操体法とYNSA

鍼より操体法の方があっているという70才代の男性患者Cさんの続報です。Cさんは、20年ほど前に1mの段差のところで転んで以来、両膝痛に悩み、8ヶ月前から毎週来院されています。現在は、農業に従事され、かなり無理をして働いても大丈夫になってきました(最も、最近の猛暑では、無理をしていません)。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左側から治療します)

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:腰椎、大脳、小脳

右:脳幹、大脳、小脳

首診

左:膀胱、肝、胆、心、小脳

右:肝、胆、心

上記に圧痛点があります。

奥のベッドで仰向けになってもらい、両膝を立ててもらいます。膝内側の圧痛点は右膝の方が強いので、右側から操法を始めます。ただ、あきらかに両脚のフクラハギとフトモモ内側に、硬い張りがあります。

Cさんには、右足つま先をゆっくりスネにを上げる動作をしてもらいます。実際には、私が左手で足の甲を軽く押さえているので、Cさんのつま先は動きません。ゆっくりカラダが連動して微(かす)かな動きをします。ポイントは、気持ちの良さ。気持ち良さを感じたら、それをゆっくり味わうことが治療となります。痛みを感じたらやめます。そのため、非常に安全な治療法です。

その後、足底を気持ち良く伸ばしたり、膝内側に気持ち良く圧をかけたり、同側の前腕を気持ち良く伸ばしたり・・・・

両膝の周辺は柔らかくなりました。ただ、左フクラハギに1ヶ所圧痛点が残っています。そこで、圧痛点に対応する左前腕の圧痛点を見つけ、軽く指先を触れるだけの操法。

「軽く触れていますから、何かカラダの方で変化があったら教えてください・・・・眠くなったら、眠っていただいて結構です。」

しばらく経って、

「・・・左の肩に痛みが出てきたんですが・・・・」

「・・・・そうしたら、そこを意識して・・・そこに息を吹きかけるようにしてみてください・・・・Cさん、過去に左肩をケガしたこと、ありますか?」

「・・・・・7~8年前、肋骨を折ったんですけど、その時、左肩を打ったんです。」

「この操法をしていると、カラダが過去のケガを覚えていて、痛みを出して治ることが、結構多いです。」

などと話しているうちに、左肩の痛みは消えました。次に、首診で一番痛かった心(心臓)診断点を押圧し、痛みを確認。左側頭部の心(心臓)治療点を見つけ、指を軽く触れます。

「・・・・・カラダがゆるんで行くのが、分かります・・・・ものすごく気持ちいいです・・・」

Cさんは、その後30分ゆっくり休んで(眠って?)いただきました。そして、上腕診、首診をすると、全ての圧痛点がなくなり、ゆるんでいました。

Cさんには、操体法があっているようで、肩に痛みを感じると、ご自身の指をオデコに軽く当てて治しているそうです❣️