大沼理論 その1

大沼理論 その1

今回から、大沼四廊先生の理論を私なりに消化出来た段階で、ボチボチご紹介したいと思います。まず、人は産道を通る時点で、頭も歪(いびつ)にし、それぞれの関節を外して螺旋状に回転しながらうまれてくる。大沼先生は、これを「先天的システムエラー」といっています。

この歪(いびつ)なカラダをじっくり元に戻す過程をたどっていない赤ん坊が、最近は増えてきている。母親も同じようにしっかりと、休まないまま生活に追われている場合が多い。まずは根本的な歪みを修正する必要があります(個人的には、この歪みを操体法で取ることができると考えているので、この大沼理論を理解した上で、操体法を患者さんには提供していきたいと思っています)。

大沼理論の中で「鎖骨ほぐし」という大切な手技があります(残念ながら、私はそのセミナーを受けていないので、手技の紹介はできません)。特に左の鎖骨に歪みを持っている人が多く、特に難病の患者さんは、必ず左鎖骨に歪みがあります。

なぜ鎖骨が歪むのか?

それは、心配、不安、過労、運動不足、睡眠障害、妊娠、出産、育児、など過剰なストレスを受けることで右の骨盤が歪む、その影響で左の鎖骨が歪む(YouTube 参照)。

鎖骨が歪むことでどんな病気を引き起こすのか

a)鎖骨下動脈、静脈、神経、 リンパの圧迫

b)握力低下、肩こり、腕のしびれ、呼吸の悪化

c)胸腺の循環障害、免疫力と造血力低下

d)脳内の循環障害(脳内ホルモンの減少)

1)成長ホルモンの減少:発達障害

2)*プロスタグランジンが減少:睡眠障害

3)*ドーパミンが減少することで悲しい気分になり、前頭葉の機能が低下する

脳内ホルモンの障害

*メラトニンの減少:意欲が低下し、体内時計の制御に関わり、生命力が弱体化し短命化する。

*セロトニンの減少:うつ病が誘発される。メラトニンと逆相関である。

交感神経が過剰に働くことで*アセチルコリンが減少する

唾液が減少し、消化吸収にも影響が出る

*βエンドルフィンの減少はモルヒネの作用を低下させ痛みが止まらなくなる。

*プロスタグランジン

痛みおよび炎症の原因物質として知られる生理活性物質。プロスタグランディンが過剰分泌されることで患部の痛覚が脳に伝達され、痛みを感じるとされる。鎮痛薬(痛み止めの薬)の一グループである非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)は、プロスタグランディンの生合成を阻害することで痛みを緩和している。

*ドーパミン(英: dopamine)は、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる。

*メラトニン

松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。メラニン色素細胞の収縮、生殖腺の発達抑制の作用がある。また、人においては通常夜に分泌量が多くなり、睡眠を促進する作用があると考えられている。

*セロトニン

生化学的なメッセンジャーや制御因子として機能する有機化合物で、体内で必須アミノ酸であるL-トリプトファンから合成される。ヒトの場合は、中枢神経系や消化管、血小板に見られる。セロトニンはいくつかの重要な生物学的機能の媒体として働いており、神経伝達・胃腸の運動・止血・心臓血管の正常化に関わる。複数の受容体ファミリー(セロトニンレセプター)があることから、生理学的な機能やメディエーターとしての分布範囲は広いと考えられる。

*βエンドルフィン

脳内で働く神経伝達物質の一種。鎮痛効果や気分の高揚、幸福感などが得られるため、脳内麻薬とも呼ばれる。

脳内で働く、神経伝達物質エンドルフィンのひとつで、モルヒネと同じような作用をする物質です。

エンドルフィンは、子牛や豚の脳から発見されたもので、「体内で分泌されるモルヒネ」を意味しています。モルヒネの数倍の鎮痛効果があり、気分が高揚したり幸福感が得られるという作用があります。

エンドルフィンにはアルファ、ベータ、ガンマの3つがあり、β-エンドルフィンはその中でも苦痛を取り除くときに最も多く分泌されます。マラソンなどで苦しい状態が一定時間以上続くと、脳内でそのストレスを軽減するためにβ-エンドルフィンが分泌され、やがて快感や陶酔感を覚える「ランナーズ・ハイ」と呼ばれる現象がよく知られています。また、β-エンドルフィンは性行為の際や、おいしいものを食べたときなどにも分泌されることが分かっています。