へそは正面

昨年7月から1ヶ月に3~4回のペースで来院の50才代女性Aさん。

病院では、変形性股関節症(右の骨が数ミリ削れている)と診断されました。

右の靴下がはけず、階段を上る時は、右足が外を向いてしまいます。そのため、左足だけで階段を上がっていました。来院初日は、極端に右足を引きづるヒョコヒョコ歩き。職場でも、

「どしたん、その歩き方‼️」

と言われていましたが、今回で26回目の通院。ついに右股関節の奥に一点の痛みが残る程度にまで回復しました。

「先生、母親の介護をしていて、ふと思ったんですけど、右足を前に出して母親を抱えると、右股関節に負担がかかるんじゃないかと・・・・・」

「あらら・・・その通り❗️介助している様子を、もう少し詳しく聞かなかった私が、悪るかったです・・・・・(≧∇≦)」

「右利きのAさんが、右足を出して抱えるとおへそが左向いて、正面にならないでしょ。その分余分な力が入るんです。左足を出すとおへそが正面向くので楽ですよ。」

私は、立て続けに喋り続けます。

「プロゴルファーが、ホールインしたボールを取る時、右足前にして右手で取るのは、カッコイイ~って思うかもしれんけど、腰に良くないの。おへそが左に向いて捻れてるでしょ~~。左足を前に出すと、おへそが正面向くので、取りやすいんです❣️」

「台所に立つ時も同じ、右手で包丁を持つんだったら、左足が前ですよ~~」

今回の治療は、山元式新頭鍼療法に、右手小指圧痛点のにお灸。これで、右股関節の痛みは無くなりましたが、改めて、日常の姿勢を問診することの重要さを感じたのでした。

そして、重心安定の法則「足は親指、手は小指」にもう一つ「へそは正面」を付け足すことにしたのでした❣️

クスノキの瘤(こぶ)渡り

左O脚をややX脚にする手術を受けた60才代の女性患者Aさんの続報。

「先生、ずいぶん良くなったので、小走りしてみようかと思たんよ。」

「通勤でここ(あじさいの杜鍼灸院)通るじゃろ。ほじゃけん、車から降りて、お陰様で調子がええって言おうと思たぐらいなんよ❣️」

Aさん、外果治療点だけで相当回復したようです。

これだけ回復すると、次の段階に進めます。そこで今回は、クスノキ木霊療法の「瘤(こぶ)渡り」。写真のように瘤(こぶ)を置き、なるべく壁や柱に触れないで渡るゲーム。

操体法の創始者橋本敬三先生が、「生体の歪みを正す」(創元社)p226で、

小学校の軒下に砂利道をつくらせて虚弱児童を毎日裸足で100メートルぐらい歩かせたら非常に有効であった。この話を、出征中、同僚の軍医に話たら、帰ってからこの人は1メートル四方ぐらいの砂場のような小石場をつくり、毎日そこで足踏みをさせて大いに有効だと語ってくれた。

とあります。神社で砂利道を、お百度詣りをするのは、実は、ご本人の健康のためにもいいことだったのです。

実際2004年、スペイン、マジョルカ島のジョアン・ミロ美術館で2カ月滞在して子供達と一緒に積み木遊びのワークショップをしたことがあります。

広い前庭に砂利、積み木、砂で道を作り、6周(300mくらい)し、10分お昼寝を2週間。

この時は、子供達のカラダが見事に変化し、元気になりました。

あの時の集大成が、クスノキ木霊療法の瘤(こぶ)渡り。

砂利道を歩くと痛いため、逃避反射をします。無意識の動きです。これは、カラダが欲している動きで、歪みを取ってくれます。

京都で操体法を追求し普及されている丸住和夫先生は、「おっとと・・・操体」と命名され無意識の動きを引き出しておられます。

また、総合格闘家の先駆者、平直行先生は無意識の動きと武術の本質を追求し、新たな治療法を確立されています。

私の師匠、今昭宏先生は、自発動と呼び皮膚に軽い刺激を与えながら、無意識の動きを導いています。

このように、無意識の動きに焦点を当て、治療している方々は、操体法関係者に数多くいます。つまり、橋本敬三先生の思いが、形を変えて展開しているのです。

さてAさんの瘤(こぶ)渡り。

「先生、これ痛気持ちがええね~~❣️」

と楽しそうです。5往復くらい柱、壁を伝(つた)いながら渡れました。背中の張りが、ビフォー、アフターでは全く違います。ある程度良くなった患者さんには、非常に効果的です。

その後は、外果治療点とその周囲に合計8の置鍼。頭には3本の置鍼で終了しました。

随分良くなったAさん、次回何を喋ってくれるか楽しみです。

カラダのスイッチ

左O脚をややX脚にする手術を受けた60才代の女性患者Aさん。

左脛骨を切り、脛骨の角度を変える手術を受け5ヶ月近く経過。左足をかばうため、右股関節から足首にかけての「気持ち悪さ」がありました。しかし、

「先生、前回の足首にした鍼が効いた気がするんよ!気持ち悪いのがのうなったわい。」

前回は、左足首の外側(外踝=そとくるぶし)の圧痛点4ヶ所に鍼の刺し置きをしました。これは、山元先生の完全なる真似事です。山元先生は、著書の中で、

「あの天井の電気を見てごらん。ほんじゃ今度はこの壁を見てごらん。ねっ、壁にスイッチがあるでしょう。ほんでこのスイッチを入れんと天井の電気はつかんでしょ。このスイッチが頭にあるんだよ。」

先生のスイッチという言葉を実感しています。確かに頭にスイッチがあります。

さらに、先生は足首の外側にも外果治療点という4ヶ所のスイッチを見つけておられます。

私は、この4ヶ所に鍼を刺し置きしただけです。

Aさんの過去のカルテを見ると、全く外果治療点に触れていません。ところが、前回、先生の真似事をしただけで、結果が出てしまいました。これは、凄いことです。そこで、今回も外果治療点4ヶ所と、その周辺の圧痛点に置鍼(鍼の刺し置き)。

その後、外果治療点4ヶ所にパイオネックス(円皮鍼)を張って終了としました。

「先生、正座が出来た❣️」

さらに、一歩進んだようです~~

皮膚の色変わった

週1回くらいのペースで来られている70才代男性患者Bさん。病院では、下肢静脈瘤、脊柱管狭窄と診断されています。初診では、両足底が深さ1cm位しびれて、歩行困難でしたが、今ではヒョコヒョコとした動きながら問題なく歩けています。

しかし指先、特に左の親趾に力が入らないそうです。

こういう時は、山元式新頭鍼治療法(YNSA)が一番・・・しっかりとYNSA を身に付けてから治療を・・・・と思っていたのですが、目の前の患者さんのカラダが、欲している治療を優先するべきだと、考え直しました。

そこで、左耳の上後方に位置するソマトトープ(小さな人型)の足の部分に5本鍼を刺し置き。ついでに、右耳上後方にも2本さしました。

しばらくして、左親趾を見てビックリ、

「あれっ、Bさん左の親趾、色変わっていません❓」

「・・・・・・^_^・・・^_^・・・・」

Bさんは、ニコニコ顔でうなずくだけです。紫色の皮膚から肌色に移行しているのです。

「ちょっとBさん、このクスノキの瘤(こぶ)に足を置いて、体重を乗せることできます?」

私は、Bさんの足元に大きなクスノキの瘤(こぶ)を置き、座った状態からゆっくり立ち上がるように指示しました。

「さっきは、立ち上がる時、手のひら突いてカラダを支えんと、立てんかったのに・・・

今は、手使わんと立てる❣️」

「ほんとだ、凄い!・・・それに、足の親趾、色が全然違うでしょ‼️」

「違う❣️」

目を疑ってしまいました。Bさんが立ち上がる時の親趾の色は、ピンクっぽく輝いているようでした・・・・

これを書いていて、今でも半信半疑です・・・・YNSA は凄い・・・

強烈な一撃

長時間の正座で感覚がマヒしてしまい、立ち上がろうとした時、右足首が可動域を超えて外側の靭帯を損傷してしまった30才代女性患者Cさん。1ヶ月前に治療し、ある程度良くなりましたが、まだ痛みが残っているそうです。

Cさんは、あるセミナーに参加したものの、後半からは、右目が痛くなり、しかもそれが偏頭痛となり全く集中出来なかったそうです。

また、肩甲骨と肩甲骨の間が痛くて仕方ないそうです。

一挙に3カ所を診る事になりました。こういう時は、一番キツそうな偏頭痛から・・・・

山元式新頭鍼治療法(YNSA)をしばらく封印しようと思っていたのですが、3ヶ所を一度に診るとなると、話はかわります。

①偏頭痛・・・おでこの右目、頚椎、動眼神経にあたるところに鍼を刺し置きします。

山元式新頭鍼治療法(YNSA)

②右足首・・・前回の治療から1ヶ月経っているので、直接右足首の圧痛点を丁寧に診てい きます。外踝(そとくるぶし)の下に鍼を刺した瞬間、

                           

「痛っった‼️」

ずーーんとした強烈な激痛が走ったそうです。そのため、対角に位置する左手首の小指側の圧痛点を見つけ、軽く指先を添える操法に変更。すると、徐々にあの強烈な痛みが治まり、右足首の痛みが消えていったそうです。

それと共に、偏頭痛がいつの間にか無くなってきました。あと残るは、

③肩甲骨の間の痛み・・・手の甲の小さな人型(ソマトトープ)の肩甲骨は、中指の根元付近にあります。その近辺の圧痛点にお灸を1~3壮。これを左右の手にします。

その結果、肩甲骨の間がかなり緩みました。

①②③の症状に対しそこそこの結果が出たようですが・・・右足首の一撃が、カラダを瞬間的にかえるスイッチだったのかも・・・

カラダって、わからない・・・

再び打撲のCさん

ピアニストのCさん、2か月ほど前には、左薬指を打撲。

何とか治療し、その翌日、観客の人々はもちろんのこと、相棒の演奏家にも打撲負傷を気づかれないままピアノ演奏も出来ました。

ところが、10日前に反対の右小指を打撲してしまいました(*≧∀≦*)

今回は、プラスチックのギブスで小指を支持しています。そのため、その状態でピアノを弾くとプラスチックが当たり「カチカチ」と音を立ててしまいます。

「何とか小指が動けるようにする」のが、私のミッションです。

まず打撲した右小指に圧をかけます。  Cさんの右小指の第2関節を、両手の親指、人差し指、中指で軽く包みこみます。後は、微細な微細な圧をかけるだけです。

「先生、指が熱くなった!」の言葉で終了。

次は、右手小指の対角に当たる左足の第5趾の圧痛点にお灸を3~5壮します。

足を触っていると足ウラにも圧痛点があるので、そこにもお灸を3~5壮。

打撲してから10日間ほど経っているので、直接、右小指の圧痛点にパイオネックスという

円皮鍼を5個貼り付けました。

「先生、痛さは残るけど、動く❣️」

ピアノを弾くにはまだまだ力強さは、足りませんが、動く事は出来ました❗️

とりあえず、ミッションは果たせたようです。

Cさん、また経過報告よろしくお願いします~~

「もう、転んだり、打ったりせんように、お願い致します(#^.^#)」

60点でいいんです

92才の女性患者Aさんの続報。

昨日の治療後、足指の痛みはないそうですが、靴を履いて歩くと痛いそうです。

「あの~~右ふくらはぎにコリがあって痛いんですけど!」

昨日、こむら返りが起きそうになったのもこの個所でしょう、確かに大きなコリがあります。そこで、同側の肘内側の圧痛点に指を軽く添えるだけの操法。しばらくして・・・

「今、どんな感じですか?」

「何にも感じません。」しばらく、経って・・・

「右手の人差し指がしびれています。」しばらく、経って・・・

「手全体が暖かくなってきました!」

かなり血流が良くなって来たので、今度は山元式新頭鍼療法(YNSA)の理論で上肢、下肢に当たる「側頭部圧痛点」に、軽く指を触れるだけの操法。

Aさんは最近睡眠が浅く、なかなか熟睡出来ないので、ゆっくりしていただきます。

この指を軽くカラダに触れる操法は、鍼治療をするようになって、長らく封印していました。しかし、Aさんのように熟睡出来ないで、しかも鍼治療が怖い方には、有効な手段のように思います。

また今回のように山元式新頭鍼治療(YNSA)の理論を、指で軽くカラダに触れる操法に取り入れることは可能だと思います。

山元先生も、

「別に鍼にこだわる事はない。他の手段もある。」

と、おっしゃいました。現在進行中のクスノキの瘤(こぶ)を使った療法(自称:クスノキ木霊療法)との融合も遠い将来可能かも知れません。

おっと寄り道をしてしまいました。

Aさん、最後に左手の小指と親指の先(井穴=せいけつと呼ばれます)にお灸を1壮づつして終了。随分と足が軽くなりました。

Aさん、足が弱らないように、毎日屈伸運動をされています。大変いい事ですが、少しオーバーワークのように感じました。そのため、右ふくらはぎにコリが出来たようです。

気持ち良くふくらはぎのストレッチをする事、これが大切です。

「気持ち良さがお薬です。ですから、あんまり頑張り過ぎないでくださいね~~」

「あらっ・・・そうなの!私、痛いぐらいやらないとダメかと思ってた❗️」

「いやいや、そんな事ないんです。気持ち良く、ほどほどで・・・60点でいいんです。」

と、しっかり操体法の奥義をお伝えしました。次回は、動きの操法を、ご高齢の方が楽しく出来るように工夫してみようと思います。これは、とても重要な事だと思います❣️

足の指が痛い

92才の女性患者Aさん、本日は2番目、3番目、4番目の両足指が痛いそうです。そのため、靴を履いて外を散歩することが出来ません。

ゆっくりベッドに寝ていただき、足ではなく手の人差し指、中指、薬指にお灸をすることにします。足の指の痛いところと、同じ位置の手の指に1~3壮します。

「それでは、ゆっくり起き上がって下さい~~・・・歩いてもらって、よろしいでしょうか?」

「・・・あまり痛くは、ないです・・・靴履くと、どうか分からないですけど・・・」

ある程度、良くなっているようです。

続いて、左足首の外側圧痛点に、指を軽く添(そ)えるだけの操法を初めます。しばらく経つと、

「なんか、反対側の右足の中指だけに痺(しび)れと痛みが集まってきたの!」

「そうですか? そうしたら、その指を意識して、ゆっくりとそこに息を通すようにしてください。1回通したら普通呼吸を2~3回して、またゆっくりと息を通して下さい。」

しばらくすると、

「なんか、こむら返りしそうなの!」

「あらっ、右の足ですか?・・・・そしたら!」

と、右足ウラをしっかりと抱(かか)えて、ふくらはぎをゆっくり伸ばします。

「あ~~気持ちいい!」

どうやら、これを機に指先の痛みが随分なくなったようです。

今度は、痛みが集まってきた右足の3番目の指と同側の中指。この指の圧痛点に軽く触れます。しばらくすると、

「もう、足先に痛みは無いけど・・・ここが痛くなった。」

Aさんは、右脇腹を押さえます。

「そうしたら、この触れてる指と別のところ(ソマトトープで胸部)を触れますね~~」

「あれっ、痛くない❣️」

「足の痛みはどうですか?」

「大丈夫です。」

「今日は、このくらいで、終わりにしましょう。明日、様子を教えてください。」

明日の治療をお約束して、本日は終了。

先生は私の鍼ポッター先生!

山元リハビリテーションクリニックのレポート第4弾。

車椅子で来られた40才くらいの女性患者Dさん。

カイロプラクティックの治療を受けた際、頸部のヘルニアとなり、車椅子生活を余儀なくされたようです。また、手の人差し指にブロックが落ち、両腕がほとんど上がりません。

山元先生の前で、車椅子生活になるまでの経緯を淡々と話してくれました。

「今日は、背中が殴られたように痛いです。」

山元先生は、Dさんの親指と人差し指の間(合谷=ごうこく)を診察し、おでこに鍼を刺していきます。刺すたびに、

「ちょっと、腕あげてみて~」

最初のうちは、なかなか上がりませんでしたが、徐々に、左腕が上がるようになり、

ある時から、急に右腕の方がよく上がるようになってきました。

「目が開(あ)いた!」

目を驚いたようにパチリ、パチリとするDさん。

「流れるような感覚が腕にあります。」

次々と状況説明をしてくれます。

「あれっ、右の肩が痛くない❣️軽くなって・・・・(肘を)後ろに引ける・・・」

今まで、おでこに鍼を刺していた山元先生、今度は側頭部を押圧し、注射を側頭部に。

「ん~~、来た❣️」

Dさんの両腕が、上まですうーっと上がります。先生は、反対の側頭部にもう一本注射を打ちます。

「わあ~~10kgの重りが取れた~~、先生は、私の鍼ポッター先生❣️❣️」

と、Dさんは、先生をハグしたくて仕方ない様子でピョンピョン。

ニコニコ顔の先生が、

「人間のカラダって、どこになんがあるかわからんネ~~」

90才のご高齢の山元先生が、次々と患者さんを治療される姿は、神の領域です。

「治療家とは、かくあるべし」と無言の御言葉をいただきました。

今回のセミナー程、衝撃を受けたことはありません。セミナーを企画してくださった原正和事務長はじめ関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

また、愛媛松山と宮崎までの往復運転(途中フェリーに乗車)をしてくれた弟である事務長、

「本当にありがとう!もう少しマシな治療家になりたいと思います。」

0.2mmの表皮

山元リハビリテーションクリニックのレポート第3弾。

ー0.2mmの表皮ー

最終日の午後2時から5時までは、教室で坐学。

「ビデオを見てもらおうと・・・思ってますが・・」

山元先生のお言葉に、『いや~~、もっと実技を見たい‼️」という無言の沈黙が続きます。すると、 いつの間にか全員が認めるクラス委員長のGさんが、

「先生、みんな先生の治療を受けたいと思っているので、治療をした後にビデオを観るのはどうでしょうか?」

ということで、午前中に引き続き、90才の山元先生は治療を続けられることに・・・

その治療の一コマを紹介いたします。

指圧師としても仕事をされている男性Cさん。右腕が凝っています。特に親指には痛みがあるそうです(今回のレポートは、文字として残していないので、私の記憶だけが頼りです。そのため、強烈に覚えているところに焦点を当てます)。

先生は、Cさんの親指と人差し指の間(合谷=ごうこく)で探った情報により、おでこに鍼を刺していきます。2~3本刺した時点で、腕のコリは無くなりましたが、親指の痛みは残っています。

そこで、Cさんの親指を引き寄せた先生は、長さ15mmの鍼を親指の爪と平行になるようにくっつけます。

『なに?・・・・先生、鍼で爪の長さを測ってる???・・・しかも、微妙に弾(はじ)きながら・・・なんなん、これ???』

爪と並行に軽く弾(はじ)いていた鍼先が、ほんの少し角度をつけた瞬間、Cさんの表皮0.2mm程度を突き刺し、引っかけました。15mmの鍼は親指にピッタリくっついています。

「どう?」

「・・・・痛くない・・・・・です!」

全く見たことのない手技を、目の当たりにした我々は、

「ポカ~~~~~~~~~~~~~~~~ン!」

その後のことはよく覚えていません。

0.2mmの表皮のイメージが鮮明に残るだけでした。

おしまいm(_ _)m