京都出張治療2日目(その2)

水まきをしている60才代のBさんのところへ、アブがやって来て、血を吸おうと手に止まった瞬間、

「パッチン‼️」

Bさんが、中指で思いっきりアブを弾き飛ばしました。

ところが、Bさんの中指に激痛が走り、手を握ることすら出来なくなってしまいました。

今週の土曜日には、バイオリンのコンサートを控えています・・・という事で、治療となりました。

右手の甲に湿布をしているBさん、痛く握ることが出来ません。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で、右手に対応するのは右耳の斜め前上。そこの圧痛点に4本置鍼をします。

次に、右手中指と対角になる左足の第3趾付近の圧痛点をしっかり探し置鍼していきます。

左足の甲に3本、ウラに1本刺し、

「Bさん、どうですか?」

「だんだん、握れる様になってる・・・・これやと、明日には練習できるようになりそう・・ただ、一点ここの部分がまだ痛い。」

右手の拳をして一番高いところに痛みが残っています。

それに対応する左足の圧痛点を探して、置鍼していきます。

  • 徐々に、痛みが薄れていくので、終了としました。土曜日のコンサート、無事成功することをお祈りしています。

京都出張治療1日目

ロンドクレアントというギャラリーの茶室をお借りして、治療をしています。ところがこの茶室 、出品作家の宿泊所となる場合もあります。

今回は、午後7時からは出品作家さんの使用時間帯となり、私は利用できません。

そこで、急遽(きゅうきょ)大徳寺の一室をお借りして、ご夫婦お二人を同時に診ることとなりました。ここも茶室です。

奥様のAさんは、膝痛。昨夜右足が、こむら返りとなり膝から下にコリがあります。こういう時こそ、「足ウラに鍼」です。丁寧に診ていくと膝痛ならば、親指側に圧痛点があります。左右の足ウラに5本ほど置鍼して休んでいただきます。

旦那様のBさんは、左右前腕に痛みがあります。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、前腕を膝で診ます。イラストのように前腕の圧痛点に対応する膝の圧痛点に鍼を刺しては抜いていき、Bさんに前腕の痛みの有無を確認していきます。

ある程度Bさんの前腕が良くなったので、膝ウラに置鍼して休んでもらいます。

今度は、奥様のAさん。

足ウラの鍼を抜いて状態を伺うと、

「わ~~、軽い・・・でもここに痛みが残っています。」

そこで、膝の痛みに対応する肘の圧痛点に鍼を刺して、徐々に圧痛点を少なくしていきます。十分納得するまでやり、Aさん終了。

旦那様のBさんも膝を丁寧に刺して、前腕の痛みがほぼ無くなり終了。

2人同時治療は、ご夫婦ならば問題無いようです。

京都出張治療という場に身を置くと、思わぬ発見があり楽しいです( ^ω^ )

自力自療

60才代の男性患者Cさん、本日で4回目の来院。

長年、慢性的な腰痛に苦しみ、左足外側から足ウラまでしびれています。ところが、2週間前の3回目に足ウラへ、5本の置鍼をしたところ、

「足ウラが、熱くなって来た。」

「今までで、一番ええ(効いた)かもしれん。」

という言葉を残して帰られました。そしてその後、石のマットを購入し毎日、足ウラ刺激をしているそうです。そのせいで、本日の治療では、

「腰の調子がええ!」

事実、合谷診(親指と人差し指の間のコリで、頭に刺す個所を決める診断法)では、腰に反応がなく、もっぱら首に対応する個所に置鍼しました。

後は、奥のベッドで寝ていただき、久しぶりに軽く皮膚に触れる操法をして、ゆっくりしてもらいました。

次回の予約は、2週間後。

やはり、自力自療が基本であることを教えていただきました。

ありがとうございます!

最近の日課

人工芝に陶器で出来たボール(陶石と呼ぶことにします)を置き、ゆっくり歩いています。

患者さんにやっていただく時もあります。

本来なら、治療前にやっていただくのがベストですが、痛すぎて、多くの患者さんは片足を軽く置くのに精一杯。

仕方ないので、私の健康法としてやっています。

腰に張りがあるくらいなら、2カ所に足を置いたまま、しばらく立っていると、治ってしまいます。

ただし、土踏まずあたりの痛いところに陶石がないと、意味がありません。

しばらく立っていると、私の場合は、腰あたりが無意識に動き始めます。この動きをもっと大きくしようと思ったら、目をつぶるといいです。私の場合は、フラフラが激しくなり綱渡り状態になります。これは相当効きます。

ゴルフボールと人工芝でも同じ事が出来ると思いますよ~

纏足(てんそく)とツボの数

 

患者さんとの会話の中で、

「先生のフェイスブックに、足ウラのツボは3つしかない・・・と、あったでしょう。それで考えたんです・・・昔の日本は、裸足だったから、足の皮が厚くて、鍼が入らなかったんじゃないかと・・・」

なるほど、確かにそれは当たっているように思います。

そこで、改めて「鍼と足ウラ」をテーマに考え直してみる事にします。

鍼の歴史は、中国の石器時代まで遡(さかのぼ)ります。その頃は、 砭石(へんせき)という石針を使用、その後、骨針、竹針、紀元前11世紀から紀元前8世紀の青銅器時代から鉄器時代となり、金属製の針が登場。

その後、漢代に黄帝内経という東洋医学のバイブルが編纂(へんさん)され、6世紀に、朝鮮半島を経由して日本へ伝来され、現在に至っています。随分と昔から、現在使われているツボ(経穴)が存在していたのです。

当時の中国の生活と現在の日本の生活は違います。それでも、同じカラダなので、ツボは同じ。これは、正しいといえますが、昔の中国と現在の日本の生活の違いは、明らかな為、もっと必要なツボがあって不思議ではないとも考えられます。

非常に大雑把な話になりますが、現在の中国の多くの地域では、西洋と同じように靴を履いたままで、寝るとき以外裸足にならない生活をしています。靴を履くことで、怪我や暑さ寒さから身を守っていたのでしょう。

また、唐(618~907)の末期から纏足(てんそく)という悪しき習慣が、はびこり辛亥革命(1911~12)以降まで続いていました。女性は、幼児期より足に布を強くしばり、足が大きくならないようし、足の親指以外の指を足の裏側へ折り曲げ、靴を履いていました。女性は寝る時も靴を履いていたそうです。

この様な中国の歴史からは、足ウラにツボを見つける事は難しいと考えます。足ウラで湧泉(ゆうせん)、裏内庭(うらないてい)、失眠(しつみん)というツボしか存在いないのは、この纏足(てんそく)のためかもしれません。この3つのツボは足ウラの中央部に並んでいるため纏足(てんそく)でも鍼は刺せます。

6世紀、日本に伝わった漢方と鍼灸は、現在も医師が漢方薬を処方し、鍼灸師が施術する形で続いています。6世紀当時の日本人は、下駄、草履(ぞうり)、裸足での歩行で、足ウラには、強刺激であったと想像します。また、現在のように舗装された道で、車を走らすこともなく、ただただ歩くことが生活の大半であったと思います。

そうすると冒頭、患者さんがおっしゃたように足ウラは硬く、しかも不衛生なため、鍼は刺せない状態であったと思います。

また、常に足ウラは刺激されていた為、足ウラに鍼など刺す必要がなかったとも言えます。

私(現在、64才)の通った小学校で運動会は、全員裸足でした。高校の運動会でも、男子だけでする棒体操は、裸足でした。1960年代、ほとんどの日本の道路は、舗装されていない凸凹道、そこをただひたすら歩いていたのです。つい最近まで、足ウラの刺激を受ける生活が存在していたのです。

ところが、今の小学校では、「俊足」 という左右非対称のシューズで左回りが得意になるものが人気だそうです。こんなハイテクに慣らされている子供の足ウラが心配です。これでは、足ウラが「やわ」になります。

足ウラの微妙なセンサーが鈍ってきます。人間が本来持っている原始感覚を取り戻すため「子供には、砂利道を歩かせろ!」と、操体法の創始者、橋本敬三先生がおっしゃっています。

今こそ、足ウラに鍼が必要になって来ています。

ということで、どんどん足ウラのツボ探しをしています。

眉毛のキズは、胸椎9、10番

背中に張りがあり、右足がしびれる50才代の男性Bさんの続報です。

Bさんの背中の張りは、特に左側がしつこいようです。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、眉毛の上にある圧痛点に置鍼し、胸椎(背中)や肋骨のコリを取っていきます。

そこで、Bさんの左眉毛を丁寧に診ていくと、正中線に近いところ(胸椎の9~10番に対応)に古いキズ跡があります。

これは幼い頃、転んで作ったキズで10mmくらいあります。

「痛ったたた!」

爪で軽くキズ跡を触れるだけで、もの凄い反応です。軽く痛くない程度でキズ跡を爪でほぐすと、

「背中、ケッコー楽になった!」

山元式新頭鍼療法は、鍼以外の刺激でも治療は可能です。

Bさんの気になるところは、やはり胸椎の9~10番あたりです。ソマトトープ(小さな人型)で眉毛のキズの位置と合致します。

今後、眉毛のキズをほぐしていくだけで、胸椎9~10番あたりの張りが取れていく可能性があると考えます。次回は、もう少し丁寧に診ていきたいと思います。

鍼は効くみたいじゃ

90才代の男性患者Aさん、主訴は頻尿。本日で4回目の治療となります。

ニコニコ顔で来院されました。

「先生、鍼は効くみたいじゃ!夜中に3~4回トイレに行きよったんが、2回になった。」

思わず、手を叩(たた)き喜ぶ私。

「Aさん、それは良かった!この調子でやっていきましょう。」

朝から縁起のいい話が転がり込んで、俄然やる気になる私。

さて、前々回にあった左足首のむくみは、見えません。しかし、毛細血管が拡張し皮膚を通して、透けてみえる細かい糸ミミズ様かたまりが目立ちます。

これを、細絡(さいらく)と呼びます。江戸時代の鍼灸師は、三稜鍼(さんりょうしん)と呼ばれる鍼で、瀉血(しゃけつ)し気の巡りを良くしていました。しかし、現在は、医師以外の瀉血は違法となります。

そこで、今回は左足の細絡(さいらく)の目立つ内踝(くるぶし)および、足底11ヶ所に3壮づつお灸をし、7ヶ所に置鍼しました。

右足は内踝(くるぶし)、足底に10ヶ所3~4壮のお灸のみとしました。そして、パイオネックスを左足に7個、右足に3個で終了。

Aさんは、ご高齢のため、徐々に刺激を増やしている状態です。

3日後の来院を楽しみにしています。

小指のしびれに少府穴(しょうふけつ)

背中に張りがあり、右足がしびれる50才代の男性Bさん。

合谷診(親指と人差し指の間のコリで頭のどこに置鍼するか決めます)を丁寧にすると、胸椎(背中)に対応する眉毛の上に置鍼するように合谷が教えてくれます。

左右合わせて10本を眉毛の上に置鍼しました。

右足にはオモテウラ合わせて、13本置鍼。途中で、

「両手の小指がしびれるんじゃけど・・」

なぜか、仰向けに寝て治療していると小指がしびれて来ます。そこで、小指をグーした時に、小指先が付くところ(少府穴=しょうふけつ)に鍼を刺して抜きます。

「しびれが無くなった。」

との事。このツボ、小指のしびれには即効性があるようです。

右足に縦横微塵に刺さった鍼を抜くと・・・

「足のしびれも無い。」

との事。しびれが生じている個所の圧痛点には、効く可能性大です。継続して治療してみようと思います。ただ、背中の張りは左は取れましたが、右側はまだまだ・・・

右眉毛の上には6本も置鍼したのに・・・・次回は、胸部のソマトトープを狙ってみます。

Aさんのくつ

若い頃、交通事故やスキー事故で全身打撲の男性患者Aさん。右足の骨折は40年以上経っても、股関節外側に慢性的は痛みがあります。

今回は、右足ウラの小指側を中心に置鍼することにします。

第4趾と第5趾の間に圧痛点があります。その1点を皮切りに、丁寧に圧痛点を探し、足ウラに6本、足の甲に2本置鍼。後は、ゆっくり30分ベッドで休んでもらいました。

Aさんの右足は、歩く時、小指側に体重がかかり、なおかつ、親趾が浮いた状態なのです。最も重要な親趾に体重がかからず、小指側にかかっています。この状態が続くと、右下半身の外側に張りが生じてきます。

Aさんは、骨折を機にこのような姿勢を強いられたと考えます。それならば、直接土台の足ウラを刺激し、全身を揺するのも一つの方法でしょう。

「Aさん、ゆっくり起き上がってみて下さい・・・・足どうですか?」

「途中、ジワ~っと暖かいものが流れて来ている感じだったです・・・・・即効ですね。痛くないですね!」

さあ~いつまで続くやら・・・・次回の報告が楽しみです。

眼瞼下垂対策

3年前から眼瞼下垂が気になる60才代の女性患者Bさんの続報です。

両目とも眼瞼下垂のため、ひどい時は全く目を開けることが出来ず、仕事にならない事もあります。

今日も、目をショボショボさせ、閉じることが多いようです。

YNSA 勉強会メンバーの河野浩巳先生から教わった、「眼瞼下垂は感覚点の眼点」を真っ先に実行。その後、耳鳴り治療点にも置鍼しました。

感覚点の眼点は、顔の正中線から、約1cm横で、生え際から約2cm下の圧痛点です。

耳鳴り治療点は、オデコから後頭にかけての左右側頭部に4個所ずつ8個あります。

「先生、ちょっと目が開くようになっとる。」

目を見開くほどではありませんが、普通に近い状態になっています。河野先生、ありがとうございます?

そこで、今度は足の親指を頭のソマトトープ(小さい人型)と捉え、お灸を親指にします。

親指のウラ側は、顔になります。ちょうど目に当たる個所に圧痛点があるはず・・・・

「痛い‼️先生、そこ痛い!」

やはり左右ともに2個ずつ合計4個ありました。そこに、それぞれに10壮ずつ合計40

お灸をしました。

Bさん、目どうですか?」

「開く、結構普通に開くね〜」

成果は出たようです・・・続けばいいのですが・・・