ペンがない

昨夜から、懸命にiPad用の白いペンを探しているのですが・・・・見つかりません。早朝、寝ぼけてまなこで、再び捜索。私が20才代、ニューヨークでナムジュンパイクさんというヴィデオアート創始者のアシスタントをしていた時のことを、思い出しました。

「佐伯さん、ボクの人生は探し物をする時間が、多くて・・・・ずいぶん損しているんだ、はっっっはあ!」

とニコニコ顔でおっしゃっておられました。創造の主は、混沌とした空間に身を置き思いもよらぬ作品を産み出します。パイクさんのロフトは、まさにそんな空間。探し物を始めると、それはそれは時間がかかります。

私の施術所は、パイクさんのロフトのような混沌とした空間ではありませんが見つかりません。こういう時はあきらめが肝心。今日のカルテは、iPad ではなく、紙に書くと決め、その準備をして、いつものように熱い風呂に入ることにしたのです。

服を脱ぎ、最後に右の靴下を脱ぐと、白いペンが・・・

「ポロン!」

「何じゃこれ・・・・手品じゃあ!」

という訳で、いつものように施術が出来たのでした・・・めでたし、めでたし。

ギックリクビ

60才代の女性患者Aさん、昨日クビに異変を感じながら眠ったのですが、今日の昼頃、痛みで全くクビが回らなくなりました。そのため、ご主人が運転する車で来院されました。

山元式新頭鍼療法(YNSA)は、上腕診という頸椎、胸椎、腰椎の状態を診断し、頭にある治療点に置鍼します。また、首診で内臓の状態を診断し、頭にある治療点に置鍼します。そのため、Aさんのようにクビが回らない患者さんにとって、YNSAは都合が良いのです。私は上腕診の代わりに膝診をしていますが、結果は同じなのでYNSAをしていることになります。

さて、Aさん。クビを動かすことが全く出来ず、左右を見ようとすると、体幹をゆっくり動かしながら移動するだけです。まるで、空気のギブスをはめられているような状態です。

『これは、きつそう・・・可哀想。』

と、思いながらも22本の置鍼で、痛みが10→3になり、右の可動域は、10→0、左の可動域は10→3にまで回復しました。

この施術で分かったのは、Aさんのギックリクビは、急性の治療点より、慢性の治療点の方が効いたという事実でした。今回のギックリクビは、Aさんの慢性的な生活習慣に何か原因があるのでは・・・・という、ヒントを与えてもらった気がします。

玉手箱

 

10才代の男子スポーツ選手A君。4ヶ月前に膝痛で来院、1回の治療で良くなったのですが、再び再発。再発後2度目の施術となります。いつものように、膝診をして、5本頭に置鍼。次に、膝治療のため、頭に3本置鍼。すると、膝痛は半減します。その後、足ウラ、肘などの治療点に鍼やお灸をするのですが、今回はあまり効果的ではありません。

そこで、杉本練堂先生の天城流から足首でもアキレス腱周辺の圧痛部位と、大腿部内側の圧痛部位を筋膜はがし。

「これで、どう?」

「いいです。今日一番です。」

「2日前に来たときの痛みが10で、全く痛くないのが0なら、今は?」

「1です。」

という訳で天城流という引き出しは、玉手箱でした。

肩がもっと痛たなった!

「先生、前の治療から翌日は、もっと肩が痛うなって・・・・こりゃ、先生が来られるまで保つかな・・・・と、思っとたら、次の日からドンドン良うなって。先生、ほれスムーズ右腕が上がるようになった。」

「あっ、本当じゃ!凄い」

「先生ほじゃけん、みかんの棘(とげ)をハサミで取る仕事が出来たんで。今日で、この仕事は終わって・・・・お父さんと、ジャガイモを植える仕事したんよ。」

「それはよかった。前回の治療で結果が出んかったけん、実は今日、腰に鍼を刺そうと特別な鍼を持って来とったんよ・・・・そしたら、前回と同じように、痛い方を上にして横向きになってもらいましょうか。」

という事になり、腰の押圧で肩を治す施術をしたのでした・・・おしまい。

鍼嫌いな女性患者3

Bさんは、腰の痛みがなくなると、首の痛みを訴えられました。

「もう一度、どこか教えてください・・・・・ああ、大腸だ!」

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、首診といって首を親指で押圧し、圧痛、硬結点を見つけ内臓の状態を診断する手技があります。Bさんは、首の根元の大腸診断点に圧痛硬結がありました。そこで、頭頂部にある大腸治療点に中指の指紋がある所を軽く当ててみました。それと同時に余った右手の中指を首根元の圧痛硬結点に軽く当てる操法。しばらくたって・・・

「どうですか・・・・・首?」

「・・・・いい、軽いです・・・・反対の首が気になります。」

と、Bさんのリクエスト。反対の首も同様の操法をやって、やはり首が軽くなりました。鍼の嫌いなBさんでも、YNSAの理論で鍼を使わない治療ができる・・・ような気がします。もう少し実践してみます。

鍼嫌いの女性患者さん2

左腰痛が徐々によくなったBさん。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、腰の痛みを、肩の三角筋に刺鍼する事で治します。鍼の嫌いなBさんには、左肩三角筋の筋膜剥がしをすることにしました。

「ここ、どうですか?」

「痛い!ものすごく痛い!」

左三角筋から上腕にかけてパンパンに筋肉が張っています。この筋肉がゆるむと、左三角筋に対応する左大臀筋、中臀筋、小臀筋がゆるみます。ほぐし方は、指先を使うのですが、実際には身体の体重移動で固定した指先を道具のように扱います。これがポイント。

「どうですか・・・腰?」

「いい、痛くない!」

「そしたら、これで終了しても・・・」

「あのう~、首も痛いんです・・・・ここ!」

(つづく)

鍼が嫌いな女性患者さん

50才代の女性患者Bさん、鍼が好きではありません。そこで、今回は山元式新頭鍼療法(YNSA)を基礎にし、鍼を使用しない施術をすることにしました。Bさんは、左の腰痛が気になります。そこで、仰向けになってもらいます。

「足の長さを比べてみますね・・・・あれ、あんまり長さが違わない。そしたら、両膝を立ててみてください。」

両膝を立てて、ゆっくり左右に倒しどちらに倒したら痛いのかを、確認します。倒して痛い側に再び倒してもらい(痛くなる手前の位置まで)、楽な方に戻してもらう動きをしてもらいます。

「実際には、私が軽く両膝を触れて動かないようにしているので、連動して上体がゆっくり動くでしょう?気持ちよく動いてください・・・・決して無理をしないでください。」

などと、言葉で誘導していきます。

「・・・・どうですか、膝を倒して・・・・痛いですか?」

「・・・少しずつですが、痛みがなくなっています。」

(つづく)

真面目に薬を飲まないで!

「真面目に飲むと病気を招く薬」というタイトルで、安保徹先生が書いておられる個所をご紹介します。

『薬の本質を知ることが大事です。現在のように医学が発達していない時代には、薬は植物から採取し、煎じて直す優しい作用のものでした。飛鳥時代から薬師寺に付属して薬用植物園が作られ、幕末に至るまで和漢洋の有用植物が栽培され重要な役割を果たしてきました。

戦後になって抗生物質やステロイドといった化学合成した薬、強い薬が開発され効き目が驚くほど強いものが登場しました。昔とは全く違う性質の薬が開発されました。

これこそがどんな病気でも薬次第で治せる医師に治してもらえるという間違った意識をつくりあげたきっかけです。

ところが最近になって抗生物質の強い使い過ぎは腸内細菌を壊す、ステロイドでは老化促進が起こるといった薬の危険性や副作用が表面化するようになりました。

薬は症状を止めるだけ、冷やして抑えるだけに過ぎません。調子のいい時も毎日毎日真面目に薬を飲むことは慢性病を引き起こす原因になります。薬は百害あって一利なし。大事なのは使い方です。あまりにどうしようもない時に1~2週間飲むことはあっても、それ以上飲んでいい薬はありません。長期間の薬の服用は体に負担をかけ、病気が慢性化し治ることはなく、病気も病院も増え続けていくのです。どうか真面目に薬を飲まないでください。』

先日、5~6年前に通院されていた患者さんが、顔を出してくれ様々な病院に行って様々な薬を飲んでいるけど、一向に治らないとおっしゃておられたので、あえて載せました。

単純な生き方

鍼灸師として仕事をしていると、血液の質と流れが最も重要なことだと感じます。血液の質を良くするには、食べ物。そして、ストレスの少ない生活が重要になります。血液の流れを良くするには、身体の歪みを取り、適度な運動をする、サウナやお風呂で血液を促す。

私が日頃生活している時、血管の状態をイメージすることが多いのです。

「この食べ物を身体に入れた時、血管の状態はどうなる?」

と、無意識の内に考えています。端的に言うと、体温の高いニワトリ(42℃あります)の肉(牛や豚は39℃あります)を体温36.5℃の体内に入れると、ベタベタになる。体温の低い魚を体温36.5℃の身体に入れるとサラサラになる。

良いタンパク質を取りたいならば、大豆。

肉食などする必要はありません。という単純な考えで生きています。

後頭部の瀉血

関東鍼灸専門学校での研修中に、K先生が、こんなことを教えてくれました。

「版画家の棟方志功さんが、料亭で倒れた時、女将がビール瓶を割って、志功さんの後頭部に薄く傷をつけ、瀉血して生命を救ったんです。どうも、女将が育った所では、それが当たり前で、その地域の人には、後頭部に傷跡がある人が多いそうです。」

その話を思い出しながら、「刺絡鍼法マニュアル」を読んでいると、頭頂部、乳突部(後頭部の横)、前頭部などに、脳卒中、脳充血に効くとあります。

また、別の先生のお父様が倒れられた時、「頭部の瀉血」で後遺症が出なかったとおっしゃっていました。しっかり学びます!