オッパイがいっぱい

オッパイがいっぱい

天城流で良く使われるフレーズが、「オッパイがいっぱい」。

これは、フラクタルと言われている自己相似形:部分と全体とが同じ形となる自己相似性を示す図形を文字った杉本練堂先生の口ぐせです。

例えば、葛飾北斎の富嶽三十六景に描かれている波の先端には、相似形の波が描かれているため、リアルな波の運動が表現されています。

人のカラダにもフラクタル理論が随所に見られます。小腸には、凸凹したヒダがあり、そのヒダには凸凹した絨毛(じゅうもう)があり、その絨毛(じゅうもう)には凸凹した微絨毛(びじゅうもう)がびっしりあります。これは、フラクタル理論が最も分かり易い例です。

小腸はヤギ状乳房の絨毛(じゅうもう)つまり、細長いオッパイがぎっしり詰まった壁のチューブ。東京マラソンのスタート直前を、ドローンの映像で空高いところから見ると、小腸のヤギ状乳房絨毛(じゅうもう)群に見えなくもありません。つまりは、人のカラダもヤギ状乳房のフラクタル。随所にヤギ状乳房=オッパイがあることになります。

先日の高校1年生の女子野球部Bさん、左脚が痛くて引きずって来院されましたが、随分良くなり、体重を左足にかけた時、お尻の下に痛みが残るだけになりました。

お尻は、オッパイに形状が似ているので、「オッパイがいっぱい」に当てはまります。

そこで、Bさんの頬の下(オッパイ形状)を、押圧してみました。

「痛った❗️もの凄く痛い‼️」

今度は、左内踝(うちくるぶし=オッパイ形状)を押圧。

「痛っっった❗️」

「Bさん、自分で胸の下を押さえてみて。」

「痛っっっっっっった‼️」

「痛いとこ、いっぱいあろ。ああいうところが、引っ張り合いしとるんよ。」

と「オッパイがいっぱい」を体験してもらいました。

クスノキの瘤(こぶ)パワーは本物

先日、高校1年生の女子野球部Bさんが、来院。

授業の持久走(3.5km)で頑張り、放課後の練習では30名くらいの男子野球部に混じって必死に走った結果、左下肢に激痛。歩くことさえ出来ない状態になりました。

その3日後、棒の様になった左脚を引きずりお母さんと共に来られました。

早速、ベッドに仰向けになってもらいます。

「あれ?、右足の方が長いんだけど・・・左きき?」

「いや、右利きなんですけど、左バッターとして練習しています。」

と、お母さんが説明してくれました。なるほど、左打ちをすると重心が左に移る動作をするため骨盤が左に傾くのかもしれません。

一般的に、右利きの人は、左重心の方が楽なため、骨盤が左に下がる傾向があります。そのため、仰向けに寝た時、左足が長くなる傾向があります。この左右差を調整する操法の説明を今回は省略。

さて、左脚が棒の様になったBさん。

「このクスノキのコブをベッドに置くけんね、その上に痛い方の左脚を置いて、寝てくれる?」

「はい!」

「どう?痛ない?」

「大丈夫っす!」

枕もクスノキの輪切りにします。後は、私がBさんのカラダをただただ揺するだけです。10~15分揺すりました。

「は~~い、そしたらね、ユックリ起きて、歩いてみようか?」

「どう?」

「あれ?大丈夫・・・歩けるし ・・・痛くないです。でも、重心を左に掛けるとお尻の付け根が痛いです❗️」

そこで、色々鍼治療を試してみたのですが、左にしっかり重心を掛けると痛みがあります。欲張っても仕方がないので、本日はこれでおしまい。

それにしても、クスノキの瘤(こぶ)パワーは本物です。

京都の猿丸神社では、癌封じのため木の瘤(こぶ)が祀られています。 

また、京都にはクスノキの瘤(こぶ)がパワースポットになっている神社があるそうです(次回、調べておきます(#^.^#)

ツボの流れがわかる⁉️

50才代女性患者Aさん、皮膚に引っかき傷を作った結果、全身にアレルギー反応(発疹)が出てしまいました。繊細なAさんは、この時期に度々(たびたび)あるそうです。

いつもの様に腹診をし、お腹のコリを見つけ、足の大切なツボに鍼を刺して、お腹をゆるめます。次に首のコリを診て頭皮に鍼を刺し置きします。

Aさんの右手近くに立っていたので、何となく右手の母指球が目に入りました。いつの間

にか、手に取り押圧。特に気になった訳ではないのですが、こういう自然な動きは、案外うまくいくことがあります。

今回のAさんは全身に発疹があるため、『皮膚に軽く触れるだけの操法にしよう!』と徐々に思い始めました。Aさんの右手母指球と、右肘内側の圧痛点に左右の中指を軽く置きます。しばらくすると、

「先生、右指先からお腹に流れて、Mの字を描く様に、左指先まで流れています。面白いですね~~」

「今度は、右手から右足に流れてお腹に行って、左足に流れ、左手の中指まで流れています。はっはっ・・・おかしい❣️」

「あれっ、今度は胸の方から波の様にサラサラと下がっています❣️」

Aさんの右手に触れていた私の手を、右足親趾の圧痛点に移動しました。すると、Aさんから次の様な言葉が、

「直(ちょく)で頭に来ています。そして、鼻が凄いことにになっています。」

しばらく経って

「右足から右手に流れています・・・・・・あれっ、今度は、クロスして反対側の手に流れています❣️」

Aさんの様に繊細な方は、感受性が豊かなため、ツボの流れを体感できるのだと思います。この様な人々の証言から統計学的に、ツボの流れが明らかになっていったのでしょう。

今回の体験を通してAさんカラダがどの様に変化したのか、次回伺ってみようと思います。

美容鍼の前に操体法❣️

「今日は、美容鍼をお願いします。」

突然の依頼に、心の準備がないまま・・・いやいや、大丈夫。

実は、私の美容鍼の師匠は、堀口三恵子先生という美容鍼を牽引している方です。

堀口先生は、

「カラダの歪みを取るのが先決。その後に、美容鍼をする様に‼️」

いう授業を必ずされます。そして、

「カラダの歪みを取るのは、操体法が一番です‼️」

そのため授業の半分以上は、操体法です。先生の操体法を見ながら、

『あ~~あ、これなら、オレの方が上手いワイ❣️』と思いながら、少しニヤッとしている生徒でした。嫌な生徒ですよね~~

そんな訳で、私が行う美容鍼は、操体法でカラダの歪みを取り、上半身のリンパをスムーズに流す押圧を行い、顔面の血流を促すために親指と人差し指の間の合谷(ごうこく)に鍼を刺し置きます。

そして、血流が上半身に偏らないよう、下半身の重要なツボ(要穴)に鍼を刺し置きします。

やっと、顔面の刺鍼となりますが、私は、5cm程の鍼2本を中指と人差し指で押さえて、顔面の血流を良く散鍼(さんしん)を10~15分くらい行います。

その後、百会(ひゃくえ)という頭の天辺に向かって皮膚を上げながら鍼を刺していきます。

鍼は髪毛より細い0.12mmで3cmの長さ。15~20分刺したまま音楽を聴きながらゆっくりしてもらいます。

目がスッキリして気持ちいいですよ~~

「やっぱり響きます❣️」

おおよそ3ヶ月前から来院。週1回くらいのペースで今回が10回目の70才代男性患者Bさん。病院では、下肢静脈瘤、脊柱管狭窄と診断されています。初診では、両足底が深さ1cm

位しびれて、歩行が難しい程でした。良くなったり、元に戻ったりしながら、徐々に回復しています。

今回は、足底の痛みはありませんが、左の足先にしびれ感が残っています。

早速、山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭皮に5本鍼の刺し置きをします。左のおでこの生え際に鍼を刺すと、

「先生、左の足先3本に来ました❣️」

どんぴしゃで、ツボに刺さったようです。残り4本は、特に変化はありませんでした(*^^*)

左手を全身と捉えると、親指が右下肢、人差し指が右上肢、中指が脊柱と頭、薬指が左上肢、小指が左下肢となります。最近の治療では、この見方で指にお灸を据(す)え、患部を治療することが増えています。

特に、冬場の寒い時期は、極力肌を出したくありません。なるべく、肘から下、膝から下、頭のツボを使った治療をするようにしています。患部の左足のしびれに対して、左小指に7ヶ所お灸をします。

「先生、右足に来ます。途中から右足が浮いた感じになります❣️」

左足にアプローチしたはずだったのですが、なぜか右足に反応があります。

今度は、右足にアプローチしてみます。左親指の圧痛点を丁寧に取り、お灸をします。

「先生が、親指先端を叩(たた)くと、右足ウラに響きます❣️」

「へ~~え~、面白いですね!チョット叩(たた)きますね~~・・・・どうですか?」

「やっぱり、響きます❣️」

初診時は、どこを触っても、強く押圧しても何も感じなかったBさん。

この3ヶ月で感覚は随分回復しているようです。

過去のカルテを読み返してみると、足底が完全にしびれているため、足底の強刺激を中心にスタートし、足底のお灸へと移行。次に、山元式新頭皮鍼療法(YNSA)の導入。

YNSAで治療し始めてから、感覚が鋭くなっている様です。今後とも、YNSAを併用していく必要がある様です。

強い生命力と強い意志

 

強い生命力と強い意志

先日、50才代の男性患者Cさんから、嬉しいメールをいただきました。ちょうど4ヶ月前に悪戦苦闘の治療をしたCさんは、高校時代は野球、大学時代はラグビーをしていたスポーツマンで、ガッチリした体躯の方です。

「佐伯先生、ご無沙汰しております。今日、雪の愛宕山に登ってきたのですが、いつも下山の際に痛くなる膝が、施術により、今回は痛くなりませんでした。不思議なくらいです。ありがとうございました。」

本当に嬉しいメール、ありがたいです。

しかし、あの時の治療は全く上手くいかなかったのです。にもかかわらず、4ヶ月持っている・・・?

何が効いたのかよく分かりませんが、4ヶ月前の治療を思い出してみます。

Cさんは、ラグビーでタックルをされた際、左膝半月板損傷。この古傷が痛み始めました。また、左下肢全体に張りと痛みもあります。

そこで、2つの見方による治療を行いました。

1つは、天城流。天城流では、膝痛は下肢全体の筋膜の絡(から)みをほぐす事に重点を置いています。特に、太もも、足ウラ内側の筋膜は重要です。

この2カ所に鍼とお灸をしっかりしますが、なかなか良くなりません。

ガッチリとした体躯なので、太ももの圧痛点に鍼を刺すのですが・・・

足ウラ内側にお灸を3~5壮するのですが・・・

そこで、2つ目。左膝の対角の右肘に14cmのステイック状の鍼でほぐします。

しかし、これもうまくいきません。

結局は、こんな状態で治療は終了しました。とても、気になっていたのですが・・・

「佐伯先生、昨日はありがとうございました。昨日の脚の痛みは全くなくなり、膝も軽くなったようです。」

というメールが届きました。

「えっ?良くなったんだ❣️」って言うのが、正直な思いでした。

それから、4ヶ月経っても、痛みがぶり返すこともなく、下山道でも膝痛が出なかった。

これは、私の技術というより、Cさんの生命力の強さと、治りたいという強い意志がこの様な結果を招いたものと思います。

そっと静かに消えて下さる?

右足先の痛みがなくなった92才の女性患者Aさん。本日は、右腕特に小指側のしびれが気になり、カラダ全体がだるいそうです。

92才になられても、頭はしっかりしておられ、毎日室内の散歩はかかせません。ただ、なかなか熟睡できないそうです。

いつものように、腹診をしますが、特にコリや痛みはありません。

指先のしびれを天城流では、肩甲骨、大胸筋、肘の筋膜を剥(は)がして治します。ところが、高齢の患者さんに、ある程度の痛みをが伴う剥(は)がしは不向きだと考えます。

そこで、肩甲骨、大胸筋、肘の圧痛点に軽く中指を触(ふ)れるだけの操法で治療。

この間、穏やかな時間が流れ、スズメやカラスの話、冬眠の話など・・・

「爆睡をしてみたいワ❣️」

突然、Aさんがおっしゃっいます。そこで、踵(かかと)中央部の失眠(しつみん)というツボにお灸をすることにしました。左右のツボに5壮(同じツボに5回)程度お灸をし、再び右腕に触(ふ)レました。

「Aさん、随分手があったかくなりましたね~~」

「そうなの、ポカポカしてる❣️」

肩甲骨と胸の圧痛点に軽く中指を添(そ)える操法をはじめます。しばらくすると、

「なんか、カラダは眠っているのに、意識があるのよ❣️」

「ええ、この治療法では、そういう事がよく起きます。ですから、いびきをかいている患者さんに、話し掛けるると会話が出来、会話が終わると、患者さんが再びいびきをかき始めたりします。」

「不思議ね~~」

しばらくして、

「そっと静かに消えてくださる?」

という事で、爆睡される事を期待しつつ、忍者のように消えていく私でした。

 

3本指が鍼(はり)のかわり

92才の女性患者Aさん、右足先(第2、3趾)が痛く歩くのに不自由だそうです。 また、右腕にしびれを感じます。

「Aさん、ベットでじっとしていても右足先は痛いのですか?」

「ハイ、痛みはあります。」

ということで、足先から最も遠い右側頭部の圧痛点を探すことにします。 この圧痛点は、山元式新頭鍼療法(YNSA)に沿った3カ所です。本来なら、この3カ所に鍼を刺し置きすればいいのですが、Aさんは、鍼が嫌(きら)いなため、右手の親指、人差し指そして中指の3本を、鍼の代わりにします。

3本の指をAさんの右側頭圧痛点に、軽く触(ふ)れるだけです。この状態で15~20分経過。

「Aさん、右足先の痛みはどうですか?」

「痛くありません❣️」

右足先は良くなったようです。3点のうち2点は、右足先狙(ねら)いだったのですが、残りの1点は右腕のしびれ狙(ねら)いです。しかし、右腕のしびれはなかなか取れません。

そこで、お灸を右肘の圧痛点4ヶ所に3壮ずつ、第4指の圧痛点にも2壮しますが、お灸の熱があまりお好きではないようです。

 「Aさん、ユックリ起き上がって歩いていただいてよろしいでしょうか?」

「あっ・・・右足痛くないです❣️」

右腕のしびれは取れませんが、右足先の痛みは取れましたので、治療を終了しました。

足首は手首で治す

長時間の正座で感覚がマヒしてしまい、立ち上がろうとした時、左足首が可動域を超えて外側の靭帯を損傷してしまった30才代女性患者Cさん。

近くの病院に行き診てもらったところ、大した捻挫ではないと診断されました。

しかし、翌日から外踝(くるぶし)が紫色に腫れ上がり、もう一度、別の病院に行き、手当を受けました。現在は、包帯でしっかりと固定されています。

「Cさん、捻挫をしたら、まず患部を氷水で徹底的に冷やしてください。毛細血管が切れているのでその切り口を閉じなければ、どんどん内出血してしまいます。」

Cさんは、この重要な処置をしなかったため、内出血の腫れが出来てしまいました。

今回は、左足首は固定されているため、その対角に当たる右手首の圧痛点を見つけ出し、全身のバランスを取っていく事にします。

右手首周辺の皮膚を丁寧につまみ上げていくと、痛いところと、そうでないところがはっきりと、現れてきます。痛いところに赤印を付けていくと、手首外側に大きな長細い地図ができます。この形の相似形が、左足首外側に存在しているのです。

今回は、右手の圧痛地形図にクスノキの瘤(こぶ)を軽く当て、気持ちよく揺(ゆ)擦ります。

かなり、ほぐれて来たので、お灸をします。

最も痛いであろうところは最後に残し、徐々に外側から始めます。

「ここ、痛いですか?」

「痛い‼️痛いです‼️」

やはり、足首の患部に対応する部位が、飛び上がる程痛いのです。そこにしっかりとお灸をし、今回は終了しました。

追伸、Cさんから下記のメールが届きました。

佐伯先生にこの前お灸して頂いたら、それまでズキズキ痛んでいた靭帯の痛みは治っています(ビックリ!)

また痛くなってくるのかなあ、と不安でしたが、今のところ大丈夫です。

佐伯先生のおかげです。ありがとうございます!

天才❣️

私の師匠、今昭宏先生のホームページに操体法における、想念の世界に関して、次の様な一節がありました。

「誰かにほめられたいとか認められたいといった思いが

強くなって、頑張り過ぎてくたびれるのは、

自分が自分をほめて認めることを忘れているからかも。

ときどき自分をほめて認めると楽しい。

「えらいぞ自分」

「たいしたもんだ私」

「素晴らしいぞ俺」

「私は天才だ」

などなど。

冗談でもウソでもいいからとにかく言うこと。

空間が明るく元気になります。(^^♪”」

「今先生は、天才だから!」

と、ニコニコ顔でさら~っと言い流す今先生。

授業中、何度も聞いたことがあります。

確かにその瞬間、明るく元気になります・・・ただし、今先生だから、嫌味に聞こず、明るくなると、心のどこかで思っているのは確かです。

私の人生でまだ一度も、「佐伯先生は、天才だから!」

と言ったことがありません。ただ、何度も、何度も「佐伯さんは、天才だ!」と言われた事はあります。

私が20才代、ニューヨークでビデオアートの創始者、ナムジュン・パイク(白南準)さんのアシスタントをしていた時、天才パイクさんから言われたのです。

掃除を丁寧にしたり、お疲れのパイクさんに指圧をしたりする度(たび)に、

「あ~~、佐伯さんは天才だ~」

天才のパイクさんに天才と言われると、うれしくて、うれしくて舞い上がり続けていました。

きっと天才という言葉は魔法の言葉なのでしょう。言い続けてたり、言われ続けていたりすると本当に天才に・・・・・・使ってみるか❣️

追伸、今先生、文章を使わせていただきました、事後報告で申し訳ございません。