ツボの流れ

10か月前、右股関節が痛くて、車に乗るにも両手で太ももを持ち上げないと、乗れない状態でこられた50才代の女性患者Bさん。当時は、脚を引きずるように歩いていました。ところが、最近では普通に歩け、体調管理のため1週間に1度のペースで来院されています。

前回の治療後も調子が良く、「ルンルン」だったそうです。ところが、ストレスがたまる事があり、右股関節に痛みが生じました。たしかに脚を引きずりながら、歩いておられます。そこで、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診をゆっくりすることにしました。

上腕診では、左上腕が普段は反応することがなかった大脳、小脳に反応が出ています。そこで、オデコの中央部で生え際よりやや上にある圧痛点に置鍼。普段なら、1~2本で治療が終わるのですが、今回は8本置鍼しました(脳に関しては、置鍼が多すぎたと反省しています)。首診では、消化器系が多く7本置鍼しました。今回は置鍼の本数が多いので、後はゆっくりベッドで休んでもらうことにしました。

Bさんの右股関節痛を考える場合、専門的になるのですが、経脈(ツボの流れ)を頭に入れる事が大切だと思います。今回、置鍼した腎経、脾経、肝経はそれぞれ右股関節を流れます。

この効果はかなりあるはずです。次回の右股関節の状態が楽しみです。

まさか旅行が出来るなんて

まさか旅行が出来るなんて・・

3年前から偏頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。前回から、首診をして、東洋医学の12経脈に相当する側頭部に置鍼する治療を始めました。Cさんの場合、首から側頭部にかけての偏頭痛。今回は首診から側頭部に置鍼するだけで、偏頭痛がなくなりました。

過去のカルテを調べてみると、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の)で基本治療をし、その後は天城流の頭痛治療を参考に、胸鎖乳突筋と鎖骨付近の圧痛点にお灸をしたり、外くるぶしの圧痛点に鍼灸をすることが多かったのです。

天城流では、首のコリを取ることで偏頭痛を治します。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、首のコリを12経脈(12内臓点)から探り、側頭部の圧痛点に置鍼し、首のコリを取るのですから、偏頭痛の治療にピッタリです。こんな、当たり前のことが・・・何でやれてなかったのか・・・・それは、私がまだYNSAの初級だったからです。今は、中級にまで進んでいるので、首診が出来ようになったのです。

YNSAの諸先輩方は、難病治療に取り組み、素晴らしい成果を上げておられます。私は、来年の2月にならないと上級を修了出来ないのです。

YNSAの素晴らしいところは、こんな私でも、成果をある程度だせる!ってことです。

お陰で、Cさんからは、

「通い始めた頃は、まさか旅行が出来るなんて思ってもなかった・・・嵐のコンサート(大阪ドーム)に、新幹線と飛行機で行けるなんて・・・今回は、飛行機の離陸、着陸の気圧差は、大丈夫だった‼️」

こんな言葉をいただきました・・・・ただ、ただうれしい😊

頭に鍼24本

当日予約で、来院される60才代の男性患者Aさん。昨日、草引きを長時間したため、両手首、首、腰に痛みがあります。そこで早速、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診を行います。

上腕診では、どこを触ってもほぼ痛みがあります。そして、その痛みに対応する頭や顔の個所に置鍼。感覚が素直なAさん、ほぼ1本の置鍼で上腕の圧痛点が消えていきます。今度は、首診で東洋医学の12経脈の状態をチェックし、側頭部に置鍼していきます。

「痛っっっっった‼️・・・・先生、鼻が抜けた・・」

「今度は、ノドが抜けた・・・・息が、しよなった(やりやすくなった)。」

「先生、目が、目が、よう見える・・・ほら、ぱっちりしとるでしょ?」

「どしたん・・・左の足首が、痛なってきた・・・・何で?」

「Aさん、左手ちょっと、貸してください・・・ここら辺り、痛くないですか?」

「・・・・・痛っっっっった‼️・・・ひどいな・・・」

左足首の圧痛点に対応する左手首の圧痛点に鍼を刺して抜きます、3~4カ所していると、

「先生、今ポッキっと音がした・・・・入った・・・左の足首が、入ったわい!・・・どしたん、今度は右足が痛なってきた。」

「Aさん、今度は右手じゃ。」

左手同様に鍼を刺していくと、やはり、ポキッと音がして右足首が良くなったそうです。ただし、私には音は聞こえませんでした。そんなAさんの頭には、24本の鍼が刺さっています。

「Aさん、頭が針山になっとるけど、移動して、向こうのベッドでうつ伏せに寝ましょうか?」

まだ腰と手首(親指の母指球)に痛みが残っています。針山状態の頭を見ていると、鍼以外で治療したくなりました。今回は、操体法の圧痛操法。手の親指母指球が痛いなら、同側の足の母趾球に圧痛点があります。そこを、優しく強く押圧。

「・・・・痛っっっっった‼️」

腰をクネクネしながら、悶絶するAさんです。

「先生、どしたん?・・・・親指が治った。」

今度は、ふくらはぎの圧痛点を、優しく強く押圧して、Aさんにクネクネ体操をしてもらいます。どうやらこれで、腰も軽くなり終了となりました。操法法との併用は効果的です❣️

これは、困った

1か月半ぶりに来院の50才代女性患者Bさん。今回は、肩こりが激しいそうです。

図書館に1週間に1度行き、10冊借りて読み切る生活をされています。専業主婦ではなく、仕事を持ちながら、合間に1週間に10冊❗️

読書が嫌いな私には、全く考えられません。字が読めない子供の頃から、本をめくっていたそうですから・・・正真正銘の本の虫。本を読むのに夢中になり、肩こりになってしまうようです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)をするも、全く反応がありません。元々痛がりのBさんが、触診で痛みを全く感じない・・・これは、困った!

そこで、首診。やっと3カ所圧痛点があり、頭に3本置鍼。それでも、肩こりは治りません。そこでKソマトトープ(小さな人型)という頭頂部の肩めがけて3本置鍼・・・・この時、『次は、足の親指にお灸するか・・・』と思っていたのです。すると、

「あれ!足の親指に来た‼️」

Bさんが感じた個所と、次の狙い目が一致しました。もうこうなると、足の親指しかありません。Bさんの親指を軽く爪で触れると、

「痛ったたたたたた‼️」

やっと本来の痛がりBさんに戻りました。後は、お灸を圧痛点にしていきます。

「先生、なんか肩が柔らかいような、軽い感じになってきた・・・血行が良くなってて手が痒い❗️」

と言いつつも、お灸を痛がるBさん。痛がるほどのお灸をしている訳ではないのですが、親指が相当敏感になっているようです。ある程度、肩が治ったので終了としました。

「あれ?足が軽い‼️・・・何なん、これ?・・・人生で今まで足が軽いなんて、思ったことなかった・・・初めて❣️」

本の虫で頭をフル回転しているBさんには、足元の刺激が必要なようです。

バランスボールで腕立て伏せ

東京に住んでいた時、最大の贅沢がフィットネスクラブで、カラダを元気に保つことでした。その時、愛媛県出身の女性インストラクターから、

「バランスボールは、いいですよ。これだけで何でも出来ます。」

と言われて、色々教わったのですがすっかり忘れてしまいました。唯一覚えているのが、この腕立て伏せ。不安定な状態を保つだけで、インナーマスッスルがプルプルと鍛えられます。取り敢えず、10回を1セットとして、今日は2セット。

自家製のカレンダーに四股踏みの回数と、腕立て伏せの回数を記録していくだけで、続けられそうな気がします。このカレンダーは、弟の勧めで始めたのですが、少しずつ生き様を写し出すようなものになりそうです。

とにかく、無理をせず少しずつやっていきましょう❣️

本日、四股踏み50回。

「今日は、両膝が痛いんよ❗️」

2年前から、毎週通院している60才代の男性患者Aさん。主訴は、慢性的な腰痛と右前腕痛ですが、右前腕痛はほぼ完治しました。ただ農業従事者のため、常に肉体的なストレスを感じており、1週間に1度の通院で体調管理をされています。

今回は、出荷作物の最盛期、山を上ったり下ったりで、膝にかなり負担がかかったようです。普段は、あまり弱音を吐かないAさんですが、今回は、来院するや否や、

「今日は、両膝が痛いんよ❗️」

「あらら・・・どしたん?」

Aさんとは同級生のため、治療の時は、若い頃と同じ口調になってしまいます。言語能力に長けたAさんは、淡々と状況説明してくれるため、見事にイメージが浮かび上がってきます。

「うん、だいたい分かった・・・そしたら、手出してや。」

合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)では、左上腕に全て反応があります。今回は、腰椎に対応する側頭部、耳ウラに5本置鍼。首診でも1カ所に2本くらいの割りで置鍼したため、合計26本。いつもの2倍です。

「ワシが注射嫌いなん、知っとろう?・・・考えとうおみいや・・・・それでも、こうやって耐えとんで・・・」

「・・・ほんとじゃ・・・偉いわい。」

「効くけんなあ・・・・今、ズシーンと、効いとらい❗️」

こんな会話をしながら、治療は進み、いよいよ膝治療になります。

「あん

「・・・これから、膝ねらおうわい、ここ痛い?」

G、Hいう膝対応の点が、オデコの生え際と、耳ウラにあるので、その圧痛点を見つけ置鍼します。

「膝どう?」

「・・・いいんじゃない。」

「うん?ホントにええの?」

「・・・・いいんじゃない。」

ということで、治療終了。後は世間話に花が咲きました🌸

指が鍼3

1年前から、膝痛、足ウラのしびれ、腰痛で週1回のペースで通院される60才代の女性患者Aさん。膝痛、足ウラのしびれ、腰痛はなくなりました。現在は、体調管理で来られています。今回は、腰に張りがあるそうです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診をしっかりした上で、治療後の変化を確認することにしました。

Aさんは、鍼よりも指で軽く治療点に触れるだけの方が、合っているようなので、3か月前から鍼を刺していません。

写真にあるようにVの字が、コリや痛みがあるところです。Vの字の中央部に一が引かれているのは、コリや痛みが無くなったことを意味しています。10カ所の内、9カ所無くなっています。随分確率が良いので、今後Aさんには、これを継続していき記録を残していこうと思います。今回触れるたのは、3カ所。

①上腕診より、オデコ(A点、脳点)→左の胃腸が動く

②首診より、側頭部(右内臓点胃、左内臓点腎)→右の胃腸が動く。左ふくらはぎが、熱くなる。

③左右肩甲骨→右こめかみに反応。左アゴ(下顎骨)に反応。

②③の反応は、ツボの流れ(経脈=膀胱経、小腸経)と関係がありそうです。

③左右肩甲骨は、腰の張りに対応する治療です。腰の張りはなくなりました。

今回の症例は、専門的で分かりづらいと思います・・・申し訳ございません。

バランスボールに乗りながら読書

青山学院大学の駅伝フィジカルトレーナー、中野ジェームズ修一さんの「10年後、後悔しない体のつくり方」(ダイヤモンド社)の本を読みながら、片足立ちでバランスボールに乗っています。

この本によると、65~69才で認知症にかかっている人の割合は、わずか2.2%ですが、そこから5才ごとに倍増。85才以上になると、55.5%、半分以上が認知症にかかっているそうです。今年、65才になる私・・・・ひと事ではありません❗️

バランスボールは1963年イタリアで開発され、1970年代に、アメリカで小児麻痺のリハビリに使われました。これは、バランスを保とうとすると脳が活性化し、脳の血流がうながされるからだそうです。また、姿勢を保とうと上半身、体幹、下半身の表層筋(アウターマッスル)、深層筋(インナーマッスル)が総動員するため、脳に対する刺激もそれだけ多くなり、認知症予防になるようです。

そこで、職場でバランスボールをイス代わりにしている女性患者Aさんに、その効果を聞いてみました。

「たしかに、腰痛が以前ほどではなくなり、仕事中に眠らなくなりました‼️」

いい事が多いようです。

卵油

肌がツルツルでガッチリした体型の90才近い男性患者Aさんが、初めて来院されました。

右手の小指、薬指、中指がシビレるそうです。Aさんは、剪定(せんてい)バサミを使い過ぎたからだろうとおっしゃっています。

「過去に大きなケガや病気をしたことは、ありますか?」

「特にありません。」

90才近くになって、大きなケガや病気をしていない!凄いことです。

早速、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診をします。

ご健康のため、圧痛点がなかなか見つからず、やっと右頸椎、左腰椎、右膀胱、左膀胱に反応を見つけ、それぞれに置鍼。ゆるみを確認しました。

「鍼は、速攻性があるんじゃね。」

「そうなんですよ・・・刺した瞬間に反応があって、刺したままにしていると、もっと効いてきます。」

Aさんは、カラダを通して、鍼の効果を実感されたようです。こうなると、シビレのある右手に対する鍼の効果が、上がるような気がします

「これから右手をねらって、オデコに鍼を刺します・・・・・どうですか・・右手?」

「・・・・・・うん?ええかもしれん・・・箸(はし)を使ってみたら分かるんじゃが・・」

「持ってきます・・・(台所まで取りに行く私)・・・これ、使ってみてください。」

「・・・大丈夫じゃ・・・」

ということで、施術は終了。後は置鍼したまま、30分以上待合室でゆっくりしてもらいます。その間、色々とお話ができたのですが、Aさんの健康法が印象的でした。

有精卵を卵油に調理し、それを毎日飲んでおられるそうです。これは、勉強になりました。

子供の頃から、鶏のいる生活をしていた私、いずれは、あんな生活に戻りたい・・・と、思ったものです。Aさんありがとうございます😊

下記は、卵油の作り方です!

https://www.ranyunoohanashi.com/tamago/

東京まで行けた・・・

山元式新頭鍼療法(YNSA)の中級コースを修了したため、首診がしっかり出来るようになりました。その結果、内臓疾患対応が、明確になって来ました。今後、その精度を上げること

で、患者さんの疾患に対して、より適切な治療が出来るようになると思います。

3年前から、偏頭痛に悩んでいた40才代の女性患者Cさんの続報です。前々回は、調子がよくキャンセル。そして前回、山元式新頭鍼療法(YNSA)で首診をした後、側頭部のY点(東洋医学の12経絡を表す12内臓点)に置鍼し、左側頭部に12本置鍼、右側頭部に6本置鍼することになりました。結果、Cさんの頭痛もなくなり、首が軽くなりました。

どうやら、これが効いたようです。

調子が良くなったCさん、念願だった大好きな歌手のコンサートに飛行機で、何と東京まで行けたのです。Cさんの治療を始めて半年、目標を達成出来ました・・・・ところが、飛行機の離陸時と、着陸時の気圧変化のせいで、偏頭痛になってしまいました・・・う~ん、残念。

しかし、東京に行けたのは、随分自信になったようです。Cさんは元気な声で、嬉しそうに東京の話をしてくれました。そんな雰囲気の中、治療に入りました。

今回は左側頭部に12本、右側頭部に4本、頭頂部に3本の置鍼だけにしました。前回は、肩甲骨に左右14カ所に鍼を刺して抜きましたが、今回は山元式新頭鍼療法(YNSA)だけで十分・・・・・Cさんの状態から、そんな気がしたのです。

・・・次回の治療がとても楽しみです‼️