愛媛県はどこ?

大型台風10号が、四国を直撃。しかも豊後水道を通り、佐田岬を縦断となると、松山市は大変と多くの方々は、想像されることでしょう。

ところが、強風を感じることなく、雨がシトシト降って夕方を迎えました。

四国山脈は思いのほか標高が高く石鎚山1982m、剣山1955mあり、石鎚山は西日本では一番高いのです。そのため、反時計回りの南東の風は、高知県、徳島県大雨と強風をもたらすのです。

被害が多い地区の方々には、申し訳ないのですが、愛媛県でも松山市あたりは台風の影響は

少ないようです。ただし、注意報、警報は出ています、油断は禁物。

日本列島の地形をカラダと見なすと、愛媛県は・・・・太ももの内側かな・・・

足ウラが大事なんじゃ

3日前に、「ケンビキだけが、痛いんじゃ・・・ここよ。」と来院された運送業を営む50才代の男性患者Cさん、本日も来院。

「どうですか?」

「やっぱり、ケンビキ(肩甲骨痛)が気にならい。」

「そうなん・・・また、ガニ股になっとるね~」

「気をつけとるんじゃけどな~~」

そこで、今回は人工芝の上に置いた陶器の球の上を歩いてもらう事にしました。ゴルフボール位の大きさ。この上に足ウラを置き、体重を乗せると、

「痛っっっった‼️・・・これは、無理じゃ・・歩けん」

「痛かろう・・けど、ちょっとガマンして・・・・やれる範囲でやってみて・・・」

痛かろが、どうであろうが、7分間自身のカラダと付き合っていただきました。その後、前回同様、肩甲骨に対応する腸骨周辺の圧痛点を探しますが・・・・なかなか見つかりません。

「前は、すぐに見つかったのにな~」

「あんまり、ここじゃ!ちゅうとこが、ない・・・」

などと言いながら、臀部に3本置鍼し、20分程ゆっくりしていただきます。鍼を抜いた後、

「Cさんもう一度、人工芝の丸い石、歩いてみます?」

「・・・・う~ん、歩いてみよか」

するとCさん、歩けなかった丸い石を、嫌々ながらも歩けました。

「歩けるようになっとる・・・やっぱり、足ウラが大事なんじゃ・・・」

「そうじゃろ・・・土台じゃけん。」

Cさん、足ウラが柔らかくなると、ケンビキ(肩甲骨痛)が気にならないようです

柳の下のドジョウ?

30才女性患者Aさん、右肩甲骨の内側に痛みを感じ、カラダをひねると痛みが増します。

合谷診では、やはり胸椎にコリがあります。左肩甲骨に対応する左生え際C点に3本置鍼。

前日、運送業を営む50才代の男性患者Cさんが「ケンビキだけが、痛いんじゃ・・・ここよ。」と来院されましたが、AさんもCさんと同じところに痛みがあります。ということは、Cさんと同じ治療法が考えられます。

肩甲骨と胸椎の間の痛みを、腸骨と腰椎の間にある圧痛点に置鍼し、肩甲骨の痛みを取る。

はたして、「柳の下のドジョウ」になってしまうのか・・・やってみないと分かりません。

Cさんの場合、腸骨の圧痛点は、比較的簡単に見つかりましたが、Aさんの場合、なかなか見つかりません。この場合、患者さんにどこが痛いのか、しっかりと聞くことが大切です。

その痛点に対応する腸骨と腰椎の間の位置を推測し、押圧すると見つかりやすいです。ようやく見つかり、置鍼。一カ所見つかると、徐々に見つかり始め、合計5本の置鍼となりました。

「ひねっても、痛みが無くなりました。ガムテープのノリの部分が少し残っている感じです。」

そこで、胸部ソマトトープ(小さな人型)の肩に対応する、胸骨柄の圧痛点(イラスト参照)に鍼をして、改善出来ました。どうやら、ドジョウは見つかったようです。

ケンビキが痛い

「ケンビキだけが、痛いんじゃ・・・ここよ。」

運送業を営む50才代の男性患者Cさん、入室するや否や、訴えて来られます。

松山市に戻り、開業したのは3年前。それまで、色々なところで生活していたので、記憶が定かでない方言があります。

ケンビキがそれです。これは、口内炎、肩コリ、歯痛等を指すようです。Cさんの場合、肩甲骨の内側を押さえながら喋っているので、肩コリと推測できます。ただ、鍼灸師ならば「腱引き」という民間療法を思ってしまいます。私も一時期、腱引き治療をしていた時もありました。これは、達人ともなると、凄い技です。

いずれにしろ、Cさんの肩コリ。何とかしなくてはなりません。

「また、ガニ股で歩いたり、運転も、ガニ股になっとるんじゃろ?」

「ほうよ、ほうよ、気にはしとるんじゃけど、気がついたらクラッチも小指側でな、こやって、こやって踏んどらい。」

「そんなことしよったら、ここで治しても、ついじゃろ(同じでしょう)。」

「分かっとるんじゃけどな~、ついつい楽じゃけん。」

「それが、いかんのよ。」

大した指導にはなっていませんが、一応注意だけはしておきます。

今回は、ケンビキという肩甲骨内側を指定し治療を願っているので、

「ケンビキだけじゃな~、そしたらな、痛いほうを上にして、横になってくれます?」

肩甲骨と骨盤の腸骨は、よく似ています。骨盤は、仙骨+尾骨と寛骨からなります。寛骨は、腸骨と坐骨と恥骨からなります。と文字で表すと混乱しますので、イラストで確かめてください。

よく似ている肩甲骨と腸骨は圧痛点も同様に現れます。Cさんは肩甲骨の内側の1点が痛くてしかたがありません。そこで、腸骨稜から内側の圧痛点を探します。

「痛った‼️そこじゃ。」

しっかり2寸の鍼で3本ほぼ同じ個所に刺しました。

「どうですか?」

「ありゃ、痛ないわい。」

本日は、短時間の治療で終了しました。

下顎骨と寛骨

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。

「先生、先週は調子良かった。水曜日には、友達と初めて食事に行けた。今までやったら、夜に外出なんか、考えられんかったのに・・・」

「それは、良かった!・・・・頭の後ろに刺したんが、良かったんじゃろか。」

いつものように合谷診をして、頭に置鍼。しかし、Cさんは、アゴに痛みが残っています。そこで、頭の後ろに6本置鍼。

これは、頭頂部から後頭部の正中線上にあるソマトトープ(小さな人型)の、アゴを狙って鍼を刺したのです。

これで、かなり痛みが軽減しました。まだ残っている痛みをどこで取るか・・・

そこで、考えました。以前、

頭骸骨⇄仙骨

下顎骨⇄寛骨(腸骨+坐骨+恥骨)

頚椎⇄腰

といった相関関係を述べたことがありました。⇄は、よく似ていて、圧痛点も相関関係にあると考えます。とすれば、下顎骨あたりが痛いCさんは、寛骨に圧痛点があり、鍼を刺して治るのでは・・・と思い、丁寧に診ていき見つけました。

「痛い!先生、そこ痛い!」

2カ所に4本刺して抜きました。

「先生、消えた!痛みがなくなった。」

長持ちできるように、寛骨の圧痛点3カ所にパイオネックス(円皮鍼)。さて、今回はどの位保つのでしょう?ちょっと、楽しみです。

小指を握る

夏の全国高等学校野球大会が、始まりました。愛媛代表の宇和島東は12日に試合があるようです。しっかり応援しますよ!先日、ある試合を民間放送で、たまたま見ていたら、

「いいピッチングをしていますね~。グラブ持ってる小指をしっかり使って投げているので、いい投球が出来るんです。」

この解説を聞いた途端、この人凄い!こんな解説を聞きたかったんじゃ!と嬉しくなりました。もちろん、作戦や試合の流れを解説するのは、大切で興味ありますが、どちらというと、大人が好きなテーマ。

それに対して、カラダの使い方をしっかりと解説することは、これから、野球をしたい子供達に必要な教えとなります。

では、右ピッチャーが投げる瞬間に、グラブをしている左手の小指を握ると、カラダはどうなるか・・・・右ピッチャーがボールを投げ始める時は、重心がしっかり右足にかかります。次の動作は、かかった重心をスムーズに左に移す事となります。その重心移動を素早くスムーズにするために、左手の小指を握る必要があるのです。

左小指を握ると、左半身が屈曲し、右半身の動きを素早く誘導するのです。これが、ポイント。

操体法で常に「足は親指、手は小指」と言っているのは、この事です。

 

 

 

 

第3指と第3趾

造園業をされている70才代の男性患者Bさん。

右手の人差し指、中指、薬指(第2、3、4指)に痛みがあり、伸ばしたり握ったりが、やりづらい状態です。この様に、局所が単独で痛い場合は、真っ先にその対応をします。

まず、C点という正中線から右に4.5cm右の生え際から1cmほど内側に斜め45°入ったあたりの圧痛点に3本置鍼。

その後、右足の指(第2、3、4趾)をチェック。ややムラサキ色で、異常に緊張しています。軽くつまんでみると、

「あ痛った!・・・今までで、一番痛い。」

Bさん一瞬にして苦痛の表情となります。特に、第3趾は棒の様にピーンと立っています。第3趾に対応する右手の中指(第3指)の第1関節が、Bさんの最も痛いところです。

カラダは正直で、最も痛い右手の中指と、それに対応する右足の第3趾が、形状がいびつで、最も痛くなっています。

Bさんに圧痛点を触りながら説明すると、痛い表情と理解できた嬉しさで、痛がりながらニッコリ笑顔で応じてくれます。足の指圧痛点に、パイオネックス(円皮鍼)を貼って本日は終了。

「先生、指がよく動くし、楽になりました。」

こちらもニッコリ笑顔になりました。

京都出張治療2日目

猛暑の京都出張2日目、70才代の女性患者Aさん。脊柱管狭窄症と診断されています。

「左膝の内側が、朝起きた時から痛いのよね。それと、腰が重い感じ。」

「そしたら、膝を先に診ましょう。左膝の痛いところが、左肘にも同じ様にありますから、左肘に鍼をしますね。」

山元式新頭鍼治療(YNSA)では、左下肢の状態が左上肢に反映される原則を、治療に使います。Aさんの左肘の圧痛点に鍼を刺して抜く治療をしながら、左膝の状態をAさんに聞いていきます。

「どうですか?」

「ずいぶん、いい感じ。」

「これで、どうですか?」

「・・・いい感じ!」

という事で、膝治療は終了。続いて、合谷診(親指と人差し指の間の触診)の後、オデコ中央部に2本、左右耳ウラの圧痛点に、一本づつ置鍼。

特に、耳ウラの鍼は、山元先生になりきってしっかり置鍼。すると、この1本でAさんの腰が楽になりました。改めて、鍼1本のパワーを実感しました。

渋野日向子の思い切り

8月第1週の水曜日は、京都出張治療初日です。今回は、患者さんの都合で4日間。

熟睡の夜行バス移動は、非常に効率がよいのです。スッキリとした頭で、北白川のロンドクレアントに向かうバスに乗っています。

市バスでは、ほぼ乗る席が、決まっています。荷物が多いので、運転手の後ろの席にすわります。ここだと、荷物が余裕で置け、目の前の地図(方向オンチなので、心強いのです)で、居場所が分かります。しかも、両替機と、出口(京都市バスは、出口が前にあります)が近いので、朝からご機嫌様になるのです。

ちなみに、乗車券は230円。一日乗車券は600円です。

岡崎公園付近で、テニスを楽しんでいる女性を見ていると、先日の渋野日向子さんのウイニングショットを思い出してしまいました。

あの思い切りの良さは、全てに通じます。鍼を刺すのも思い切りです。

彼女のショットと、山元先生をイメージして鍼を刺し・・・・おっとと、間もなく、北白川別当町です。降ります。

宮崎YNSA セミナー(症例9)

5~6才の男の子Iくん、お母さんと一緒に入室。夜尿症です。

「毎日?」

「ほぼ毎日です。ただ鍼をしている間は、良かったです。」

山元先生は、Iくんの小さな左右の手を同時に、包むように持ち、

「こっちは、ないね・・・・あるのは、こっちだね。」

Iくんの右手に、コリがあったようです。山元先生は、Iくんのオデコ中央部やや右の生え際に、パイオネックス(円皮鍼)を貼っていかれます。

「ボク・・・押さえると、痛い?」

Iくんは、首を横に振りちょっと強がりを見せます。山元先生は、Iくんのオデコにmm単位で密集しパイオネックスを貼り、やや強めに押されます。

オデコの中央部は、A点と言って頚椎に対応する個所なのですが、山元先生は、このA点の狭いエリアにソマトトープ(小さな人型)を見つけておられるようです。

しかし、余りにも超越した天才芸のため、私には、全く理解できません。

夜尿症ならば、Y点(側頭部にあります)の膀胱点に置鍼のはずですが・・・・

両手をオデコに当て、嬉しそうにお母さんと一緒に退出するIくんを見ながら、

ちょっぴり、ため息が出てしまう私でした。