功力先生

 

筑波大野球部が西条市のひうち球場で春の合宿を行っています。それに合わせて、愛媛在住の野球部OBが集合し、楽しい宴会が一昨日ありました。愛媛高校野球の状況を知らない私にとって、新鮮な話を伺うことになりました。

そんな中で、ある高校野球の監督さんから、私の鍼灸治療の紹介があり、速攻性があることの事例まで説明がありました。ちょうど隣におられた筑波大学野球部の川村卓監督に、

「いつでも、学生の治療をしますよ。」

と、お約束をしたので、昨夜合宿先まで伺い5人の治療を行いました。カルテに住所を書いてもらい、

「おおお~、天久保か・・・・そこらあたりに、オレも住んどったんよ。」

「ええええ、そうなんですか・・・」

「あのねえ~、ボクも野球部じゃったんよ・・・・2期生。球場に佐伯弘いうて名前があるけん、調べておうみ。」

などと、たわいもない会話が進む中、頭に鍼を刺す治療が始まります。当初は、半信半疑だった学生が、徐々に信用しはじめ、納得していく過程が見えてきました。こうなると、治療自体に勢いが生まれるようです。来る学生がいつの間にか、良くなるベクトルに向かっていくのだと思います。全ての学生に良い結果が出ました。帰りの夜道を突っ走りながら、

「功力(くぬぎ)先生(筑波大初代監督)にお世話になりっぱなしのオレ、何の恩返しも出来んかった。これから、私で出来る恩返しは何でもやる!」

と、強く思ったのです。

過食

石原医学大全には、過食の恐ろしさ、断食の勧めを実体験から書かれています。過食気味な方、心してお読みください。

『大学院時代の私は血球の研究に取り組みながら、週に1日救急病院で働いていた。様々な症状で患者さんが運ばれてきたが、心筋梗塞や脳卒中の患者さんは発作の直前に食べ過ぎ飲み過ぎをしているケースが多かった、というよりほとんどだった。

ご家族に発作前の当人の様子を伺うと、「今日は孫のお祝い事で身内が久しぶりに集まって楽しく飲食していたんです」「昨晩、昔の仕事仲間と久々に会ってかなり酔って帰宅しました」という話がよく出てきた。

人体60兆個の細胞は、血液が運ぶ酸素や栄養素を受け取って利用し、その細胞特有の仕事をしたあとに残った老廃物を血液に渡し、尿や呼気として排泄することで活動している。飲んで食べてが過ぎると、その処理に追われる胃腸に血液が集中し、血液供給が少なくなった心臓や脳ではその働き、防御能力が落ちて発作が起きやすくなるのだ。高齢者の場合はほんの1回の宴会が引き金になることがあるが、中高年でもであっても、恒常的に過食生活を送っていると、脳梗塞や心筋梗塞の危険度は常に存在することになる。しかし、「朝だけ断食」などで過食と対極の空腹を日々重ねていけば、こうしたリスクが避けられる。』

肉食はダメ?

石原医学大全に肉食が好きな方には、嬉しい一節があるので、ご紹介します。なにも闇雲に肉食を否定することは、無いようです。

『日本とアメリカで通算28シーズンに出場メジャーでは 262安打でシーズン最多安打記録を打ち立てたイチロー選手。オリンピック体操2大会個人総合優勝、4大会出場、世界選手権6連覇の偉業を打ち立てた内村航平選手。日本が世界に誇る超一流のアスリートのお二人には興味深い共通点があった。

1つめが「野菜嫌いの肉好き」。

2つめが「体質」だ。お二方とも色白(イチロー選手はさらに細身)。漢方医学でいうところの「陰性体質」で体が冷える傾向がある。

お二人ともご自身の体と常に対話し、「本能」の声を忠実に受け取った結果、体を温める作用の強い肉を好むようになったのだろう。

さらに内村選手は一日一食主義のとのことで、肉中心の食生活にしろ、食事回数にしろ、西洋医学や栄養学の推奨する内容からかけ離れている。それでも、このいやそれだからこそ偉業を打ち立てられた。

1997年に122歳で亡くなったフランスのジャンヌ・カルマンさんは嫌いなものは一切食べず、好きなものしか食べなかった由。嫌いな生野菜は全く食べず、好きな肉、チョコレート、赤ワインだけで122歳の長寿を全うしたという。漢方の陰陽論で考えると、ジャルヌさんは陰性体質(冷え性)であったゆえ、陰性食の生野菜を嫌い、陽性食の肉、チョコレート、赤ワインを好んで食べたのだろう。決して健康に良いとは言われない「肉」「チョコレート」「アルコール」で長生きしたのは「少食」であったためと推測される。』

筋肉

私は、筋トレが嫌いです。

理由は、筋トレをしている動物を見ていないから。生き物として不自然な行為と位置づけていたからです。

ただ、浪人を2年間していた時、片足スクワットを可能な限りやっていました。そのおかげで、大学入学後の基礎体力測定では、50m走でかなりいいタイムが出ました。しかし、筋肉強化に関して、全く興味を示さない数十年を過ごしたため、今では、お尻の肉はなく、ヨボヨボの老人体形になってしまいました。

石原医学大全で最も大切なことの一つに、筋肉の保持がありました。その理由が、血液の90%以上は毛細血管に蓄えられており、その毛細血管を保持しているのが筋肉、特に下半身の筋肉。納得したため、筋肉の強化をすることにしたのです・・・・実に単純でしょう!

その強化に4リットルのペットボトルを利用しているのです。そのうち、YouTubeでご紹介しますね!

カラダは単純なので、数ヶ月でしっかりした筋肉が出来ます・・・年齢なんて、全く関係ありません。これから、これから!

 

 

耳と腎の関係

石原結實先生の「石原医学大全」は、どのページを開いても面白いので、パッと開いたところを、ご紹介します。

『耳を観察

耳の形は腎臓とほぼ同じであることから、漢方では「腎気は耳に通じ、腎和すればよく五音を聞く」「腎は耳に※開孔す」という。

漢方で定義する「腎」の意味は広い。西洋医学で言う腎臓はもちろん、副腎、泌尿器、生殖器そして生命力そのものも含んでいる。足腰が衰え、先にあげた腎臓臓器の機能も低下した状態を示す「腎虚」という表現は、単に体力の低下にとどまらず、生命力の低下(老化)を意味する。

[耳たぶにシワがある→心臓病]

シカゴ大学医学部のウィリアム・J・エリオット元助教授による「耳たぶと心臓病」に関する調査報告がある。54歳から72歳までの108人を8年間にわたって調査したところ、次の結果が出た。

①耳たぶにシワのある人が心臓疾患で死亡した件数→シワのない人の3倍

②「耳たぶにシワがあるが、冠状動脈疾患のない人」の心臓発作死亡率→耳たぶにシワがなく、冠状動脈疾患もない人」の約6倍。

耳たぶのシワは35歳以上になると現れ、単に老化現象のこともある。しかし、心臓病が隠れている可能性も考えられるのである。耳たぶには動脈の毛細血管が少なく、脂肪はたっぷりあるため、体内で動脈硬化が進むと、血流不足がまっ先に顕在化する。つまり動脈硬化によって血流が減少すると、耳たぶの脂肪が栄養不足で萎縮し、シワを作るのだ。』

※開孔す とは、穴が開くことなので、通じていると解釈しています

2月22日は猫の日

 

2月22日は、猫の日。

うちのメス猫モモは、いつも一人で、2階の台所、居間とベランダにいます。時々、1階の鍼灸院から帰ってくる私に出会って、

「あら、来たの?」

って顔で、お出迎えしてくれます。私は、お出迎えが嬉しいので、

「モモちゃん、お利口さんじゃね、お父さんをお迎えしてくれて!」

と、ゆるゆる笑顔をするのですが、

「あっそう・・・・・」

尻尾を立てて振り返り、居間まで歩いて一呼吸。おもむろに、畳に寝そべったかと思うと、手足を弓のように伸ばして大あくびをしてくれます。

「モモちゃん、すご~い、またやった!モモちゃん、それが上手じゃけんね~、すごいね~モモちゃん。本当にお利口さんじゃけんね・・・・モモちゃんは!」

と、得意技を見せてくれると、素早くネコタワーに上って知らんぷり。

「モモちゃん、すご~い。モモちゃんは、何でも出来るけんね・・・・ホントにすごいね、モモちゃんは!」

と、たわいもない会話が続くのでした・・・・おしまい。

松葉

最近、早朝に裏山(標高117m)を下駄で登っています。下駄で登る時は、大臀筋、中臀筋、小臀筋を使い、降る時は、大腿部の筋肉を非常に使います。その道中に松葉が落ちており、この松葉を食べながら歩いています。また、頂上は日当たりが良いので、松の木が何本も生えています。そこでも松葉が取れるので、鍼灸院と部屋には松葉が増えてきました。患者さんの勧めで、醤油にも松葉を入れてみました。さて、どうなるのでしょうか?

松葉にある成分を下記にまとめてみました。

『クロロフィル(葉緑素)

 クロロフィルはヘモグロビンの構造に似ています。体内の余分なコレステロールや有害物質を排出する効果や、血液中の赤血球の数を増やすことで貧血の改善が期待できます。 胃や腸の運動を活発にしてくれるので、便秘解消などに良いと言われています。

ケルセチン

フラボノイド、ポリフェノールの一種で、主にタマネギなどの野菜に多く含まれている成分です。 血流を改善する効果や、動脈硬化を予防する効果などで知られています。

テルペン精油(α-ピネン)

森林浴効果が高く、リラックスやリフレッシュ、疲労回復などに有効といわれています。

ビタミン

松の葉には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなどのビタミン群が豊富に含まれています。』

松葉を噛み続けてドロドロにすると、気持ちよく胃にいける気がします。そして、口の中に清涼感が漂うのです。この感覚は、子供のころ遊んだ神社の空気、雰囲気につながるように感じるのです。

 

コレステロール

前述の不整脈を気にされていた女性患者Aさんが、もう一つ気にされておられたコレステロールに関して、石原結實先生は、『なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?』(石原結實 著)で、下記のように述べられています。これを次回の治療日にお伝えしようと思います。

『西洋医学では、血液中のコレステロールの正常値を130~219mg/dlと決め、少しでも多いと抗コレステロール剤を処方する傾向がある。コレステロールを動脈硬化、ひいては心筋梗塞、脳梗塞の元凶と考えているからだ。

しかし、コレステロールは、人間を形作っている60兆個の細胞の膜の成分であるし、胆汁や男性ホルモン、女性ホルモン、さらにはストレスに耐える副腎皮質ホルモンの原料でもある。だから、「コレステロールを無理に薬で下げたら、ストレスに弱くなり、種々の病気にかかりやすくなる」と指摘する医師もいる。最近では「コレステロール値が高い人ほど長生きする」というデータも数多く発表されている。

フィンランドのヘルシンキ大学で、高脂血症1200人を対象にした調査が実施され、次のような結果が得られた。高脂血症を食事療法と薬で下げたグループAと、下げる手段を何も講じなかったグループBを比べたところ、10~15年後の心筋梗塞の発症率、死亡率ともに、Aグループのほうが高かった。

日本でも、1980年、厚生(現・厚生労働)省国民栄養調査対象者1万人に対する14年間の追跡調査で、「240~259mg/dl」が「健康長寿」にもっともよいコレステロール値であることが判明している。また、茨城県で40~79歳の男女10万人を5年間調査したところ「コレステロール値が低いほど、全死亡率、特にガンの死亡率が高かった」「240mg/dl以上の全死亡率が一番低かった」ことが明らかになっている。

抗コレステロール剤である「スタチン剤」は、毎年400万人に処方されている。しかし、その副作用として、横紋筋融解症(筋肉が溶ける。その前に患者さんは筋肉痛を訴える)、肝機能障害、血小板減少(出血)などが現れることがある。

コレステロールに対して、過剰な「敵意」をもつことは、むしろ危険なのである。』

そういえば、私が専門学校に通っていた時、ある医師の基調講演で、コレステロールは下げる必要性がないと力説されていたのを、思い出しました。

不整脈の原因

ある患者さん、不整脈があります。そこで、「石原医学大全」から、不整脈の原因を探ってみました。

『体を冷やす水分を、くしゃみ、鼻水などのアレルギー、寝汗、下痢などで十分に排泄できないときに、体温を上げて代謝をよくして、水分を消費しようとする。1℃の体温上昇には、脈を八~十回/分増やす必要がある(頻脈)。頻脈になると脈が乱れることもあろう(不整脈。』

とあります。これは水毒に関する文章の一部です。世間一般では「1日に2リットル水分を取りましょう」と叫ばれていますが、それが水毒の元となるケースもあります。石原医学大全には下記のように書かれています。

『仰向けに寝てもらった患者さんの心窩部(みぞおち)を親指以外の4本の指で軽く叩くと、ぽちゃぽちゃと音がすることがある。この音は「振水音」といって、胃袋の中に水が多く存在していることを意味する。

振水音がある患者さんは一時が万事で、胃袋以外の体内の「袋」や「くぼみ」「皮下」にも水分を多く溜めてしまっている。つまり、体が水分過剰に陥っている状態であり、漢方医学ではこの状態を「水毒」という。

胃腸に留まった水は吐き気や下痢を起こし、鼻腔、涙のう、肺胞、皮下などに留まった水は、くしゃみ、鼻水、涙、薄い水様痰、湿疹等のアレルギー症状、むくみを起こす。その他、水分で体が冷やされた結果、肩こり、頭痛などの「痛み」が発生することもある。また、めまい、耳鳴り、フワーッとした感じ、まぶしさ、不安、不眠、動悸といったサイン(西洋医学では不定愁訴という)を出して、体が「水毒」に陥っていることを知らせようとする。』

とあります。不整脈の原因には水毒が考えられ、その水分を体外に出すための手段として、吐き気や下痢があり、鼻腔、涙のう、肺胞、皮下などに留まった水には、くしゃみ、鼻水、涙、薄い水様痰、湿疹等のアレルギー症状などがあります。それでも無理な場合、体温を1℃上げるための頻脈を起こす。その結果、不整脈が生じる場合があると考えられます。

「食べる」よりまず「出す」

今日も石原医学大全の「食べる」よりまず「出す」のご紹介をします。

『 一日三食派が最も重要視するのが「朝食」だ。曰く「一日の活力源となる食事」「朝食で体が活動モードに入り自律神経が整う」「朝食を抜くと脳の活動に必要な糖分が不足する」等々。日本で一番「力」が必要な職業の「力士」たちは、朝食は一切食べず、早朝から三~四時間の猛稽古する。食べると消化のために胃腸に血液が集まり、その分、手足をめぐる血液が少なくなり、力が出ないからだ。

石原医学でも一貫して朝食は不要と指導してきた。朝は食べるのに適した時間では無いからだ。英語で朝食のことを「breakfast」と表現する「fast(断食)をbreak(破る・止める)する」、つまり、睡眠中の断食状態を止めて最初に食べる食事という意味だ。我々は意識せずに日々「睡眠」と言う断食の時間を持っていることになる。断食明けの食事は、休んでいた胃腸に過剰な刺激を与えるものであってはいけない。

例えば、風邪をひいてお粥ばかり食べていた人が、病み上がりにいきなりコッテリしたステーキを食べる事はないだろう。同様に睡眠時に食物が遮断されていた胃腸に、いきなりたっぷりの朝食は負担なだけだ。

また胃腸に負担をかける他にも問題がある。睡眠と言う断食状態に入った体の中では、排泄作業が着々と進められている。睡眠中には寝汗をかくし、起床時には濃い尿、吐息には混じる悪臭、目やになど排泄が促進され、体内が浄化される。

断食明けの朝は排泄の時間なのだ。しかし、朝食をしっかり食べてしまうと、胃腸に血液が集中し、排泄活動は減衰する。入ってくるものの処理に追われ、出すべき老廃物も出せなくなるのである。その結果、血液が汚れる。

「吸収は排泄を阻害する」とは生理学上の鉄則の一つだ。裏返すれば吸収(食事)しなければ排泄がどんどん進むと言うことになる。人体においては「出す」ことが何より重要だ。風邪を引くと熱を出す。咳や痰を出す、時には下痢や発疹を出すことで血液を浄化して治そうとすることを考えると合点が行く。「朝食を食べる」事は血液の汚れを浄化するための「出す」時間をみすみす潰すことになる。』