YNSAの紹介

 

 

 

下記のようなYNSAの紹介文を書き、会社経営で成功している患者さんに見てもらったのですが、イラストを入れて、会話形式にして読みやすいようにしたら?

と、ご意見を頂きました。全くその通りでした・・・・やり直しです。

『YNSAの成り立ちと、普通の鍼(はり)との違い

山元式新頭鍼療法(YNSA)は、1968年、麻酔科のドクターだった山元医師の失敗から始まりました。ドクターは、麻酔液を入れるの忘れて無菌水を60才代の女性患者さんに打ってしまったのです。すると患者さんは、注射を打ったところはもちろん、それ以外にも激しい痛みが生じました。ところが、患者さんのもともと治療を望んでいた部位の痛みが、しばらくすると全く無くなってしまったのです。

この失敗を、ドクターは「東洋医学のツボと関係がある」というお告(つ)げだと直感し、東洋医学を研究されます。当時(1960年代後半)、中国で発表された頭鍼療法を取り入れながら試行錯誤したのですが、効果はあがりませんでした。そんなある日、脳梗塞の後遺症で麻痺を起こされた60才代の男性が来院されました。左半身麻痺で左の側に全く感覚がなく、動かない状態でした。しかし、この患者さんの右側のこめかみの少し上あたりをに触れたとき、患者さんが「左腕に何かを感じる」と言うのです。再び頭部のそのポイントに触れると、今度は全く動かないはずの左腕がわずかに動く事が起こったのです。

ドクターはこの時、「頭部には腕以外にその他の体や内臓にもつながるポイントがある」と直感したのです。それからは、仮説を立てながら次々と治療ポイントを見つけ出していきました。そして、ウワサがウワサを呼び、1日に200人もの患者さんが来院するまでになったのです。この治療方法を1974年海外で発表すると瞬(またた)く間に広がり、現在までに、ドイツでは19万1000人、アメリカ合衆国では16万3000人、ブラジルでは14万9400人の医師が研修を受けました。この治療を数十年続けたので、ドクターは、のべ150万人の患者さんを診ることになりました。そして次々と治療点をみつけていき、今では14カ国以上の国々で補完代替医療として使用、研究されています。

日本では、2013年に学会が発足し、現在約600名の会員がいます。

YNSAの特徴

1)ツボが40ほどしかない←→経絡のツボ(361+たくさんのツボ)

2)西洋医学の知識の上に東洋医学の考えを加えているので、普及しやすい

3)服を着たまま、座ったままで治療できるので、手間がかからない

4)即効性がある

5)再現性が高い(秘技ではない)

6)治療率が高い

7)クスリのような副作用がない

8)新しい治療点、治療法が見つかる可能性がある』

国家試験

今月26日には、鍼灸師の国家試験があります。私が受験したのが平成24年ですから11年前になります。簡単に国家試験といいますが、それはそれは、厳しい試験でした。

医療概論(医学史を除く。)、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、はり理論及び東洋医学臨床論

上記のように12科目中、西洋医学が9科目もあるのです。多くの方々は、鍼灸師だから東洋医学ばかり勉強するように思われているようですが、逆です。テストの量も西洋医学の方が多くなっています。のんべんだらりと勉強していると、国家試験には受かりません。私の場合は、早朝学校(東京医療専門学校)に行き、休憩所で一人勉強していたのですが、徐々に仲間が増え始め、みんなで情報交換する勉強会へと発展していきました。

あの勉強会で国家試験に受かったと、今になって思います。専門学校には18才から定年過ぎた人まで色々な人々が集まってくるので、楽しい3年間を過ごすことができました。大学と専門学校を経験した私、どちらが勉強したか?と冷静に考えると、圧倒的に専門学校でした。それくらい、国家試験という壁が巨大にそびえていたのです。

ところが、国家試験に受かることは序の口であることが分かるのです。鍼灸をこれからどのように展開していくのか・・・・幸い、私は山元式新頭鍼療法(YNSA)という道を選ぶことが出来、私なりに歩んでいます。これからも、患者さんの感覚を頼りに少しずつ進んでいこうと思います。

リウマチの患者さん

 

50才代の女性患者さんが、初めて来院されました。この方は30才代から全身のリューマチになられ、苦労されておられます。そこで、山元勝敏先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」の関節リウマチの患者さんの症例を記載し、治療方針を確認しようと思います。

『YNSのリウマチ治療の体験談を読んで、香港から来院。2年間、苦しんだ痛みが改善された

「関節リウマチ」で体中に痛みがあり、とくに腰の強い痛みを治してほしいと治療に見えた患者さんです。日本の方ですが、現在住んでおられる香港から、ご主人と一緒に来られました。

「実は、リウマチの治療体験記の本を読んでいたら、先生のところでリウマチの痛みが治ったと書かれているのを見て、香港から飛んできました。」

だいぶ前になりますが、同じようにリウマチで体の痛みに悩んでおられた奈良に住む30歳代の女性の患者さんが、3日間、私のところに治療に見えたことがあります。1回目の針で痛みは軽減し、翌朝起きたときに、すっかり痛みや消えていたことから、大変に喜ばれて、「なんで効くんですか」「どうやって見つけたんですか」といろいろ質問をしてこられた、とても楽しい患者さんでした。この患者さんは、リュウマチの治療をとても熱心にされていて、自分で体験談をまとめ本を出されていたのです。

香港から日南まで治療にこられたのは、この本を読まれての事でした。2年前に関節リウマチと診断を受け、その後もずっと強い腰の痛みに苦しんでおられたそうです。1回目の針で、痛みはだいぶ改善し、日南に一泊された翌日の2回目の治療で全く痛みがなくなり、大変に喜ばれて香港に帰られました。

私のところには、リウマチの患者さんも多く見えます。リュウマチには痛みだけでなく、手の指が固まってしまう硬直の症状もあります。私はYNSAの長い研究の間に、頭部だけでなく、体の部位にも症状を改善する店を発見してきました。

足のふくらはぎのやや下あたりに発見した点は、手の指の硬直の改善にとても大きな効果をもたらします。針をした直後に固まった指がパッと開くという、患者さんも大変に驚かれる反応があるのです。YNSA』によるリュウマチの治療は、痛みにおいても、硬直においても、治療を続けることで大きな改善が見られます。

百人の名医

鍼灸師として治療していて、つくづく感じるのは、カラダの治ろうとする健気(けなげ)な姿勢です。その姿勢に導かれながら、治療が行えるのです。特に山元式新頭鍼療法(YNSA)は、患者さんに診断点や治療点の痛みを伺いながらの協同作業なので、お互いが患者さんのカラダを通して、その時々の反応を感じ取ります。この反応こそが、カラダが良くなろうと向かうベクトルなのだと思います。

山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」にその本質が書かれていますので抜粋いたします

『体は、自分で自分を治療する力を持っている

人間の体は、つねに「元気にしよう、もっと元気にしよう」という方向に向かって、さまざまな機能を働かせています。

針の効果をご説明したときに、人間の体は、モルヒネと同じ働きをして、痛みを止める「エンドルフィン」という物質をつくり出せることをお話ししました。このほかにも、人間の体は、心筋梗塞や狭心症の治療に用いられる、「ニトログリセリン」と同じ働きをする「EDRF」と言う物質を作り出すこともわかっています。

最近では、痛みを軽減させたり、精神を安定させたりする「オキシトシン」というホルモンが体をなでるだけで分泌されることもわかってきました。私たちの体は、体にトラブルが起きると、それを治療する物質が分泌されるようにできているのです。「医学の父」といわれる古代ギリシャのヒッポクラテスは、「人間は誰でも、体の中に100人の名医を持っている」と述べています。

体が持つ、自分で自分を治療し治す力、つまり、「自己治癒力」は、驚くべき力を備えていて、痛みであっても、体の不調であっても、うつ病やパーキンソン病の症状があっても、そして麻痺であっても、改善させる力を備え持っています。

YNSAの針の役割は、その力を引き出すに過ぎません。症状を改善させているのは、自分の体自身なのです。』

車椅子が必要なくなった!

山元式新頭鍼療法の創始者、山元敏勝先生の「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る」から、症例の抜粋です。この症例を改めて読み返すと、診断がいかに大切かが分かります。はたして私の診断は上手くいっているのだろうか・・・・漫然とパターン化しているのでは・・・・と、考えさせられます。明日からの診察は、違っているはずです。

『歩くこともできなかった突然の強い腰の痛みが1回の治療で改善した

腰痛による歩行困難  女性 48才 主婦

突然、腰につよい、痛みが起こり、その痛みで歩くことができなくなった患者さんが、車椅子で、ご家族と一緒にみえました。

「2 、3日前から他の整形外科で診てもらっていたのですが、痛みがぜんぜん止まらないんです」

患者さんご本人も、心配されるご家族も、その様子はとてもつらそうでした。状態を把握するために「ちょっと、立っててごらん」と言うと、左手を診察室の机の上に置き、右手を固定した車椅子で支え立ち上がろうとしたのですが、「痛い、痛い」と顔は痛みにゆがみ、足はやっと「くの字」曲がるように立てるだけで、それも一瞬だけのことでした。

痛みで動くことがまったく困難だったため、MRIはもちろん、レントゲンさえ撮ることもできない状態でした。そこで詳しく診断を行い、がんなども含めて内臓の疾患ではないことが判断できたため、首でYNSAの診察を行いました。

腰の痛みの原因は、とても複雑で、首の骨である頸椎や、また、他の部位に原因があったり、複数の要因が関係しあっているなど、ひと言に腰痛といってもその原因はひとくくりにすることはできません。

この患者さんの場合には、首診で頸椎にかかわる点に反応が出ていたため、頭にある頸椎につながる点を中心に針を刺し治療を行いました。

30分そのまま置いた後、針を抜いて「もう一度ちょっと立ってごらん」と言うと、今度は容易に車椅子からスッと立ちあがることができたのです。痛みも大きく改善されました。

また、診察室内を歩いてもらうと、歩行も問題なく行うことができ、乗ってこられた車椅子がぽつんと置かれている状況を前に、とても嬉しそうにされていました。数日すると、痛みがまた起こる場合がありますが、この患者さんの場合は、この1回の治療で落ち着かれたようです。』

受容

 私が30才代の頃、とある精神科の病院で芸術療法家として、働く機会がありました。その時、月に1回(2回だったかも?)尊敬するU先生の勉強会があり、様々な学びを得ることができました。今こうやって鍼灸師として生活しているのも、必然的な流れだったと思います。

その勉強会で一番記憶に残っているのが「受容」という言葉です。そこで、ウィキペディアの「受容」に関する記述を抜粋してみます。

『受容とは、相手の存在そのものを受け止める事です。元は来談者中心療法(アメリカの心理学者、カール・ロジャーズが創始)の中の1つのスキルで、心理カウンセラーが使う聴き方・関わり方です。

受容は決して相手を否定したり評価しない考え方なので、相手の方に話しやすさを感じてもらえます。受容が形になって現れているカウンセラーは、安心出来る穏やかな笑顔で、その人の側にいるだけで癒される感じがします。

受容の姿勢でかかわる時は、とにかく受け止めます。相手が話した事について

自分の意見は伝えない

良い悪い、評価はしない

アドバイスもしない

具体例を交えて解説します。

具体例

例えばあなたが友人から、

「会社で上司にねちねちと細かい事を言われて、殴ってやろうかと思ったわ!」

と言われたら、受容的な返しは

「ねちねち細かい事言われると腹が立つよね。」

です。こう返すと、自分の気持ちを受け止めてくれた、わかってもらえたと感じられます。

上記の「腹が立つよね」は、相手の気持ちを汲み取った言葉で、傾聴技法では共感といわれています。受容の性質から、共感とセットで使うことが非常に多いです。』

『心理カウンセラーは相談者に受容を感じてもらうために、次のような関わりを心がけています。

相手が安心できる笑顔

姿勢(身体を相手に向ける)

視線を合わせる

相手が安心出来る声のトーンで関わる

安心出来る目の表情で関わる

上記の関わり方で、何を話しても大丈夫ですよというメッセージを態度で現していきます。

受容されていないと感じられる関わり

ありがちなケースとして、話し手の方が自分自身を責めている時に

自分自身を責めるのはよくないですよ。

と伝えると、受容されているとは感じられません。言っている事は正しいのですが、自分を責めている状態のその人自身を否定している事になるためです。

「そういった状態だと苦しいですよね。」だと責めているその人自身の気持ちを汲んでいるかかわりですので、受け止めてもらっている(受容されている)と感じられ、楽になれます。』

私は、鍼灸師であると同時に、心理カウンセラーでもあるということを、忘れていたように思います。今後は、「受容」を基本にすえて鍼灸治療を行いたいと決めました。

今日で通院、1年。

1年前の今日(2月3日)初来院の60才代男性患者Aさん、当時、1週間ほど後に左膝下の脛骨(内側の大きな骨)にくさびを打つような手術(O脚治療)を予定していました。ところが、友人の勧めで当院の治療を受けることになりました。1回の治療で膝の痛みがなくなり、2日間その状態が続きました。

「これは、もしかして治るかもしれん。」

と思い、手術の中止を病院にお願いしたそうです。その後、週に1度のペースで来院され、痛みのない日が2日続くという状態が1ヶ月程あり、徐々にその間隔が長くなっていきました。Aさんの治療は、頭に置鍼した後、見つけた足の治療点にお灸をするのです。Aさんの素晴らしいところは、せんねん灸を自ら足に毎日やっていったことです。

そのため、3ヶ月経つと2週間に1度のペースとなり、8ヶ月後の10月からは月に1度のペースになりました。そして、この3ヶ月は鍼治療をやめて、操体法を中心に治療をしています。Aさんは、大好きな野球を普通に出来るようになり、来月の治療後、その日の夜、野球仲間とフェリー船に乗り三重県まで野球の試合に行かれるそうです。

「鍼灸師になって良かった!」

とつくづく思うのです。

脳幹に脳梗塞のドイツ人女性

脳幹という生命維持装置に血栓ができたドイツ人女性の、YNSA治療のお話です。山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者山元敏勝先生は、150万人もの患者さんの治療を行い、独自の鍼治療を開発されました。このYNSAが最も普及しているのがドイツです。19万人のドイツ人医師がYNSAの研修を受け、YNSAの試験を受け合格した医師には、YNSA治療で保険対応ができる制度があります。

さて、このドイツ人女性はどうなったのでしょうか。

『この患者さんは、ドイツ人の女性で、6年前に発症した脳梗塞による後遺症で、手足に麻痺がありました。梗塞を起こした脳の場所が、脳幹という生命維持に重要な部分だったため、発症時は、数週間昏睡状態が続いていたそうです。麻痺は両手両足におよび、呼吸も表面的な浅い呼吸で、深呼吸はもちろん、ろうそくの火を消すこともできない状態でした。

この女性は、私がYNSAの講演でドイツに行ったときに、ある病院に入院されていました。そして、ドクターから「6年間リハビリを行ってきたが、何にも変化がないので診て」ほしいと頼まれたのが、この患者さんとの出会いのきっかけでした。

頭部に針を刺し治療を行うと、その直後に手足がわずかに動くと言うことが起こりました、そして、私の滞在中に、麻痺した手足に大きな動きが見られるようになったことから、ご本人とご家族の強い希望で、日本に来られ、日南の私の病院に入院して治療を続ける事になったのです。

私も毎日、休まず治療を続けました。

日を追うごとに順調な回復をみせ、3週間後には、左手にいくらか力が入るようになってきました。その力は日々強くなり、2ヶ月後にはペンをにぎり形にはなりませんでしたが、文字を書くことができるようになりました。8ヶ月後には、自分で体を支えながら座ることもできるようになり、左手を使って自分で食事もできるまでに大きく改善しました。表情にも笑顔が浮かぶようになり、書く文字もはっきりと読み取れるようになりました。

そして10ヶ月後には、両足に保護装具をつけて、つかまりながらであれば1人で立つこともできるようになったのです。左手で書いているため、やや不自由そうな文字ではありましたが、通常とはほとんど変わらない8行の長い文章で書いてくれな言葉には、まったく動かなかった体が動くようになった喜びとドイツで待っている子供たちに会いたいので、クリスマスには帰りたいが、日本に戻ってまた治療を続けたいと書かれていました。

ここまで大きな改善が見られた患者さんですが、脳のMRI画像は、入院当初の画像と全く変化は見られませんでした。このことから、障害の起こった脳の部分が改善されたわけではなく、その他の部分で改善をもたらす力が働いたことがわかります。

全く体が動かなかった。6年もの間、ご本人にとってもご家族にとっても大変に辛く悲しかったことでしょう。脳幹に起こった梗塞による重度の麻痺であっても、ここまで回復をもたらすことができた事は、私にとって貴重な体験といえます。』

顎関節症を治す

今回ご紹介する山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る」の症例は、顎関節症です。この顎関節は、脳神経と深く関わっています。そこで、ウィキペディアから脳神経に関する説明を抜粋します。

『脳神経(のうしんけい、ラテン語: Nervus Cranialis)とは、脊椎動物の神経系に属する器官で、脳から直接出ている末梢神経の総称。これに対し、脊髄から出ている末梢神経のことを脊髄神経と呼ぶ。

第I脳神経 – 嗅神経

第II脳神経 – 視神経

第III脳神経 – 動眼神経

第IV脳神経 – 滑車神経

第V脳神経 – 三叉神経

第VI脳神経 – 外転神経

第VII脳神経 – 顔面神経

第VIII脳神経 – 内耳神経

第IX脳神経 – 舌咽神経

第X脳神経 – 迷走神経

第XI脳神経 – 副神経

第XII脳神経 – 舌下神経』

上記のように、12の脳神経は脳から直接出ており、 迷走神経と副神経以外は、頭部及び首に位置する神経となります。症例の中学生(15才女子)の治療法は、見事です。治療関係の方は、顎関節症の患者さんが来られた場合、是非参考にしてみてください。

『突然口が開かなくなり来院、1回の治療で完全に改善し、食事もできるようになった。

顎関節症 女性 15才 中学生

この患者さんは、日南に住む中学生の女の子でした。突然口が開かなくなり、その日のうち、すぐに来院されました。ショートカットの快活そうな女の子でしたが、急に口が開かなくなったことへのショックと不安から、とても元気がなく、心配そうな顔をしていました。

口はわずかに指が1本入るくらいにしか開けることができず、「口を動かしてごらん」と言うと、耳の付け根あたりにカクカクすると言う違和感と顎の痛みを訴えました。何とか会話できるものの、ままならない状態で、もちろん、何かを食べると言うこともまったくできる状態ではありません。

私の西洋医学としての診断は、顎の関節に障害の起きる「顎関節症」でした。YNSAの首診を行うと、脳神経に関する4つの点に明らかな反応がみられました。顎関節症が起こる原因は人によってさまざまですが、顎の関節の動きは脳神経がコントロールをしているため、女の子の場合には、この4つの脳神経に何らかのトラブルが起きていたと考えられました。

そこで頭部にある4つの脳神経とつながる点に針を刺し、治療を行いました。はじめての針治療だったため、針にも不安な様子が見られましたが、ほとんど針の痛みは感じなかったようです。針を刺した後、「口を開いてごらん」と言うと、これ以上開かないと思うほど、すっと大きな口を開きました。これには自分でも驚いたようで、ビッククリしたような顔をしましたが、次の瞬間、ついさっきまでの暗い不安そうな顔をふきとばすように、中学生ならではの元気いっぱいの笑顔で大喜びをしました。

この1回の治療で、耳の付け根にあった違和感も痛みも消失し、会話はもちろん、食事もまったく問題ない状態まで帰る改善しました。顎関節症は、習慣性があるため、人によっては繰り返すことがありますが、この女の子の場合は、それ以降も順調であったようです。』

YNSAが世界に普及するきっかけ症例

今回は、山元式新頭鍼療法(YNSA)が、世界に広まるきっかけとなった患者さんの症例を、「あきらめなければ、いたみも、麻痺も、必ず治る!」(山元敏勝先生の著書)の一節からご紹介します。この症例はあまりにも奇跡的すぎて、日本ではあまり評価されませんでした。しかし、海外での圧倒的反響が凄まじくYNSAが、普及するきっかけとなった症例です。私は宮崎のセミナーで、この患者(60才代男性)さんの治療過程を映像で見ましたが、驚きの連続でした・・・しかし、山元先生は、この症例を本では、淡々と書いておられます・・・そこが、凄い!

『脳梗塞を発症して2日後、左半身麻痺で来院 1ヶ月後には歩き、3ヶ月後には走れるように

この患者さんは、脳梗塞を発症した2日後に来院されました。ベッドに横になった状態で、「手を上げてごらん」「足を上げてごらん」の言葉かけに右手、右足は自然に動かすことができましたが、左半身に麻痺が出ており、左手と左足は全く動かない状態でした。そのため入院して治療を行うことになりました。

初日の治療で頭部の生え際にある2つの点に針を刺すと、左手の指をやや開き閉じるなど少しの動きが見られました。しかし左足は反応がないままでした。

しかし、毎日治療を続けると、全く動かなかった左足にも少しずつずつ動きが見られるようになり、左手の動きも大きくなってきました。

そして来院からちょうど2週間経った日、足の力がだいぶ強くなってきたことから、付き添いの方と、看護師の2人が両脇をささえる形で、病院の廊下に立ってもらい、歩行をうながしました。すると、ゆっくりゆっくりではありますが、5メートルほどの距離を往復できるまでに大きな改善がみられました。その時の顔は、少し照れたように笑っておられましたが、付き添いの方と看護師さんは大変に喜んでいました。

また、この頃には、左手をグーパーグーパーと開いたり閉じたりもできるようになり、伸ばした左手は肩の高さまで、左足も座った状態で高く上げられるようになりました。

そして19日後、ベッドに座り、子供の上履きのような形の靴を、自分でゴムの部分を伸ばしながら履くことが出来るようになりました。手にも力が入り、足の曲げ伸ばしもできるようになったのです。また、足を大きく上げがちではありましたが、1人で歩けるようになり、両手で手すりをつかみながら、階段の上り下りもできるようになりました。その階段を上る速さはとても驚くような速さでした。

そして、退院1ヶ月後には、全く通常と変わらずに歩くことができるようになり、さらに3ヶ月後には、思いっきり走る姿も見せてくれました。脳梗塞を発症し、麻痺が起きてから2日後と言う早い段階で、治療を行えたいうことが効果を高めだといえます。』