異化作用

 

森下敬一先生著書「血液をきれいにして病気をふせぐ、治す」で、ガンを食事療法で治す方法を分かりやすく説明されています。これを読むとガンが全く怖くなくなります。

『異化作用でガンを消去する

大学研究所で20年間の基礎研究を終えた私は、1970年からお茶の水クリニックを開設し、ガンの臨床に携わっています。クリニックを訪れる患者さんは、前述のように余命があとわずかなどと現代医学では見離された方が大多数ですが、ほとんどの方が確実に治っていきます。ただし、家族や親戚に現代医学の医者がいる場合などは、私のクリニックの受診を止められるてしまうこともあります。私に言わせれば、「そうした“不要な阻止”で患者さんにストレスを与えなければ、もっと多くの方がガンから治癒されるのに残念だ」と思わないわけにはいきません。

実際、私は多くの方々が自然医食療法によってガンを克服して自然治癒されていくサポートができたことを誇りに思い、感謝しているのです。一般に、赤血球やリンパ球が融合して体細胞を合成していく生理機能を「同化作用」といいます。その反対の機能を「異化作用」といいます。このうちの後者「異化作用」によって、ガン細胞等の腫瘍細胞を元の赤血球やリンパ球に逆戻りさせることもできるのが森下自然医学の理論です。「異化作用」と言うのは聞きなれない用語でしょうが、いわばデトックス(解毒)です。どんな病気でも体内から有害物質を排出し、血液をきれいにしていけば細胞機能が正常化して元気になり、自然に病気が治っていきます。

体の中から有害物質を排出して血液をきれいにする事は、断食、最近の言葉で言えば“ファスティング”や「適塩・玄米」の食事療法によって可能となるものです。自然医食療法は、単純にビタミン、ミネラルを多くより多く体内に取り入れるような栄養療法ではありません。栄養搾取とはむしろ逆方向の代謝療法であり、断食と同等の「身体から有害物質や毒素などを排出する解毒・排毒作用」を玄米・菜食の命綱で生命維持を確実にしながら、的確に促進するものです。

自然医食療法すなわち玄米菜食療法の基礎は「断食類似のメカニズム」といえますフランスの栄養学会では“ファスティング”は「メスの入らない手術」とも呼ばれ、最近日本では、女優の藤原紀香さんやEXILEのATSUSHI さんがファスティングを行ったり、俳優の榎木孝明さんが30日間不食を実行したりして注目されるようになりました。

しかし完全断食は一定期間以上の継続は不可能です。そこで数ヶ月から数年にわたって必要最小限の玄米と自然塩で生命をつなぎ止めながら、通常では排出しにくい毒素を排出するように努めるのが森下自然医食療法です。この方法を行うだけで副食や間食の量は減りますし、主食の玄米ご飯もよく噛んで食べることが必須条件ですから、食事の総量は自然に抑えられます。

体内に異化作用が進行すれば体重も落ちてきます。無理することなく”適度な飢餓状態”に体を保つことができるのです。当然、体脂肪も落ちます。それによって、体脂肪中に蓄積されていた有害物質もおのずと体から抜けていきます。ただし、極端に体脂肪が少なくなりすぎても体力がなくなってしまいますから、おおむね「体脂肪率13%」くらいを目安にします。体細胞率は中高年ともうなると総じて高く30%を超えている人も少なくないので、13%と言う数字はかなり低いレベルです。この辺の数字にもたれていれば、血液の状態も良くなり「ガン細胞から赤血球やリンパへの逆戻り現象」という

続きを読む異化作用

大英断

森下恵一先生の本を読んでいると、「目からウロコ」のような文章に出会います。その中の1つをご紹介いたします。

『穀菜食は肉食に優る

少々古い話になりますが、肉食については、かつての第一次世界大戦のときに、ドイツとデンマークは正反対の政策をとったという面白い事実があります。両国ともイギリスなどによる海上封鎖の影響で食糧事情が逼迫(ひっぱく)したのですが、その対応策が全く異なりました。デンマークで食料政策を司った大臣的存在は、ヒントヘーデという栄養学者でした。彼は「動物の肉を1キロを得るために穀物や野菜などの飼料を10キロも食べさせなければならない。これはあまりにも非効率だ」としてデンマークの家畜をすべて殺してしまいました。その分の飼料、つまり動物のエサになるはずだった穀物や野菜を人間が食べるようにしたのです。そうしたところ、デンマーク人の死亡率が劇的に下がり健康になりました。

一方、ドイツの食料政策をになったルブナーという栄養学者は、肉を食べて肉を作り出す出すという考えでした。19世紀の栄養学者・モレシャットが唱えた「肉は肉から」と言う考えの信望者だったからです。

このため、穀物や野菜を食べていたんじゃぁ戦争に勝てない、とばかりに、従来以上に大量に動物を飼育し、人間にはその肉を食べさせたのです。しかし、その結果、肉を食べさせられた兵隊は肉体的に重労働に耐えられなくようになって、戦意を喪失してしまいました。この肉食の害を示す第一次世界大戦のエピソードは、私がいつもあちらこちらでお話ししている歴史的事実です。

結論的に言えば、肉を食べなくても良いのです。なぜなら、健全な腸壁の細胞は炭水化物から個体性の体タンパクを合成してくれるからです。腸壁のこの力を強化すれば、元気な体細胞ができます。それには穀菜食が必要なのです。肉食をやめると、タンパク質が不足するというのは大間違いなのです。』

デンマークのヒントヘーデ氏は、家畜の皆殺しという大英断をしました。今の日本にもこの様な大英断ができる人物が必要です。

健康で長生きする方法2

(写真は、患者さんからいただいた長期間熟成した美味しい味噌)

森下敬一先生の健康で長生きするための10ヵ条の第6条をご紹介します。これは、塩に関する研究を20数年されて分かった事実です。一般常識とは、真逆のことになります。驚くべきは、減塩すると逆に血圧が上がるそうです。減塩・無塩は自殺行為だとおっしゃっています。ごゆっくりお読みください。

『第6条権威主義に惑わされない

患者と言う立場だと、医者のいうことは何でも信じてしまいがちです。しかし、科学的な根拠などないにもかかわらず、誤った方法を患者に指導するような医師もいます。そのような誤りがなぜ生じるのかという“元”をたどると、たいていはアメリカを始めとする外国の、権威がありそうな理論の二番煎じだったりすることが多いのです。

日本の医学界には、欧米の学説といえばありがたがる傾向が存在します。たとえば、「塩分過多が高血圧、胃がんの原因」などと言われます。しかし、これは欧米流の医学情報を鵜呑みにしているだけなのです。欧米人は肉食のため塩分過多になりやすいのですが、それならば肉食をやめればいいのです。塩分自体は、通常たくさんとっても血圧は上がりません。これは109ページで示したとおりです。

塩分は適量を取る必要があります。免疫機能を高め、血管や細胞の組織機能を活性化するからですが、不足すると人間の体内では塩分を作ることはできません。逆に、不要物は排出されてしまいます。したがって減塩すると、体内自衛本能の「レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系機能」賦活されて腎臓でNa再吸収が促進され、血中Na量が高まるのと同時に血圧も上がり、生命維持が図られます。

合理的に考えれば、塩分は過不足なく摂取するよう勧めるべきで、不用意にセーブするのは誤りです。減塩指導する医者は医師はたくさんいますが、そんな権威主義に惑わされたり従ったりしてはいけません。減塩・無塩は自殺行為です。昭和30年代初めから日本の自然食運動を展開してきた私の立場から言えば、現在日本人の塩分摂取量は多くありません。むしろ下がりすぎです。「塩分過剰による高血圧性多発」との医学的根拠がそもそも間違いです。私は、20数年前から実験・研究を行ってきましたが、判明したのは「塩は原則として血圧を上げない」と言う事実でした(ただし100人中1~2人の割合で存在する”塩分感受性の高い人”の場合は血圧上昇が起こりえます。この特殊例を一般化することから間違いが起こったのです)。

むしろ塩は、生命エネルギーである“気”の動向から判断すると、脳や自律神経、内臓組織そして自然治癒力、免疫力などをしっかりと増強させる食材だったのです。

一般に蔓延する風潮「減塩、禁塩」を続けていれば、やがて男性の女性化現象や低体温症、発達障害、あるいは認知症なども増えてきて、収拾のつかない事態になる事は必定です。』

今日の具沢山味噌汁は、少々味噌多めで濃くなりましたが、この第6条を読み、全く問題がないこと、少々濃い味噌汁の方がいいのだと、嬉しくなりました。

健康で長生きする方法

森下敬一先生の著書「血液をきれいにして病気を防ぎ、治す」の最終章に「健康で長生きするための10ヵ条」というのがあります。医師である森下敬一先生が、クスリに頼るな!と明言されています。今回は、第5条まで記載しました。じっくりお読みください。

『第1条クスリに頼らない

「クスリ漬け医療」と言う言葉があるとおり、医療機関ではすぐにクスリが出されます。しかし、クスリを飲んでも、病気自体は根治しません。あくまで病気の諸症状を一時的に短期間抑えるだけなのです。症状をもたらしている「原因」を正さなければ病気は治りません。自分自身の生活を改善せずにクスリに頼ってもダメです。

第2条クスリをありがたがる必要はない

医療機関でクスリを出してもらうと、つい安心してしまいがちです。日本人は「クスリ好き」ですが、クスリの効果などというものも、論文を捏造して事件になったように、もともと怪しいものが少なくないのです。

効果をでっちあげたとされるクスリは、たいてい製薬会社の“ドル箱商品”になっています。つまり、クスリは医療機関や製薬会社が金儲けのために押しつけるだけのものであって、患者さんがありがたがる必要など全くありません。

第3条すべてのクスリには副作用がある

人体にとってクスリは全て人工的異物であり毒物です。摂取量によっては死亡したりすることもあります。死亡に至らない量であっても副作用はあるのです。医療機関で出されたからといって、危険性がないわけではありません。

第4条合成化学物質は身体に有害である(薬毒)

副作用があるだけにとどまりません。漢方薬以外の薬はほとんど合成化学物質です。身体に入ると細胞に取り込まれてしまう有害物質なのです。病気を治すどころか、むしろ病気を悪化させたり、また別の新しい難病を発症させたりします。

第5条救急医療以外のクスリは控える

人間は自然治癒力を持っています。食事によって、その自然治癒力を回復させることが病気の根本治療になるのです。

症状に緊急性があって、一時しのぎが必要な救急医療は別として、クスリで症状を抑えようとする現代医療には限界があります。医者やクスリに頼らず自然治癒力を強化し、みずからの力で病気に打ち克ちましょう。』

森下敬一先生は絶食や玄米菜食、発酵食品などで体質改善することを提唱されています。

先生の本を読んで、玄米(これは以前から食べています)と具沢山の味噌汁を食べるようにしています。駐車場の一部を畑にし、青じそ、アロエ、ミョウガ、フキ、ニラ、ネギ、ブロッコリーや自生のドクダミなどが生えているので、味噌汁に入れています。具沢山だと、1回の食事で玄米は1合も食べることができません。2回の食事で1合を食べることになるので、倹約できます!

ガン

私の鍼治療では、ガンの患者さんを治すことが出来ませんでした。そこで、「血液の質と流れ」が重要であると感じている時、名古屋の大沼四廊先生の治療を受けた患者さんの録画動画を見せてもらいました。

「これだ!」

とその時思い、その日の内に大沼先生に連絡し、体験治療を受けることが出来ました。その大沼先生は、森下敬一先生に20年間も学ばれたのです。その森下敬一先生の本を今じっくり読んでいます。ガンについての一説をご紹介します。

『クスリではガンを治せない

この章では食生活と病気の関係について、とくに、現在どんどん患者が増えているガンを中心にお話しします。

日本は死亡原因の約3分の1がガンで「ガン大国」いってもいいでしょう。お茶の水クリニック(森下敬一先生のクリニック)を訪れる患者さんの8割ほどがガンです。その多くが、現代医療では難治と見離されたような患者さんでしたが、自然医食療法(森下自然医学の食事療法)で、確実に快癒されていっております。

ガンも、食事内容を改善することで治すことができます。というより、むしろガンという病気の性質上、食事療法の効果が出やすいのです。

1982年、全米科学アカデミーは「食と栄養とガン」というレポートでガンが「肉食によって増えること」「穀物と野菜食で予防できること」を大々的な調査データに基づいて発表しました。その発表は当時、世界的なセンセーションを巻き起こしました。しかし、実はその時点ですでに、私ども森下自然医学ではガンの予防だけではなく、治療面にまで食事療法を活用していたのです。

前述したように1966年、国会でのガン対策の審議において、私は食生活の重要性を指摘し、「玄米菜食でガンは治る」と証言しています。一方、その時同時に招聘されていたほかのガン学者たちは、その提言を真摯に受け止める事はなく、「5年以内にガン治療薬ができる」と答弁していました。しかし現在、いまだにガンの予防治療に神に有効性を発揮するクスリはできていません。その気配すら見られていない状況です。

そもそも、クスリや手術・放射線などでガンは治りません。「早期発見、早期治療」の呼びかけはもっともらしく聞こえますが、要するに早期に発見されたガン腫を即刻、手術で切除したり、抗ガン剤で攻めたりするだけの話で、ガンができないようにすることはもちろん、ガンを治療させることもできていません。

進行状態(ステージ)によっても異なるとはいえ、過剰な治療がむしろ心身にダメージを与えたり、再発リスクを高めたりして、それが早期死亡と言う結果に至ることも多いのです。』

これを読むと、一筋の明るい光線が見えます。私は今後この方向で仕事を進めます。

戦国時代の武将の体力

先日、大三島の大山祇神社に行き、国宝、重要文化財の甲冑を見て1m80cmもある日本刀を見た時、戦国時代の武将の体力に驚きました。そして、森下敬一先生著書「健康と美容の食生活」の冒頭にその理由が書いてあったのでご紹介します。

『戦国時代の武士たちは、あの重いヨロイ・カブト甲に身を固め、太刀を振りかざして、山野を駆けずりまわっていた。この我々の祖先たちは、われわれ現在日本人たちよりもはるかにすぐれた肉体を持っていたのである。いや、すぐれていたのは、肉体だけではなかった。

その頃の日本人はどんな特徴を持っていたかは、戦国時代の直後に、日本にやって来たオランダ人の印象を通じても知ることができる。この唐人さんが、驚きの目を持って本国に書き送った通信文は、ヤソ通信や日本西教史などに書き留められている。それによると「日本人は、大きく強靭(きょうじん)な体をしていて、力も強い。また根気があって忍耐強く、そして極めて礼儀正しい国民である・・・」と紹介されている。とにかく、その当時の日本人は、すこぶる開放的で、豪気、そしてよく礼節をわきまえた、辛抱強い力持ちだったのである。

その後やってきた元禄時代の様相は、一変する。人の心が閉鎖的になり、社会の一般風潮は、泰平ムードで、華麗・怠惰に流れた浮世絵に象徴される元禄時代は、鎧甲の戦国時代と対照的である。バイタリティに飛んでいた戦国時代の日本人が、退廃的気風の人間に急変した理由は原因はどこにあったのかそれをよく考えてみなければならない。戦国時代と元禄時代の差を一言でズバリいいきるなら、それは「玄米(雑穀)と白米のちがい」といえよう。

重装備の武士たちが俊敏に動き回るためには、どうしても精白しない雑穀を主食としなければならなかったのである。実際、彼らの兵食は、主に「乾し玄米」であった。また、当時、玄米を精白した白米は「ヒメ」と呼ばれていて、それはお姫様か重病人の食べ物とみなされていた。健康な若者が、かりそめにもにすべきものではなかったのだ。この「ヒメ」が一般民衆の胃袋に入れられるようになった時、あの元禄時代がやってきたのである。元禄人が姫や病人のようになってしまったのも、当然のことと言わねばならない。この頃から、日本人の体格や体質はとみに低下しはじめたのである。』

幸い、私が小学生の頃、オヤツは「乾し玄米」でした。いまでもあの香ばしい味を覚えています。祖母さんが作ってくれていました。また、夏には「ばいしゅ」と呼んでいた梅酒に砂糖と氷と水を入れた飲み物を飲んでいました。暑い中、汗ダクダクになって、茅葺き屋根の家に入ると、暗くて冷んやり、

「ばあちゃん、ばいしゅ!」

が、毎日の定番でした。祖母ちゃんありがとうございました。

森下理論 その1

ついに待望の森下敬一先生著書が届きました。これからは、森下敬一先生の理論をしっかり身につけようと思います。鍼灸師として難病を治せないという自覚が芽生え「血液しかない」と実感し、森下敬一先生の理論に行き着きました。この本には真理が語られています。それを記載します。

『食物は、いわゆる消化作用を受けることによって、次元の高い「生命物質」へと発展していく。この生命物質が腸の粘膜に取り込まれて、ここで赤血球と言う極めて原始的な細胞に変わるのだ。いま、我々の消化管で起こっている生理現象は、かつてこの無生の地球上で営まれた「物質から生命」への発展の歴史である。

原始地球時代に、ボウボウたる時の流れの中で、ゆっくりと進行した「生命誕生劇」を。想いおこそう。そこでは、無機物質から有機物質へ、有機物質からタンパク質へ、そしてこのタンパク質の融合塊から始原生命が誕生した。その途方もなく長い歴史がわれわれの腹の中で、驚くほどスピーディーに短縮されたプロセスで、日々再現しているのである。原始地球時代の「物質発展と生命誕生」の歴史が、われわれのハラの中で繰り返されている。それが、消化と呼ばれる現象の本質であることを、洞察しなければならない。見方を変えれば、われわれのからだは、全く霊妙不可思議な存在、ということもできよう。

食は血になり、血は肉になる

ところで、このようにして腸で作られた赤血球は、体内を循環し、からだのすべての細胞に変わっていく。脂肪組織も、筋肉も、肝臓も、腎臓も、そして脳の細胞までも、すべては赤血球から作られる。われわれの体細胞で、赤血球から作られないものは、ただの1つもない。すなわち、食物は血になり、血は肉(体細胞)になるのである。

それゆえ、体細胞の質、つまり体質は血液、とくに赤血球の質であり、赤血球の質は食べ物の質でもある。体質や気質、物の考え方になどは強く食物の影響を受け、かなりの程度それによって支配されるものだ。したがって、「なんでも好き嫌いなぐ食べよう」と言うような無定見ではなく、人間(体細胞)をつくる上での、適当な食物を再確認しなければならない。そのためには、人間の来し方や人間の生物学的な立場などを、時間的(歴史的)に空間的(場所的)に検討し、「人間なにを食べるべきか?」についてより妥当な結論を出しておく必要があろう。』

これが真実だと思います。多くの人に早く気づいていただきたいと思います。

続きを読む森下理論 その1

ガニ股を考える

70才代の男性患者Cさんは、右に側屈すると右臀部に痛みが出ます。Cさんは、仰向けに寝ると足の小指側全体がベッドにつき横一線になるほどのガニ股です。右側の深部にある筋肉が縮むことで坐骨神経を刺激している可能性はあると思います。理由は、Cさんが右側に側屈すると、坐骨神経の流れにそって痛みとシビれが出るからです。

骨盤の外には、小臀筋、中臀筋、大臀筋といった筋肉があります。Cさんのこれらの筋肉はガニ股のため、かなり収縮しています。これらの筋肉を緩めるには、おヘソを中心にして対応する筋肉である上腕の三角筋前部繊維、三角筋中部繊維、三角筋後部繊維を緩めることです。つまり、中臀筋が痛いようだったら、上腕の三角筋中部繊維の圧痛点に刺鍼して痛みをとります。このように、おヘソを中心にして上半身と下半身が対応しそれぞれの治療点が存在します。しかし、小臀筋、中臀筋、大臀筋は、それほど深部の筋肉ではありません。

梨状筋(りじょうきん)を始めとする仙骨、恥骨、坐骨辺りの筋肉の方が内蔵に近く深部(骨盤の内側)にあります。それでは、これらの筋肉に対応する上半身の筋肉はどこでしょう?梨状筋は胸鎖乳突筋と対応しているように感じます。胸鎖乳突筋の深部には様々な筋肉があります・・・・これらの筋肉が仙骨、恥骨、坐骨辺りの筋肉と対応しているかも知れません。

もっと大ざっぱにいうと、首の筋肉とソケイ部や肛門周辺の筋肉が対応しているのではないかという推測です。ソケイ部や肛門周辺の筋肉は、内臓の平滑筋(へいかつきん)の近くにあるので、筋膜でつながっていると考えられます。

そこで山元式新頭鍼療法(YNSA)での首診を考えてみましょう。首診で圧痛点、硬結点を確認し、内臓の状態を知ります。圧痛点、硬結点を緩める治療点が頭部にあり、置鍼すると首の圧痛点や硬結点が緩み、内臓(例えば、肝臓ならば胸鎖乳突筋の中央部、小腸ならば胸鎖乳突筋の停止する後頭部のくぼみ)が緩んだことになります。内臓を構成する平滑筋は骨盤内の骨格筋とも筋膜を介してつながっています。そのため、骨盤内の骨格筋も緩む可能性があると考えます。

Cさんのガニ股は首診をしっかりと行い骨盤内の緩みを作ることが大事になるように思います。このことを意識して次回の治療を行なってみようと思います。

今回は、ちょっと専門的になり分かりづらかったと思います。お付き合いありがとうございました。

生理学の教科書

私が東京医療専門学校(呉竹学園)に通っていた時の生理学の教科書の血液に関する個所を写真にしました。やたらと難しいので赤線を引きまくっています。これを、医療関係の学生は丸暗記させられるのです。

まず、赤血球の説明です。「赤血球は核を失った細胞である。」から始まります。つまり、骨髄の幹細胞から盛んに分裂して最終的に核を失ったものとして習います。この教科書(生理学:社団法人 東洋療法学校協会 編)のp16では、(5)新生と寿命というサブタイトルがあり、

「赤血球は主に骨髄で産生される。骨髄には幹細胞と呼ばれる未分化の細胞があり、盛んに分裂して、そのなかのある細胞が前赤芽球になり、赤芽球を経て、最終的に正常な赤血球に成熟する。この過程で核は消失する。成熟した赤血球は骨髄から血中に出る。分化と成熟の過程を赤血球の新生という。」

成熟した赤血球が骨髄から出て、これを赤血球の新生という!なんという矛盾。成熟したということは、一番古い細胞であるといっています。その古い細胞が血中に出ると新生と呼ばれるそうです。これは、言葉によるごまかしです。何故こんな言葉を使うのか・・・・それは、体細胞には細胞膜、細胞質、核があり核分裂をして増殖すると習っているからです。つまり、核分裂できない赤血球(核がないから)は、理論的に成熟して核を失った細胞と考えられているのです。

そこで、東京大学医科学研究所の2013年の論文の一節を読んで驚きました。

「従来の血液学の学説では、この自己複製能力は造血幹細胞の特徴的な能力で、その造血幹細胞が自己複製能力を失い、徐々に赤血球・血小板・白血球等の成熟血液細胞を産生すると考えられてきました。しかしながらこれまでの研究では顆粒球やリンパ球の解析が中心で、核を持たない赤血球や血小板については顆粒球やリンパ球と同時に体内で解析したものではなく、従来の学説は必ずしも実験的に証明されているものではありませんでした。」

最後の一文です。「従来の学説は必ずしも実験的に証明されているものではありませんでした。」

1866年に発表された骨髄造血説が2013年まで、実験的に証明されていなかった!今まで、何していたのでしょう?

再び、生理学の教科書に戻ります。p15、赤血球の形状と数

「赤血球は直径約7~8μm、厚さ約1~2μm・・・(中略)・・・赤血球は1μLの血液中に成人男子で約500万個、女子で約450万個存在する」とあります。ものすごい個数です。ところが、人間も含めて動物の骨髄組織は、重量的に見ると約95%が手足の長管骨にあり、長管骨に出入りする血管と言うのは、針の孔が1カ所だけぽつんと空いており細い血管が1本通っているだけです。この細い血管からものすごい個数の赤血球を送ることが、可能でしょうか?

私が、学生(東京医療専門学校)の頃、血液は小腸で出来るという千島学説を勉強していたので、この血液の授業中は、イライラの連続でした。今改めて患者さんに接して、西洋医学の限界をつくづく感じます。血液は、食べたものが細かいモネラというものになり、小腸で赤血球となり門脈を通って肝臓へ行き、カラダ中を巡り体細胞へと変化していくのです。

食べた物が血となり、肉となるのです。

骨髄造血の矛盾

図1

自然医学総合研究所所長の大沼史郎先生の著書「がんの盲点」をの1部を掲載します。医学書、医学関係の教科書で、当たり前に載っている骨髄造血説を何一つ疑うことなく、150年以上も信じている医学界・・・・これで本当にいいのでしょうか?じっくりとお読みください。

『ノイマンとピッツオゼロの過ち

骨髄造血説を世界中に広めた最初の研究発表は、1866年にノイマンとピッツオゼロが、鳥類を餓死させて解体し、その骨髄液中に赤い血液があったと言う文献です。以来この文献が世界中に広まり、常識となったのですが、実は、この文献には、重大な過ちがあります。

骨髄造血説の誤りその1

骨髄造血説の誤りその1は、鳥類(ハトと鶏)と哺乳類の違いを無視して発表した点にあります。鳥類と哺乳類では構造が全く異なります。鳥類は、危険にさらされた時、一瞬にして飛び立つことができるように、骨細胞が小さく骨髄液も少量です。安全な場所を求めて着地して、すぐに餌を取ることができるように作られています。容量の少ない骨髄には骨髄液だけではなく、赤血球など直接動力源となる血液細胞も大量に詰まっています。しかし、哺乳類の構造は全く違います。

骨髄造血説の誤りその2 

骨髄造血説の誤りその2は、骨髄はエネルギーの貯蔵庫で、骨髄液は、脂肪代謝の貴重なエネルギーであると言うことです。哺乳類は危険にさらされても鳥のように飛ぶことができません。究極は敵と戦うことになるか、逃げ隠れして敵が去るのを待つしかありません。そのために哺乳類の骨髄液は、鳥類に比べて大量になければなりません。その理由は、骨髄液は、純度の高いガソリンのような資質で、脂肪代謝の貴重なエネルギー源だからです。つまり、何時間も隠れて餌を取ることができない状態でも、簡単に餓死しないように骨髄液として大量のエネルギーを蓄えているのです。

図1参照

図1の左端鶏の骨髄液を画像で確認したものです。右は牛の骨髄液中の状態です。赤血球の存在は、鳥の手羽の骨髄にはたくさん見られましたが、右の牛の骨髄液中にはほとんど見られませんでした。鳥類と哺乳類ではこれほど異なっているのです。』

馬鹿げた事実(骨髄造血説)を皆んな信じきっています。哺乳類の骨髄は純度の高いガソリンのような資質で、赤血球はほとんど存在しないのです。こんなところで、血液が作られる訳がありません。

大沼四廊先生の師匠、森下敬一先生は脊柱の骨髄から赤血球が作られていない実験もされています。それなのに、世の中では認められていません。こんな状況で正しい治療など出来る訳がありません。