2ヶ月前から週1回の通院をされている70才代の男性患者Bさん。立ち上がるとお尻から太ももの内側にかけて痛みが走ります。お灸や操体法を日常的にされるようになり、徐々に痛む個所が狭まってきています。今までデルマトームを意識しないで治療していたことを恥ています。というのは、デルマトームを念頭に置いて行った今日の治療で、効果が出たからです。問診をよく調べてみると、風呂場で尾骨を打ったことがあったのです。これがどうやら影響していたようです。もう少し問診を見直す必要があります。
Bさんは、特に右側のお尻から太ももにかけて痛みがあります。S2~3のデルマトームに当たる個所となります。そこで、耳の上部付け根から頬骨弓(きょうこつきゅう)にかけ腰椎仙骨の治療点が並んでいます。その中で仙骨治療点が狙いになります。最大圧痛点に置鍼していくと、ものすごい硬さを感じたので、
『これは、雀啄(じゃくたく=鍼を上下する方法)でいくしかない!』
と2~3分行います。
「これで、お尻はどうですか?」
「・・・・軽なった・・・まだチョット芯がある感じじゃけど、ようなっとる。」
そこで、左のS2~3のデルマトームを狙って左耳前の圧痛点に置鍼すると、右ほどの硬さはなく、スムーズに置鍼できました。
「今度は、どうですか?」
「・・・・・軽い、左は痛みがなくなった。後は、右だけ。」
「そしたら、後はお灸をして終わりましょうか?」
右足にお灸を5壮して終了となりました。