私が鍼灸師になる以前、操体法でカラダの歪みを取ることをしていました。その時は、動きの操法と皮膚に軽く触れるだけの操法を併用してやっていました。現在では、鍼灸治療が主流になっていますが、山元式新頭鍼療法(YNSA)の治療点を指で軽く触れるだけで治すことも始めました。
鍼灸治療に抵抗を感じる人や、ストレスで疲れすぎたカラダの患者さんには、有効です。
前回にもご紹介した70才代の女性患者Aさんの続報になります。前回はオデコの治療点に軽く中指を置くだけで、黒い雲が首に湧いて来て、ゆっくり登頂部まで上ると出ていき肩が軽くなりました。今回も肩こりが気になるそうです。ベッドで仰向けになっていただき、足揉みができる位置まで、ベッドをあげます。まずは、足、指を揉む操法でゆっくりしてもらいます。Aさんの特徴は、常にカラダが緊張していることです。特に指先にその状態が出ています。足指を揉んでんいくと多くの患者さんは、足の力が抜け緩んでくるのですが、Aさんは緊張したままです。それでも気持ち良い」とおっしゃっています。
次に、後頭部へ両手のヒラを回し、水をすくうような感じでただ、じっとする操法。
「どうですか?」
「足に水が流れて始めた。」
前回同様、足に水が流れる感覚が生まれました。足指を揉んだ時に感じる緊張感を水が流れる感覚でゆるめているのかも知れません。いつも間にか、肩のコリが無くなっていました。
「どこか気になるところありますか?」
「やっぱり、左の膝が気になる。」
慢性的な膝痛を抱えるAさんに、足に見つけた治療点へ右中指を軽く触れる操法を始めました。すると、
「膝の筋が緩んできた。」
触れている右中指の先端から、何となくカックンと緩んだ感じがありました。
「あれ?音がした。」
私も音を感じました。こういうことは、良くあります。どうやらAさんには指先を触れる操法が合っている様に思います。最後に足揉みをして終了となりました。