操体法は、やっぱり凄い!

「先生、今日は上半身がバキバキに凝ってて、辛くて、しんどいです。」

30才代の女性患者Bさん、おつかれモードで入って来られました。ここは、大徳寺にある茶室。暑くも寒くもなく、障子(しょうじ)から注ぐ木漏れ日が気持ちいいのに・・・

合谷診(人差し指と親指間の触診)で、第2中手骨を脳、頚椎、胸椎、腰椎と4分割し、Bさんの場合頚椎に当たる個所が、オデコに置鍼しても中々緩みません。そこで、胸部ソマトトープ(小さな人型)の頚椎に当たる胸骨柄(胸骨でも上の部位)の圧痛点に4本置鍼すると、やっと緩みました。

「今は、どこがしんどいですか?」

「腰から首にかけて・・・背骨が張ってしんどいです。」

胸椎に張りがあります。そこで、左側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の胸椎に当たる個所に3本置鍼。次に、右側頭部に1本。

「痛い‼️・・・あっ、ゆるんだ。ストンと一瞬で❣️」

どうも、刺鍼時に痛みが強い方が、ゆるむ確率が多いように思います。Bさんに張りがあるところを聞くと、肩から肩甲骨にかけて突っ張り感があるそうです。そこで、胸骨の置鍼を抜き、パイオネックス(円皮鍼)に貼り替えます。そして、布団でうつ伏せになっていただきます。腰をゆるめようとBさんのTシャツをめくって驚きました。背中の大きな筋肉(脊柱起立筋といいます)が、ハガネのようにピーンと張っています。

「これは、しんどいでしょう・・・・」

これでは、鍼を打っても効果がでない、そう思って『お手当て』をするように方向転換。

左手の平を、ハガネのような背中に、右手の平を膝ウラに軽く添え、ただただボーっとするだけです。

ボーっとするのが得意な私は、時間の経過をハッキリ覚えていません。5~6分あるいは、10分くらい経ったでしょうか?

BさんのTシャツをめくって驚きました!

背中がユルユル・・・はっあ?・・・・確かに、Bさんは、この間、無意識の動きをしながらウトウト・・・・これは、操体法のいつもの施術・・・・操体法は、やっぱり凄い!

と、感じたのです。山元式新頭鍼療法と操体法の融合は、面白そう❣️

肩はお尻で治す

90才代の女性患者Aさん、左肩が横水平に90°しか上がりません。肩の筋肉(三角筋)が痛くなるそうです。

「90才になって、五十肩なんて変よね~~」

ごもっともです。

Aさんは、鍼が嫌いなので使えません。そのため、指先で軽く触れるだけの操法とします。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、肩は、股関節(お尻)で治します。そこで、Aさんに左肩を上にして、横向きになったもらいます。そして、お尻の圧痛点を見つけ、軽く右手を添え、操法に入りますが、しばらく経つと、

「あの・・・この姿勢は、しんどい」

高齢のAさんには、横向きの姿勢は無理があるようです。無理な姿勢での治療は患者さんによぶんの負荷がかかり、良い結果は望めません。すぐに体勢を変えなければなりません。

「Aさん、うつ伏せなら大丈夫ですか?」

「それなら、大丈夫。」

ということで、ゆっくりとうつ伏せになっていただきます。すると、指先を触れるだけより、お灸で治療した方がいいような気がし、

「Aさん、お灸は大丈夫ですか?」

「はい、お灸は大丈夫!」

そこで、お灸をする事にしました。6ヶ所圧痛点を見つけ1ヶ所に10壮のお灸をして、Aさんに起き上がってもらいます。そして、ゆっくり腕を上げてもらいます。

「あら?どうして・・・腕が左と同じに上がる‼️」

「カラダって、不思議ね~~・・つながっているのね。」

90才のAさんが、少女のように喋ってくれました。

これからパーティー

京都に着き、京都駅から5番線の市バスに乗り、平安神宮、南禅寺などを通って北へ上がっていきます。そして、京都造形大学前のバス停で降りて、歩くこと78分。ロンドクレアントという画廊、ミニコンサート広場、喫茶を兼ねた「憩いの場」の茶室が私の治療室です。

本日は、18:30分に終了。

治療を終えた患者さんは、ここに残って、これからパーティーが始まります。まあ〜〜こんなことは、滅多にないのですが、このような楽しい治療の場は、ありです❗️

私は、まだ茶室に残ってフェイスブック用の文章を書いていますが、笑い声がこだまするパーティー会場にこれから、行きます‼️

指が鍼

1年前から、膝痛、足ウラのしびれ、腰痛で週1回のペースで通院される60才代の女性患者Aさん。通院のおかげで、膝痛、足ウラのしびれ、腰痛はなくなりました。現在は、体調管理で来られています。ところがAさんは、鍼があまり好きではなく、パイオネックス(円皮鍼)も肌が敏感なため、貼ることができません。それで、指を軽くふれるだけの操法をしています。

本日は、歯痛と口内炎そして、左足首がたまに痛くなるのが気になります。今回は、合谷診人差し指と親指の間の触診)をし、本来なら鍼を刺すべき個所に、指を軽く触れると合谷の脳、頚椎、胸椎、腰椎に対応するところが、ゆるむかどうか、試してみました。

Aさんには、ベッドに仰向けになってもらい、合谷診。その結果、右手で、Aさんの右耳周辺のD点(腰)、左手でオデコの生え際の脳点、A点を軽く触れます。これが、鍼に換わる指の治療です。指は合計10本あり、一度に何ヶ所も触れることが出来るので、思ったより効率的です。そして、Aさんのカラダが反応してきます。

「左足首が、ジンジンしてきます。」

やはり、気になっていた左足首に反応が出てきました。皮膚に触れる操法をしていると、古傷が様々な反応をする事があります。Aさんの場合は、古傷ではありませんが出てきました。しばらくして治(おさま)ったので、左の合谷をチェックすると、痛みが無くゆるんでいました。

「今度は、右の腰がジンジンしています。」

しばらくすると、ジンジンが治りました。右の合谷をチェックすると、やはり痛みは無くなりゆるんでいます。

これらの事から、Aさんの様に鍼が合わない人でも、山元式新頭鍼療法の考え方を実施する道があるように感じました。

鍼の速攻性は凄い

20年前の腰椎椎間板ヘルニア手術跡が痛み、しかも腰痛。肩もパンパンに張り気分が悪いという60才代の男性患者Bさん。

「傷跡、どうかなっとらせん?ワシや、ここが腫れとるように思うんじゃが・・・」

来院されるや否や、傷跡を見せてくれるBさん。

「・・・・いいや、別に腫れては、ないですよ。」

「ほうかや・・・もう、痛うてしょうがないんよ。肩もパンパンに張って気持ち悪い。何とかしてや!」

早速、合谷診(人差し指と親指間の触診)をしながら、第2中手骨を4分割し腰椎、胸椎、頚椎、脳の状態把握を行います。Bさんの場合、どこに触れても痛みがあります。相当お疲れのようです。

脳点、頚椎、胸椎、腰椎に対応する頭部、顔面に置鍼し、その度に合谷診で確認します。

「まだ痛いですか?・・・・ここ(合谷診)」

「あれ?どしたん・・・・痛ない。」

「首どうですか?」

「軽なってきとる。」

次は、胸椎に対応する眉毛の上に、左右9本の置鍼をします。

「背中どうですか?」

「背中は、もうどうもない・・・問題は、腰よ。」

そこで、腰椎に対応する左耳の周辺に6本置鍼。

「どうですか?」

「どしたん、左だけ楽じゃ!」

「今度は、右腰を狙いますね。」

右耳周辺にやはり6本置鍼すると、

「もうこれで、ええわいい・・・腰が軽なった。それにしても、鍼は速攻性があるのう~~凄い‼️」

後は、ベッドで好きなジャズを聴いてゆっくりしてもらいますが、10分程経つと、

「もう、ええわい。十分じゃ。家に帰ってシャワー浴びて、寝る。」

素直なカラダで、正直なBさんでした。

のボール

あじさいの杜鍼灸院(私の治療院)は、定休日がありません。これは、年中無休ということではありません。ただ単に、定休日を決めていないというだけです。そのため来月は、京都出張治療で、10月2日、3日、4日、そして、宮崎県宮崎市で山元式新頭鍼療法の全国大会があるため、12日、13日と臨時休業します。それに加えて、山元式新頭鍼療法中級セミナーが東京であるため、27日も臨時休業します。

今月は、本日が臨時休業。

理由は、のボール野球参加のためです。のボール野球とは、私の高校時代の稲見達彦監督(14シーズン松山東高校の監督をされました)が、史実に基づいて、正岡子規が松山中学(現在の松山東高校)に伝えた当時の野球を再現したものです。

ユニホーム、バット、ボール、グラブそしてルールも当時のまま。審判員は、はかま姿。

ホームベースからの塁間は、現在と変わりはありませんが、投手は現在のプレートより2m程ベース寄りで、下手投げです。打者は「ハイボール、フラットボール、ローボール」の要求をします。投手が要求されたボールを投げなければ・・・・いわゆる「ボール」。

そのほかルールは、野球とは違うのですが、草野球そのものです。楽しい❣️

野球の原点がそこにあります。これなら、小学生が一緒でも楽しくやれそうです。

私事ですが・・・今回で3回目の参加で、やっとヒットを打つことが出来ました‼️

思いっきり走っても、足がもつれて転げてしまうし・・オッサン、ちょっと変身するか❗️

足ウラがジ〜ンと、気持ちいい

2年前、頚椎症と診断された男性患者Aさん。漢方薬治療を続けるも、両腕が上がり難く、五十肩とも診断されました。今回で3回目の来院。過去の2回とも、2日間は調子が良いのですが、その後元に戻ってしまうそうです。

そこで、カラダの歪みを取る民間療法・操体法をメインで行うことにしました。

まず、人工芝の上にゴルフボール程の大きさの陶石を置き、ゆっくり歩いもらいます。これは、悲鳴を上げるほど痛いです。

「ちょっと・・・これ、痛すぎて・・・歩けんがな・・・・」

「まあ~、やれる範囲で・・・」

「バランスとるのが難しいし・・・フラフラして・・・」

「このフラフラするのがええんよ・・・無意識のうちに、カラダの歪みを取りよるんよ。」

などと、話しながら今後は、クスノキの瘤(コブ)の上を歩いてもらいます。

「クスノキは、薬の木という語源があるくらいじゃけん・・・・クスノキから出来る樟脳(しょうのう)は、英語でカンフル言うて・・カンフル剤のカンフル・・・元気の源なんよ。」

「・・・・これ、気持ちええ❗️・・・歩き終わってしもたら、足ウラが、ジ~ンと気持ちええ。」

「そうじゃろ、歪みもとれていきよるし・・・結構、よかろ~~」

「やみつきになりそじゃわい。」

ゴルフボールと人工芝を使って自宅ですることをお勧めし、操体法による治療を始めます。

Aさんは、左肩及び左肩甲骨に痛みを感じています。痛みの個所を聞きながら、その個所に対応する左股関節、左臀部の筋肉及び筋膜を伸展する操体法を気持ちよくおこないます。

そして、最後に残った痛みが、肩甲骨の棘下筋(きょっかきん)。それに対応する腸骨の筋肉に2寸の5番鍼(長さ60mm直径0.25mm)を5本置鍼して終了となりました。

Aさんには、これからも操体法を中心に治療をしていこうと思います

『つづけよ』

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。

前回の治療をご報告していなかったのですが、お尻(仙腸関節)と胸骨柄(胸骨の上の部分)に鍼とパイオネックスを重点的に行いました。その結果、随分調子が良く、朝起きても頭痛を感じない日が続いたそうです。ただ、夕方に軽い頭痛が戻るというパターンでした。

そこで、今回は合谷診(人差し指と親指の間の触診)をしながら、腰椎、胸椎、頚椎、脳の状態を診断する方法(現在、山元先生がされている方法)でやり、頭に置鍼していきます。それで、左アゴの痛みが残るだけとなりました。

前回よく効いた胸骨柄への置鍼。今回は、ネクタイの結び目のような形をした胸骨柄にだけ集中して治療することにしました。特に理由はありません。

山元式新頭鍼治療(YNSA)では、胸部ソマトトープ(小さな人型)という診断治療点があります。イラストのようになっており、痛みの残る左アゴに対応する個所の圧痛点を丁寧に探し、鍼を横向きに刺しては抜いていきます。また、前回腰に置鍼をして効果があったので、胸部ソマトトープ(小さな人型)の腰に当たるところにも鍼。パイオネックスをそれぞれに6ケ、2ケ貼り終了しました。

「どうですか?」

「大丈夫です、痛くないです❣️」

「後は、これがどれだけ続くかじゃね~~、次回また様子を教えてくださいね。」

「はい、ありがとうございました・・・・・続くといいな~~❣️」

『つづけよ』・・・・・😢

眉毛は胸椎

友人の結婚式が今週末にあり、そのスピーチをする事になった20才代の女性患者Bさん。

1年以上前から、咳が続いています。病院では、アレルギーもしくは、喘息の前段階と診断されました。現在も薬を飲み続けています。スピーチの間、咳をしたくないという思いで来院されました。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)と上腕診(肘窩横紋という肘内側のスジの触診)で、オデコの中央部の生え際に3本、眉毛の上に左右2本ずつ合計4本、左こめかみに2本、そして最後に12脳神経点の9番=舌咽神経の頭頂部に2本置鍼して、ゆっくり休んでもらいます。

 休んでいる間に咳は1~2回ありましたが、途中から眠ってしまったようです。

今回、眉毛の上に4本置鍼したのは、胸椎の調整のためです。もう少し細かく言うと、眉毛中央部に胸椎1番のソマトトープ(小さな人型の胸椎)があり、眉間に滑るように胸椎12番まで並んでいます。

肺は大きな臓器で、胸椎の1番~12番まで関与しています。今思うと、もう少し鍼の本数を増やしても良かったかも・・・・ただ、鍼治療初めてで、華奢(きゃしゃ)なBさんには、これくらいで十分でしょう。

スピーチが上手くいきますように❣️

ふくらはぎの張りを自分で取る

2~3日前から、ふくらはぎに張りを感じていました。そこで、昨日同様、自力自療にトライです。ふくらはぎは、腓腹筋の奥のヒラメ筋の外側に張りがあるようです。そこに対応する前腕の筋肉は、浅指屈筋という肘の内側から親指以外の4本の指まで関わっている筋肉だと思います。

そこで、ヒラメ筋⇄浅指屈筋という図式ができます。これに沿って、①浅指屈筋の圧痛点にパイオネックス(円皮鍼)を貼る。②浅指屈筋に圧をかける(具体的には、気持ちよくストレッチをし、屈曲する筋肉を気持ちよく保持する)。

以上2点を行うだけです。

①で左右に3ヶ所ずつ合計6ケ、パイオネックスを貼ります。

②イラストの様に、脚を組み、4本の指を4本の指で反らし、気持ちよくストレッチします。そして、筋肉本来の働きである屈曲を、伸ばしてた4本指にしてもらい、もう一方の指で、気持ちよく保持します。

また、ヒラメ筋と浅指屈筋を同時にストレッチする方法は、2枚目のイラストの様に、カベに向かってゆっくりしましょう。ポイントは、伸ばす側の膝を一直線ではなく、少し折り曲げる事です。一直線にすると、ヒラメ筋の上にある腓腹筋のストレッチになるからです。

ただ、それは些細なことで、気持ちよければどちらでもいいのです。

気が向いた時に、何度かやっていると効果あります。