耳鳴り治療点の理屈が分かった!

週に一回、今回で17回目の治療となる80才代の女性患者Aさん。最近の5回は耳鳴りの治療点に置鍼しています。その結果、家族の喋(しゃべ)り声が大きくなったのが分かるそうです。台所で洗い物をしていると、思わず「うるさいな!」と振り向きそうになることがあったそうです。当院で流している音楽も、通院当初は聴こえるかどうか非常にあやふやでしたが、今でははっきり聴こえるようです。今回も13本しっかりと置鍼しました。

「それにしても、どうして山元先生はこの治療点を見つけたんですじゃろ?」

と私が、つぶやくと同行しているAさんの娘さんが、

「そりゃあ、凄い数の患者さんを診とるけん、経験から分かってくるんじゃわい。」

「・・・まあそういう事かなあ・・・」

と半分納得、半分疑問・・・・そこで、ちょっと理屈を探してみたくなりました。側頭部の筋肉を見ているとヒントが浮かんできました。それは筋肉と筋肉の境目です。それぞれの治療点は2~3の筋肉の境目になっているのです。写真の赤点が治療点・・・・それでは何故境目が治療点なのか?・・・・・それは、筋肉の動きと筋膜との関係があると思います。

それぞれの筋肉は違った動きをするため、治療点にある筋膜が絡(から)みやすくなり、圧痛点となりやすいのです(断定しています)。また、たった1本の置鍼で2~3つの筋肉に影響を及ぼすので効果的なのです。その結果、耳周りの血流が良くなり耳の働きが良くなるのです。

この事を、患者さんに説明すると説得力が出てきます。どうやら次回のYouTubeのテーマが決まったようです。

問診が大切

 

3ヶ月前から、めまいが激しくなり天井が回り始めた50才代の女性患者Cさん。病院に行き、検査をしてもどこも悪くありません。病院からは、メニエール病の薬を出され飲むと、かえって調子が悪くなるので飲まないようにし、漢方薬だけを飲んでいます。徐々に天井が回る感覚が無くなり、ふらふらする感覚になり、現在はゆらゆらする感覚になっているそうです。首肩のコリはかなり気になります。

病院では、どこも悪くないと診断されたので、自律神経と内臓を整えるだけで、どうなるのかCさんの同意を得て、試してみることにしました。

 

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左→左上腕診と左膝診を行う

上腕診:頸椎(0)、腰椎(0)、脳幹(0)

膝診:頸椎#1~7(3)、胸椎#4(1)、腰椎#1~6(1)

首診:右心(0)、右三焦(1)

左腎(1)、左膀胱(3)、左肝(1)、左胆(1)、左心包(0)、左心(0)、左三焦(1)、左脾(0)

上記13本の置鍼。

首肩のコリはなくなり、ふらつきもありません。これがいつまで保つか分かりませんが、今のところいいようです。頭に置鍼をしたまま、長時間おしゃべりをしていると、

「あっっ、そういえば天井が回るようになる前、突然耳鳴りがし始めたんです。」

ということは、内耳神経と耳鳴りの治療点が、最も良い置鍼の個所の可能性があります。しかし、置鍼してから随分時間が経っていたので、次回の治療では必ず内耳神経と耳鳴りの治療点に置鍼をすることを約束しました・・・・ここで、ふらつきを患者さんが訴えたとき、内耳神経と耳鳴り治療点を積極的に進めるべきであったと、反省しています。もっともっと、患者さんの声を引き出せる問診が大切なのですね。

患者さんのおかげ

 

週に一度、通院して体調管理をしている60才代の女性患者Aさん。前回は右下歯ぐきに痛みがあったため、右眉の眉間寄りの圧痛点にパイオネックス(皮内鍼)を貼りました。それが随分効いたようで、1日中貼って翌日には、はぎ取ったのですが良くなったそうです。ところが、今度は左の歯ぐきが痛み始め、歯医者に行きお薬をもらって、やっと痛みが治(おさま)り始めたそうです。

そこで、早速左の眉毛の眉間よりの圧痛点にパイオネックスを貼りました。

「これは、効く感じがします・・・・左歯ぐきが痛くなった時、左の眉毛を爪で押したら、飛び上がるほど痛かったんです。でも、今日はそれほどでもなかったので、これ(パイオネックス1個)で大丈夫だと思います。」

Aさんは、それぞれの治療点を覚えて、セルフケアの努力をしているので、感心します。また、Aさんは、頭への置鍼が嫌なため、足に見つけた治療点にパイオネックスを貼り自律神経と内臓を整えて終了となりました。多くの人は、あまりパイオネックスに関しては痛みを感じないのですが、Aさんは、パイオネックスに対しても痛みを感じることが多いので、貼る場所を現在模索中です。このような患者さんのお陰で、治療が進化していきます。Aさん、様々なご意見本当にありがとうございます。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左→左上腕診、左膝診を行います

上腕診:腰椎(0)

膝診:胸椎#1、#8、#9(1)、腰椎#6(1)

首診:左膀胱(1)、左肝(1)、左心包(0)、左脾(1)

上記5個のパイオネックスで治療終了。

閃きのための蓄積

月に一回、体調管理に来られる50才代の女性患者Aさん。今回は左右の側頭部痛、左右の首痛及び右肩甲骨に痛みがあります。首診で首の診断点を探り、側頭部の治療点に置鍼すると徐々に首が緩んでくるため、今日のAさんにとって山元式新頭鍼療法(YNSA)は、ぴったりの治療となります。

合谷診:(人差し指と親指の間触診)左→左上腕診、膝診を行う

上腕診:頸椎(0)、腰椎(0)、大脳(0)

膝診:頸椎#4~7(2)、胸椎#6~8(1)、腰椎#3~6(1)、大脳(1)

首診:右膀胱(1)、右大腸(0)、右三焦(1)、右胃(1)、右脾(1)、右小腸(1)、右肺(1)

左腎(0)、右肝(1)、右胆(1)右心包(0)右心(1)、右大腸(0)右三焦(1)右胃(0)、右脾(1)、右小腸、右肺(0)

上記16本置鍼。

Aさんの側頭部痛は、左耳にこもった音声をもたらしています。左側頭部の治療点に置鍼していくに従って、徐々にこもった音声が薄れていったそうです。そして、首診から側頭部に置鍼を終えた段階で、首痛がなくなりました。後は、右肩甲骨痛です。この治療点は、C点という右のオデコの圧痛点に置鍼。

「どうですか?」

「・・・・・鼻が、通ってきました・・・・肩甲骨も楽です。」

Aさんは、感覚が鋭くカラダの反応が瞬時に出るので、いつも勉強させて戴いております。C点に置鍼してなぜ鼻が通るのか・・・理由は分かりませんが、何故だろうと考えるチャンスをいただけます。この蓄積が多分、何かの閃(ひら)めきを産むのだろうと思います。

クスノキ出たで

 

「クスノキ出たで!神社のクスノキじゃ。」

友人からの電話がありました。これは、朗報です。作品がしっかりイメージ出来ました。来年、日仏交流展が坂の上ミュージアムであり、昨年同様、積み木の展示をしようと思っていたのです。前回は、飯岡神社のクスノキを輪切りにして、1週間愛媛県立美術館で作り続けたのですが、今回も1週間ほど作り続けられると思います。神聖な神社のクスノキはそれだけで、パワーを持っていますが、それを積み上げることで、よりパワーが生まれて来ます。次回は、作る過程をコマ落としで撮り続ける作品にしようと考えています。

 

クスノキは英語でカンフルツリー、あのカンフル剤のカンフルです。元気の源(みなもと)です。私の母校の小学校校歌に「クスのこずえに雲が湧(わ)き、投げ打て走れ踊れ飛べマリ追う足が燃えようと、夏に負けるな300児」(だったと思います)という詩がありますが、クスノキは勢いの象徴だと感じられます。

再び、クスノキのエネルギーをいただいて、前回以上の物を作りたいと思っています。

艾(よもぎ)

 

寒くなってきたので、最近の治療にお灸をすることが増えて来ました。基本的に山元式新頭鍼療法(YNSA)はお灸をすることはありません。全て鍼のみで治療します。私なりに見つけた足の治療点に爪を立てると、患者さんが飛び上がるほどの痛みがあり、鍼を刺しても痛みが出る時も多々あります。あまりに痛いため、申し訳ない気持ちになってくるのも事実・・・何かいい方法は・・・と考えていた時、「何じゃ!お灸があった!」。そして、ある女性患者さんにお灸をしてみました。すると、

「・・・気持ちいいです♪」

といい答えが返ってきました。続いて、70才代の男性患者さんにお灸をしてみると、

「昔は、じいさんばあさんが、艾(よもぎ)を取ってきて、干して乾燥した後、石臼でなあ引くんよ。そしたら、綺麗なモグサが出来よったぜ・・・・そしてなあ、昔は薬なんかなかったけん、腹が痛かってもお灸、肩がこってもお灸。何でもお灸で治しよった・・・」

そうなんです。私が幼いころ、ケガをすると父親が、

「よもぎの汁をつけたら治るけん、つけとけ。」

と言われて、石の上によもぎを置いて、別の石で叩いてお汁を出し、それを傷口につけていました。大人になってもその教えが頭にあったため、夜にケガをした時、よもぎの汁をつけ、翌日病院に行ったところ、

「傷口が汚れていて、良くない・・・こう言う時、傷口を汚したらダメです。」

と言われてしまいまい、よもぎの汁伝説が無惨に崩れ落ちたのでした・・・・

初診の患者さんに説明

 

50才代の女性患者Cさん、左膝が痛くて初めて来院されました。10年間には、左膝半月板を痛めたそうです。仕事は歩き回る事が多いので、膝痛はこたえます。特に階段の上り下りがつらいそうです。

「山元式新頭鍼療法(YNSA)では、脳や頸椎、胸椎、腰椎とある背骨の状態を反映している肘や膝の圧痛点を確認して、頭の治療点に鍼(はり)を刺し圧痛点がなくなったのを確認します。これで、脳や背骨から出ている自律神経を整えることになります。次に、首診ですが、首は内臓の状態が映し出されています。内臓は平滑筋という自分の意志とは関係なく勝手に動く筋肉で出来ていて、筋膜に覆(おお)われています。

腕や足にある自分の意志で動かす筋肉、これを骨格筋といいますが、この筋肉にも筋膜があります。筋肉の中には束になった細い筋がいっぱいあり、一つ一つの束にも筋膜があります。その束にももっと小さな筋肉があって、それにも筋膜があります。ですから、ここ(骸骨モデル=トンスケ)にあるヘチマタワシのようになっているのです。

そして、内臓と骨格筋とは筋膜を通してつながっているんです。元々人間のカラダは60~70%水で出来ています・・・水袋に骨が浮かんでいて、それを筋膜が支えていると考えてください。首や肩、腰が凝って痛いのは、その部分の筋膜がねじれて血流が悪くなっているからです。どこかが、ねじれるとそれに対応するところの筋膜もねじれて、引っ張り合いをしてバランスを取るんです。

遠くにある筋膜ほど、影響力があります。綱引きでも一番後ろのアンカーが力持ちで影響力を持っているでしょう?ですから、遠くにある頭の筋膜が緩(ゆる)むと内蔵も手も足も緩むんです。緩む時、骨だって動きます。だって、骨は水袋に浮いているんですから。」

と言った説明を初診の患者さんには、します。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左→左の上腕診、膝診を行う

上腕診:頸椎(0)、胸椎(0)、腰椎(0)

膝診:頸椎#2~4(2)、胸椎#10~12(1)、腰椎#5(1)

首診:右腎(0)、右膀胱(3)、右肝(0)、右胆(2)、右心包(0)、右三焦(0)、右胃(0)、右脾(0)

左膀胱(3本置鍼も圧痛点取れず)、左肝(1)、左胆(1)、左心包(0)、左三焦(0)、左胃(0)

左脾(0)、左小腸(0)

合計14本の置鍼で膝が随分軽くなる。左の膝痛より、右の膝の方に痛みを感じるようになる。次にG点という耳の下にある治療点に3本ずつ左右に6本置鍼。最後にトルコのドクターから習った右T1、右T2治療点に2本置鍼。

「これでどうですか?」

「・・・・あああ全然痛くない!・・・・これで、明日走っていたら、(仕事場の)みんな驚くぞ!」

と良くなりました。いつまでもつか?・・・・それは、分かりません。

耳鳴りで思ったこと

こと

 

「はじめてのおつかい言う番組があろう・・・・あれ、面白いんよ。あれは、祖谷の橋造りしとるお父さんの子供が、買いもんするんじゃけど、大きなお豆腐を、間違えて2つ買うたりして・・・・(中略)・・・・そして、最後にお父さんバンガッテ(がんばっての意味)ちゅうて言うんよ、それが聴こえるようになったんよ、間違うとるんが分かるようになったんよ。」

週に一度の通院で、4回連続して耳治療をした結果、徐々に聴力が回復しているのは、80才代の女性患者Aさんです。現在は、両耳治療で13本の置鍼をしていますが、次回は第8脳神経(内耳神経)の治療点にも2本合計15本の置鍼に変えてみようと思います。この文章を作成中にも、耳鳴りでお困りの患者さんからの予約電話がありました。耳鳴りでお困りの方は、結構おられます。

健康にはかなり自信がある私も、実は耳鳴りなのです。もう10年くらいセミが鳴り続けているのですが、あまり気にしていません。年相応なんだと諦(あき)らめています・・・ただ、私が置鍼している個所に鍼をさせる鍼灸師がいれば・・・・と、考えた時、初めて患者さんの立場が分かりました。「よっぽど腕のいい鍼灸師でないと行かん!」そんな思いが浮かんで来ました。

患者さんは、痛い思い、遠いところから通院など様々なマイナス要素を、はるかに上回る効果を望んで鍼灸院に来られるのです。一本一本の置鍼、問診、空間管理全てを大切にしていこうと、意を新たにしました。

足の親指をぶっつけた!

 

60才代の女性患者Bさん、朝左足首親指を思いきってモノにぶつけて、親指痛はもちろん、胃が痛く気持ち悪いそうです。左親指は湿布綿を貼っています。こんな時も、いつものように自律神経を整えて、内臓の状態を診断し整えることで、胃の調子がよくなることがあります。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左に圧痛点あり→左の上腕診、膝診を行う

上腕診:頸椎、胸椎、腰椎

膝診:頸椎#3、#5、#6、(2)胸椎#1、#9、#10、(2)腰椎#1、#2、(1)大脳(1)、小脳(1)

首診:右腎(1)、右膀胱(4)、右肝(1)、右胆(0)、右三焦(0)、右脾(1)、右しょうちょ(0)、右肺(0)

左腎(0)、左心包(0)、左心(1)、左大腸(0)、左胃(1)、左脾(1)、左小腸(0)、左肺(0)

上記17本の置鍼

上記置鍼でBさんの胃痛は無くなりました。特に、胃の治療点に置鍼した時点で、胃の痛みが無くなったのには驚きました。山元敏勝先生の凄さを改めて感じた次第です。しかし、左足親指はまだ痛みがあります。そこで、私が見つけた足の治療点にお灸をすることにしました。

「どうですか・・・親指は?」

「・・・・今までジンジン痛かったのが、ここの一部になりました。」

「そしたら、もう少し続けますね。」

と何壮もお灸をしていき、

「今度はどうですか?」

「・・・あっ全く痛くないです。」

足の治療点に爪で押圧すると、とんでも無く痛く、足への鍼は恐怖感がある患者さんが多いのです。そこで、最近は、お灸をするようにしています。気持ち良く、しかも効果があります。特に寒くなる今からは、ぴったりの治療法だと思います。鍼灸師になって本当に良かったと思う瞬間です。

患者さんが教えてくれる

 

「OKグーグル、井上陽水の曲をお願いします。」

「YouTube ミュージックから、井上陽水の曲をお送りします。」

と、グーグルネストがアシスタントをしてくれます。それを見て60才代の女性患者Aさんが、

「何でこうゆう事が出来るの?どうやって情報を得るわけ?」

「患者さんが教えてくれるんよ。何でも患者さんが教えてくれる。紙のカルテを使っていたら、時代遅れと言われてipad のカルテの作り方を教えてくれたんよ。きょうの午前中の患者さんからも足にしたお灸が凄く良かったと言われ、次回のYouTubeで何を作るかアイデアが浮かんだんよ。」

「そうなんじゃ。」

などと話をしていると、昨日のオリックスとヤクルトの日本シリーズの話になっていきました。Aさんは、テレビを見始めると集中して見てしまうので、ラジオを聴きながら生活をするようにしているそうです。そのため、日本シリーズはラジオで聴いたそうです。

「ラジオは、らじるらじるNHKで聴くとええよ。聴き逃し番組を聴くことが出来るし。インターネットで、らじるらじるNHK探しとうみい。」

「ら・じ・る・ら・じ・る・NHK・・・ああこれじゃ・・なるほど、これじゃったら、ラジオいらんな・・・何じゃ、こんなこんなええもんあったん。」

「私でも、教えることあるんじゃね!」

「ほうよほうよ、ありがとう!」

と、現在はヤクルト対オリックスの日本シリーズipadで聴きながら、同じipadでこの文章を書いています。ipad で「ながら族」っていいですね~!これからは、これで文章を書きます。Aさんありがとう!