美容鍼の前に操体法❣️

「今日は、美容鍼をお願いします。」

突然の依頼に、心の準備がないまま・・・いやいや、大丈夫。

実は、私の美容鍼の師匠は、堀口三恵子先生という美容鍼を牽引している方です。

堀口先生は、

「カラダの歪みを取るのが先決。その後に、美容鍼をする様に‼️」

いう授業を必ずされます。そして、

「カラダの歪みを取るのは、操体法が一番です‼️」

そのため授業の半分以上は、操体法です。先生の操体法を見ながら、

『あ~~あ、これなら、オレの方が上手いワイ❣️』と思いながら、少しニヤッとしている生徒でした。嫌な生徒ですよね~~

そんな訳で、私が行う美容鍼は、操体法でカラダの歪みを取り、上半身のリンパをスムーズに流す押圧を行い、顔面の血流を促すために親指と人差し指の間の合谷(ごうこく)に鍼を刺し置きます。

そして、血流が上半身に偏らないよう、下半身の重要なツボ(要穴)に鍼を刺し置きします。

やっと、顔面の刺鍼となりますが、私は、5cm程の鍼2本を中指と人差し指で押さえて、顔面の血流を良く散鍼(さんしん)を10~15分くらい行います。

その後、百会(ひゃくえ)という頭の天辺に向かって皮膚を上げながら鍼を刺していきます。

鍼は髪毛より細い0.12mmで3cmの長さ。15~20分刺したまま音楽を聴きながらゆっくりしてもらいます。

目がスッキリして気持ちいいですよ~~

「やっぱり響きます❣️」

おおよそ3ヶ月前から来院。週1回くらいのペースで今回が10回目の70才代男性患者Bさん。病院では、下肢静脈瘤、脊柱管狭窄と診断されています。初診では、両足底が深さ1cm

位しびれて、歩行が難しい程でした。良くなったり、元に戻ったりしながら、徐々に回復しています。

今回は、足底の痛みはありませんが、左の足先にしびれ感が残っています。

早速、山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭皮に5本鍼の刺し置きをします。左のおでこの生え際に鍼を刺すと、

「先生、左の足先3本に来ました❣️」

どんぴしゃで、ツボに刺さったようです。残り4本は、特に変化はありませんでした(*^^*)

左手を全身と捉えると、親指が右下肢、人差し指が右上肢、中指が脊柱と頭、薬指が左上肢、小指が左下肢となります。最近の治療では、この見方で指にお灸を据(す)え、患部を治療することが増えています。

特に、冬場の寒い時期は、極力肌を出したくありません。なるべく、肘から下、膝から下、頭のツボを使った治療をするようにしています。患部の左足のしびれに対して、左小指に7ヶ所お灸をします。

「先生、右足に来ます。途中から右足が浮いた感じになります❣️」

左足にアプローチしたはずだったのですが、なぜか右足に反応があります。

今度は、右足にアプローチしてみます。左親指の圧痛点を丁寧に取り、お灸をします。

「先生が、親指先端を叩(たた)くと、右足ウラに響きます❣️」

「へ~~え~、面白いですね!チョット叩(たた)きますね~~・・・・どうですか?」

「やっぱり、響きます❣️」

初診時は、どこを触っても、強く押圧しても何も感じなかったBさん。

この3ヶ月で感覚は随分回復しているようです。

過去のカルテを読み返してみると、足底が完全にしびれているため、足底の強刺激を中心にスタートし、足底のお灸へと移行。次に、山元式新頭皮鍼療法(YNSA)の導入。

YNSAで治療し始めてから、感覚が鋭くなっている様です。今後とも、YNSAを併用していく必要がある様です。

強い生命力と強い意志

 

強い生命力と強い意志

先日、50才代の男性患者Cさんから、嬉しいメールをいただきました。ちょうど4ヶ月前に悪戦苦闘の治療をしたCさんは、高校時代は野球、大学時代はラグビーをしていたスポーツマンで、ガッチリした体躯の方です。

「佐伯先生、ご無沙汰しております。今日、雪の愛宕山に登ってきたのですが、いつも下山の際に痛くなる膝が、施術により、今回は痛くなりませんでした。不思議なくらいです。ありがとうございました。」

本当に嬉しいメール、ありがたいです。

しかし、あの時の治療は全く上手くいかなかったのです。にもかかわらず、4ヶ月持っている・・・?

何が効いたのかよく分かりませんが、4ヶ月前の治療を思い出してみます。

Cさんは、ラグビーでタックルをされた際、左膝半月板損傷。この古傷が痛み始めました。また、左下肢全体に張りと痛みもあります。

そこで、2つの見方による治療を行いました。

1つは、天城流。天城流では、膝痛は下肢全体の筋膜の絡(から)みをほぐす事に重点を置いています。特に、太もも、足ウラ内側の筋膜は重要です。

この2カ所に鍼とお灸をしっかりしますが、なかなか良くなりません。

ガッチリとした体躯なので、太ももの圧痛点に鍼を刺すのですが・・・

足ウラ内側にお灸を3~5壮するのですが・・・

そこで、2つ目。左膝の対角の右肘に14cmのステイック状の鍼でほぐします。

しかし、これもうまくいきません。

結局は、こんな状態で治療は終了しました。とても、気になっていたのですが・・・

「佐伯先生、昨日はありがとうございました。昨日の脚の痛みは全くなくなり、膝も軽くなったようです。」

というメールが届きました。

「えっ?良くなったんだ❣️」って言うのが、正直な思いでした。

それから、4ヶ月経っても、痛みがぶり返すこともなく、下山道でも膝痛が出なかった。

これは、私の技術というより、Cさんの生命力の強さと、治りたいという強い意志がこの様な結果を招いたものと思います。

そっと静かに消えて下さる?

右足先の痛みがなくなった92才の女性患者Aさん。本日は、右腕特に小指側のしびれが気になり、カラダ全体がだるいそうです。

92才になられても、頭はしっかりしておられ、毎日室内の散歩はかかせません。ただ、なかなか熟睡できないそうです。

いつものように、腹診をしますが、特にコリや痛みはありません。

指先のしびれを天城流では、肩甲骨、大胸筋、肘の筋膜を剥(は)がして治します。ところが、高齢の患者さんに、ある程度の痛みをが伴う剥(は)がしは不向きだと考えます。

そこで、肩甲骨、大胸筋、肘の圧痛点に軽く中指を触(ふ)れるだけの操法で治療。

この間、穏やかな時間が流れ、スズメやカラスの話、冬眠の話など・・・

「爆睡をしてみたいワ❣️」

突然、Aさんがおっしゃっいます。そこで、踵(かかと)中央部の失眠(しつみん)というツボにお灸をすることにしました。左右のツボに5壮(同じツボに5回)程度お灸をし、再び右腕に触(ふ)レました。

「Aさん、随分手があったかくなりましたね~~」

「そうなの、ポカポカしてる❣️」

肩甲骨と胸の圧痛点に軽く中指を添(そ)える操法をはじめます。しばらくすると、

「なんか、カラダは眠っているのに、意識があるのよ❣️」

「ええ、この治療法では、そういう事がよく起きます。ですから、いびきをかいている患者さんに、話し掛けるると会話が出来、会話が終わると、患者さんが再びいびきをかき始めたりします。」

「不思議ね~~」

しばらくして、

「そっと静かに消えてくださる?」

という事で、爆睡される事を期待しつつ、忍者のように消えていく私でした。

 

3本指が鍼(はり)のかわり

92才の女性患者Aさん、右足先(第2、3趾)が痛く歩くのに不自由だそうです。 また、右腕にしびれを感じます。

「Aさん、ベットでじっとしていても右足先は痛いのですか?」

「ハイ、痛みはあります。」

ということで、足先から最も遠い右側頭部の圧痛点を探すことにします。 この圧痛点は、山元式新頭鍼療法(YNSA)に沿った3カ所です。本来なら、この3カ所に鍼を刺し置きすればいいのですが、Aさんは、鍼が嫌(きら)いなため、右手の親指、人差し指そして中指の3本を、鍼の代わりにします。

3本の指をAさんの右側頭圧痛点に、軽く触(ふ)れるだけです。この状態で15~20分経過。

「Aさん、右足先の痛みはどうですか?」

「痛くありません❣️」

右足先は良くなったようです。3点のうち2点は、右足先狙(ねら)いだったのですが、残りの1点は右腕のしびれ狙(ねら)いです。しかし、右腕のしびれはなかなか取れません。

そこで、お灸を右肘の圧痛点4ヶ所に3壮ずつ、第4指の圧痛点にも2壮しますが、お灸の熱があまりお好きではないようです。

 「Aさん、ユックリ起き上がって歩いていただいてよろしいでしょうか?」

「あっ・・・右足痛くないです❣️」

右腕のしびれは取れませんが、右足先の痛みは取れましたので、治療を終了しました。

足首は手首で治す

長時間の正座で感覚がマヒしてしまい、立ち上がろうとした時、左足首が可動域を超えて外側の靭帯を損傷してしまった30才代女性患者Cさん。

近くの病院に行き診てもらったところ、大した捻挫ではないと診断されました。

しかし、翌日から外踝(くるぶし)が紫色に腫れ上がり、もう一度、別の病院に行き、手当を受けました。現在は、包帯でしっかりと固定されています。

「Cさん、捻挫をしたら、まず患部を氷水で徹底的に冷やしてください。毛細血管が切れているのでその切り口を閉じなければ、どんどん内出血してしまいます。」

Cさんは、この重要な処置をしなかったため、内出血の腫れが出来てしまいました。

今回は、左足首は固定されているため、その対角に当たる右手首の圧痛点を見つけ出し、全身のバランスを取っていく事にします。

右手首周辺の皮膚を丁寧につまみ上げていくと、痛いところと、そうでないところがはっきりと、現れてきます。痛いところに赤印を付けていくと、手首外側に大きな長細い地図ができます。この形の相似形が、左足首外側に存在しているのです。

今回は、右手の圧痛地形図にクスノキの瘤(こぶ)を軽く当て、気持ちよく揺(ゆ)擦ります。

かなり、ほぐれて来たので、お灸をします。

最も痛いであろうところは最後に残し、徐々に外側から始めます。

「ここ、痛いですか?」

「痛い‼️痛いです‼️」

やはり、足首の患部に対応する部位が、飛び上がる程痛いのです。そこにしっかりとお灸をし、今回は終了しました。

追伸、Cさんから下記のメールが届きました。

佐伯先生にこの前お灸して頂いたら、それまでズキズキ痛んでいた靭帯の痛みは治っています(ビックリ!)

また痛くなってくるのかなあ、と不安でしたが、今のところ大丈夫です。

佐伯先生のおかげです。ありがとうございます!

天才❣️

私の師匠、今昭宏先生のホームページに操体法における、想念の世界に関して、次の様な一節がありました。

「誰かにほめられたいとか認められたいといった思いが

強くなって、頑張り過ぎてくたびれるのは、

自分が自分をほめて認めることを忘れているからかも。

ときどき自分をほめて認めると楽しい。

「えらいぞ自分」

「たいしたもんだ私」

「素晴らしいぞ俺」

「私は天才だ」

などなど。

冗談でもウソでもいいからとにかく言うこと。

空間が明るく元気になります。(^^♪”」

「今先生は、天才だから!」

と、ニコニコ顔でさら~っと言い流す今先生。

授業中、何度も聞いたことがあります。

確かにその瞬間、明るく元気になります・・・ただし、今先生だから、嫌味に聞こず、明るくなると、心のどこかで思っているのは確かです。

私の人生でまだ一度も、「佐伯先生は、天才だから!」

と言ったことがありません。ただ、何度も、何度も「佐伯さんは、天才だ!」と言われた事はあります。

私が20才代、ニューヨークでビデオアートの創始者、ナムジュン・パイク(白南準)さんのアシスタントをしていた時、天才パイクさんから言われたのです。

掃除を丁寧にしたり、お疲れのパイクさんに指圧をしたりする度(たび)に、

「あ~~、佐伯さんは天才だ~」

天才のパイクさんに天才と言われると、うれしくて、うれしくて舞い上がり続けていました。

きっと天才という言葉は魔法の言葉なのでしょう。言い続けてたり、言われ続けていたりすると本当に天才に・・・・・・使ってみるか❣️

追伸、今先生、文章を使わせていただきました、事後報告で申し訳ございません。

陰と陽

造園業を営まれている患者さんから、クスノキの瘤(こぶ)について色々教えていただきました。瘤(こぶ)は、切った枝が1cmくらい残っていると、そこからポツポツとイボのような隆起が出来、そこから新芽が出て来るそうです。その新芽を摘み取ると次の年に新たなイボが出来、少しずつ底上げしていきます。この連続周期が数十年続いてこの瘤(こぶ)が出来上がるそうです。

という事は、この瘤(こぶ)は、新芽を作り出すイボの集団。イクラやタラコのような生命の塊(かたまり)とも考えられます。

それで、この瘤(こぶ)に触れた時、パワーの様なもの、あるいは、じんわりとした温かみを感じるのだと思います。同じ瘤(こぶ)でも切り取った断面の部分は、温かみが全くありません。ひんやりと冷たいのです。これは、木に含まれる水分が、断面から蒸発しているためだと思います。

つまり、この瘤(こぶ)という部分が、もうすでに陰(断面部)と陽(イボの表面)の全体を表現しているのです。その事を理解した上で、患者さんのカラダの虚実陰陽を探り治療することが大切になります。

今回の京都出張治療では、丸住和夫先生はじめ操体仲間、そして、患者さんやロンドクレアントに集う人々から多くの事を学びました。出会いに感謝❣️

正座が出来た❣️

昨年の4月から正座が出来なくなった60才代の女性患者Bさん。変形性膝関節症と診断され、今回の治療で8回目となります。徐々に回復し正座した時、太ももと踵(かかと)が接触するぐらいになっています。初診の時は、14~5cmくらいは空いていたと思います。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で、膝、下肢に対応する頭部に鍼を刺し置きします。

あとは、松山から持ってきた2個のクスノキの瘤(こぶ)をBさんの両膝うらに置き、3個目の瘤(こぶ)を太ももの内側に置き、ユックリと揺(ゆ)するだけです。

「どうですか?」

「気持ちいいです。最初痛かったところが、徐々に痛くなくなって、気持ちいいです。先生、このイボイボ、絶妙ですね~~」

「これ、私に合っていると思います。」

15~20分くらいは揺(ゆ)すって、太ももが随分ゆるんできました。

「頭に鍼を刺したままですが、ユックリ起き上がって、正座をしてみてください。」

「・・・よっこらしょ!・・・アレッ、正座できた❣️❣️・・・・何ヶ月ぶりやろ?(10ヶ月ぶりです)」

確かに、しっかりとお尻が踵(かかと)について体重が乗っています。ただ、両膝の内側にまだ痛みがあります。そこで、対角の両肘内側の圧痛点を探してみます。

「痛った!先生、そこ痛い。」

肘と膝はお互い影響し合っているため、対角に位置する部位(右膝←→左肘)を治療すると連動して良くなることが、あります。そこで、両肘圧痛点に鍼を刺してみました。

頭に刺した鍼を抜いて、

「ユックリ起き上がって、正座してみてください。」

「・・・・張りがあるけど、痛みはありません❣️・・・これなら、お茶(茶道)できそう❣️」

とニコニコ顔のBさんでした。

玉杢(たまもく)?

昨日(2月6日)19時から、京都市内の「ひと・まち交流会館」で操体法勉強会がありました。そこで、私が使用しているクスノキの瘤(こぶ)をお披露目しました。

「玉杢(たまもく)や!これは、貴重ですよ。」

とお声が上がりました。瘤(こぶ)を輪切りにすると小さな年輪の集合体が平面になって現れます。これを玉杢(たまもく)というそうです。木の愛好家にとってはお宝もののようです。この事を知らなかった私は、まだまだ・・・です。

H「佐伯さん、どのくらい乾燥させているんですか?」

と質問があり、とっさに1年くらいと答えたのですが、よくよく考えてみると、3年近く経っていました。

実家の神社にあるクスノキを伐採し、それを弟(神主)が燃やしていたのですが、その木があまりにも面白い形をしていたので、

「これ、欲しい。積み木の作品か何かになりそうじゃ!」

ということで、保管していました。その後、友人から新たに譲り受けた木が約1年半くらいの乾燥状態です。ところが、良く調べてみると、自然乾燥は3年位必要です。

特にクスノキは、木目が交差しやすく、しっかり乾燥していないと割れてしまいます。

今使用している大きな瘤(こぶ)は、乾燥が1年半ほどですから、途中からひび割れが生じる可能性があります。特に伐採時期を間違うと、虫を寄せないクスノキでさえ、虫が集まって来ます。12月から2月初旬までの樹皮が水を上げない期間に伐採をします。

これも全て自然の摂理です。しっかりと学ぶ必要があるようです。

勉強会では、腸内細菌、唾液と虫歯の関係、裸足生活等、多岐(たき)にわたり話しあわれ、

ついていくのに精一杯。

博識でしかも、ご自身のカラダを通して研究実行されている丸住和夫先生に、心より尊敬いたします。

来月の勉強会が楽しみです❣️

追伸、弟からメールがあり、今回切って、研磨した瘤(こぶ)は、1年半前から乾燥したクスノキだったそうです。作業は全て弟がしています。ありがとう?