!」と飛びのくのも、この情報伝達の働きが大きく関係しています。痛みでその場を瞬時に離れさせ、体を守っているのです。

では、手や足などから遠く離れた脳へ、どのように情報が伝えられるのでしょうか。

その情報の通り道となるのが、「神経」です。神経は、白く細い繊維で、脳から体中にはりめぐらされています。

針には、怪我などをした部分と脳との間にある神経をブロックする働きがあります。情報が脳に届かなくなり、脳は痛みを作り出せなくなるのです。

また針には、神経を通して脳からトラブルの起きている部分に、ダイレクトに痛みを抑える物質を遅らせて、痛みを止める働きがあることもわかっています。

3)自律神経のバランスを保つ

針は、自律神経に直接働きかけ、体調をコントロールします。

先ほどお話ししたように自律神経は、心臓を動かす、呼吸をする、食べたものを消化する、排泄をうながすなど、自分の意思とは関係なく体を動かす働きをしています。針は、その自律神経の働きをスムーズにするのです。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つが交代勤務制で働いていることもお話ししました。この2つの働きのバランスが、体の健康にはとても重要です。

どちらか一方が、仕事はしたくないと休んでしまうと、もう一方が本来休み時間でありながら働かなければいけなくなります。また交代の時間になっても仕事をゆずらずに働き続けていると、相手の仕事内容に支障が出てきます。

このように交代勤務のバランスが崩れてくると、体調が乱れてくるのです。

針には、この交感神経と副交感神経のバランスを整え、胃、腸、膀胱など、内臓の機能を整える大切な働きがあります。』

針麻酔で2000件の手術をされた山元敏勝先生の言葉は、分かりやすく重く響きます。明日は、残りの3つの効果を紹介します。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋7

針の効果は、脳科学によって解明された!

『では、YNSAが治療の道具として使用している、「針」には、一体どのような効果があるのでしょうか。

(中略)

脳科学の分野でも、体を輪切りの状態で撮影するMRIと言う機器で、体に針をさしたとき、脳がどのようになるのかについて、さまざまな研究がされてきました。

この研究の成果として、体に針をさしたとき、脳に大きな変化のでることがわかったのです。

(中略)

脳をカリフラワーにたとえると、その白いモコモコとした部分が大脳です。大脳は脳全体の80%を占めています。

大脳の役割は、考える、感じる、言葉を話す、記憶する、創り出すなど、まさに「人間らしさ」に深く関わる働きをしています。

「小脳」と言うと、小さな「こぶ」のような形をしていて、大脳の後ろ側に左右1つずつぶら下がっています。

小脳の働きは、手足を動かしたり、体のバランスを取ったり、まさに動作や運動と深く関わる働きをしています。

では、3番目の脳幹はどこにあるのかと言うと、カリフラワーのまさに茎の部分です。

カリフラワーを縦に切ってみると、茎は外側だけでなく、中心にもしっかりあることがわかります。

脳幹もまた脳の中心にあり、まさに脳の茎といえます。

実は、体への針の刺激は、この「脳幹」に反応を起こすことがわかっているのです。脳幹は生命を維持する、まさに人間が生きるために重要な働きを行っているところです。

体の機能を整える物質「ホルモン」を分泌する、菌やウィルスなどの外敵から体を守る「免疫」の働きをコントロールする、体温や血圧を一定に保つなど、生きるために重要な働きはみな、脳の茎であるこの「脳幹」が行っているのです。

(中略)

生きるために重要な役割を持つ脳幹はいくつかの部位に分かれていて、茎の上のほうに「視床下部」と呼ばれる部位があります。

脳幹の中でもこの視床下部に、体に針を刺したときの反応が大きく出ることがわかっています。

視床下部は、内臓を働かせる自律神経と言う機関の調節調整を行っています。

(中略)

自律神経は、2つに分かれています。体の働きを活発にする「交感神経」と体を休めたり回復させる「副交感神経」です。

そしてそのどちらか一方が働いている時、もう一方は休んでいます。まるで会社での交代制勤務のようです。人間が健康でいるためには、この2つのバランスがとても重要でそのバランスをコントロールしているのが、脳の茎の上の部分である「視床下部」なのです。

体に針を刺したときの脳のMRI画像には、脳の反応がはっきりと映し出されます。

この反応は、人間が生きていくための重要な働きを持つ「脳幹」、そして脳幹の中でも、内臓を働かせ、自律神経をコントロールする「視床下部」に多く出ているのです。

このことから、針の刺激が人間の生命の維持や健康に大きく働きかけ、重要な働きを役割を果たしていることがわかります。』

このように、針の刺激がMRI画像を通して脳幹、特に視床下部に働きかけていることが、明らかになった事を理解しておいてください・・・・次回は、科学が証明した、針の6つの効果のうち3つを抜粋します。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋6

 

ブラジルではYNSA の導入で、医療費が11%削減!

『YNSAの世界への普及においては、こんなこともありました。

ある日、ブラジルから私に国際電話がかかってきました。政府の方からの電話で、ブラジルのサンパウロに新しく建てた病院に私の名前をつけると言うのです。「なんで私の名前を?」と一瞬訳がわからなかったのですが、よく話を聞くと、ブラジルにYNSA専門の病院を建設し、その病院にYAMAMOTO CLINIC(ヤマモトクリニック)と私の名前をつけると言う話だったのです。大変光栄な事でしたが、何より私が嬉しかったのは、この病院は治療費を払えない貧しい人たちのために、無料で治療を行う病院にすると言うことでした。

ブラジルは現在、世界で最もYNSAを盛んに行っている国の1つといえます。YNSAの治療を医師が行う場合には、患者さんは保険診療として受診することができます。

ブラジルにYNSAが国の医療として普及し、サンパウロにYAMAMOTO CLINIC(ヤマモトクリニック)が建つまでになったのは、こんな出来事がきっかけでした。

2003年、当時の大統領が大統領選挙に初当選した際、大きな障害に見舞われたのです。

選挙運動で多くの国民と握手をし、また手を振り続けることによって肩に強い痛みが起き、腕が上がらず、どの病院に行っても手術しか回復の方法はないと言われる状況だったのだそうです。

そんな時、2名のブラジル人の医師が、大統領の治療をすることになりました。この2名の医師は、以前私が宮崎で行った国際医学学会に、ブラジルからYNSAを学びに来ていた医師でした。

大統領就任直後に入院や手術となっては業務に支障が出ます。手術をせずに治せる方法がないかと大統領が探す中、このYNSAを学んでいた2名の医師が指名され、またたく間に大統領のその障害を取り除いてしまったのです。

大統領はYNSAの治療効果を高く評価し、ブラジルの国の医療として認めました。そして、このYNSAをブラジルの医療として取り入れると言う大統領の決断が、ブラジルの医療に大きな影響をもたらしました。YNSA の普及によって手術や薬の処方の必要が減り医療費がなんと11%も削減されたそうです。このことから、私はブラジル政府から表彰を受けました。

このような背景から、YNSA専門の病院も建設され、ここでは貧しい人たちのために国が費用を負担し、治療を行ってくれています。

私はこの当時から毎年のようにブラジル政府や医師会から招待され、講演、実技を続けてきました。そしてそれは現在も続いています。』

ブラジルの大統領の英断が素晴らしい❣️

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋5

海外のYNSA 

『あらゆる痛みから麻痺まで改善するYNSA の高い治療効果は、世界の多くの国々で認められてきました。現在では、医療大国であるドイツ、そしてブラジルを始め、14カ国以上もの国の医療に取り入れられています。

そして、国によって基準などは異なりますが、医療に保険の制度を取り入れている国々では、その多くで、YNSAは保険診療の対象として認められています。

つまり、世界の多くの国で、YNSAの治療を保険診療で受けることができるのです。患者さんにとって、これは本当に喜ばしいことです。

日本では、2007年より私がYNSA の指導を定期的に始め、ここで学んだ全国の医師、鍼灸師の先生方が、ご自分の医療にYNSAを取り入れるようになってきました。しかしながら、大変残念なことに、世界の国々に比べると、日本ではまだまだ知られていません。

その理由は、YNSAが日本ではまだ、正式な保険診療の対象に認められていないことにあるでしょう。具合が悪くなって病院に行ったとき、日本の病院で行われる治療は、一般に西洋医学が中心です。

まず行われる血液検査やレントゲン検査、薬での治療、悪いところを切って切り取り除いてしまう手術、これらはみんな西洋医学です。そして、日本の医療の世界はどちらかと言うととても保守的で新しいものを取り入れることにはとても消極的です。

YNSAの大きな効果を目の当たりにしても、「暗示のような作用が働いたのだろう」と、治療の効果を認めようとしない人が、日本の行政や医療の世界に多いことも否めません。

YNSAは、西洋医学に東洋医学の針を取り入れた全く新しい治療法ですが、日本では、針治療そのものに対する偏見も多く、受け入れられにくいようにも感じます。

また、中国式の針治療は古くから伝わり、現在ではいくつもの流派に分かれています。それぞれに考え方も違うため、針を使った治療そのものが1つの医療として認められにくいのです。

ではなぜ、世界の多くの国々で、YNSAが医療に取り入れられているのか。それは、海外の国々には、西洋医学ではなくても治療効果が高いと認められた治療法は、積極的にどんどん医療の中に取り入れていく体質があるのです。

医療大国であるドイツ、アメリカを始め、海外の国々では、ちょっと難しい言葉ですが、「補完代替医療(ほかんだいたいいりょう)」の研究が盛んに行われています。「補完代替医療」と言うのは、西洋医学とは異なる考え方や治療法を持つ医療のことです。

多くの国は、医学の種類に関係なく、効果が高いと認められた治療法には国として研究の予算を取ります。そして医学的にその効果が証明されると、医療の中にどんどん取り入れていくのです。

YNSAは、私が1973年に発表した直後から、効果の高い治療法として世界の国々で大変に注目され、大きな反響を呼んできました。各国に招かれひとたび講演を行えば、500名、600名、時には1000名、と会場には入りきれない多くの医師や医学生であふれました。若い医師たちは皆生き生きとした顔で私の話に聞き入り、目の前で行った治療の実技指導では、誰もが素直に驚きを表しました。

もちろん即座にすべての人に受け入れられるたわけではなく、たくさんの聴衆の中には、YNSAの効果について述べている時、何を馬鹿なことを言っているんだそんな顔をしている人も数名見られました。しかし、実技で、腰に痛みがあって歩けない人がすぐに歩けるようになったり、パーキンソン病の症状の手足の震えがその場で収まる光景を目の前にすると、その顔はみるみる変わっていきました。

そして、その後も次々とYNSAに関心を寄せた世界各国の医師、鍼灸師の人たちが積極的にYNSAを学び、医療に取り入れていったのです。私はそのヨーロッパをはじめとする海外の国の状況を見て、針を取り入れたこの新しいYNSAと言う治療法に、たけのこがすくすく伸びていくような勢いを感じました。

現在ではドイツ、ブラジルを中心に、アメリカ、オーストラリア、イタリア、スペイン、オーストリア、スイス、ハンガリー、ルーマニア、フランス、ポーランド、イスラエル、ギリシャを始めとする多くの国々の医療に取り入れられています。

そして大変に喜ばしいことに、医療保険制度のある国では、その多くで、保険診療の対象医療として、認められているのです。

いま、世界では数十万人の医師が、YNSAの治療を行っています。』

海外では、45年前からYNSAが普及、研究されているのに対して、本家本元の日本では、まだ13年の歴史しかないのです。私にいたってはまだ1年、これからです❣️

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!からの抜粋4

科学的証明

『 1973年に大阪で行われた学会で、はじめてこのYNSAを発表しました。

そして、その翌年の1974年に、スリランカやハンガリーの学会で発表をしたことをきっかけに、世界の多くの国々に呼ばれるようになりました。多くの大学や研究所でYNSAの講義と実技を行うと、大きな反響を呼び、多くの国々の医療に取り入れられていきました。

海外で講義を始めた頃、私が行ったおもしろい実験があります。

当時は針と言えば中国の鍼治療しか知られてなくて、またその針の効果も科学的には解明されていない時代です。YNSAに大変興味関心を持つ多くの医師たちによって盛り上がる中、「本当に効果があるのではなくて、自己暗示による精神的な作用ではないのか」そんなうわさをしている人が数人いることを、ドイツの医者仲間から聞いたのです。

とらえ方は人によってさまざま、関心をもって受け入れる人もいれば、否定的な人がいるのはどんな世界においても言えることです。

それは当然のことと思いながらも、私は、本当に効くんだということを証明する方法はないものか」と、ずっと考えていました。そして、あるおもしろい実験を思いつきました。「生命を持っているが精神的な作用が影響しないもの・・・そうだ、植物だ。野菜に針をさしてみよう私はキャベツに針をさし、育ててみることにしたのです。

宮崎の自宅の庭に4つのキャベツの苗を植え、毎朝病院に、そのうちの2つのキャベツの茎に針を刺す、と言うことを行いました。24時間さして、24時間抜くのです。するとこの実験は、とても驚くような結果をもたらしました。針をささない2つのキャベツは、直径15センチほどの大きさにしかなりませんでしたが、針を刺した2つのキャベツは、30センチ以上の巨大なキャベツに成長したのです。

人間の構造とは異なるとは言え、針の効果は精神的なものによって起こるものではないことを、キャベツが見せてくれました。

しかし、この結果はしばらく封印していました。「こんなことを発表したら、山元はとうとうおかしくなってしまったと思われる」と妻に言われ、黙っていたのです。

ですが、世界の多くの医師たちの研究によって、YNSAの効果が科学的に証明されてきた頃、このキャベツの実験の話をしてみたところ、ものすごく反響がありました。』

農家の方、針野菜🥬なんておもしろいかも・・・

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋3

山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者山元敏勝先生が、YNSAを見つけるきっかけが描かれています。

『ちょうどその頃、中国の頭鍼療法に関する発表がありました。中国式の考えにもとづいた頭部の領域に針を刺す治療法で、麻痺などに効果をもたらすというものでした。私はこの新しい治療法に大変関心を持ち、その方法を学び、治療に取り入れました。しかし、私の中では期待するほどの効果を得られないでいました。

ちょうどその頃です。1章でお話しした、とても敏感な感覚をお持ちの患者さんが、私のもとにみえたのです。脳梗塞による半身麻痺で、左手と左足には感覚がなく、全く動かすこともできません。この患者さんに、中国の頭鍼療法で効果をもたらそうと、必死に頭部にそのツボとなる場所を探していたときです。髪の生え際あたりにふれると、患者さんが麻痺が起こっている左手に何かを感じると言い、そしてわずかに動くということが起こったのです。この偶然をきっかけに、私は、特に体や内臓、脳の部位一つ一つとつながる点を発見しYNSAと言う治療法を確立していったのです。

このつらい痛みがその場でぴたっとおさまるYNSAの治療はたちまち評判となり、病院は体のあちこちに痛みを抱える多くの患者さん達であふれかえりました。当時は病院の隣に消防署があったのですが、病院だけではトイレも足りず、患者さんたちはみな消防署にトイレを借りに行っていたほどです。

私自身も休憩はもちろん、食事をとることさえ難しく、しかし自分が倒れてしまっては治療ができません。いよいよとなった時には病院の裏に車を回し、食事のためにほんのわずかな時間、芸能人さながらに抜け出したこともありました。

私は、地元の皆さんの痛みやつらい症状を救いたい、そういう思いでドイツから戻り、この日南に病院を開きました。ですから皆さんが辛い症状から解放され喜ぶ姿を見る事は、何より嬉しい事でした。そのため私は日曜も祝日も休まずに診療を行い、夜中に具合の悪い方が来られても決して断ることをしませんでしした。

病院には農作業で痛みを抱える人々ばかりでなく、神経痛の痛みを持つ人、リウマチの痛みを持つ人、捻挫をした人、骨折をした人、パーキンソン病の人、麻痺のある人、ありとあらゆる症状を抱える人たちがみえるようになりました。「明日試験があるのに頭が痛くて勉強ができない。先生助けて」そんな中学生までいました。

1日に病院に来られた方はほぼ200人、特に300人を超えることもありました。そのような日が1ヵ月、1年、何十年と続きました。今日まで計算をしても、150万人を超えます。

中にはさまざまな理由から治療の継続が難しく、期待する目標まで効果が届かなかった患者さんもおられますが、このように多くの数の患者さんの痛みやつらい症状、そして麻痺を改善できた事は本当に嬉しいことです。』

150万人の患者さんを治療し、その患者さんのカラダの声を聞き続ける山元敏勝先生の姿勢が、治療家のお手本です。このことを、肝に銘じます。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋2

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!の抜粋2

山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者山元敏勝先生は、1958年アメリカコロンビア大学聖ルカ病院(ニューヨーク)で、すさまじい勢いで場面が展開するアメリカの救命救急医療をテーマにしたドラマのような毎日を過ごされ、1960年ケルン大学病院では、産婦人科の医師として働かれました。

そして1966年に、宮崎県日南で、現在の山元病院の前身である山元医院を開設されました。その頃の出来事を、山元敏勝先生の著書の中から抜粋します。

『毎日、患者さんの治療を行っていたある日、現在のYNSAが誕生する忘れられない出来事が起こりました。

ひとつの偶然が、現在YNSAで道具として使用している、「針」との出会いをもたらしたのです。

神経ブロックで使用する薬には副作用が伴います。そのため、私はいつも過剰な投与を避けることを心がけ、滅菌水に薬を加え、効果は保ちつつ副作用を極力抑える濃度に下げて使用していました。痛みがおさまっても、副作用に苦しむのでは意味がないからです。

しかし、ある日、ご年配の女性の神経ブロックを行おうとした時、滅菌水に薬を添加するのを忘れてしまったのです。滅菌水のみの注射は体に害は与えませんが、大きな痛みを伴います。

この患者さんは注射をした場所に激しい痛みを訴えました。すると不思議なことに、この痛みは、同時に、注射を行った場所以外にも現れたのです。

そして、さらに驚くことが起きました。この注射によって起こった激しい痛みはごく短時間でおさまりましたが、それとともに、もともと治療を望んでいた部位の痛みもすぐに消えてしまったのです。患者さんは抱えていた痛みから解放され、とてもうれしそうに笑っておられました。

この時私は、この現象が、中国式針治療のツボと、ツボが並ぶ道筋である「経絡」に関係があるのではないかと考えました。そして、私はこの時から、針について真剣に研究をし始めたのです。毎日夢中で取り組みました。

これが、その後YNSAで、治療の道具として使用することとなる、「針」との大きな出会いになったのです。

(中略)

私の病院では、ドイツでの医療経験も生かし、産婦人科の診療も行っていました。私は、ここでも陣痛や分娩の際の痛みで苦しむ、妊産婦の姿をたくさん見てきました。出産のときの痛みは女性にとって大切なものととらえる考え方もありますが

「痛い!」「痛い!」と叫ばれる姿は私にはとてもつらく見え、私はかねてより出産をなんとか無痛分娩にできないものかと思っていました。

そこで、1968年に無痛分娩を成功させたのです。

医大を卒業後、アメリカで学んだ麻酔学が針と出会うことによって生まれた成果に、私自身とても驚くこととなりました。

その後、この無痛分娩の回数を増やすとともに、一般的な外科手術にも針麻酔を導入していきました。

西洋医学の麻酔は大きな副作用をともないます。これに対し針麻酔は、副作用が一切ありません。そして術後の回復がとても早いのです。盲腸と言われる虫垂炎の手術では、一般的な麻酔を使用すると手術後ガスが出るまで、水分をとることもできません。しかし、針麻酔での手術では手術中に水を飲むことをもでき、手術後すぐにものを食べることもできます。

小さい子どもも、「手術が終わったらすぐにアイスクリームも食べられるよ」と言うと、手術を怖がりませんでした。

また、一般の外科手術でも、産婦人科での帝王切開手術でも、この針麻酔を使用することで手術後、患者さんは麻酔の副作用に苦しむこともなく、歩いて病室に戻ることもできました。私はこの針麻酔によって2000例以上の手術に成功をおさめました。』

宮崎でのセミナーで、針麻酔の映像を見ましたが、それは強烈なものでした。

意識がしっかりある患者さんの膝を、山元先生がノコギリで切り落としたり、切開手術時、勢いよく飛び起き、切開した自分のお腹を見ようとする患者さんを、2人の看護師さんが必死で押さえつける場面等。

山元敏勝先生の挑戦は、今なお続いています。

 

 

 

 

 

 

 

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋1

山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者・山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も必ず治る!」という本を改めて読み直し、これは紹介すべきだと思いました。そこで、この本を抜粋して何回にも渡って山元式新頭鍼療法をご紹介しようと思います。

「はじめに」からの抜粋

私は、生まれたときから、痛みを抱える人たちに囲まれて育ちました。

宮崎県の日南(にちなん)に生まれ、自分の家もまわりの農家。親や周囲の人々が日々忙しく田畑の仕事に追われ、腰、そして手足などに痛みを抱えながら働く姿を見て育ったのです。

(中略)

東京の医大を卒業した後、さらに医学を研究したい思いからアメリカに渡りました。

その後10年間、ニューヨークのコロンビア大学聖ルカ病院やドイツのケルン大学病院などで医師を務め、そこで学んだ多くを抱え、生まれ故郷である宮崎日南にもどり、1966年、山元医院(現在の山元病院)を開院しました。

(中略)

私はこのYNSAで、今日までの約50年間に、首や肩、腰、手足などの痛み、関節痛、神経痛などのあらゆる痛みとりのぞいてきました。また、原因不明のめまい、激しい耳鳴りなど、さまざまな体の不調を改善してきました。

そして、それだけにとどまらず、リウマチで硬直していた手が開く、パーキンソン病による手足の震えが止まる、また、脳出血や脳梗塞の後遺症による麻痺で動かなかった体が動くようになるといった、私自身でも時に驚くような効果を生んできたのです。私がこれまでに治療させていただいた患者さんの数は、自分でも驚くような数ですが、のべ150万人にものぼります。

私は、痛みや麻痺、難病に苦しんでおられる、さらに多くの方々への治療に生かしてもらうために、1973年に大阪で行われた学会で、このYNSAを発表しました。その後海外でも発表を行うと、このYNSAの高い治療効果に、大変多くの医師の方々が関心を寄せてくれました。そしてYNSAは、多くの国々に普及していきました。

現在では、医療大国であるドイツ、またブラジルを中心に、アメリカ、オーストラリア、イタリア、スペイン、オーストリア、スイス、ハンガリー、ルーマニア、フランス、ポーランド、イスラエル、ギリシャなど、多くの国々の医療に取り入れられています。そして医療に保険の制度を取り入れている国では、その多くで、YNSAは保険治療の対象として認められています。患者さんは保険でYNSAの治療を受けることができるのです。ブラジルでは政府によってYNSA専門の病院が作られ、ハンガリーのブタベスト大学には、大学付属のYNSAの研究所があります。私の考案したYNSAは、世界中で大きな効果を発揮する治療法となりました。

                                     (中略)

しかし、とても残念なことに、日本の医療の世界は新しいものに対してとても消極的で、海外の国々とは考え方がまったく違うのです。高い医療の効果を目の当たりにしても、なかなか新しい治療法を取り入れようとはしません。私が2007年より行っているYNSA セミナーには、医療に携わる多くの方々が参加され、ご自分の治療にYNSAを取り入れられる方々が増えてきました。しかし、それでも、世界の国々に比べると、YNSAは日本ではまだまだ知られていません。

(中略)

この本では、YNSAでどのような症状が改善するのか、また、どのような方法で治療を行い、そしてなぜこのような効果が生まれるのかを、わかりやすくお伝えしたいと思います。

そのため、これまで出版した学術書に盛り込んできた細かい研究データや学術論文的な内容にはあえて触れず、とにかくわかりやすいことを心がけて1冊の本にしました。

この本がつらい痛みや症状で悩む多くの皆様やご家族の方が一歩前に踏み出す、そして、明るい笑顔を取り戻すきっかけとなってくれることを思ってくれると大変嬉しく思います。

山元敏勝

これで、海外では認められ随分普及している状況と、閉鎖的な日本の状況がお分かりになったと思います。