お尻のホオズキ

松山市国民健康保険・後期高齢者医療制度による助成金として、該当の患者さんには1000円の補助金を支払う制度があります。この制度についてのチラシを松山市針灸協会が発行し、当院にもたった1枚だけですが、チラシが残っていました。内容は下記の通りです。

はり・灸にはこんな特徴があります

1:生活習慣などの予防医学のひとつとして注目を集めています。

2:身体と心のバランスを調える全身治療で自然治癒力を高めます。

3:痛みを和らげ、血行を改善し、病気に対する免疫力を強めます。

4:習慣性や副作用がなく、安心して治療を受けることができます。

はり、きゅうはこんな病気に効果があります

1:整形外科系の病気

肩こり症、変形性脊椎症、頸肩腕症候群(手のしびれ感と痛み)、寝ちがい、むち打ち症、五十肩、テニス肘、変形性膝関節症、捻挫、打撲、腰痛症、ぎっくり腰、椎間板ヘルニアなど

2:脳神経科系の病気

神経痛(三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛)、顔面神経麻痺、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠症など

3:循環器科系の病気

どうき、息切れ、心臓神経症、高血圧症、低血圧症、不整脈など

4:呼吸器科系の病気

風邪ひき、せき、気管支炎、気管支喘息など

5:消化器科系の病気

胃炎、胃下垂、胃酸過多症、食欲不振、下痢、便秘など

6:耳鼻咽喉科系・口腔器科系の病気

急性扁桃腺炎、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、耳鳴り、中耳炎、難聴、メニエール症候群、歯痛、歯肉炎、口内炎など

7:泌尿器科系の病気

排尿困難、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、インポテンス、遺尿症、尿失禁など

8:眼科系の病気

仮性近視、眼精疲労、ものもらい、白内障など

9: 産婦人科系の病気

生理痛、更年期障害、乳腺炎、冷え性、逆子など

10:小児科系の病気

夜泣き、夜尿症、小児喘息、虚弱体質など

11:内分泌科系の病気

糖尿病、バセドウ病、肥満症など

12:皮膚科系の病気

じんましん、帯状疱疹など

これをご覧になった80才代の女性患者Aさんから電話がありました。

「先生、チラシを見て・・・・ちょっと言いにくいんですけど・・・もしかして、お尻から出たホオズキみたいなのも、治るかしら・・・と思って。」

「ああああ・・・大丈夫ですよ。」

という事で、翌日の治療予約を取りました。そこでやったのは、頭の天辺にある百会(ひゃくえ)というツボに50壮のお灸。それだけです。お灸の大きさは米粒(こめつぶ)ほどの小さなものです。お灸には間接灸と直接灸とがあり、治療に使うのは9割以上、間接灸です。間接灸とは、皮膚を焼ききらないヤケドをしないお灸です。ポイントは、火だねが皮膚に到達する手前で火を消すことにあります。

ところが、多く人々はお灸とはてんこ盛りのモグサに火をつけて火傷(やけど)を作る荒療法と思っています。もっとも「お灸をすえる」「ヤイトをする」というのが子供のしつけの常套(じょうとう)手段になっているので、仕方ありません。

ところが、Aさんの場合、間接灸を何壮かやっても熱が通らないので、途中から焼き切る直接灸にしてみました。

「Aさん、熱感じますか?」

「感じます・・・・気持ちいいです。」

何ど聞いてもこんな返事なので、気持ちいいお灸を50壮したことになります。そして、翌日の朝、Aさんから電話。

「先生、お尻のホオズキなくなりました。ありがとうございます。」

午後には、野菜好きの私のためにレタス、ブロッコリー、椎茸、アボカド、酒好き用にタラコ料理、柚木のタレをいただき・・・・・美酒に酔っているのです。

患者さんが教えてくれる

2ヶ月ほど調子が良かったので、来院していなかった60才代の男性患者Aさん。昨日6mの高さのところへ、30kgの荷物を2回運んだのが原因なのか、良く眠れず、朝起きると首の左側が痛く、さらに縦揺れのめまい(50cmくらい垂直に揺れる)におそわれたそうです。それで来院されました。

「Aさん、最近は足にパイオネックス(円皮鍼)を貼るように変わってきてますよ。」

「そうなんじゃ・・・」

早速、靴下をぬいでもらい、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)右に痛み(右から治療)。次に膝診(腓腹筋周辺の触診)

頸椎

右:#4、#7

左:#3、#5、#6

胸椎

右:#1、#2、#4

左:#1、#2

腰椎

右:#5

左:#6

 

上記に圧痛点があり、右に4個のパイオネックス(直径0.15、長さ0.6mmの鍼)で圧痛点消滅。ところがAさんの左首は痛みが取れません。そこで、左足の頸椎治療点(まだ仮説のため、公言出来ません)に爪を立てるとものすごい反応。Aさんは、のけ反りイスから倒れそうでした。そこにパイオネックスを貼り、私の右中指先端を軽く触れる操法を始めました。しばらくすると、

「先生、これ気持ちええねえ・・・・・手のひらが温(ぬく)なってきた・・・首が緩んできた・・・・」

Aさんに首をチェックしてもらうと、もう痛みはなくなっていました。ただ、左目が上手く開(あ)けられません。そこで足の甲をあちこち触っていると、

「先生、今日はそこらあたりが痛うてたまらんかった・・・・そこじゃ!」

足の甲に猛烈な圧痛点がありました。そこにパイオネックス。

「・・・・・先生、目が開(あ)いた・・・・分かった、そこじゃったんじゃ。先生、縦に揺れるめまいのツボはそこじゃ!今度、縦にめまいがある言う患者さんが来たら、そこをやってあげて。相当気持ち悪いし、脳じゃないんかと不安になるんじゃけん。」

と、Aさんから教わるばかりでした。このような体験を通して少しずつ治療点が分かってくるのだと思います。

出張治療

ご高齢で来院出来ない患者さんには、出張治療をしています。今日は、出張日。

ご夫婦を同時に治療します。前回までは頭に置鍼をしていたのですが、今回から、足にパイオネックス(円皮鍼)を貼る治療に変えました。奥様のAさんには、2~3本の置鍼をしていたのですが、パイオネックスだと、もう少し多く貼る事ができます。理由は、パイオネックスは、長さ0.6mmの弱刺激だからです。皮膚に貼っても痛みは全くなく、しかも1週間くらいは、はげ落ちたりしません。お風呂に入っても大丈夫です。

Aさんには、パイオネックスを6個貼りました。ご主人のBさんには4個貼り終了。

これは、あくまでも私の仮説で勝手にやっていることなので、パイオネックスを貼った場所などは、お知らせ出来ません。ただ、膝診、足首診の圧痛が無くなっていることは、確かです。また、パイオネックスの上に中指を軽く触れる操法が、効果的なので患者さんにご自身で出来るように指導しています。次回の訪問が楽しみです。

追伸:治療の途中でお隣の方が来られて、ご主人が作った足大根の写真を見せてもらいました。絵のように偶然にも5つの指がある大根❗️・・・・・お隣さんは、週に一回来院される私の患者さんです・・・・・とにかく、この写真で大盛り上がり、治療効果抜群でした。

クスノキのコブ再び

2年間右母趾球を蹴(け)って歩けなかったのが、出来る様になった70才代の女性患者Aさん。1週間後の本日来院されました。

「先生、これ見て!」

「・・・・・すごい、蹴(け)ってる!」

足の甲にパイオネックス(円皮鍼)を貼っていたのが効いたのかも知れません。以前なら1~2日で元に戻っていたのですが、1週間持ったようです。実際、Aさんの治療以降、鍼を足の甲やウラにパイオネックス(円皮鍼)を貼って治療することが多くなりました。今後は、益々この傾向が加速していくと思います。いくら足に置鍼することが多くなっても、山元式新頭鍼療法(YNSA)に変わりないので、自由に研究してみようと思います。とにかく、患者さんの言うことに素直に耳を傾ける以外ありません。

改めて待合室にクスノキのコブを並べて、ゆっくり歩いて足を刺激してみました。これはいいです、効きます。以前にも言いましたが、クスノキは英語ではカンフルツリー、つまり「元気の出る木」なのです。コブにあるイボイボからは新芽が出て枝になろうととします。それを人為的に取るとイボイボのままになり、翌年に再びイボイボができ新芽を作る・・・・これを繰り返して、大きなコブが出来上がるのです。クスノキ のコブはイクラやタラコのようなエネルギーの源(みなもと)なのです。

このコブの道を歩くだけで、足ウラがポカポカしてきます。バランスを取ろうとする無意識の動きはカラダの歪みを取って行きます。今後とも、暇な時(ヒマが多いのです・・・)このコブで遊んでみます❣️

シャルルの威嚇

昼過ぎにシャルル(オス)が別荘の我が家に来ました。今回は3日間預ります。今月下旬にはメスネコのモモちゃんが、ホームステイでやって来るので、その勉強も兼ねてチャルルの様子を観察しようと思います・・・あああもう寝てる・・・・

昼間のことでした。

やはり目を見て(どうしても見てしまいがち・・・・)、少し近づくと「シャー」と威嚇されます。そこで、ネコの保護活動をしている方のネコの威嚇に関する記事を載(の)せます。

『1回だけあまり強くない調子で「シャー」と言われたら、怒っているというよりも「やめてよ」という抗議の場合が多いです。

筆者は保護活動をしているので、終生保護している子も多数一緒に暮らしているのですが、よく「シャー」と文句を言われます。

1回だけ「シャー」と軽く言われるときは、その子が足に絡まってきてぶつかってしまったりなど、その子に失礼なことをしてしまったときです。

「なにすんのよ」と言っていると思われますので、「ごめんね」といって大好きなお尻ポンポンをしてあげます。

軽い文句なので後を引くことはありません。』

もう一つの記事。

『体を平たくして身を低くし、耳を伏せた状態で(通称イカ耳状態)で、牙をむき出しにして「シャー!シャー!」と繰り返すときは、相手をかなり嫌がっているときの様子です。

牙を見せるようにして「シャー」というために怖い印象がありますが、猫の瞳孔は開いていますし、恐怖心や不安を強く感じているでしょう。

相手を攻撃するというよりも、「こっちに来るな!」、「やめろ!」という警告の意味が強いので、こんな様子のときは猫をそっとしておくのが賢明です。即攻撃態勢ではありませんが、無理に触ろうとすると攻撃される心配もあります。』

とありましたが、シャルルの私に対しての威嚇は、明らかに後者。まだまだ嫌われているようです・・・・・今まで飼ったネコはメスなので、オスネコが不向きなのかも知れません・・・などと、めげそうな気分を慰(なぐさ)めている私・・

 

腰が熱い

2週間前に腰痛で来院された高校生A君。今回もお母様と一緒に来院されました。治療後調子良く練習をしていたのですが、最近、投球(サイドスロー)したり、バットスイングをすると、左腰部から背中にかけて痛みを感じるようになりました。体幹を捻(ね)じ、最大可動域のところで、痛みを感じるようです。上腕診、首診の代わりに膝診、足首診をするようになったため、また新たな発見がありました。膝は上腕に比べ大きいため、頸椎の1番から胸椎、腰椎を経て仙骨までの状態把握ができます。これは、診断する上で大いに役立ちます。下記の#数字は、頸椎、胸椎、腰椎の椎骨の番号になります。

膝診(膝窩横紋周辺の触診・・・圧痛点の位置で椎骨の悪い個所が分かる

頸椎左:#4、#7

右:#1

胸椎左:#1、#8、#12

右:#1、#8

腰椎左:#2

右:#1

上記の結果に対し左側のみに置鍼。左胸椎#8に対し1本置鍼・・・#1、#12の痛みもなくなる。

左腰椎#2に対し、3本耳ウラに置鍼。これで、左腰痛がかなり軽減。

「今、どんな感じ?」

「・・・・・・かなり良くなりました・・・けど、奥の方が痛いです。」

そこで、左側頭部に4本、後頭部に2本置鍼。

「これでどう?」

「・・・・確実に良くなってます・・・・けど、まだ痛みはあります。」

そこで、(私の勝手な)仮説を元に、足の甲の腰椎に対応する個所にパイオネックスを5個貼り、私の中指を軽く添える操法。しばらくして、

「今、どんな感じ?」

「腰が熱くなってきました。」

「熱く過ぎる?」

「いいえ、気持ちいいです。」

そこで、お母様を呼び、私と同じようにパイオネックスの上に指先を置いてもらい、私は治療を止めました。お母様には5~6分この状態を保っていただきました。

「これで、腰はどんな感じ?」

「・・・・・・全然大丈夫です。これだったら、今でも(ボール)投げられます。」

お母様には、この治療をする様にお願いして後は、雑談で終了となりました。

楽な運転の姿勢

以前のフェイスブックに、

「操体法の教えに重心安定の法則があり、「足は親指、手は小指」を使うことを説いています。「足は親指、手は小指」には解剖学的にも納得できる事があります。足の母趾球の中足骨頭には2個の種子骨があり、末節骨の鍵状先端と2等辺三角形を作り大地をしっかり蹴ることが出来ます。同様に手の小指側の手首近くには、有豆骨(ゆうとうこつ)、有鈎骨(ゆうこうこつ)という豆状とカギ状の骨が小指末節骨の鍵状先端とからんで物を持ちやすくしています。」

と書きましたが、本日重心安定の法則に則した「楽な運転の姿勢」というYouTubeにしました。

このYouTubeでは、楽なアクセルの踏み方も紹介しました。長距離ドライブをしていると、膝から足首にかけての筋肉が、引きつる人が多いようです。これは、アクセルを踏む足底の位置が間違っているのを、カラダが悲鳴を上げて教えてくれているのです。

興味ある方は、是非ともご覧下さい。

からだの設計にミスはない

 

私にとっての操体法の原点である「からだの設計にミスはない」と言う本の写しを紹介します。
これは操体法の創始者橋本敬三先生の本です。

病名がついた時はもう遅い

私たちのからだはね、基礎構造が狂ってきて、少し捻れたり曲がったりすると、てきめんに気持ちが悪くなる。そしてそれをかまわないでおくと、働きが悪くなる。それをもほっておくと、しまいには本当に中のものがくずれたり、はれたり、腐ったり、様々な変形が見られ始めるのです。

そのような段階、つまり、第一段階、気持ちが悪い、第二段階、働きが悪い、第三段階、中のものが変質する、と言うような段階があり、現代医学の病名っていうのは、中のものが変化し、機械が壊れたと言うことが証明されて初めてつけられるのです。ところが、皆さん方は医者じゃないから、俺たちは今、第何段階だってことはわからない。だから、ちょっとでも気持ちが悪くなったら、病気になったと思うのは当たり前ですよね。「先生、私昨日から肩が凝って、めまいがして、吐き気がするんだけれど、どこか悪いんでしょうか」と言うと、医者は「そうですか、じゃぁ、調べてみましょう」とレントゲンを取ったり脳波取ったり、小便や血液とったりする。「みたところ、何でもないな、別に異常は無いですよ」と言うことになる。

それでは困るんだなぁ。自分が異常を感じたから出かけていったんで、これはもう医者がわからないだけの話です。「まぁ、医者がああいっているんだから大丈夫だろう」とか何とか言って、そのまま放っておくと、急にお腹に激痛が走って、また病院へ駆け込むことになる。すると医者は言う。「何で、こんなになるまでほっておいたんです。胆嚢炎だ。肝臓もだいぶやられている。もう少しで危ないところだった」と。これが現代医学なんですよ。考え方がまるで逆立ちしている。悲劇だね。

だから、皆さん、自分で気持ち悪いと思ったら、この感じは自分にしかわからないのだから、自分で処理するに限ります。どこが気持ち悪いんだか、いろいろ動いてみて探し出し、そこから気持ち良い方へうまく逃げればいいんです。それで治っちゃう。こんなうまいことないですよ。人間のからだって、そういうふうにありがたくできているのです。私たちの先祖は、それをもうチャンと知っていた。確かにその先祖は偉かったけれど、それを我々バカ子孫がいつまでも気がつかなくて、怠けておって、今、私たちはバカだったその報いを受けていると言う事ですね。

医師である橋本敬三先生の言葉には、重みがあります。

地元南海放送のラジオから

中古車(ダイハツ ミラ)を、数ヶ月前に購入したのですが、絶好調。ただ、ラジオでNHKが聴けないというハンディーがあります。仕方なく地元の南海放送を聴いていると、2月13日、14日の土曜、日曜に近藤林内(こんどうりんない)という幕末から明治を生きた偉人の映画が、坊ちゃん劇場の横に出来たネストシアターで放映されるという情報が飛び込んできました。

近藤林内をこよなく愛すメンバーが「林内会」を結成し、偉人伝を製本した時、私はイラストを26ページ中、27枚描き、表紙もデザインしました。そのため、この放送を聞いた時、他人事ではありませんでした。というか・・・・地元の南海放送がしっかり盛り上げようとしている心意気に熱いものを感じたのです。これから、地方に埋もれていた優れたもの、人にスポットを当てることが日本を新たに勢いづける火種となると思うのです。

(改訂版を作りました)

私が地元愛媛に帰り、5年経ちましたが、未だに愛媛のことを何も知っていません。ただ言えるのは、患者さんの声にしっかり耳を傾けていると、患者さんから思いもよらない貴重な情報をいただく事があるということです。目の前の事にただただ真摯に向かっていることが、愛媛の情報を含めたあらゆる広がりに繋(つな)がるのだと思います。

そして、いつか「あじさいの杜鍼灸院」という地方から、もっと面白い情報発信をしていきたいと思っています。

手の痛みは、足で取る

無農薬農法をされているご夫婦が来院。70才代の奥様Aさんから治療を始めます。昨日草引きを徹底的にしたため、左母指球が痛くてしかたがないとのことでした。そんな時は、左足(左手ではありません)の母趾球に必ず圧痛点があるので、丁寧に探すのがポイントです。

「・・・・ここらあたりに、痛いところありませんか?」

「いやべつに・・・・・・・・痛い!痛い!そこは、痛い。」

ピンポイントであるので、探すのに少し時間がかかりました。あとは、その圧痛点に軽く私の左中指を添(そ)えるだけです。しばらくして、

「・・・・・何か、手の親指が緩(ゆる)んできよる気がする・・・弱い電気が流れよる感じ・・・」

「そうでしょう・・・・今、親指はどうですか、ちょっと触ってみてください。」

「・・・・痛みが全然、変わってきた・・・・凄い!人間のカラダって凄い!」

驚いてご主人の方を振り返っても、ご主人は何が起こっているのか分からないので、返答のしようがありません。こういう時は、もうしばらく施術を続けしっかりと結果を出して、説明するのが一番いいようです。Aさんは、気持ち良さそうに目を閉じて、今にも眠りこけそうです。Aさんの左手母指球を見つめていると、反対の右手親指が微細な動きをするのに気がつきました。

自発動が始まっています。この動きは無意識の動き。これで、カラダの歪みをとっているのです。

「今は、親指どんな感じですか?ちょっと、チェックしてみてください。」

「・・・・ええ感じ・・・もうほとんど痛ない!」

「じゃあ、これぐらいでいいでしょう。」

私は、これから始める鍼治療の間に、左手母指球が良くなるような予感があったので、指で触れる施術は終了しました。体験した奥様は納得した様子ですが、ご主人は何が起こったのかわからないため、三浦寛先生のイラストと写真の多い「皮膚からのメッセージ」(たにぐち書店)を見ていただいて、施術法の一つである事を分かってもらいました。

Aさんの鍼治療を終了し帰宅される際に、母指球の状態を伺うと、

「全然痛くない!」

とのことでした。

追伸:これは自分自身でも出来るので、そのやり方をご夫婦にお教えしました。