なぜ鍼灸師になった?

友人から、いつ頃治療の世界に興味を持ったのか?

と、質問があったので、私の治療人生を振り返ってみることにしました。

私が、小学3~6年生のころ、夕方になるとお腹が痛くなる「神経性胃炎」を起こしていました。下痢にも悩まされていました。そんな時、父親の指圧が最高の治療だったのです。この指圧をカラダが心地よく受け入れ、緩んでいくのが分かりました。そのため、父親にもしょっちゅう指圧をしては、「ひろむ、お前は指圧がうまいのう!」と言ってもらっていました。

この言葉が、私の人生に大きく影響を与えたと思います。「絵を描くことと、指圧」では人に負けない!という自負があったようです。

また、「神経性胃炎」を自分で治す方法を医者から教えてもらい、それを続けるようになります・・・24才まで。「甘いものを食べたら、いかんよ」・・・・これが、子供の頃から医者に教わった方法です。小学校高学年あるいは中学校時代から甘いものを一切取らない生活を続けました。おかげで、「神経性胃炎」は、完治したのです。

こんな子供だったので、20才になると静岡県三島市にある沖ヨガ道場という世界的にも有名な断食道場にも通ったりしたのです。美術を専攻していたので、「美術手帖」という雑誌と、当時流行っていた「宝島」という雑誌を愛読。「宝島」は健康、気功、東洋医学などを紹介していたため、徐々に現在の仕事である鍼灸師への道へとつながっていったのだと思います。

私が20年ほど活動した「積み木」。これは、「美術手帖」と「宝島」から生まれた産物と、今になっては思います。

今後は、クリエイティブな鍼灸師として活動を繰り広げるつもりです。

お灸パワー

1ヶ月とチョット前に来院された女性患者Aさん。2ヶ月ほど前から、逆子になっているそうです。出産日が今月で、逆子が元に戻らなければ帝王切開をすることになるそうです。その間、3回通院されました。私は、鍼灸師になる前から逆子の妊婦さんをお灸で何度も治していましたが、今回のAさんは、来院された時期が遅かったようです。結局、逆子は戻りませんでした。

しかし、初診以降、おへその周りの圧痛点にお灸をすることと、三陰交というツボにお灸をすることは、続けるように伝えました。

①おへその周り→首が座った元気で優秀な子供ができる。

②三陰交→逆子対策

②は残念でしたが、①はわずか1ヶ月だけのお灸でしっかりと首が座っているそうです。赤ちゃんが、左右に平気で首を回しているそうです。元気で優秀な子になることでしょう!

おへその周りにお灸をすれば、妊婦さんのお腹の血流が良くなり、必然的に赤ちゃんの血流も良くなって元気で首が座った子になるのです。お灸の力は偉大です!

中指がセンサー

 

最近、やっと中指の指先がとんでもないセンサーだと分かりました。山元式新頭鍼療法(YNSA)の治療点を頭に探すことは、デッサンが一番と思っていたのです。私は、美術家としてある程度活動をしていたので、一般の方よりも、一応デッサン力あります。そこを、頼りに治療をしていたのです、今までは。

ところが、指先でソフトに触れることの情報の凄さにやっと気づきました。これからです、私の治療は・・・・・今日は、これまで。

レモン風呂

「石原医学大全」で、「入浴」簡単入浴剤で体熱上昇という章があります。その一節、

『冬になると、どの家庭でも「ミカン」を常備するだろう。そのみかんの皮を布袋に入れて、お湯に浮かせば香り豊かな「ミカン風呂」を楽しめる。数日干したのミカンの皮(陳皮)をそのままお湯に浮かせても良い。ミカンの皮に含まれる精油成分でリラックス効果が高まる。

生姜を一かけらすりおろして布袋に入れて湯船に入れる「生姜風呂」は生姜の温める力の凄さを入浴後の流れる汗で実感できる。

一番手軽なのは「塩風呂」だ。粗塩を片手で1つかみ、湯船に入れてよくかき混ぜてしっかり溶かす。入浴後も汗が止まらないほど強力な温め効果がある。ただし、皮膚がベタベタするので、風呂上がりにはシャワーをひと浴びして出るとよい。「生姜風呂」「塩風呂」は、温める効果が強く、凝り、痛み、むくみ、風邪の予防、改善に役立つ。』

とありますが、私は朝風呂にレモンの輪切りを一個分いれたのですが、風呂上がりにカラダがポカポカするのには、驚きました。明日は、これに塩を追加してみようと思います。

ちなみに、「石原医学大全」では、レモン風呂の効果は、美肌作り、ストレス、不眠となっています。

ヨモギ

患者さんから、新鮮なヨモギをいただきました。ありがたいことです、このヨモギをカラカラに乾燥して、ミキサーにかける事1~2分。そして出来たモグサもどきを、フルイにかけて抹茶のようになった「もどき」を取ると、モグサになるのです。この「もどき」は、ご飯にかけて食べても美味しいので、ヨモギは捨てるところがありません。

ヨモギ以外にこの時期は、山菜のシーズン。京都の山奥・美山町に住んでいたころは、フキノトウ、ワサビが家の前に流れる小川で取れ、日当たりの良くない裏庭はワラビ畑。玄関を出ると、ウドが新芽を出し、日当たりのいい山道でタラノメを取っていました。

川を超えた福井県に行く山道では、コシアブラが新芽を出していました。このコシアブラの天ぷらは、天下一品!

実家の方でもあるのかな~・・・・・

逆流性食道炎再び

以前、空腹時に吐き気がするといった患者さんがいる事を、ご紹介し、「逆流性食道炎」の可能性があると述べました。それを「石原医学大全」ではどのように捉えて、対処しているのか調べてみます。

『胸焼け・逆流性食道炎

(原因)

強酸性の胃液がアルカリ性の食道粘膜に逆流してくることで起こる。肉、卵、バターなどの欧米食、白米、白砂糖などの精白食、添加物過多の食事をよく噛まないで食べることにより、胃液が大量に分泌されることがきっかけになる。水分の摂りすぎも胃液の量を増やすので原因となる。

(対処)

①約10グラムの昆布を網で焼き、1日3回に分けて食べる。昆布はアルカリ性、胃酸を中和する作用がある。

②生姜湯、梅醤番茶を1日2~3回飲む。

③熱い番茶にゴマ塩を一つまみ加えて飲む。

④熱い風呂に短時間入って、皮膚の血管を急速に拡張させる。血液が体表に集まって胃粘膜への血行が悪くなるので、胃液の分泌が抑えられる。

⑤次の生ジュースを噛むようにゆっくり飲む。

*人参2本(400g)、リンゴ2/3個(200g)、大根(約100g)「480cc=コップ2杯半」

大根は消化酵素が豊富で胸焼けを抑える作用がある。』

薬を使わなくて手軽に出来そうですね。

臀圧再び

1週間前から腕全体を横に上げると、肩中央部(三角筋中部繊維)に痛みが出る60才代の男性患者Aさん。ボールを投げる動きの時には、痛みが無いそうです。

投げる時に使う腕や肩周りの筋肉は、大胸筋や、大円筋、前鋸筋、広背筋などの肩回りの筋肉。上腕三頭筋などの上肢の筋。屈曲回内筋群(特に尺側手根屈筋尺骨頭、円回内筋)の前腕の筋肉となります。

肩中央部(三角筋中部繊維)は投げる時には、あまり関係が無いので痛みがない訳です。となると、話は簡単です。肩中央部の三角筋中央部繊維を狙えばいいわけです。膝診で3本置鍼して、自律神経を整えたあと、頭頂部付近JKソマトトープとC点の3本で肩中央部を狙い置鍼。

「どうですか?」

「・・・・あっ、いい、調子いい。」

「じゃあ、これでいいんだけど・・・着替えていただいたので、奥のベッドでうつ伏せになってもらいましょう・・・お尻に鍼を刺しますね。」

最近の治療法として、「肩痛は、腰の主要穴で取り、腰痛は、肩甲骨の主要穴で取る」を実践しています。今回のAさんは、臀圧(でんあつ)、環跳(かんちょう)、居髎(きょりょう)に置鍼。

「一番最初の鍼(臀圧)が、一番効いたね。」

「やっぱり、そうですか・・・・あれは、効くんですよね。」

などと話ながら、後はゆっくり休んでいただきました。やはり、臀圧の威力は抜群なようです。

空腹時吐き気

最近、朝食を抜いて1日2食~1食を患者さんに勧めることが、多く成果も出ているのですが、「空腹を感じると、吐き気がする」という患者さんがおられました。そこで、大阪の「にしやま消化器内科」のホームページからの引用をしてみます。

ある患者さんが、空腹を感じると吐き気がするという質問をすると、「逆流性食道炎」の可能性があるとの診断をされていました。そして、「逆流性食道炎」の説明が、下記の引用です。

『これまであまり日本人には見られなかった逆流性食道炎が近年増加傾向にあります。その大きな要因は、食事の内容が欧米化したこと、高脂肪食メニューが広がったことだと言われています。

本来胃酸に触れることがない食道は、強い酸性を示す胃酸に対してバリア機能を持っていません。そこにさまざまな原因によって胃酸の逆流が繰り返されることで、ただれや潰瘍が生じ、胸やけなどの症状を引き起こします。

なお、胃酸の食道への逆流、胸やけなどの症状があるものの、びらんや潰瘍が生じていないものは、「非びらん性胃食道逆流症」と言います。

逆流性食道炎が起こる原因は、胃酸が増え過ぎたり、胃酸の逆流を防ぐ機能が正しく働かないことにあります。

以下のリスク要因が重なると、逆流性食道炎が起こりやすくなります。

ストレス

食べ過ぎ、早食い

過度のアルコール摂取

喫煙

肥満による胃の圧迫

猫背、加齢による背中の丸まり

胃を手術したことによる胆汁の逆流

食道裂孔ヘルニア(胃が一部食道の下部に飛び出す)』

次回、空腹時吐き気のある患者さんに、様子を尋ねてみようと思います。

根拠のない確信

 

二日前にギックリ腰の一歩手前で来られた60才代の男性患者Bさん。本日も来院されました。4日後の日曜日には、ゴルフ大会が控えているため、体調を万全にしておく必要があります。前回の治療では、「ギックリ腰の一歩手前」プラス「3ヶ月前から五十肩」もありチョット中途半端な治療になったかもしれません。

「腰は翌日からまた痛みが出てきたんよ。」

「それで、肩の方はどうなん?」

「肩は良うなった!」

「よっしゃ分かった。そしたら、上着を脱いで患者着に着替えてもらおうわい。」

と、今回は腰痛だけに絞って治療することにしました。左右の膝診で7本置鍼し、後頭部のKソマトトープに4本置鍼後、奥のベッドに移動してもらいました。そこでは、うつ伏せになってもらい、肩甲骨辺りのツボ(天宗、臑兪、秉風、天髎)に左右4本ずつの合計8本置鍼。その後、足にみつけた腰の治療点にお灸を左右に12壮して、尚かつ、肩甲骨周辺にパイオネックス(円皮鍼)を8ヶ貼り終了としました。

「どうですか?」

「軽い!」

今回は腰痛が戻らないという、根拠のない確信を感じたのでした。

臀圧の威力

 

 

50才代の女性患者Cさん。肩甲骨あたりが、いつも痛みがあり気になります。そこで治療の前に、あることをやってもらいました。

「Cさん、そしたら硬式ボールをお尻に当てて、その痛みを取ってみましょうか?」

と畳部屋でうつ伏せになっていただき、臀圧(でんあつ)というツボに私が親指で押圧。

「Cさん、腰の横にある出っ張り(大転子といいます)と、お尻の上の方の出っ張り(上後腸骨棘といいます)のちょうど真ん中を押しますよ・・・・どうですか?」

「痛い!」

「Cさん、この痛み覚えていてくださいね。」

とCさんには、痛みを覚えていただいて、今度は仰向けになっていただきます。そして、硬式ボールをお尻に当てて、同じ痛みのところを探していただくのですが、直ぐに見つかりました。

「ここです!」

「痛気持ちがいい程度の状態を作ってくださいね・・・・どうですか、その状態で3分は持ちそうですか?」

「大丈夫・・・・全然・・・いけます。」

「そしたら・・・・OKグーグルタイマー4分お願いします。」

と、1分オーバーの4分に設定して、気持ち良さを味わってもらうことにしました。そして、4分が過ぎ、Cさんにゆっくり立っていただきます。

「肩どうですか?」

「・・・・・・あれ?痛くない!・・・・ホントに痛くない!」

大きな目をもっと大きくして絶句されるCさん。という訳で臀圧(でんあつ)の威力をお伝えしました!