山元式新頭鍼療法セミナーレポート3

中年男性Cさん、

「去年から右目の視力が落ちはじめ、4ヶ月前に思いっきり落ちて、信号も暗くなって見えなかったんです・・先月の治療で見えるようになったけど・・去年は0.3あった右目が0.05。左目は0.7です。」

山元先生は、合谷診をしながら、

「腰、痛いですか?」

「いいえ・・・ただ、両足がしびれています。」

などと、話をしながらCさんのおでこ中央部からやや右の生え際(A点)に8本。

「どうですか?」

「前より、近くの方は見えています。」

今度は、右耳後ろ(I ソマトトープの腰椎)に7本。

「これは、どうですか?」

「変わったような、変わらんような・・・」

そこで、山元先生は右耳後ろの上に1本刺鍼。

「これで、どうですか?」

「見えかけている様な気がします・・・ちょっと見えてきた・・・だんだん字が見えてきた❣️・・・・木(標識)に字が3つあるのが見える・・・・室(治療室の 3文字)が見える❣️」

山元先生は、Cさんの右足外踝(そとくるぶし)の中央部脳点(外果治療点)を爪で刺激し、パイオネックスを貼ります。

「一瞬見えますが、持続性はないです・・・・まあまあいい感じで見えつつあります。」

「ハッハハハ・・・」

右頚部に注射をし終了。

 

山元式新頭鍼療法セミナーレポート2

山元式新頭鍼療法セミナーレポート 2

遠方から来られた全盲の60才代の男性患者Bさん、奥様が車椅子を押して来院。

3日連続で治療を受けられます。

Bさんは、3~4年前から視野狭窄になり、現在では全く見えなくなりました。また蓄膿症とパーキンソン病も併発しています。

セミナー初日(Bさんの2日目)

「先生、ずいぶん変わりまして、顔がうつ向かなくなりました。楽になりました。足のこわばりも取れました。」

奥様がBさんに代わって話してくれました。確かに、普通にしておられます。どうやら以前は、顔が地面と並行になるくらい頭を垂らしておられたようです。奥様の仕草で分かります。

山元先生は、昨日のレポートで書いたように、左右の親指と人差し指の間の合谷(ごうこく)というツボの診断を丁寧にされます。

人差し指の根元から、手首にかけての第2中手骨の際上わずか1.5cmほどにソマトトープ(小さな人型)があります。

どの様な人型かというと、第2中手骨と第1中手骨の交わるところを頭(あたま)とした身長1.5cmのソマトトープ。

これを、①下肢②腰部③胸部④頚部⑤頭部と分けます(5つに分けることは確かですが、分類は定かではありません・・・(*^ω^*)そして、この合谷診のポイントは、中手骨の際を軽く押圧すること。

山元先生はBさんに対して、合谷診とおでこへの刺鍼を繰り返し、8本の鍼を打ち、首への注射で治療終了。

Bさんに限らず、多くの患者さんに対して山元先生は、合谷診をした後、おでこのA点に鍼を刺されます。これは、合谷診の④頚部=A点に当たるところの反応があるからなのかもしれません。

セミナー2日(Bさん最終日)

「先生、真夜中に起きることなく、朝まで良く眠れました。」

治療の効果があり顔はうつ向いていません。山元先生は合谷診をしながら、おでこのA点1ヶ所に微妙な間隔を開け5本刺鍼。

「おお~~右が無くなると、左が出てきた・・・左は、陽性じゃないから、出てきた・・・右は、取れましたね、左はちょっとありますね。」

と、左(だったと思います)に1本。

「目は全然見えないんですね?僕の顔も見えない?」

うなずくBさんでした。

左首に注射で終了。

奥歯が痛い

山元式新頭鍼療法(YNSA)の初日、セミナー参加者で体調が良くない人の治療レポート。

40才代の女性Aさん、下の奥歯が痛いそうです。

山元先生は、Aさんの左右の親指と人差し指の間を、親指で同時に診ます。

これを合谷診(ごうこくしん)といい、現在、山元先生が最も良く使っておられる診断法です。理由は、簡単で手っ取り早いからだそうです。

その合谷診、私には思いのほか難しいのです。

どうも強く押圧する癖が付いているようです。セミナーなどで多くの先生方と一緒に学ぶと、自分のことが良く分かります。自分では、かなり繊細な方だと思い込んでいたのですが、かなり無神経のノー天気・・・!

ま~~ボチボチ直していきます。

さて、Aさんの合谷診、左の合谷にコリがあるため、左眉の上に鍼を刺し置き。

山元先生は、前回のセミナー時より短い15mmの5番鍼(直径0.25mm)を使っておられます。

「これと、これとは、こっち?」

「ハイ!」

山元先生は、左手親指の爪をおでこに対して直角に立てて、その接点をローラーのように転がし、数mmの差異を聞き分けてもらいます。

Aさんが痛みを感じた箇所に到達するように、やや手前数mmに30度くらいの角度で刺し、押し込んでいきます。2本程刺しますが、奥歯は痛いままです。

刺す鍼の位置は、眉の上に変わりはないのですが、段々と外側に移動していきます。

「今度は、どうですか?」

「場所が、変わった感じがします、後ろの方に。」

山元先生は、おでこに鍼を刺すたびに、合谷診をして、カラダ全体のバランスを確認します。この合谷診で次どこに鍼を刺すのか、決定するのだと思います。このあたりが一番難しいさじ加減。私には、まだ理解が出来ていません。

「今度は、どうですか?」

「ボワッ~~とした感じに変わりました❣️」

「これで、様子をみてください。」

ということで、終了となりました。

私は、杉本練堂先生が創設された天城流も学んでいます。それには、虫歯の痛みを眉毛を刺激することで取る手技があります。

結果として、よく似た手技となることに驚きました。Aさんに今回の手技のことを、伺ってみました。

「私は、感覚点の口(くち)の部位が眉毛の上だから、その延長で外側に伸びていったのだと思います。」

という名回答をいただきました。

Aさん素晴らしい❣️

山元式新頭鍼療法(YNSA)セミナー(その1)

山元式新頭鍼療法(YNSA)セミナーで宮崎に来ています。

午前中は、YNSA の概要を山元先生が、映像を交えて説明。その後は、参加者の患部治療を全員で見学しました。

説明をしながら1時間で7名、何度も何度も鍼を刺して治していく場合もあれば、一瞬にして治る場合もあります。触れ方、刺し方患者さんに応じて、微妙に違います。

今回は、前回では感じることが出来なかった微妙なタッチを感じています。

待合室にあるパソコンからは、「Youは何し日本へ」で山元先生のセミナー風景が流れています。

明日から、しっかりセミナーのレポートを載せていきます。

手はリアルなソマトトープ(小さな人型)

草引きをしすぎて、腰と右肩が痛い60才代の女性患者Aさん。

草引きは右手をよく使い、ついつい無理をしがちです。

そこで、今回の腰、右肩痛は右手を緩めるだけに集中してみました。

まず山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭に6本鍼を刺し置きします。後は、親指の爪を立てて、左手母指球の圧痛点をほぐします。それが終わると、クスノキのイボイボがある瘤(こぶ)で圧痛点をこすり緩めます。

今度は、右手の母指球及び手首付近の圧痛点を丁寧に見つけ、1番鍼(0.16mmの太さ)という細い鍼を刺しては抜くという手法を続けました。右手の感じが柔らかくなってきたので、

「Aさん、ゆっくりと起き上がって、腰と肩の調子を教えてください。」

「・・・痛ない・・・腰も肩も・・・調子ええ」

これで終了としました。

手は、ソマトトープ(小さな人型)としては、最もリアルで分かりやすく、結果が出る部位だと思います。本日の患者さんは、一人を残して全て、頭と手で治療。

一人は、焼き切るまでのお灸(打膿灸=だのうきゅうと言います)を3か所に50壮ずつの治療でした。

まだ、四国松山では、こんなお灸をしているところがあるんじゃ(((o(*゚▽゚*)o)))

頭痛再び。

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。

4日前に治療し、頭痛がなくなりました。その日は、絶好調だったそうです。翌日、翌々日と、頭痛ではないのですが、違和感があったそうです。

昨日は、サザンオールスターズコンサート。

午前中は調子が良く、頭痛はありませんでした。ところが、午後6時コンサート会場に入った途端、激しい頭痛に襲われました。全く理由がわかりません。

そして、本日Cさん来院。

左側頭部と、顎関節に痛みがあります。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭に鍼を刺し置き12本。左内顆(うちくるぶし)の圧痛点に鍼10本刺し置きし、左手中指第1関節から爪先にかけての圧痛点(8カ所)にお灸をします。

「先生、ずいぶん楽になってきました・・・ただ、顎関節に痛みがあります。」

そこで、左手をソマトトープ(小さな人型)として見ると、中指の第1関節から指先までが、頭になります。左顎関節に位置するのは、中指第1関節から指先ににかけてのやや親指側。

確かに、圧痛点があります。そこにお灸。その後、私の中指を軽く触れる操法に変更。

「あっ・・・本当に、楽です❣️・・・・不思議ですね~~」

と頭痛がなくなりました。

良くなったり、戻ったりしながらも少しずつ回復しているように思います。4日後の来院を楽しみにしています。

記録会直前に肉離れ

明日の日曜日は、陸上部の記録会があり、それにより高校総体の代表選手が決まります。

陸上部所属の高校3年生C君は、そんな大事な時(2日前)に左太ももを肉離れしてしまいました。近所の接骨院でテーピングをしてもらい、6月の高校総体は、無理だと言われるも来院。

とにかくやれる事をするだけです。

まず、氷水で患部の左太ももを約4~5分冷やしました。続いて、山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭に鍼を8本刺し置きします。

次に、左太ももの対角にあたる右上腕内側の圧痛点を見つけようと、力こぶが出来るところ周辺を探りますが、見つかりません。

仕方がないので、左手をソマトトープ(小さな人型)と見立て、左太ももにあたる小指第2関節 下の圧痛点にお灸15壮。

もう一度、右上腕を丁寧に探ってみました。

『あった!・・・・あ~そうか、関節に近いところ・・・帯状にある‼️』

一度見つかると、ゾロゾロ出て来ました。それらに鍼を刺していきます。

「C君、ゆっくり起きて太もものチェックをして下さい。どうすると痛かったの?」

「伸ばすと・・・・・・今、痛くないです!・・・縮めても・・・痛くないです。」

普通に歩いています。

とりあえず、これから練習に参加。無理しないように伝えました。

さてさて、明日はどうなることやら?

左足と左手

70才後半の男性患者Cさん。

下肢静脈瘤、脊柱管狭窄症。去年2月頃から、歩行がギクシャクし始め、足底が1cmくらいの厚みで痺れていました。初診が去年11月、それから5か月経ち、しびれが左足底の母指球よりに少し残る程度になってきました。

まず山元式新頭鍼療法(YNSA)で、頭に5本鍼を刺し置きします。

しびれた左足底は、左手全体がソマトトープ(小さな人型)と考えた場合、小指の第1関節から指先の内側と対応します。

丁寧に、左小指先を探っていくと圧痛点が見つかりました。そこにお灸を5壮。

「Cさん、足のしびれは、ジッとしていても感じますか?」

「いいや、動かさんと分かりません。」

「じゃ~動かしみてください。」

「動いとるのか、動いとらんのか、よう分からんです。」

「動いていますよ~~」

Cさん、動いている感覚が無いようです。足先は少し重い感じですが、しっかりと動いています。そこで、再び左小指先の圧痛点を探します。もう2カ所見つかり、合計3カ所に15~20壮のお灸をしました。

「Cさん、今度はどうですか?」

「あっ!動く感覚がしっかりあります❣️」とCさんが言うのと同時に、

「あっ!よく動いてる❣️」と私も思わず叫びました。

可動域が2倍くらい増えた感じです。これで、本日の治療終了。

帰り際に、お迎えの娘さんが、

「父は、左手を最近使わないんです。」とポツリ。

「・・・・今日、左小指にしっかりお灸しました。様子みてくださいね。」

と言いながら、左足と左手の相関関係があるのだろうと推測しました。次回の課題が出来ました。

2つの公式

90才近くになっても、元気に機械修理、山仕事と休むことなく働き続ける男性患者Aさん。

一か月ぶりに来院されました。

「先生、ワシャのう、道具さえあったら、何でも作るけん。若いころは大工もしよったし。

・・・・じゃが、右腕が上がらんようになってしもうた。」

「重いハンマーを、こなくそ、こなくそゆうて叩きよったら、よいよいじゃが・・」

右肘が肩の高さに行く途中で、痛みが出ます。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭に鍼を刺し置いたまま30分以上置きます。

最近は、親指を見ていると、だんだん肩から上腕、前腕の部分的ソマトトープ(小さな人型)

に見えてきます。

また、肘を見ていると、膝の部分的ソマトトープ(小さな人型)に見えて来て、下記の公式を作って治療しています。

肩は親指で治す。膝は肘で治す。

今回のAさんは右肩ですから右手親指を丁寧に診ていくことにします。

ポイントは、肩の痛む部位に対応する親指の圧痛点を、ミリ単位でみつけることです。

そして、その圧痛点に鍼あるいは灸で治療。

もう一つの公式。

手はソマトトープ(小さな人型)

これにより右肩に位置する右薬指の圧痛点にお灸。

「Aさん、ゆっくり起きてみてください。肩はどうですか?」

「軽い❣️・・・・左とおんなじじゃ。ワシャ、肩が痛いけん、肩ぎりにお灸をしよったけんど、指にせにゃいかんのう‼️」

「その通り‼️指の方が引っ張っとるけん、肩が痛なるんよ。」

機械修理の達人は、納得した顔でうなずきました。

「Aさん、指にパイオネックス(皮内鍼)貼っとくけん・・・(パイオネックスが)取れたら、そこへお灸をしといてください。」

ということで娘さんの車で帰られました。

首をかしげる程良くなった症例

こんな症例は、あまり書くべきでは無いと思うのですが(毎回、こんな患者さんばかりでは、無いからです。初診だけの患者さんも、当然おられます)書きながらその理由が分かってくるかも知れないので、進めます。

細かい文字を読んだり、多くの方々の話を伺う仕事で、肩コリ、偏頭痛でお悩みの30才代の男性Aさん。
顔色が悪く、伏し目がちで足が冷えきっています。仰向けになって貰うと、左手首が極端に緊張して浮いています。
また、骨盤が左下がりのため、25mm長くなっています。ところが、丁寧にカラダのポイントを筋膜はがしすると、足の長さが整い、左手首もかなり柔らかくなっています。

咀嚼不足で内蔵が下がり筋膜が引っ張ると、肩の筋膜も引っ張り合い肩コリとなります。そこで、腹部に鍼を刺すと、筋膜がゆるみ肩コリを軽減できます。案の定、Aさんは咀嚼不足です。
鍼を刺そうと、Aさんのお腹を見ると、ヘソの右横に10cm程の大きな傷あと。

「6才のとき、尿道狭窄の手術をしました。でも、今は大丈夫です。」

『う〜〜ん、大丈夫じゃないな〜、腹の筋膜がからんでいるので、肩コリに影響しているはず・・』

と、傷あとをダイオードテイ鍼2本を箸のように使い、ほぐします。痛がるAさんに、

「すいません、チョットガマンして下さいm(_ _)m」

かなり効いたようです、右肩が柔らかくなっていまず。その後、腹部に鍼を刺し置きます。
手首、足首の圧痛点にも鍼を刺し置き、終了。
首の可動域が随分広がって、Aさん、

「首が随分軽くなりました。」

2日後に来院。
顔色が良くなり、肌がツルツルしています。骨盤も整っており、足の左右差ゼロ。

3回目の治療は、私が京都へ出張治療に行くため、1週間後。

今思うと、この1週間に、良くなったヒントがあるように思います。
初診日に、仰向け両膝1/2屈曲位で、自力自療の操体法をAさんにお教えしたのです。そして、思い出しました。

「1週間空きますから、ご自身で、操体法をやってくださいね!」

真面目なAさんは、毎日操体法を続けたに違いありません。それが証拠に、3回目の治療でAさんの足を触った時の驚き

『あれっ?熱いくらい暖かい!』

「足、暖かいですね〜〜」

「ハイ、今までは、足裏にホッカイロを貼っていたのですが、今は、必要ありません!」
手首、足首に施術し終了。

4日後に4回目の来院。
すっかり顔色が良くなり、カラダ全体のバランスが良くなっています。Aさんの気になるところは、昼間の食慾が無いくらいだそうです。もうこの時点で、ほぼ完治です。

3日後に5回目の来院。
相変わらずカラダのバランスがいいので、腹診から始めます。腹部の痛みもそれ程でもありません。
前腕と足首にも圧痛点がそれ程ありません。そのため、左右の足首に1本ずつ、左右の前腕に2本ずつ
しかも、一番細い鍼を刺し置きするだけにしました。すると、Aさんがボツボツ話しかけてきます。

「以前は、リラクゼーション、ストレッチ、病院と肩コリを治すために週に何回も行きました。それでも、一向に治らないんです。」

「友達に言われ、温寒湿布をしたり、お風呂でゆっくりしてもダメでした。でも、もう必要ありません。
早くここへ来ていれば良かった(すみません・・このお言葉は、事実なので、書きたくないけど、書きます)。」

「ここ(当院)に来て、随分節約できました。」

結論、Aさんは学習意欲が高く、しかも、学習能力が高いため、自力自療の操体法を短時間で習得した。
この症例を書きながら、思いついたので、Aさんに確認していませんが、おそらく、この結論が正しいと思います。