歩くと肩甲骨がダル重

70才代の男性患者Aさん。ほぼ毎日、ご夫婦で30分間散歩をしておられるそうです。ところが、そのたびに、肩甲骨がだる重くなってしまうそうです。

「う~~ん、歩くたびに肩甲骨が痛くなる・・・・・・・どんな姿勢で歩いているんですか?」

「普通ですけど。」

「あの~、着物を着てワラジを履いていたころの日本人の歩き方をすれば、自然な歩き方になるんですが・・・・・肘は内側を向いていますか?」

「普通に腕振っているんで、肘は外向いてるかな?」

「そういう姿勢だと、肩肘が張って肩甲骨も痛くなってきます。ちょっと、待ってください、着物を持ってきますね。着物を着て歩いてもらいます。」

ということになり、普段私が着ている着物を持ってきて、着ていただくことにしました。

「どうですか?」

「そうじゃね・・・歩幅が狭なって足があまり上がらんな。」

「そうでしょう・・・昔の日本人は、肘や膝を緩めて、能舞台を歩くような感じであるいてたんですよ、これだったら肘が内向いて肩甲骨が張ることないです。」

などと、話しながら歩く姿勢を考え直していただきました。奥様も患者さんとして来られるので、お二人で少しずつ修正していただければ!と願っています。

主婦の知恵

患者さんと雑談することも、治療の一貫です。患者さんの生き方や感性も感じ取られ、しかも、患者さんから多くのことを学ぶ時間でもあります。

「先生、新生姜が出とろう。あれは、焼酎に漬けると、ずーっと保つんよ。冷凍庫で保存するとスカスカになってしまうんよ。だから、焼酎漬けが一番なんよ。知っとった?」

「全然知らんかった。へえ~そうなんじゃ・・・そしたら、早速やってみようわい。」

ということで、近くのスーパーで焼酎と新生姜を買って漬けました。新生姜が出回っている今の時期にしっかり漬けると、紅茶に入れる生姜がしっかり確保出来ます。主婦の知恵はすごい!と改めて感じたのです。

発熱は薬

「石原医学大全」から、「出すことが何よりの健康法」の一節を紹介します。

『風邪、肺炎、胆嚢炎などの炎症性疾患、ガン、白血病などの悪性腫瘍、リウマチなどの自己免疫性疾患などの多くの病気に発熱はつきものだ。単に疲労が重なった時でも発熱することがある。

人間は体温が1℃下がると免疫力が約30%するとされているが、反対に1℃上がると一時的に四~五倍にも増強するといわれている。「発熱」が病を癒す「自然治癒力」となるのは、体温が上昇すると白血球の貪食・殺菌能がパワーアップするから。病気の時、体調が悪い時は熱を出して免疫力を上げる必要があるので、「元気になるために発熱する」のである。

しかし、風邪などで発熱すると、患者をもとより医師さえも、「熱=病気」と言う認識のもと、熱を下げようと躍起になる。

抗生物質や解熱剤を服用すると、その日のうちに解熱するが、「治った、楽になった」と安心するのもつかの間、たいていすぐにぶり返すかいつまでもすっきり治らずダラダラ長引くことが多い。

一方、漢方医学では、発熱に対しては、体を温め、発汗作用を有する葛根湯を投与するし、民間療法でも、生姜湯と梅醤番茶、卵酒など、体を温める効果の高い食材をさらに熱々にして飲んで熱産生を促し発させる。

漢方薬も民間療法も、体が良くなるために出している熱を冷ますのではなく、発熱の後押しをしさらに発散させることで治癒を促す。治るとぶり返すことはまずない。もし、発汗してなお発熱が続き、気力体力も萎えていくようなら、医師に見てもらう必要があるが・・・・』

とあります。発熱はお薬であることを認識しておきましょう!

モモ、3回目の家出

玄関のドアを開けて、仕事場に行くというミスのため、メス猫モモが家出をしてしまいました。過去の経験から戻ってくることは、分かっていたのですが、今が1番過ごしやすい季節。さて、いつになるやら・・・・と、至って楽観的に思っていたのです。ただ3日も経過するとチョット心配になります。雨でも降れば一目散に帰ってくるのですが、快晴で夜もそれほど冷えていないようです。

昨日は、友人の会社の新入社員歓迎会。多いに飲んで、久々に1階の鍼灸院で寝てしまいました。早朝、2階の我が家に帰ると、

「ニャーゴ、ニャーゴ(何しよったん、私怖かったんよ、もう!)」

と1番高いエアコンの上で、へばりついた格好のモモ。

「おおおおおおう~、モモちゃん、帰ってきたん!良かった良かった。こっちへおいで・・・・どしたん、怖かったん?イノシシも山にはおるけんね。」

普段は、甘えることをしないモモですが、何と頭をすりつけて甘えてくるのです。

「怖かったんじゃね~、お父さんおるけんね。良かった、良かった。」

と再会を喜ぶ猫と私のショートストーリーでした!

断食で初期設定

「石原医学大全」が松山市の本屋店頭で、大量に積まれているという話を、患者さんから聞きました。非常に喜ばしいことです。本日治療の80才代の男性患者Aさんは、高校の同窓会に主席し、友人が「石原医学大全」の著者・石原結實先生が経営されている伊豆のサナトリウムで、断食治療を受けたと知り、やっと断食の効果を考えるようになったようです。また、先日NHKで東洋医学を科学的に解明する番組があったことで、鍼灸に関してさらに興味を増しておられます。

40兆円越の医療費を使い、病人が増え続けるている現状・・・・これはおかしい?と思いませんか。1000万年~700万年前に人類が誕生されたとされていますが、農耕生活が始まったのは、1万年前くらいの縄文時代。人類が生まれてこのかた、99%以上は飢餓状態でした。そのため、人間は飢餓状態を前提で設計されています。それなのに、今やテレビのどのチャンネルもグルメ番組ばかり。飽食を煽り、それに踊らされて、生活習慣病が当たり前のように扱われています。これこそが、異常!

人類本来の飢餓状態に初期設定することで、アップデートしましょう!

蜜蝋

友人から蜜蝋をいただきました。蜜蝋を検索すると、

『蜜蝋(みつろう、Beeswax、Cera alba)はミツバチ(働きバチ)の巣(英語版)を構成する蝋を精製したものをいう。蜂蝋(はちろう)とも呼ぶ。

蝋は、働きバチが蜂蜜の糖分を脂肪細胞で代謝した脂肪などを、第4‐7節腹板にある蝋分泌腺(蝋腺)から鱗状に分泌したもので、口で柔らかくこねて巣材とする。当初は透明であるが、巣を構成し、巣が使用されるにつれて花粉、プロポリス、幼虫の繭、さらには排泄物などが付着していく。養蜂において蜜蝋以外のものを基礎として巣を構築させた場合、それらが蜜蝋に混入する可能性もある。精製の方法には太陽熱を利用する陽熱法と、加熱圧搾法とがあり、効率の点では加熱圧搾法のほうが優れている。』

とあります。この蜜蝋は、紫雲膏という軟膏の成分の1/3くらいの成分です。この蜜蝋にその3倍ほどの胡麻油を足して紫雲膏のベースを作るのです。わずか20gの紫雲膏で、980円。最近はお灸治療が増えているので、私のお灸治療に紫雲膏が欠かせません。それで、紫雲膏に近い軟膏を作る計画をしています。とにかく、節約、節約!

いただいた蜜蝋の量から推測すると、1~2年間の使用量を作れると思っています。Mちゃん、ありがとう!

で、物々交換。 Mちゃんに無料診察券!

人は変わる

 

人は変わる

私は、文章を書くことができない人でした。私の元嫁は、アメリカ人のライターで、あっと言う間に文章を指先で飛ぶように描いていました。文章をかくことが出来ない私は・・・・友人に手紙を一所懸命書こうとしても、書けなくて半日過ぎることがありました。もっとも、そんな半日をいただく生活が出来たのは有り難かったですが、元嫁はそんな馬鹿な私を、馬鹿にしていました。

そんなある日、

「あんた、筑波大の野球の先輩から」

と、アメリカ人の元妻ですけど、日本語が私より上手な元妻が、関東人が関西に移住して関西弁ぽい日本語を話すような変な関西弁で伝えてくれました。

「佐伯、何か書いてくれないか?」

「はい、分かりました。やります。」

と、文章を書けない私が、お世話になった功力監督のため、必死で書いたのです。文章を書けない人が、もがきながら・・・・・でも、書いていくうちに、文章を書くのって結構面白いと思い始めたのは、事実。

で、何とか形にしたのです。それを、功力先生は面白がってくださいました。そのお心が今の私に伝わっています。「功力先生、先生のおかげで文章を書くことが出来るようになりました。本当にありがとうございます。」

食の話

友人から戴いた野口晴哉先生(野口整体の創始者)の本からのコピーには、治療家としての心構え、生き方など鋭い視点が散らばっています。その中で食の話という一節があり、その一部を記載します。

『近頃、規則正しく飯を食ふとかいう科学的生活とやらが流行して、朝飯は午前七時、パン。昼食は午後一時、三杯。夕食午後八時、三杯。時間はいつも一定し、腹が決まって増減なしなどと自慢している人すらあるが、これは甚だ感心できぬ。

(中略)

時間を決めて一定した食料を搾取すると言う形式は、規則正しく見えて、その実は、不規則、不合理、非科学的なことと云わねばなりますまい。時計に腹の調子を支配されている人々の案外多いのに驚かざるを得ません。一体誰がこんなこと良い習慣だと宣伝したのでせう。

人は絶食すると体が衰弱し、命がなくなるものだと信じているために、糧食欠乏とか、貧乏の為とかで、五、六日も欠食すると、気萎え力失いヒョロヒョロしたがるものです。断食療法や断食している人々は、断食五、六週に及んで、なお元気が衰えぬのみならず、それによって健康を得、信仰に触れることさへできます。食わねばならぬと考えている人々が、食ひたい食ひたいと望みながら食へぬから、絶食によって衰弱するので、人は食わねばならぬのではないと考えて食わなければ、食はぬということも気にかからず、断食して帰って丈夫にもなり得るのです。

飢饉の時とか、山で迷ったとかで、絶食1週ついに餓死したと言うような話を聞いたが、これは餓死ではなく気死であって、人は六十日や七十日の断食で死ぬものではありません。ドイツのテレザ・ノイマンという一婦人は1926年以降、今なお絶食しているというし、私は四週間断食したが、平然としていました。食わねばならぬ、食が命を養うものだと考えているから、わずか七、八日の断食で、餓死するに至るのです。断食が死に導いたのではなく、断食を怖れたる心が、死にまで導いたのです。本来、人は絶食によって丈夫になりこそする衰弱するようなことはないのです。』

まさしくその通りです。飽食で鈍ってしまったこころとカラダを絶食で目覚めることの意味を感じるのです。

EM菌

「先生、EM菌って知ってます?」

「聞いたことあるけど、よく分からない・・・」

と曖昧な返事しかできませんでした。70才代の女性患者Aさんに、その後、EM菌の原液を100円で譲っていただきました。Aさんに日本タオルで作っていただいた袋へ、ヌカを入れ、浄化水に突っ込みもみほぐして、白い研ぎ汁のようにします。それを650mlのボトルに500mlほど入れ、黒砂糖をキャップ1杯、原液もキャップ1杯入れ、1週間ほど置きました。このEM菌とは・・・・説明書を記載します。

『昔から、世界各地にある発酵食品、例えば、パンやヨーグルト、チーズ、キムチ、納豆、味噌、醤油、酒などは微生物を利用して作られています。このように、自然界にたくさんある微生物の中には、人間を助けるものも多く、とても身近な存在であると言えるでしょう。また、人間の腸内に住むビフィズス菌などのように、環境を良くし、動植物の細胞を活性化する働きを持つ酵素や生成物を作り出す微生物もいます。このように人間にも自然環境にも役立つものを有用微生物といいます。これらの微生物は普通は単独で利用されてきましたが、条件を整えれば、微生物同士はお互い有用な共同作業ができるのです。こうした複数の役に立つ微生物を組み合わせたものがEM=有用微生物群なのです。

Effective (有用) Microorganisms (微生物群)』

大変有用で、農業、環境浄化や暮らしに役立つようです。早速、Aさんに1週間発酵したEM菌を見ていただきました。どうやら、上手くできているようです。それを早速台所の流しに流したところ、匂いが消えました!素晴らしい!!!ドンドン作っていきます!

洗濯物が陰干しの匂いで困っていたのですが、解消しそうです。

下駄と手拭い

「下駄を鳴らして奴が来る、腰に手拭いぶら下げて~」

カマヤツヒロシ氏の名曲・・・タイトルが出てこない!まあいいか・・・

この短いフレイズに二つの日本独自文化が凝縮されています。下駄と手拭いです。

手拭いの程よいサイズは、世界中どこに行っても存在しないと思います。もっとも、世界中を旅行していないので断言はできませんが・・・。元妻はアメリカ人だったので、アメリカ人の視点で物事を考える機会も数多くありました。その彼女が日本タオルをアメリカの友人によくプレゼントしていました。日本タオルは農作業時、「ホオカムリ」で帽子、日除けそして、汗拭きが出来る優れもの。冬にはマフラーの役にもなります。そして、お風呂では背中を洗うことが出来、しっかり絞ればバスタオルにもなれます。こんな便利なモノはそうそう無いと思います。それを、彼女はよく力説していました。

「日本人なら、日本タオル1本で風呂を済ます」ということに誇りを持ちたいものです。

今度は、下駄。下駄は多分、日本にしかないものでしょう。コンクリートの道になる前の日本の道は雨が降れば、水たまりが出来る土の道。石油製品が世界中を席巻する以前は、下駄が雨降りには重宝したことでしょう。まさに木の文化の日本で生まれた必然的な宝物です。この下駄を履いて裏山歩きをしているのですが、山は急斜面なのでいつの間にか右側の下駄の削れが激しくて、平地を歩くと明らかに左右の下駄の高さが違うのに気づきました。しかし、下駄なら靴と違って左右反対に履くことが出来るのです。そのため、今日から、下駄を同じ高さになるまで、反対に履くことにしたのです。何と素晴らしい履き物なのでしょう!

追伸:「我が良き友よ」でした。