自己相似

興居島に行っていつも忘れ物がないかとチェック・・・・しているつもり・・・・しかし、今回も忘れ物あり!携帯電話!!

島から帰って、携帯電話をみると50才代の男性患者Cさんから数年ぶりの電話が5回もかかっていました。

「申し訳ございませんでした!5回もお電話いただいたのに・・・すみませんでした。」

「いえいえ、今日治療はできますか?」

「はい、今から大丈夫です。」

「そうしたら、10分ほどで伺います。」

ということになり、施術開始となりました。Cさんは、朝起きると右肩から前腕にかけて痛みとだるさがあり、右腕の置き場所がないほど気になるそうです。Cさんは以前、ベッドでうつ伏せでの施術を受けておられたので、待合室で座っての治療に少々驚いておられます。

「以前とは、ずいぶん違うでしょう・・・・ちょっと進化しています。」

「・・・・・」

私が現在施術している山元式新頭鍼療法(YNSA)の基本理論は、自然現象であるフラクタル構造だと思っています。フラクタル構造というのは「自己相似」。自然現象は同じ様な形を繰り返す。例えば、天才絵師、葛飾北斎が富嶽三十六景神奈川沖浪裏という、富士山を遠景に大波が描かれた有名な浮世絵があります。この浮世絵がリアルなのは、大波のうねりを感じた先端が再び大波の形状を生み出すという現象を描いているからです。

たった1個の受精卵が人間になろうと、旅立つのですが・・・・・これも、自然現象。受精卵は人の形という完成形をイメージして「自己相似」を繰り返すものと私は解釈しています。すると、その旅の最中に所々人型を置いていく・・・・まるで、大波の先端に大波の相似形があるように・・・・

天才・山元敏勝先生は人体を自然現象の産物と捉えられ、人の身体には様々な「自己相似」が存在していることを見つけられ、治療にいかすという離れ技を創られました。この治療点を、山元敏勝先生はソマトトープ(小さな人型)と呼ばれています。今回Cさんには、頭にある4カ所のソマトトープに7本の鍼を刺しました。

「どうですか?」

「・・・・・・いいです、ずいぶんいいです・・・・・10だった痛みが2くらいになっています。」

ということで、施術を終了。年内にあと2回施術予定です。

何故しびれるの?

月に2~3回のペースで来院される50才代男性患者Aさん。今回は、左前腕から指にかけて痺(しび)れがあるそうです。最近、この痺れは出ていなかったのですが、久々に感じられるそうです。痺れに関して、コピペが下記です。

『私たちの体には感覚を感じるセンサーが膨大な数存在します。(中略)このセンサーで感じた感覚は手や足から末梢神経を通じて脊髄を通り脳に到達して熱いとか痛い、あるいは何かが触っているという感覚を認識することになります。この経路のどこかに障害が起きるとしびれが現れます。センサーそのものが壊れてしびれが起こることもありますが、その場合は皮膚の表面で問題が起こっていることが多いので原因を取りのぞけば比較的容易に改善します。(中略)しびれの原因で最も多いのはセンサーから脊髄に到達するまでの末梢神経の部位での障害です。末梢神経は電線にたとえられますが、軸索と呼ばれる芯の部分(電線のコードが通っている部分)とそれを周囲から包み込む髄鞘(ビニールのカバーにあたる部分)から成り立っています。この芯の部分が壊れることもあれば、カバーしている部分がはがれて、うまく伝わらなくなることもあります。(中略)「しびれ」はつながってはいるけれどうまくつながっていない状態で、そのために本来でない感覚を脳が異常な感覚「しびれ」と認識していると考えるとわかりやすいかと思います。』

とあります。Aさんは繋がっている神経が何らかの原因でうまく繋がらなくなり左前腕から指先まで痺れが出たのでしょう。

いつものように、合谷診(左右の親指と人差し指の間を押圧し、左右どちらが痛いかを診断)。Aさんは左に痛みがあるので、左の膝診を行い、その後首診。結果、8本を頭に置鍼し、前腕の痺れが薄れてきました。次にオデコのC点、頭頂部のI.J.Kのソマトトープ、後頭部のマスターキーの合計5本を置鍼。

「これで、どうですか?」

「いいですね~・・・・指先に少し痺れが残っているだけです。」

「山元先生は、ホントに天才ですね・・・・よくもまあ、この治療点を見つけたもんです。ホントに凄いことです!」

と改めて山元先生の偉大さを実感したのです。

若いって素晴らしい!

20才代のスポーツ選手、2〜3日前から右肘に痛みがあり5ヶ月ぶりの来院です。この2〜3ヶ月前から見つけた頭部の治療点を早速使うことにしました。

「ここ、今まで打ったこと無かろう?」

「ここは、無かったですね・・・・それから、見つけ方変わってません?以前と随分違う気がするんですけど・・・・」

「そうそう、頭に触れんようにして、指先で感じるようにしとるんよ。この方がやりやすいんよ・・・日々進化しとろう?」

「そうですね。」

こんな会話をしながら治療が進んでいきます。結局、9本の置鍼で肘の痛みがほぼ無くなり、最後は右肘に対応する右膝外側に3本置鍼で終了。

「どの鍼が1番効いた?」

「これです(右膝外側の1本)」

これで、肘の痛みが全く無くなったそうです。若いって素晴らしい!

ギックリ腰の急患さん。

「先生、今日空いてます?」

「はい、今日は一日空いてますよ。」

と、電話での会話。

「そしたら、知り合いがギックリ腰になったんで、お願いします・・・・午後1時で大丈夫ですか?」

「はい大丈夫です。午後1時、13時でお待ちしています。」

ということになり、50才代の男性患者Aさんの治療が始まりました。

「明日から稲刈りが始まるのに、ギックリ腰をやってもうて・・・階段上りが、痛とうて、痛とうて・・・若い頃、ギックリやった時は、手と足の指を揉んでもろうて、治ったことがあったんです。」

と、以前の経験を語ってくれたAさんには、足の刺激が効くようです。そこで、頭に14本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・だいぶ、良うなった・・・けど、まだ怖ごわ歩く感じは、残っとる感じ。」

というので、足に見つけている治療点を鍉鍼で押圧することにしました。この治療点は、学会で発表していないし、認められるかどうかも分からないので・・・どうなるのでしょう?

Aさんのギックリ腰の痛みが10→2となり、終了しました。

足にも治療点あり

「今週の7日土曜日までに、腰を治せと先生に言われました。」

と昨日来院の男子高校生A君。2日連続の来院となりました。そのため、前もって悪い右腰の治療点に、右腕あるいは右肩甲骨辺りをイメージしていました。回転式座椅子に座ってもらい肩付近の三角筋と肩甲骨の筋膜をはがし・・・

「どうですか?」

「・・・・あまり、変化ないです。」

「そうか・・・・今日は、前もって準備してみたんじゃけど・・・やっぱり、この職業・・・直感が、やっぱり大事なんよね。」

と、いつものように膝診から始めました。今回は、耳ウラに7本打つも、

「立ち上がる時の痛みはなくなりなした。」

「・・・そしたら、足を診ましょう。」

と、見つけた足の治療点を鍉鍼で押圧。

「痛い痛い痛い・・・・・_」

「これで、どう?」

「・・・・・痛くない!」

とA君、ニッコリ笑顔。

A君には、自分で足の治療点を刺激するように指導して、終了となりました。

まいった!



ヒップホップダンスをしている10才代の女子患者Aさん。2~3時間の練習後に腰痛。今回で3回目の来院です。ここで、ヒップホップダンスを調べてみると、少なからず私にも被(かぶ)るところがあるので、ちょっと40年ちょっと前に遡(さかのぼ)ってみます。当時私は、ブルックリンミュージアムアートスクール(NY)へ奨学金をいただき、通う学生でした。ニューヨークのブロンクス地区は、黒人とプエルトリコの対立が激しく、日常的に殺人事件があるところとして有名でした。そこへ、NHKや、写真家の取材で何度か足を運ぶことがあり、その地区のあまりにも荒廃した姿に言葉を失ってしまいました。

その時路上で、ペッチャンコのダンボールの箱に頭をついて、コマのように回転して音楽に合わせて踊っていたのが、ピップホップであり、オリンピックの種目にもなったブレイクダンスの原型だったのです。それから、時を超えて日本の小学生までもが普通に学び楽しんでいる・・・・

さあ、それはさておき、Aさんの前回来院時も、今回と同じ腰痛です。上腕診に代わる膝診を左右行い、頭に5本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・痛くない。」

「もうちょっと、しっかり痛いかどうかチェックして。」

「・・・・・・痛くない。」

となって、終了。膝診で首から仙骨までの背骨を診断して、頭に置鍼して治療する基礎治療だけで、10才代の若い女子は治ってしまうのです!まいった!

足ウラに指の治療

今日は、盆休みの最終日。日本列島が大移動のためか、患者さんは1人。最近は徐々に患者さんが増えて来ていたのですが・・・・まあ、こうゆう日もあります。

今日の80才代の女性患者Aさんは、昨日から2日連続で来られています。昨日は、鍼と灸の治療だったため、本日は指先で触れる治療をメインですることにしました。Aさんは、今年になって腰痛に悩まされています。様々な治療を様々な治療院で受けたれたのですが、治らず当院で治療を受けておられます。

当院で腰痛がなくなるという事実を体験されたAさんですが、翌日には腰痛再発。

これは、よくあるパターンです。この体験をどう捉えるかが大事です。ここで、真っ二つに患者さんの方向が分かれます。「あ~~やっぱり元に戻るんだ!」という来院拒絶派と、「1回良くなったのだから、必ず良くなる!」という来院派。

Aさんは、後者になります。そのAさんには、自力で腰痛を治す操体法をお教えしています。

「そしたら、今日は足ウラの刺激だけの治療にしましょう。」

足ウラに見つけた治療点に触れるだけの治療を30分で終了。

「これで、腰どうですか?」

「・・・痛くない!」

ということであと1週間、ご自身で腰痛ケアをしていただく約束をして、来院予約をしました。次回何をお話ししていただけるのか、楽しみです。

自発動

 

足先の痛み、痺(しび)れを、ご自身の指に触れて「自発動」を誘導して痛みや痺れを軽減するセルフケアができる80才代の女性患者の続報です。

「先生、毎日1本の指に3分ずつ指先を当てやってます・・・・3分と決めんと、いつ終わるか分からんので・・・・1時間くらいやってます。」

「それは、素晴らしい!」

「おかげで、仰向けで寝ることが出来んかったのに、仰向きの方が楽になりました。」

「ああああ・・・やっぱり効いているんですね・・・素晴らしい!」

と素晴らしいを連発しか芸のない私。興居島出張治療での成果が少しずつ出始めました。今後、もっと信用されるような治療家を目指します!

靱帯損傷

手の指関節の靱帯損傷の患者さんが来院。当院に来られる前に病院で「靱帯損傷」の診断がありました。よく伺ってみると、手術が必要だということです。そこで、インターネットでコピペをして下記に載せます。

『靭帯損傷の治癒にかかる期間は、靭帯損傷の部位や程度、個人の体質によって変わります。以下に、靭帯損傷の程度と、回復までの期間の目安を記載します。

軽度の損傷(Ⅰ度、靱帯の断裂なし)

靱帯が伸びるだけで断裂しておらず、わずかな腫れと痛みを伴います。

部位にもよりますが、およそ2~4週で回復します。

中度の損傷(Ⅱ度、靱帯の部分断裂)

靱帯の部分的な断裂があり、明らかな腫れ、痛み、動きの制限を伴います。

関節が少し不安定(ぐらつく)になります。

部位にもよりますが、およそ4~8週で回復します。

重度の損傷(Ⅲ度、靱帯の完全断裂)

靱帯の完全な断裂があり、強い腫れ、痛み、動きの制限を伴います。

関節がかなり不安定(ぐらつく)になります。

手術が推奨されることも多いです。完全な回復まで3~6ヶ月程度を要します。』

ということは、この患者さんは、靱帯の完全断裂となります。そのため、回復に2ヶ月必要と言われ、テーピングをしっかりしています。腫れはそれほどひどくなく、合計10本の頭への置鍼と、足指へのお灸で手の指の痛みもなく、指もスムーズに動きます。患者さんには、医師としっかり会話をして納得のいく方法を選んでいただきたいと思います。

キャンペーン

本日は、興居島出張費。

8名の患者さんにお会いできる日なのです。島の光は海からの反射を受けて、まばゆいばかり!心が洗われます。1週間に1度こんな素晴らしい体験が出来るなんて、本当に恵まれています。これは、全て興居島診療所所長のおかげです。ありがとうございます。

最終8人目の80才代女性患者Cさんは、

「先生、朝起きた時から頭が痛くて仕方がないんです。」

と、悲痛な訴えをされます。そこで、痛みのある前頭部を丁寧に触れていくと、痺れるような痛みを感じました。

「ここじゃないですか・・・・痛いの。」

「そこです・・・・先生、今日は頭の鍼じゃのうて、お灸をしてください。」

「はい、分かりました・・・・でも、ここ痛くないですか?」

と、お灸をする前に、すべき事を感じた私。足に見つけた治療点に右中指がしっかりと居場所を決めていました。中指を触れるだけで、頭痛がなくなると分かっていたようです。数分して、

「頭の痛いの、どうなってます?」

「・・・・痛くない」

「・・・・じゃあいいか、今日は・・・終わりにしましょうか?」

「膀胱と腎臓を診てください!」

頭痛があまりにも激しいので、それがなくなるだけで良いと感じていたのですが、やはり、それ以外の患者さんが訴える声を、謙虚に伺う必要があります。そこで、いつものように膝診、首診を行います。すると、やはり腎、膀胱の診断点に圧痛があります。それを鍼ではなく、お灸で治療していくのですが、これはまだ学会に発表していない個所。治療していく間、足の指の歪みがひどいので、その理由を聞きたいと思っている私を察知したCさん。

「スリッパを履いていて転んで、こんな指になったんです。」

「スリッパ履くのを、やめましょう!布で出来た草履の方がいいです。足の指先は繊細なセンサーです。江戸時代、電気のない真っ暗な凸凹道を歩いていた日本人は、草鞋で足の指先を地面につけて、探りながら歩いていたから、転ばなかったんです。スリッパはそのセンサーを覆ってしまってるんです。」

と、大声で(Cさんは耳が悪いので)まくし立てる私。Cさんに伝わることが出来たかどうか・・・・老人のスリッパ履きはやめましょうというキャンペーンになりました!