初診で、しかも訪問治療

医者には、もう3年前に亡くなっていても不思議ではなかったと言われた80才代の女性患者Cさん。心臓肥大、腸閉塞、脊椎圧迫骨折など様々な大病をしながら、大好きな畑仕事でご自身の健康を維持されています。ところが、3日前から両足の中指(第三趾)が痛くなり、ふくらはぎの外側も痛くて、立ち上がることが出来なくなったので、訪問治療をすることになりました。

まず手をアルコール消毒。ところが、非常に繊細なCさんは、反応して激しく咳き込みます。

「すいません・・・・ノドに効くツボがあるので、鍼を刺しましょう。」

と、頭頂部に鍼を1本。しばらくするとCさんが、

「足がポカポカ暖かい!」

と驚いた表情でおっしゃいます。繊細なCさんは、鍼の反応も早いようです。こんなに繊細な患者さんには、鍼の本数を少なくしなけれならないと感じ、ゆっくり丁寧に膝診(膝窩横紋周辺の触診)と首診することにしました。下記がその結果です。

膝診
左:胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(0)、大脳(0)
右:胸椎(0)、大脳(0)

首診
左:心←置鍼しない

左胸椎の治療点は左眉にあります。そこに置鍼すると、一気に膝がゆるみました。するとCさん、目と鼻が痛く、涙が出て呼吸がしづらいと突然おっしゃいます。こういう時は、オデコにある目、鼻の治療点に置鍼をします。

「Cさん、どうですか?」

「・・・・目がスッキリしてきた・・・・酸素が多く入ってる・・・・」

もうこの時点で、足の痛みは関係ないように感じました。とにかく、繊細なCさんにはこれで十分です。置鍼したあとの様子をみると、みるみる内に調子が良くなるのが分かりました。そのため、首診で反応した心には置鍼をしませんでした。これで、終了。

あじさいの杜鍼灸院について

試し鍼

  https://youtu.be/FxGXyVNEUFs

6~7年前に腰椎椎間板ヘルニアと言われた30才代で自動車修理工の男性患者Aさん。腰痛で来院され、置鍼14本で痛みがなくなりました。その後、1週間後に再び来院。

「前回の治療から、いつまで保(も)ちましたか?」

「3日目に大型車を(修理)やった時、に無理して・・・調子がよくなると、つい無理してしまいます。今回は、バスケをして、股関節にも痛みがあります。」

合谷診(親指と人差し指の間の触診):左(左側から治療を始めます)

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:頸椎(1)、胸椎(1)、腰椎(1)、大脳(1)、小脳(1)

右:胸椎、腰椎←共に圧痛点消失

首診

左:腎(1)、胆(0)、三焦(1)、脾(0)

右:脾←圧痛点消失

上記7本の置鍼でほぼ腰痛はなくなりました。

「どこか、まだ痛いところあります?」

Aさんは、様々な動きをして仙骨あたりに手を当てました。

「そしたら、ここらあたり(左耳のウラ)に痛いところありますか?」

「・・・・・痛い!そこです!・・・・・(鍼刺入)、痛った!」

「ちょっと、我慢してくださいね・・・・・・これで、腰どうですか?」

「・・・・・いい感じです。」

もうこれだけでも、終了していいのですが、肩甲骨を緩(ゆる)めて腰がどうなるのかと、つい好奇心が出てしまい、オデコのヤンキーが剃り込むところ辺りの圧痛点に1本置鍼。

「これで、どうですか?」

「あっ、随分軽くなりました!」

肩甲骨と骨盤は対(つい)になっているので、より効果があるかもしれません。今後も、結果を出した後に、この様な試し鍼はしてみようと思います。

追伸:Aさんの股関節痛は、いつの間にか治っていました。

ajisainomori-amc.jp

上腕診と膝診併用

本日、11月27日(金)愛媛県のコロナ感染者14人。その多くが松山市在住の方のようです。
あじさいの杜鍼灸院は、完全予約制のため、待合室で次の患者さんが待つということはありません(そのため、待合室を治療室に変更してしまいました)。治療時間は、約60分で次の患者さんの予約時刻は前の患者さんから90分遅れで取っているため、30分の余裕があるのです。随分ゆっくりしていて、こんなのでいいのかな〜?って思ったこともあったのですが、このコロナ禍では、密を避けるための得策でした。

今後もこの余裕ある予約制を貫きます。また、本日からマスクだけでなく、フェイスシールドを再び使用しての治療に変更しました。この調子だと、今年の正月は、高齢の母親がいる実家(となりの東温市)に帰る事は、難しいようです。

さて、フェイスシールドをしながら高校の同級生Aさんの治療。2週間に1回のペースで来られています。

「今日は、腰と肩コリでお願いします。」

という事で早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)は、左右どちらも痛いそうです。
そのため、左右どちらから始めるか分かりません。膝診(膝窩横紋周辺の触診)をすると、左右共に痛みがないのに上腕診(肘窩横紋周辺の触診)をすると左頸椎診断点に圧痛があります。そこで、膝診から上腕診に変更。

上腕診
左:頸椎(1)、胸椎(1)、腰椎(2)、大脳(1)
右:胸椎(1)、腰椎(2)

首診
左:膀胱(1)、脾(0)、小腸(1)
右:肝←置鍼せず

「痛い❗️どしたん・・・・鍼、太いん使こうとるんじゃないん?」

「いいや・・・最近は、鍼1本1本に気を込めよるんよ・・・・効くじゃろう。」

「ふふっ・・・いかん、笑ろたら余計に痛なるけん。」

などとフェイスシールド越しの会話をボチボチ。
上腕診と膝診併用は、非常に効率的です。上腕診で圧痛点が見つからなくての膝診で見つかることも、その逆もあるため、幅が広がります。Aさんは上記10本の置鍼で終了となりました。

あじさいの杜鍼灸院について

操体法と鍼3本

右肩が上がらないと来院された80才代の女性患者Bさん、あれから10日ほど経ちました。

「先生、まだちょっと右肩に痛みが残ってるの・・・・」

「ううん・・・どうすると痛いですか?」

「・・・左はこんなに上がるのに・・・・右は、上げる途中でここ(三角筋前部繊維という肩の前面部)が痛くなります(左より可動域も小さい)。」

「そうしたら、今日は操体法でやっていきましょう。」

ということになり、ベッドの右端に仰向けで寝てもらいます。右肩の三角筋前部繊維と対応するのは、右大腿部の大腿筋膜腸筋だと思っているので、この筋肉狙いで操体法を行います。Bさんの右脚をベッドの外に出してもらい、つま先を内側にし私が軽く両手で固定します。Bさんには、つま先を外側に移動しながら右脚を外側に開く様な動きをしてもらいます。この動きで大腿筋膜張筋に圧力がかかります。

「先生、気持ちいい・・・効いてる感じ・・・・・」

この操法を終えて、Bさんに右腕を上げてもらうと、痛みが少なくなっていましたが、まだ痛みが残っています。今度は、大腿筋膜張筋の圧痛点に軽く指先を置く操法。5分ほど続けて、

「Bさん、右腕上げてみてください。」

「・・・・・いいみたい、もうちょっとだけ・・・・」

そこで、鍼治療にチェンジ。オデコに2本(B点、C点)耳上に1本(Iソマトトープ)。

「・・・・痛くない。先生、いいみたい。」

可動域も左腕と同じになりました。操体法との併用は効果的です。

 

鍼を刺す姿勢

「私の右脚には10人の脚が、束(たば)ねてあるんです。」

と、痛い右膝のことを表現していた70才代の女性患者Cさん。最近では、1本脚になっていますが、施術後2日ほどで元に戻っていました。ところが今朝、初めて自分の右脚で立っている感覚になったそうです。

「先生、今日が今まで一番いいです。」

この言葉をいただくのに初診から10ヶ月かかりました。週に一回通っていただき、改めて「継続は力なり」と感じたのです。ただ、右膝がまだしっかりと伸び切ることはないそうです。

足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):右

普段は、左に反応することが多いのですが、今回は右足が反応しました。やはり、何かが変化しているのだと思います。

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:頸椎(1)、胸椎(0)、脳幹(0)

右:胸椎(1)、腰椎(1)

膝診の良いところは、膝窩横紋(膝ウラの横紋)の圧痛点の個所で胸椎(1番~12番)のどこが悪いか、ピンポイントで分かることです。ピンポイントで分かると治療点である眉の上の位置がハッキリ分かります。(  )内の数字は圧痛点が無くなった時の置鍼数。(0)は、他の置鍼の影響で圧痛点が消えたことを意味します。

首診:

Cさんが初診の頃は、私が指を首に近づけるだけで、Cさんは異常に反応してほぼ全てに激しい痛みを感じていました。その頃に比べると首の反応は1/4程度になってきました。徐々にですが良くなっています。

左:腎(1)、膀胱(1)、肝(1)、胆(1)、心(2)

右:なし

基礎治療と内臓調整を行った後、右膝治療となります。膝はG点という側頭部にあり、4本置鍼し終了となりました。鍼を刺す体勢が非常に大切であると、最近意識するようになりました。丹田を意識して指で押すのではなく、微妙な体重移動で鍼を刺す・・・です。(気づくのが遅い・・・)

右腕が上がらない(その2)

3日前に「右腕が上がらないんです。」と来院され、12本の置鍼で右腕があがるようになった80才代の女性患者Bさん。

「Bさん、右腕上がりますか?」

「ええとね〜・・・上がることは上がるんですけど・・・・下す時、あ痛ったた・・・・」

「あ・・・そうか、そしたら今日は、操体法をしましょう。」

と、トンスケ(骸骨モデル)の肩甲骨と骨盤を指さして、

「Bさん、肩甲骨と骨盤って似てるでしょう?Bさんは右の肩甲骨あたりが痛いんだから、右の骨盤にも痛いところがあると思いますよ・・・ここ(骨盤)がゆるむとここ(肩甲骨)がゆるむ事が多いんですよ。」

早速、ベッドで仰向けになってもらい腰の圧痛点を探して、陶石をベッドに置きゆっくり腰を下ろしてもらいます。

「Bさん、痛すぎたらやめてくださいね・・・・どうですか?」

「効いてる感じ・・・・気持ちいい。」

こんな会話を続けながら、Bさんに右腕を下げる時の痛みを聞いて、その個所から下肢で対応する個所を推測し陶石の位置を決めます。ここで、少し専門的になるのですが、上肢と下肢の対応する筋肉を私の勝手な解釈で列挙してみます。

三角筋前部繊維⇆大腿筋膜張筋 三角筋中央部繊維⇆中臀筋 三角筋後部繊維⇆大臀筋

棘上筋⇆小臀筋 棘下筋⇆梨状筋 小円筋⇆双子筋 大円筋⇆大腿方形筋

最後の2つは「こじつけ」っぽいですが、棘下筋⇆梨状筋は何となく合っているような気がします。Bさんはいつのまにか、良くなっていました。

「先生、これだったらゴルフボールで出来ますね。」

「そう出来ますよ・・・・やってみてください。」

これからは、Bさんにも操体法の指導をしていくつもりです。

膝痛が鍼2本で治った

70才代の女性患者Bさんが、籐の丸イスに座るや否や、

「先生、急に左膝が痛なった!」

痛そうに左膝をさすりながら、おっしゃいます。日課となっているグランドゴルフが出来ないとお友達に迷惑をかけるので、心配そうです。

上腕診の代わりに膝診で頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳、小脳の状態を診断しているので、膝の状態がよく分かります。早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):左(左側から始めます)。

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(0)、大脳(1)、小脳(0)

右:なし

Bさんの左膝窩(膝ウラ)は、どこを触っても痛くて張っています。そのなかでも最も痛い内側圧痛点を触って、Bさんの左眉の治療点に1本置鍼。

「痛い!先生、ものすごく痛い!」

「・・・・・(これは、効いたと思いながら、Bさんの左膝ウラを触れる)・・・あれ?」

「先生、どしたん・・・・(膝ウラが)痛ない・・・柔らかい!」

「どしたん・・・・(膝ウラの)どこ触っても柔らかい・・・Bさん、ここ(ふくらはぎ外側)は?」

「痛いです。」

「そしたら、もう一本刺そわい・・・・(耳前の圧痛点)・・・これで、どうですか?どうすると膝は痛なります?」

「歩くと痛いんです。」

「そしたら、歩いてみてください・・・・どうですか?」

「・・・・・あれ?痛ない!・・・・怖(こわ)・・・どしたんたった2本で!」

2人で顔を見合わせて驚いてしまいました。本来上腕診(肘窩横紋周辺の触診)で頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳、小脳の状態を診断して、頭部に置鍼して、肘内側をゆるめるのですが、山元式新頭鍼療法(YNSA)では肘=膝という原則があります。今回はこの原則にピッタリはまったようです。

後は、大脳の治療点と、首診で内臓の状態を診て、側頭部の治療点に5本置鍼して終了。

「先生、最初の2本の痛さと、他の鍼の痛さが全然違う。やっぱり痛いほど効くんじゃね。」

「ほうじゃね~」

と、同感したのでありました。

ギックリ腰治療から5日目

4日前に、ギックリ腰で来院されたの40才代の女性患者Cさん、長時間イスに座っていると、まだ腰に痛みが出てくるそうです。そこで、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)、膝診(膝窩横紋周辺の触診)、首診(内臓の状態診断)を行ったあと、操体法をすることにしました。

ベッドで仰向けになって、両膝を立ててもらいます。左右にゆっくり倒して、どちらが楽に倒せるか?このカラダの聞き分けが重要です。そして、楽でない方にもう一度倒し、私がその体勢を両手で保持したまま、Cさんにはゆっくりと楽な方に動いてもらいます(実際には、私が保持しているため、Cさんに大きな動きはありません)。これを2回繰り返して、左右の両膝倒しがスムーズになってきました。

しかし、骨盤の左上に痛みが残ります。そこで、陶石を左肩甲骨の下にある圧痛点に置き、Cさんは仰向けのまま、ゆっくり微妙な動きをしてもらいました。4〜5分経過で充分でした。これでかなり腰痛が軽減。次に肩甲骨の圧痛点に私の右中指を置くだけの操法を7〜8分して、鍼治療となりました。

足の合谷診:右(右側から始めます)

膝診
左:胸椎(0)、腰椎(1)、脳幹(0)、大脳(0)
右:胸椎(2)、腰椎(0)

膝窩あたりの圧痛が頭に置鍼することで、なくなります。( )内の数は圧痛が無くなった時の置鍼数。(0)は、他の置鍼により圧痛がなくなった事を意味してます。この時点で、Cさんの腰痛はなくなりましたが、首診で内臓の状態を知り、頭に置鍼をして内臓を整えます。

首診
左:腎(0)、膀胱(1)、大腸(0)、小腸(0)
右:肝(0)、胆(1)、心(0)

左右それぞれ1本ずつの置鍼で終了。

操体法を組み合わせての治療は、効果的。鍼の本数が少なくなるような気がします。

右腕が上がらない

「先生、朝起きたら、右肩が上がらないんです・・・・今日、(治療の)時間空いてます?」

「午後の3時、空いてますよ。」

ということで、来院されたのは80才代の女性患者Bさん。毎週通院されているBさん、いつもは明るい笑顔で来られるのですが、今回は元気がありません。

「先生、これだけしか上がらないんです・・・・ここ(上腕)が痛くて・・・」

右腕が角度にして10°位しか上がりません。そこで早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)から始めます。

足の合谷診:右(右側から始めます)

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:頸椎、胸椎←チェック、治療せず

右:腰椎(1)、大脳(1)、小脳(1)

右耳の前側圧痛点に1本、オデコ中央部生え際に2本置鍼。

(  )内は、診断点の圧痛が無くなった時の置鍼の数を示しています。

「これで、右腕はどれだけ上がりますか?」

「・・・・・これくらい(50°位) ・・・ここ(上腕)が痛い。」

少し改善されましたが、本人は全く治っていないと思っているはずです。次に、右側頭部のIソマトトープ(小さな人型の投影)の上腕に対応する点に2本置鍼。

「今度は、どうですか?」

「・・・・上がり・・ます。でも痛い。」

右腕は、120°くらい上がることが出来ました。次にC点(ヤンキーがすりこみを入れる付近)に置鍼3本。

「先生、1日では無理でしょう?」

「いいや、そんなことないよ・・・・即効性あるよ・・・今度はどうですか?」

「・・・・・あっあ、腕は上がる。けど、下げる時、痛い。」

普通に痛みなく上がりますが、下す時、途中で痛み肩から上腕にかけて痛みが走るようです。そこで、Jソマトトープ、Kソマトトープの右上腕に当たる点に2本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・・・上げるのは大丈夫・・・下げるのは・・大丈夫!」

「今日は、これでいいでしょう・・・多分、また少し元に戻ると思いますけど・・・徐々に良くなるでしょう・・・・今度来るのは、火曜日(3日後)・・・丁度、いい感じですね。」

Bさんの次回経過報告が楽しみです。

操体法と山元式新頭鍼療法

先週、操体法のみで右股関節の痛みをとった私と同い年の女性患者Aさん。今回は、左の骨盤に痛みがあります。2〜3日前からギックリ腰のようになったので、当院に電話をしようと思ったそうです。しかし、思いとどまり、ゴルフボールを左の肩甲骨に当て、操体法を行ってみたところ、徐々に回復したそうです。Aさんは、前回の治療から学ばれたました。ところが、まだ左の骨盤には痛みが残っています。

「Aさん、ここが痛いんじゃろ・・・そしたら、肩甲骨のここ(トンスケという骸骨モデルを指指す)が、引っ張りやいこしとるけん・・・ここ(Aさんの左肩甲骨上部)、痛ない?」

「痛い!」

「そうじゃろ・・・今日も、操体法で骨盤の痛みを取ってみようか!」

ということになり、ああでもない、こうでもないと様々なポジションを作っていき、やっと最適のポジションでAさんの「仰向け右膝立て、左肩による肩甲骨上部の陶石押し込み操法」が見つかりました。

「先生、これは効いとらい・・・」

「Aさん、ゆっくりゆっくり微妙に動くだけでええけんな・・・・いそがんように。」

などと喋りながら5〜6分経ちました。ゆっくり起きてもらい、左の骨盤の状態をチェック。

「・・・・・先生、痛ない・・・・色々動いても・・・痛ない。」

後は、いつものように足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)、膝診(膝窩横紋周辺の触診)、首診を行います。すると、足の合谷診では右足が反応しました(右側血流が悪い)。いつもは、左側が反応するのですが、やはり、左側の血流が良くなっているようです。ところが、首診をすると、全て左側が反応しました。下記の通りです。

膝診
左:頸椎、腰椎、大脳←治療チェックせず
右:胸椎(2)、大脳(1)、小脳(0)

首診
左:腎(1)、膀胱(0)、肝(0)、心(0)、大腸(0)、三焦(消化器系)(0)、胃(1)、脾(0)、小腸(0)
右:なし

( )内の数字は、診断点の圧痛が治療点に置鍼をすることで、無くなったときの鍼の数を表します。
(0)は、他の治療点への置鍼の影響で圧痛が無くなったことを示します。操体法で左肩甲骨を刺激したかめか、2本の置鍼で9カ所の圧痛が無くなりました。
その後、Aさんにはフォークソングを聴きながらゆっくりしてもらいます。突然、

「ゴホン、ゴホン・・・・・先生、咳するとやっぱり、ここ(左側骨盤)に響かい。」

「響くん・・・・そしたら・・・」

と、左中指を頭頂部、右中指をAさんの肩甲骨圧痛点に軽く置き、7〜8分。

「ゴホン、ゴホン・・・・・あれ?先生、咳しても、ここ(左側骨盤)に響かん。」

中指を置くだけの操法、効きます。