腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)

10ヶ月前から週2回のペースで来院されている40才代の男性患者Aさん。左肩が上がらなくなって3年。しかし、当院に通院され、左肩は痛みは無く普通に上がるようになりました。右肩は左肩より可動域はあるのですが、右手を前に置き、ゆっくり腕をあげようとすると、肩(三角筋)に痛みがあります。そして、好きなゴルフでは、刻んでボールを運ぶスタイルから、以前のように豪快に飛距離を出すゴルフに戻りました。

「今日は、どっちにする?」

Aさんには、いつも私がする質問です。操体法あるいは鍼治療、Aさんの今日のカラダはどちらを要求しているのかを尋ねるのです。

「そうじゃね・・・・今日は操体法でお願いします。」

そこで、いつものように足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)、膝診(膝窩横紋周辺の触診)、足首診をするのですが、Aさんは全く圧痛点がないのです。

「先生、つまらんじゃろ・・・」

「つまらんな・・・・」

これがいつもの会話です。そこで早速、奥のベッドに行って操体法。まず、痛みの出る右肩治療です。これにはクスノキのコブが非常に効果的なのです。今回は、コブを3個使うことにしました。Aさんは肩が痛いので、腰の圧痛点にコブを1個置き、残りの2個は膝を屈曲して倒した足元に置きます。そして、Aさんにはコブの上に足ウラを置いてもらいます。決して患部である肩に触れることはありません。しばらくすると、Aさんの携帯電話が鳴ったので、Aさんに手渡すと長電話。

(このYouTube を見ると理由が分かります)

 

こういう時でも治療は継続出来ているので、大丈夫です。いつの間にか、右肩の痛みはなくなっていました。

「今のは、小臀筋とか梨状筋という筋肉をねらっとたんよ・・・・」

「先生、ちょっと待って、しょうでん・・・きん・・・・ああ・・」

Aさんは携帯電話で小臀筋を調べ始め、その場所、機能などを私に読んでくれます。

「うん、そうそう、そういうこと・・・」

今や、患者さんが情報を探し出して、施術者に情報を提供する時代になっているのです!右肩は良くなったので、次は左肩ねらいです。

「左の肩は腕上げた時、どこがつっぱる?」

「何かここあたり(上腕の内側)じゃね。」

「そこじゃったら・・・・小指側じゃけん、・・・ここ(膝やや上で側面)くらいじゃね。」

「先生、そこは何ちゅう筋肉?」

「ええとね・・・・筋肉じゃのうて、靭帯・・・・・あれ?名前が出てこん・・・いかんいかん、こんなん、しょっちゅう使いよったのに・・・・名前忘れた!」

ということで必死にipadで探す私。

「ああああああ、そうじゃ、そうじゃ腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)。」

「先生、しょっちゅうアウトプットせんと、忘れてしまうよ!」

「本当じゃね!」

と指導される私。

そんな楽しい時間を過ごしている内に、Aさんの彼女が来られ「水」の情報をいっぱい教えてもらいました・・・そのため、いつしか治療から水講座となり今回は終了となりました。おしまい。

手の打撲も頭の鍼で治す

あじさいの杜鍼灸院では、「アメジストバイオマットプロフェッショナル」というアメジスト(紫水晶)を散りばめたマットを使用して体温を上げる治療も行っています。これは特に慢性の腎臓病の方に適しています。この治療を行っている患者さんは、現在2人おられます。その内の1人50才代の男性患者Aさんが来院。

Aさんは、3日前に自転車で転び左手を打撲。そのため、今回は鍼治療をしたあと、バイオマットによる温熱療法をすることにしました。ここで、簡単に温熱療法について説明しますと、アメジスト(紫水晶)を砕(くだ)いて敷き詰めた80kgのマットを70℃にし、小型のマット2つも同様に70℃にして患者さんを挟(はさ)んで1時間寝ていただき解毒作用を促します。これは電気毛布とは、全く違い99.9%電磁波をカットしています。

その説明があるので、引用します。

電気毛布はスイッチを入れると暑くなりますがバイオマットは熱くなる事はありません。遠赤外線の効果によって体内で生じる摩擦を熱に変換して暖かくなるのです。肌とバイオマットの接触分が暖かくなり体の内側から温めます。(中略)バイオマットは高度な技術を持つ科学者や技術者が生み出した効能証明付きの現代技術の結晶です。

このマットを利用した患者さんは、全員気持ち良いと言われます。

ここで、Aさんに話を戻します。

Aさんは、左手打撲のため靴ひも結べず、物をつかんでも落としてしまうそうです。そこで考えました。左手が痛いのならば、左足首周辺にも同様の圧痛点があり、それを足首診して、頭頂部の治療点に置鍼すれば足首痛がなくなり、同様に手首、手の甲の痛みが無くなるはず・・・・・

そこで早速、足首診。

左:腎(1)、膀胱(1)、大腸(1)

上記3点の頭頂部治療点に3本置鍼し、念のため左側頭部のIソマトトープ(小さな人型の投影)の手に当たるところに1本置鍼。

「手、どうですか?」

「良く動く!確かに良くなっている!」

この後、1時間ベッドで汗をかいてもらいます。そして、帰られる直前、

「凄い!靴ひもを結べる!」

そして、翌日Aさんに会う機会があったので、聞いてみると、今は全く問題なく普通の生活をしているとのことでした。嬉しい限りです。

 

膝と足首

いつもは、操体法の治療をしていた70才代の男性患者Cさん。冬場の農作業は大変で、今回は腰がギックリになる手前です。左足首にも痛みがあります。そこで、

「今日は、鍼(はり)をしましょか?」

「・・・・・」

「ギックリの手前だと、鍼(はり)の方が良いと思います。」

「先生に任せます。」

ということで、急遽(きゅうきょ)鍼治療をすることになりました。最近の診断は膝と足首のみと決めているので、私はCさんの坐っているイスの前にすわりこんで、膝と足首を診断します。

足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):左右とも痛いので、どちらから始めるか分かりません。

膝診

左:胸椎#12(0)、腰椎(2)

右:胸椎#12(0)、腰椎(2)

足首診

左:腎(0)、膀胱(2)、心包(0)、心(1)、胃(0)、脾(1)、小腸(0)

右:診断せず

膝診では、左側の方が痛みが強いので、左腰椎に対応する頭置鍼2本。これで、胸椎診断点の圧痛が消えました。その後、左足首診をして頭に置鍼。頭に置鍼して足首の痛みがなくなったので、Cさんが訴えていた足首の痛みは無くなりました。

「Cさん、腰はどうですか?」

「腰の左側が軽くなった分・・・・右がものすごく重いです。」

そこで左腰の治療点に2本置鍼。

「どうですか?」

「・・・・軽くなりました!」

これで、奥のベッドに移動していただき、足揉みをして終了としました。これからも膝と足首に挑戦していきたいと思います。

息苦しさがなくなった

1週間前から息苦しさを感じ、「死を初めて感じた。」とおっしゃる70才代の男性患者Bさん。40才の頃、肺気腫となりお灸で良くなった経験があるため、当院に来られました。Bさんは卓球選手で大学時代は1日8時間の練習をし、30才まで現役選手でした。そのため、猫背になってしまい、肺に負荷がかかったのかも知れません。

初診の治療で、5時間息苦しさがなくなり、二回目で1.5日保ちました。4回目の治療で3日目の本日でも、息苦しさがなくなり顔色も良くなっています。Bさんは、お灸を受けたくて来院されたのですが、頭の鍼と足揉(も)みで、順調に良くなっています。

最近は、上腕診と首診の代わりに膝診と足首診を実施しています。

その理由は、高齢で心臓、肺に障害を持っている患者さんの存在です。首の触診が弱刺激でも、高齢で障害をお持ちの患者さんには、かなりの負荷になります。その点、足首診だと安心して触れることができます。また、足首が痛い患者さんには、その部位の診断点に対応する頭部の治療点に置鍼をすると足首の痛みがなくなることが分かりました。

また、足首診を始めたのは、首診をいくらやっても全く圧痛点が見つからない患者さんの存在があったからです。ピンチはチャンスなんですね。この足首診は当初、まだ半信半疑だったのですが、最近の患者さんの反応と、私自身のカラダを通した感覚で間違いないと思います。

足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):左(左側から始めます)

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:胸椎(1)、大脳(0)

右:なし

足首診

左:腎(1)、膀胱(1)、心包(0)、心(1)、小腸(1)、肺(1)

右:なし

(  ) 内は置鍼数、(0)は他の置鍼の影響で圧痛点が無くなったことを示します。

この置鍼後は、足揉(も)みをしてゆっくりしてもらいました。週に2回の治療で今後どうなるのか楽しみです。

2年ぶりの来院

昨日、突然2年ぶりに70才代の女性患者Aさんが、来院され本日9:00の予約を取り帰られました。

「先生、お正月に13伊予仏巡りするんじゃけど、腰が痛いので来ました。」

本日の開口一番でした。

Aさんは開院以来、2年近く毎週通院されていたのですが、ある日突然来られなくなり、どうしたのだろうと気になっていたのです。そこで、Aさんに話を聞いてみると、サウナに行っても汗がたくさん出るようになり、体調がすっかり良くなったそうです。また、私が指導した操体法を毎日欠かさず行い、しかも毎日11000歩、歩くのが日課だったので、どこも痛くなかったそうです。

それを聞いて、安心しました。当時のカルテを見てみると、お灸、鍼を徹底的にやっています。1時間30分以上時間をかけていました。幸い、それらが効いていたのです。ところが、あれから2年で私の治療法は、山元式新頭鍼療法(YNSA)に様変わりし、お灸もあまりしていません。

実は、Aさんに昨日、

「Aさん、今は前みたいな治療はしてなくて頭に鍼を刺しているんですけど・・・いいですか?」

「うんそれは知ってます。でも、ちょっと相談しましょう・・・明日。」

と言って帰られました。Aさんは、前の方法でやって欲しいのでしょう。そこで、相談以前に、理論派のAさんには、YNSAの説明をしっかりすることにしました。10分位しっかり語り、一応納得してもらいました。早速、足の合谷診を始めると、

「えっっっっ先生、待合室で座ってやるの?!」

「そうなんですよ・・・・もう、全く違うでしょ!」

「・・・・・」

まだ、本当には信じておられないようです。

こういう時は、鍼1本の威力を感じてもらうしか仕方はありません。膝診(膝窩横紋周辺の触診)をして、1番痛かった胸椎2番の治療点である左眉の上に置鍼。

「Aさん、膝ウラの痛み・・・どうですか?」

「まだ、痛い・・・・」

触ってみる限りゆるんでいますが、Aさんは認めたくないようです。

「Aさん、治りたくないんでしょう?」

「・・・・私、お灸が好き。」

鍼をもう少し深く刺し、聞いてみると「痛くない」という返事が返って来ました。これで、何とか納得していただきました。後は、3本追加して腰の状態を聞いてみると、痛くないそうです。後は、世間話をしながら私のYouTubeを見てもらったりして過ごしました。そして、最後に

「先生が、随分変わってよかった。でも先生の人柄はなんも変わっておらんかった。」

と言って帰られました。

# 操体法

# YNSA 

# 鍼灸

あじさいの杜鍼灸院について

新患さん

「明日の午前中空いていますか?」

「申し訳ございません・・・明日は、午前中はいっぱいなんです・・・・今からだったら大丈夫ですが・・・・」

「えっ今からいいんですか!・・・・そしたら、行きます・・・・5分ほどで。」

と、新患の30才代女性Cさんが来院されました。地元で出産され2月末まで、こちらにおられるそうです。2児の母親でしかも最近出産されたので、なかなか外出出来ない状態。その合間を見つけて来られました。肩こりが激しくて、後頭部痛が起こることもあるそうです。

「私の鍼は、頭に刺すのですが、いいですか?」

「えっっっっ、頭ですか・・・・チクチクしますか?」

「ハイ・・・ちゅうか、痛いですよ。」

「えっっっ!」

「でも、効きますよ・・・・痛い程効きますよ。」

「・・・・・・」

と、脅(おど)しのような会話になってしまいました。一瞬『まずい所に来てしまった!』という表情だったCさん、少しの間で覚悟を決めたようです。

「うわ~ドキドキする・・・」

「ドキドキすることのある人生って、素晴らしい。」

などと言いながら、山元式新頭鍼療法(YNSA)の基本的な考え方を説明し、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)、膝診(膝窩横紋周辺の触診)、首診をしていきます。

足の合谷診では、左右ともに同じように痛いそうです。そのため、左右どちらから始めるか分かりません。ただ、膝周辺を触った感じでは、右側に偏(かたよ)りがあるように思いました。右膝には圧痛点が4カ所(th2、th7、th8、th12)、左膝は1ヶ所(th11)、しかも、右膝の痛みの方がはるかに痛いそうなので、右側から始めることにしました。Cさんの手のひらを触ると、汗ばんでいます。非常に緊張されているようです。こんな時は、最初の鍼が勝負。膝の最も痛い個所(th7)ねらいです。th7の治療点は右眉の中央部から1cm程内側の圧痛点。

「どうですか?(膝の最も痛い個所を触診)」

「痛くない!!!!変わった・・・・凄い!」

これで、Cさん納得。それからは、トントン拍子で治療が進み結局8本の鍼で終了となりました。自律神経と内臓を整える置鍼を7本した時点で、肩こりはなくなっていました。

「これで、十分だと思うのですが・・・・まだ、肩をねらっていません。1本打ちましょうか?」

「・・・・ハイ。」

「・・・・・・どうですか?肩」

「軽い!血が通っているのが分かる・・・・・血液が滞(とどこ)ってたんだ。」

敏感なCさんには山元式新頭鍼療法(YNSA)があっているようでした。

# 操体法

# YNSA 

# 鍼灸

あじさいの杜鍼灸院について

今日は、右

今日は右

3日前に、石臼(うす)を運んで腰痛となった60才代の男性患者Aさん。農業をしているので、毎週通院して、体調管理をしっかりとされています。高校の同級生なので治療前から会話がはずみ時に30分くらいかかる時もありますが、本日は15分ほどでした。

「ほんなら、始めようか・・・・手グーして・・・・パー。」

手のひらの血色を見て左の方が白く感じました。という事で、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)では左の方が痛くなると予測。ところがAさん、右の方が痛いそうです。少し変だと感じながら膝診(膝窩横紋周辺の触診)と首診を進めます。

膝診

左:頸椎、胸椎、脳幹、小脳←置鍼せず

右:頸椎(1)、胸椎(2)、腰椎(1)、脳幹(0)、大脳(1)、小脳(0)

首診

左:腎、膀胱、肝、胆、心包、心、大腸、三焦(消化器)、胃、脾、小腸←置鍼せず

右:腎(0)、膀胱(0)、肝(0)、胆(1)、心包(0)、心(0)、大腸(1)、三焦(0)、胃(1)、脾(1)、小腸(0)

Aさんの場合、普段は左側に反応することが、ほとんどなのですが、今日は、やはり右のようです。しかも、首診の反応が左右ともにこんなに多いことは、珍しいのです。

「今まで、左に鍼刺すことが多かったのに、今日は右じゃろ・・・・よう効く感じじゃ。」

今回、Aさんは腰痛だけでなく、首も凝っているそうでかなりお疲れモードです。首診で内臓の状態を診断して、側頭部の治療点に置鍼します。すると、一瞬で首の診断点がゆるみます。首だけでなく首の筋膜から内臓につながる筋膜もゆるみ結果、内臓の調整をすることになります。その後、耳うらと後頭部の腰に関する治療点に置鍼して終了。

「三船十段ちゅう、柔道家知っとる?・・・・あの人の映像があるんじゃけど見る?」

などと、治療後は高校生時代に戻ります。鍼を刺したまま喋るAさんは、常に表情筋を使うため、かなり刺激になると思います・・・・これが、効果的なのかもしれません。

「わしゃ、この鍼がなかったら元気に農業をやっとれん、来週も来年の年初めも、(予約を)もう入れといて。」

と気持ち良さそうに帰るAさんでした。

 

素直な反応

2年ほど前、両膝痛で来院されて以来、毎週通院されている60才代の女性患者Cさん。最近は、30分ほど散歩をされているので、調子がいいそうです。今回も、健康管理、健康維持のための施術となります。また、繊細なCさんには、鍼の刺激が強すぎるので、操体法による治療を行っています。

足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):左(左にかたよりがあるため、左側から治療)

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:腰椎診断点←圧痛点あり

右:胸椎(第2胸椎)診断点←圧痛点あり

首診

左:肝、心、三焦(消化器)

右:小腸

左腰椎の圧痛点は、Cさんが座ったまま私が床に座り、「つま先上げの操法」で取りますが、完全に取れなかったので、膝に角度をつけたまま、ふくらはぎの奥の筋肉(ひらめ筋)を伸ばし、ゆっくり圧力をかける操法。これで、ふくらはぎがゆるみました。

右胸椎(第2胸椎)の圧痛点は、やはり「つま先上げの操法」で取りますが、完全に取れなかったので、膝をしっかりと伸ばした状態で、ふくらはぎの浅い筋肉(腓腹筋)をのばし、ゆっくり圧力をかける操法。これで、ふくらはぎがゆるみました。これらの操法で自律神経が整いました。

次は、Cさんにベッドで仰向けになってもらいます。首診で一番痛い肝の治療点(左側頭部)に軽く触れる操法。

「・・・・お腹の上の方が横に動いています。」

敏感なCさん、肝臓付近が横に動いているのが分かったようです。次に、心の治療点(左側頭部)に軽く触れます。

「・・・・なんか胸あたりが上下に動いています・・・・・今度は、胃あたりが動いています・・・腸あたりが動いています。」

心の大動脈が反応したようです。そのあと、心と陰陽の関係にある小腸が反応したようです。次に

三焦(消化器)の治療点(左側頭部)に軽く触れます。

「・・・・先生が触れているところを強く感じます・・・・それと、気になっている歯が痛くはないのですが反応しています・・・・・・胃あたりが動いています。」

敏感なCさんは、触れたところに素直な反応が出ました。そのあと、足揉(も)みをして終了となりました。操体法の皮膚の操法は、山元式新頭鍼療法(YNSA)と相性がいいようです。

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腰痛セルフケア3点セット

「先生、今日は犬の散歩の時、気張って走ったけん、腰が特に左が痛いんよ・・・」

私と同い年で、誕生日が近い女性患者Aさんは、頑張り屋さんので、なるべく頑張らないように指導するのですが、ついつい頑張ってしまいます。前回の腰痛治療は、陶石を使って肩甲骨を緩め、ついでに骨盤が緩むことで、腰痛が無くなるセルフケアでした。今回は復習も兼ねて同じように始めました。まず左腰痛に対応する左肩甲骨の圧痛点をAさんに見つけてもらいます。

「Aさん、肩甲骨で痛いところ教えてくれる?・・・石置くけん。」

畳の上で仰向けになったAさん、ムズムズと動きながら痛いところを探します。

「先生、ここじゃわい。」

「・・・そしたら、石置くけん・・・・そうそう、そんな感じでゆっくり微妙に動いて、気持ちええところを見つけたらええんよ・・・・上手(じょうず)じゃわい。」

「家でやろうと思って、オレンジ色のボール(ゴルフ?)をこうたんじゃけど・・・・せんのよね・・・」

などと、話しながら体重移動の方法を、お教えしました。5分ほど経過したころチェックしてもらうと、かなり改善されたそうです。次に、骸骨モデル(トンスケといいます)を使ってミニ講座。

「耳は、頭蓋骨と頸椎と下顎骨(アゴ)の交差するところ、それと同じようにここ(仙腸関節)は、小さな頭のような仙骨と、大きなアゴのような寛骨(カンコツ:仙骨以外の骨盤)が交差するところなので、耳がゆるむと、ここ(仙腸関節)がゆるみます。」

と説明をして、下顎骨(アゴ)を左右横にずらしてやりづらい方に最大限ずらします。そして、やり易い方向へアゴを移動しますが、それを軽くアゴが移動しない程度の抵抗をして、気持ちいい程度の力加減で味あいます。同じように上下にもアゴを動かして、同様の操法をおこないます。

「Aさん、どうですか?」

「これ、マスクしとるけん恥ずかしないんよ・・・・無かったら恥ずかし!・・・何となく軽なった気がする。」

「そしたら、耳のウラの圧痛点・・・・・・ここらあたりに、痛いところないですか・・・あった!・・・・そしたら、私がそこに指を軽く触れます・・・・後は、ゆっくりしてください。」

と、耳ウラに指を軽く触れる操法をして、5〜6分。耳ウラ圧痛点の痛みが無くなった時点で終了。Aさんの腰痛は無くなりました。この腰痛治療3点セットをセルフケアとして、覚えていただくようにしました。Aさん、忘れたらまたしましょう!

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耳が聴こえる

先週、急に耳が聴こえなくなったと、意気消沈して来院された80才代の男性患者Bさん。その日は、耳鳴りの治療点に6本置鍼した後、いつもの治療をしました。つまり、真っ先に耳の治療をしたのです。そして迎えた本日。

「先生、おかげで耳が聴こえる様になったんです・・・・一昨日(おととい)くらいから、徐々に聴こえるようになって、昨日(きのう)の朝、仏壇の鐘を叩いたら・・・今までは聴こえてのうて、もうわしゃダメかのうちゅうて、思いよったんです・・・そしたら、はっきり聴こえて来たんです。」

と、生き生きとした表情で話してくれました。急性の耳疾患に対して、山元式新頭鍼療法(YNSA)の威力の素晴らしさを、私は初めて実感しました。慢性の耳鳴りの患者さんには、上手くいかなかったり、上手くいかなかったり、ちょっと上手くいったりくらい、だったのですが、急性患者Bさんには、効いたようで本当に嬉しかったです。生き生きとしたBさんの表情から、「この仕事を選んで良かった」とつくづく思いました。

「先生、調子が良うなったら、ここ(後頭部)がウズウズする様な感じになって、血流が良うなっとりまさい・・・手のひらも痒(かゆ)うなっとりまさい。それと、判断力が良うなっとる・・・・耳が悪るなるより前のこと思たら、それより良うなっとりまさい。嫁に、テレビの音小させいちゅうて怒られよったんじゃが、それがのうなったんですけん。」

Bさん、こちらこそ本当にありがとうございます。元気をいただきました。

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