リウマチの患者さん

 

50才代の女性患者さんが、初めて来院されました。この方は30才代から全身のリューマチになられ、苦労されておられます。そこで、山元勝敏先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」の関節リウマチの患者さんの症例を記載し、治療方針を確認しようと思います。

『YNSのリウマチ治療の体験談を読んで、香港から来院。2年間、苦しんだ痛みが改善された

「関節リウマチ」で体中に痛みがあり、とくに腰の強い痛みを治してほしいと治療に見えた患者さんです。日本の方ですが、現在住んでおられる香港から、ご主人と一緒に来られました。

「実は、リウマチの治療体験記の本を読んでいたら、先生のところでリウマチの痛みが治ったと書かれているのを見て、香港から飛んできました。」

だいぶ前になりますが、同じようにリウマチで体の痛みに悩んでおられた奈良に住む30歳代の女性の患者さんが、3日間、私のところに治療に見えたことがあります。1回目の針で痛みは軽減し、翌朝起きたときに、すっかり痛みや消えていたことから、大変に喜ばれて、「なんで効くんですか」「どうやって見つけたんですか」といろいろ質問をしてこられた、とても楽しい患者さんでした。この患者さんは、リュウマチの治療をとても熱心にされていて、自分で体験談をまとめ本を出されていたのです。

香港から日南まで治療にこられたのは、この本を読まれての事でした。2年前に関節リウマチと診断を受け、その後もずっと強い腰の痛みに苦しんでおられたそうです。1回目の針で、痛みはだいぶ改善し、日南に一泊された翌日の2回目の治療で全く痛みがなくなり、大変に喜ばれて香港に帰られました。

私のところには、リウマチの患者さんも多く見えます。リュウマチには痛みだけでなく、手の指が固まってしまう硬直の症状もあります。私はYNSAの長い研究の間に、頭部だけでなく、体の部位にも症状を改善する店を発見してきました。

足のふくらはぎのやや下あたりに発見した点は、手の指の硬直の改善にとても大きな効果をもたらします。針をした直後に固まった指がパッと開くという、患者さんも大変に驚かれる反応があるのです。YNSA』によるリュウマチの治療は、痛みにおいても、硬直においても、治療を続けることで大きな改善が見られます。

ギックリ腰

1月下旬に3日間昼夜逆転する仕事が入ったためか、普段は快便なのに便秘になってしまった40才代男性患者Bさん。1週間前ギックリ腰になってしまいました。今回が初めての来院です。

「寒くなって、血流が悪くなるとギックリ腰になる方がおられますね・・・・それと、肉体的、精神的なストレスで、右の骨盤が上がって左足の方が長くなっている場合が多いんです。」

「そうなんです。ズボンの長さが左右全然違うので・・・・」

「そうしたら、長さをはかってみましょう・・・・・やはり、左の方が2.5cmほど長いです。ギックリ腰の原因の一つは、この骨盤のズレですね。」

という訳で、操体法を3回行い調整しました(今回は、操法省略)。何故、右骨盤が上がる傾向があるか?・・・・それは、ストレスによる腸管膜根(ちょうかんまっこん)の縮みにあります。腸管膜根とは、小腸の根元で左腰椎から右仙椎に斜めに存在し、ストレスにより右仙骨側が縮み上がる傾向があるのです。2.5cmのズレと寒い冬での昼夜逆転仕事、これらは、ギックリ腰の要因でしょう。

合谷診:左(左側を診断します)

膝診:左頸椎#2、#7(2)、左胸椎#9、#12(2)、左腰椎#2~#6(2)

首診:左腎(1)、胆(1)、三焦(1)

:右大腸(1)

(   )内は置鍼数

Aさんのギックリ腰は右側です。上記の置鍼で右大腸の置鍼がずいぶん効いたようです。ギックリ腰の痛みが半減しました。次に第5腰椎ねらいで耳周辺の治療点に2本置鍼。これで、来院した時10だった痛みが3になりました。その3日後に再来院され、治療完了となりました。

百人の名医

鍼灸師として治療していて、つくづく感じるのは、カラダの治ろうとする健気(けなげ)な姿勢です。その姿勢に導かれながら、治療が行えるのです。特に山元式新頭鍼療法(YNSA)は、患者さんに診断点や治療点の痛みを伺いながらの協同作業なので、お互いが患者さんのカラダを通して、その時々の反応を感じ取ります。この反応こそが、カラダが良くなろうと向かうベクトルなのだと思います。

山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」にその本質が書かれていますので抜粋いたします

『体は、自分で自分を治療する力を持っている

人間の体は、つねに「元気にしよう、もっと元気にしよう」という方向に向かって、さまざまな機能を働かせています。

針の効果をご説明したときに、人間の体は、モルヒネと同じ働きをして、痛みを止める「エンドルフィン」という物質をつくり出せることをお話ししました。このほかにも、人間の体は、心筋梗塞や狭心症の治療に用いられる、「ニトログリセリン」と同じ働きをする「EDRF」と言う物質を作り出すこともわかっています。

最近では、痛みを軽減させたり、精神を安定させたりする「オキシトシン」というホルモンが体をなでるだけで分泌されることもわかってきました。私たちの体は、体にトラブルが起きると、それを治療する物質が分泌されるようにできているのです。「医学の父」といわれる古代ギリシャのヒッポクラテスは、「人間は誰でも、体の中に100人の名医を持っている」と述べています。

体が持つ、自分で自分を治療し治す力、つまり、「自己治癒力」は、驚くべき力を備えていて、痛みであっても、体の不調であっても、うつ病やパーキンソン病の症状があっても、そして麻痺であっても、改善させる力を備え持っています。

YNSAの針の役割は、その力を引き出すに過ぎません。症状を改善させているのは、自分の体自身なのです。』

新しい試み

 

4年前から通院されている60才代の女性患者Cさん。4年前は右股関節が痛くて、夜中眠れない日々が続きましたが、半年の治療で股関節の痛みはなくなりました。そして、3年間は週に一回のペース、最近は2週間に1回のペースで通院され体調管理をされています。Cさんには、頭の鍼、足の灸、操体法など様々な治療法を行っています。前回は操体法のみの治療で調子が良かったので、今回は操体法と山元式新頭鍼療法(YNSA)の新しい組み合わせを行なってみました。

いつものように、合谷診(親指と人差し指の間の触診)、膝診、首診を行い本来なら頭に鍼を刺すのですが、その代わりに中指を軽く触れる操法をおこないました。今回のCさんは、右大腿部前面に痛みがあります。それがずいぶん効きました。

「OKグーグル、タイマー2分半お願いします。」

「おっしゃっている意味がよく分かりません。」

「・・・・OKグーグル、タイマー2分30秒お願いします。」

「はい、2分30秒ですね・・・・ではスタート。」

こんな感じで、Cさん頭の治療点に8カ所、2分30秒指先を頭皮に軽く触れるだけの操法をしました。その結果、右大腿部前面の痛みがなくなりました。ところが、右仙骨に痛みが出てきたのです。この指を軽く触れる操法をしていると、過去のケガなどがタマネギの皮をはぐように出てくる事が数多くあります。

「先生、思い出しました・・・・もう、10年ほど前のことですけど、引っ越しの最中に脚立から落ちて仙骨を打って・・・それから、家族は私が高いところの物を取りに行こうとすると、やめてやめてと言うんです。そのあとです、エアロビクスをした2~3日後、股関節痛で眠れなくなったのは・・・・・仙骨を打ったのが原因なのですね。」

「そうだわ・・・その通りですね・・・・あれ?カルテには、階段から落ちたとありますが・・・」

「あれは、脚立から落ちる前のことで、別物です。」

「なるほど。」

そこで、仙骨ねらいで右耳周辺の圧痛点に2分30秒の「指先触れ操法」をおこなうと、痛みがなくなったので治療は終了となりました。今後、Cさんにはこの治療法が良いかも知れません。次回、2週間の経過を伺いながら相談しようと思います。

車椅子が必要なくなった!

山元式新頭鍼療法の創始者、山元敏勝先生の「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る」から、症例の抜粋です。この症例を改めて読み返すと、診断がいかに大切かが分かります。はたして私の診断は上手くいっているのだろうか・・・・漫然とパターン化しているのでは・・・・と、考えさせられます。明日からの診察は、違っているはずです。

『歩くこともできなかった突然の強い腰の痛みが1回の治療で改善した

腰痛による歩行困難  女性 48才 主婦

突然、腰につよい、痛みが起こり、その痛みで歩くことができなくなった患者さんが、車椅子で、ご家族と一緒にみえました。

「2 、3日前から他の整形外科で診てもらっていたのですが、痛みがぜんぜん止まらないんです」

患者さんご本人も、心配されるご家族も、その様子はとてもつらそうでした。状態を把握するために「ちょっと、立っててごらん」と言うと、左手を診察室の机の上に置き、右手を固定した車椅子で支え立ち上がろうとしたのですが、「痛い、痛い」と顔は痛みにゆがみ、足はやっと「くの字」曲がるように立てるだけで、それも一瞬だけのことでした。

痛みで動くことがまったく困難だったため、MRIはもちろん、レントゲンさえ撮ることもできない状態でした。そこで詳しく診断を行い、がんなども含めて内臓の疾患ではないことが判断できたため、首でYNSAの診察を行いました。

腰の痛みの原因は、とても複雑で、首の骨である頸椎や、また、他の部位に原因があったり、複数の要因が関係しあっているなど、ひと言に腰痛といってもその原因はひとくくりにすることはできません。

この患者さんの場合には、首診で頸椎にかかわる点に反応が出ていたため、頭にある頸椎につながる点を中心に針を刺し治療を行いました。

30分そのまま置いた後、針を抜いて「もう一度ちょっと立ってごらん」と言うと、今度は容易に車椅子からスッと立ちあがることができたのです。痛みも大きく改善されました。

また、診察室内を歩いてもらうと、歩行も問題なく行うことができ、乗ってこられた車椅子がぽつんと置かれている状況を前に、とても嬉しそうにされていました。数日すると、痛みがまた起こる場合がありますが、この患者さんの場合は、この1回の治療で落ち着かれたようです。』

受容

 私が30才代の頃、とある精神科の病院で芸術療法家として、働く機会がありました。その時、月に1回(2回だったかも?)尊敬するU先生の勉強会があり、様々な学びを得ることができました。今こうやって鍼灸師として生活しているのも、必然的な流れだったと思います。

その勉強会で一番記憶に残っているのが「受容」という言葉です。そこで、ウィキペディアの「受容」に関する記述を抜粋してみます。

『受容とは、相手の存在そのものを受け止める事です。元は来談者中心療法(アメリカの心理学者、カール・ロジャーズが創始)の中の1つのスキルで、心理カウンセラーが使う聴き方・関わり方です。

受容は決して相手を否定したり評価しない考え方なので、相手の方に話しやすさを感じてもらえます。受容が形になって現れているカウンセラーは、安心出来る穏やかな笑顔で、その人の側にいるだけで癒される感じがします。

受容の姿勢でかかわる時は、とにかく受け止めます。相手が話した事について

自分の意見は伝えない

良い悪い、評価はしない

アドバイスもしない

具体例を交えて解説します。

具体例

例えばあなたが友人から、

「会社で上司にねちねちと細かい事を言われて、殴ってやろうかと思ったわ!」

と言われたら、受容的な返しは

「ねちねち細かい事言われると腹が立つよね。」

です。こう返すと、自分の気持ちを受け止めてくれた、わかってもらえたと感じられます。

上記の「腹が立つよね」は、相手の気持ちを汲み取った言葉で、傾聴技法では共感といわれています。受容の性質から、共感とセットで使うことが非常に多いです。』

『心理カウンセラーは相談者に受容を感じてもらうために、次のような関わりを心がけています。

相手が安心できる笑顔

姿勢(身体を相手に向ける)

視線を合わせる

相手が安心出来る声のトーンで関わる

安心出来る目の表情で関わる

上記の関わり方で、何を話しても大丈夫ですよというメッセージを態度で現していきます。

受容されていないと感じられる関わり

ありがちなケースとして、話し手の方が自分自身を責めている時に

自分自身を責めるのはよくないですよ。

と伝えると、受容されているとは感じられません。言っている事は正しいのですが、自分を責めている状態のその人自身を否定している事になるためです。

「そういった状態だと苦しいですよね。」だと責めているその人自身の気持ちを汲んでいるかかわりですので、受け止めてもらっている(受容されている)と感じられ、楽になれます。』

私は、鍼灸師であると同時に、心理カウンセラーでもあるということを、忘れていたように思います。今後は、「受容」を基本にすえて鍼灸治療を行いたいと決めました。

今日で通院、1年。

1年前の今日(2月3日)初来院の60才代男性患者Aさん、当時、1週間ほど後に左膝下の脛骨(内側の大きな骨)にくさびを打つような手術(O脚治療)を予定していました。ところが、友人の勧めで当院の治療を受けることになりました。1回の治療で膝の痛みがなくなり、2日間その状態が続きました。

「これは、もしかして治るかもしれん。」

と思い、手術の中止を病院にお願いしたそうです。その後、週に1度のペースで来院され、痛みのない日が2日続くという状態が1ヶ月程あり、徐々にその間隔が長くなっていきました。Aさんの治療は、頭に置鍼した後、見つけた足の治療点にお灸をするのです。Aさんの素晴らしいところは、せんねん灸を自ら足に毎日やっていったことです。

そのため、3ヶ月経つと2週間に1度のペースとなり、8ヶ月後の10月からは月に1度のペースになりました。そして、この3ヶ月は鍼治療をやめて、操体法を中心に治療をしています。Aさんは、大好きな野球を普通に出来るようになり、来月の治療後、その日の夜、野球仲間とフェリー船に乗り三重県まで野球の試合に行かれるそうです。

「鍼灸師になって良かった!」

とつくづく思うのです。

脳幹に脳梗塞のドイツ人女性

脳幹という生命維持装置に血栓ができたドイツ人女性の、YNSA治療のお話です。山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者山元敏勝先生は、150万人もの患者さんの治療を行い、独自の鍼治療を開発されました。このYNSAが最も普及しているのがドイツです。19万人のドイツ人医師がYNSAの研修を受け、YNSAの試験を受け合格した医師には、YNSA治療で保険対応ができる制度があります。

さて、このドイツ人女性はどうなったのでしょうか。

『この患者さんは、ドイツ人の女性で、6年前に発症した脳梗塞による後遺症で、手足に麻痺がありました。梗塞を起こした脳の場所が、脳幹という生命維持に重要な部分だったため、発症時は、数週間昏睡状態が続いていたそうです。麻痺は両手両足におよび、呼吸も表面的な浅い呼吸で、深呼吸はもちろん、ろうそくの火を消すこともできない状態でした。

この女性は、私がYNSAの講演でドイツに行ったときに、ある病院に入院されていました。そして、ドクターから「6年間リハビリを行ってきたが、何にも変化がないので診て」ほしいと頼まれたのが、この患者さんとの出会いのきっかけでした。

頭部に針を刺し治療を行うと、その直後に手足がわずかに動くと言うことが起こりました、そして、私の滞在中に、麻痺した手足に大きな動きが見られるようになったことから、ご本人とご家族の強い希望で、日本に来られ、日南の私の病院に入院して治療を続ける事になったのです。

私も毎日、休まず治療を続けました。

日を追うごとに順調な回復をみせ、3週間後には、左手にいくらか力が入るようになってきました。その力は日々強くなり、2ヶ月後にはペンをにぎり形にはなりませんでしたが、文字を書くことができるようになりました。8ヶ月後には、自分で体を支えながら座ることもできるようになり、左手を使って自分で食事もできるまでに大きく改善しました。表情にも笑顔が浮かぶようになり、書く文字もはっきりと読み取れるようになりました。

そして10ヶ月後には、両足に保護装具をつけて、つかまりながらであれば1人で立つこともできるようになったのです。左手で書いているため、やや不自由そうな文字ではありましたが、通常とはほとんど変わらない8行の長い文章で書いてくれな言葉には、まったく動かなかった体が動くようになった喜びとドイツで待っている子供たちに会いたいので、クリスマスには帰りたいが、日本に戻ってまた治療を続けたいと書かれていました。

ここまで大きな改善が見られた患者さんですが、脳のMRI画像は、入院当初の画像と全く変化は見られませんでした。このことから、障害の起こった脳の部分が改善されたわけではなく、その他の部分で改善をもたらす力が働いたことがわかります。

全く体が動かなかった。6年もの間、ご本人にとってもご家族にとっても大変に辛く悲しかったことでしょう。脳幹に起こった梗塞による重度の麻痺であっても、ここまで回復をもたらすことができた事は、私にとって貴重な体験といえます。』

顎関節症を治す

今回ご紹介する山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る」の症例は、顎関節症です。この顎関節は、脳神経と深く関わっています。そこで、ウィキペディアから脳神経に関する説明を抜粋します。

『脳神経(のうしんけい、ラテン語: Nervus Cranialis)とは、脊椎動物の神経系に属する器官で、脳から直接出ている末梢神経の総称。これに対し、脊髄から出ている末梢神経のことを脊髄神経と呼ぶ。

第I脳神経 – 嗅神経

第II脳神経 – 視神経

第III脳神経 – 動眼神経

第IV脳神経 – 滑車神経

第V脳神経 – 三叉神経

第VI脳神経 – 外転神経

第VII脳神経 – 顔面神経

第VIII脳神経 – 内耳神経

第IX脳神経 – 舌咽神経

第X脳神経 – 迷走神経

第XI脳神経 – 副神経

第XII脳神経 – 舌下神経』

上記のように、12の脳神経は脳から直接出ており、 迷走神経と副神経以外は、頭部及び首に位置する神経となります。症例の中学生(15才女子)の治療法は、見事です。治療関係の方は、顎関節症の患者さんが来られた場合、是非参考にしてみてください。

『突然口が開かなくなり来院、1回の治療で完全に改善し、食事もできるようになった。

顎関節症 女性 15才 中学生

この患者さんは、日南に住む中学生の女の子でした。突然口が開かなくなり、その日のうち、すぐに来院されました。ショートカットの快活そうな女の子でしたが、急に口が開かなくなったことへのショックと不安から、とても元気がなく、心配そうな顔をしていました。

口はわずかに指が1本入るくらいにしか開けることができず、「口を動かしてごらん」と言うと、耳の付け根あたりにカクカクすると言う違和感と顎の痛みを訴えました。何とか会話できるものの、ままならない状態で、もちろん、何かを食べると言うこともまったくできる状態ではありません。

私の西洋医学としての診断は、顎の関節に障害の起きる「顎関節症」でした。YNSAの首診を行うと、脳神経に関する4つの点に明らかな反応がみられました。顎関節症が起こる原因は人によってさまざまですが、顎の関節の動きは脳神経がコントロールをしているため、女の子の場合には、この4つの脳神経に何らかのトラブルが起きていたと考えられました。

そこで頭部にある4つの脳神経とつながる点に針を刺し、治療を行いました。はじめての針治療だったため、針にも不安な様子が見られましたが、ほとんど針の痛みは感じなかったようです。針を刺した後、「口を開いてごらん」と言うと、これ以上開かないと思うほど、すっと大きな口を開きました。これには自分でも驚いたようで、ビッククリしたような顔をしましたが、次の瞬間、ついさっきまでの暗い不安そうな顔をふきとばすように、中学生ならではの元気いっぱいの笑顔で大喜びをしました。

この1回の治療で、耳の付け根にあった違和感も痛みも消失し、会話はもちろん、食事もまったく問題ない状態まで帰る改善しました。顎関節症は、習慣性があるため、人によっては繰り返すことがありますが、この女の子の場合は、それ以降も順調であったようです。』

無意識に起こる自発動

無意識に起こる自発動

体調管理には、普段から気をつけている方なので、肩が痛い、腰が痛いということは、ほとんどないのですが、10日くらい前から、右膝が少し痛くなってきました。こういう時が楽しみなのです。人体実験が出来るからです。そこで今回は、Iソマトトープ(耳周辺の人型の投影した治療区)の膝をねらうことにしました。てい鍼という銀の鍼(写真参照)の先端を右耳の上にある膝治療点に当てがい畳に座り込みました。右膝を立てて、左膝はあぐらをかき、右膝に右肘を置き手に持ったてい鍼の先端を治療点に当てるだけです。左手は畳に置き三角形を作ります・・・・三角形をたくさん作った姿勢なので、楽です。

すると、右かかとを支点として足が左右に動き始めました・・・これが無意識に起こる自発動です。この動きが5分くらい続き、こんどは、体幹が揺れ始めました・・・1~2分。次にかがとの内側が伸び始め、3~4ふん続いたあと、こんどは、親指が伸び始めました・・・これが一番気持ちよく、5分ほど続きました・・・合計15分の治療でした。

正座をするとまだ痛みはありますが、右脚全体が軽くなりました。これを毎日続けるとどうなるのか?実験してみます。無意識に起こる自発動は、操体法の技術です。それに山元式新頭鍼療法(YNSA)を融合した治療法になります。自分自身の身体に向き合うことのできる良い時間でした。