半年前から、膝に痛みを感じていた70才代の女性患者Aさん。痛い膝をかばおうとすると、反対の膝が痛くなり、それをかばおうとすると、また反対の膝も悪くなっていく・・・・・そしてついに、両膝が動かなくなり車イスでこられたのに、4回目の治療日も、3回目と同じく、ご自身が軽トラを運転して1人で来られました。
「先生、咳(せき)したり、くしゃみをすると、フトモモから膝にかけて電気が走る・・・両脚とも!・・・そして、夕方の水やり、1時間もすると、だらし痛なって、もうええ・・・と思う。」
「ふ~ん、誰でも1時間も水やりしよったら、しんどならい(疲れるでしょう)・・・この暑い時に。」
「先生、家の中を歩きよる時は、杖をつきよるんじゃけど・・・こけたらいかんけん。ここじゃったら、杖使わんでええ。」
Aさん、順調に回復しています。いつものように合谷診(人差し指と親指の間の触診)をしますが、左右ともに痛みはありません。こうゆう時は、左右どちらから治療してもいいと思います。
上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)
右:腰椎(1)
右肘の内側に圧痛点があり、右耳の前側にある圧痛点(治療点)にゆっくりと置鍼。これで、右肘の内側の圧痛点がなくなりました。これで、自律神経が整ったことになります。
首診
右:腎(0)、膀胱(1)、胆(0)、心(0)、三焦(消化器)(0)、脾(脾臓)(1)、小腸(0)
首の圧痛点で一番痛いのが、膀胱でした。膀胱の治療点はコメカミにあり、そこへゆっくりと置鍼。すると、首全体がゆるみました。もう少し丁寧に診ていくと脾診断点に圧痛点があり、側頭部にある脾治療点にゆっくり置鍼をし、終了。
「これで、立ち上がってゆっくり歩いてみてください。」
「・・・・立ち上がるんに、余計なことせんでええなった。スーッと立てる・・・歩くと、まだ右膝のウラが痛い。」
「そしたら、これから膝をねらって治療しましょう。」
と右側頭部にあるG点という治療点に3本、Iソマトトープ(小さな人型の投影)に1本置鍼。
「先生、楽に歩ける・・・・・けど、まだ膝のウラに痛みがあらい。」
「・・・う~ん、そしたら、右足出してください・・・・ここらあたりで、痛いとこあります?」
「痛っっっった!」
「そしたら、ここ(外くるぶしの圧痛点)にパイオネックスというちっちゃな鍼を刺しますね・・・これで、どうですか?」
「・・・・・・あれ?どしたん?痛ない・・・・先生、どして?」
「・・・そうゆうふうに、なっとるんよ・・・_」
「へ~え、カラダって面白いね。」
ということで、Aさんには3日後の予約をして、治療を継続していくことにしました。最後にパイオネックスを貼ったところがマレリウスという外果治療点です。頭の対極にある足首は、治療点の宝庫だと思います。まだまだこれから凄い治療点が見つかるような気がします。