眉ツバ

週に1回通院されている80才代女性患者Aさんと、ワイワイ楽しく治療をしていると、

「ガラガラガラガラ(玄関の引き戸)・・・予約してないんじゃけど・・・行けますか?」

「・・・・・・・・・・えっと、・・・(パニックの私)・・・夜だと、大丈夫・・・・あっ・・あと30分待っていただければ・・・Aさん、ちょっと一緒になるけど、大丈夫?」

「先生、大丈夫、大丈夫❣️」

という事で、Aさんの治療を見ながら、待合室(待合室が治療室なのです)に居てもらうことに。

Aさんの右膝痛をある個所にパイオネックス(円皮鍼)を貼って、

「どうですか・・・歩いてみて下さい。」

「・・・・あらっ、先生いい!痛くない!」

と、このシーンに、待合室の男性患者(60才代)・・・『これは、眉ツバ❗️』という顔・・・を感じながらも、Aさんに、奥のベッドで寝ていただきます。

突然の男性患者Cさんは、農業家の方で最近、重いものを持ち上げたところ、胸椎を痛めてしまいました。少し前屈するだけで痛みが走るそうです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)左:左側から治療始めます

進化系合谷診(腰椎、胸椎、頸椎、大脳、脳幹、小脳の状態を圧痛点の有無で診断します)

左:胸椎

右:なし

Cさんは、痛めている胸椎だけに圧痛点がありました。非常にストレートな反応です。そこで、左胸椎の治療点であるE点(眉毛の上)に置鍼をします。

Cさんの表情を見ると、「絶対に治ってやるもんか・・・こんなところ(眉毛の上)の鍼で!」

という、決意を感じました。

「どうですか?」

「・・・・・・・・別に・・・」

そこで、置鍼をしたところの2mmくらい外の圧痛点に置鍼。

「どうですか?」

「・・・・・・・なんか、ゆるんだ気もする。」

今度は、右の眉毛の上に置鍼。

「どうですか?」

「・・・・・あれっ、ゆるんで来た・・・・はっきり分かる。」

もうこうなったら大丈夫です。結局合計5本の置鍼で治療終了。

「あれだけ、前屈できんかったのに、今は痛無い・・・最初は、眉ツバじゃと思っとったんじゃが・・・これって、いつまでもつもんなん?」

「それは、人によるのでハッキリと言えません。」

その後は、世間話をして終了となりました。Cさん、いつでもお待ちしています。

書道家の続報

篆刻を、集中して制作している60才代の男性書道家Cさんの続報です。

「あんた、今日は足ウラに鍼してや・・・あれは、痛いけど効くけん、我慢しょうわい。」

来院されて、早々にCさんのご要望がありました。ということは、昨日の治療が不十分だったのかもしれません。

「あんた、昨日(きのう)はの・・・帰って、シャワーしてすぐ7時に、寝てのう、2時起き。そしての、2時半から4時まで篆刻よ❗️それで、また肩が凝ってしもたげ~・・・ほじゃけん、頼むわ❗️」

どうやら肩こり再発は、篆刻のようです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左側から治療を始めます)

進化系合谷診(腰椎、胸椎、頸椎、大脳、脳幹、小脳の状態を圧痛点の有無で診断します)

左: 頸椎(1)、胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)

右:胸椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)

(  )内は、圧痛点が無くなった時の置鍼数。

首診

左:腎(1)、膀胱(1)、胆(1)、心包(1)、心(0)、大腸(1)、三焦(1)、脾(1)

右:腎(1)、膀胱(1)、心(0)、大腸(1)、三焦(1)、胃(0)、小腸(1)、肺(1)

(  )内は、圧痛点が無くなった時の置鍼数。

「鍼は、即効性が凄いのう・・・・これを、山元先生が作ったん?」

「そうですよ・・・本当に凄いすよ・・天才です・・・というか、神に近いお方です。」

「・・・もう、足ウラに鍼はいらんのう。」

「いらんですね。」

という事で治療はCさんの言われた通り終了となりました。置鍼をしたままベッドでゆっくりしていただきます。

「今何時?」

「9時40分です。」

「そしたら、もうええわ・・・鍼取ってや。」

という事で、終了。患者さん主導の治療は楽しいです❣️

どうもすみません

愛媛県にも、新型コロナヴィールスの感染患者が出る事態発生。しかも、感染患者の女性は、私が京都出張治療で利用するJR高速バスで移動されていました。高速バスの車内は密閉された空間。トイレ利用などで揺れる車内を移動する時、多くの人は同じ場所をつかんで歩きます。本当に感染しやすい空間です。もし、私が感染した手で、患者さんの治療をしたら・・・・

そのため、毎回楽しみにしている京都出張治療を、残念ながら中止せざるを得なくなりました。京都で予約された皆様、誠に申し訳ございませんでした。4月には青い軽トラで、チンタラチンタラ京都を目指すつもりです。よろしくお願いいたします。

コロナヴィールスで、イベントが軒並み中止となっています。その中で、何とか実施に・・・と思っている方もいます。そんな悩みをお持ちの60才代男性患者Bさんが来院されました。1週間に1度のペースで通院されていますが、先週と本日の診断で、ストレスが如実に現れているのに驚きました。

現在、上腕診の代わりに、合谷診(人差し指と親指の間の触診)の進化系という方法で、腰椎、胸椎、頸椎、大脳、脳幹、小脳の状態を診断します。私にとっては、上腕診よりも正確にできる様に思います。最近2回の診断では、大脳、脳幹、小脳

に対応する個所に、顕著な圧痛点がありました。これは明かにストレスによるものだと思います。なぜなら、それ以前の診断では、大脳、脳幹、小脳はあまり圧痛点がないからです。

その治療点は、正中線と生え際が交わる付近です。本日の刺鍼では、そのオデコの上の方がとても硬くて、なかなか鍼が入ってくれませでした・・・・カラダって、本当に正直に出来ているんですね~・・・かつて、超有名落語家の林家三平師匠が、「どうも、すみません!」と言って、右手指先をオデコに軽く触れるポーズで、一世を風靡(ふうび)しました・・・お若い方々・・・ゴメンなさい・・・・丁度あの場所が、治療点です。

林家三平師匠も、ストレスが多くあんなポーズになったのかも・・・?

聞く

2年前から通院され、現在は1ヶ月に1度の来院で、体調管理をされている50才代の女性患者Aさん。花粉症と食事後の胃が重いのが気になります。Aさんには、山元式新頭鍼療法(YNSA)の鍼が良く効きます。1ヶ月に1度の来院ですから、私の治療法が前回とは違っています。何と前回は29本も置鍼していましたが、今回は20本(まだ、まだ多いです・・・)。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):右(右側から治療します)

左:頸椎(1)、胸椎(0)、腰椎(0)

右:脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)

進化系合谷診(上腕診と同じ頸椎~小脳までの診断が可能)

左:腎(1)、膀胱(1)、肝(1)、胆(1)、心包(1)、心(0)

右:大腸(1)、三焦(1)、脾(1)、小腸(1)、肺(0)

(  )内は診断点の圧痛点が無くなる置鍼数。

上記の置鍼ごとに様々な反応があるAさん、くしゃみを始めました。そこで、脳神経の9番(舌咽神経と肺に繋がっています)に対応する頭頂部の治療点に2本置鍼。

「先生、鼻水が止まりました。」

続いて、オデコの感覚点(目、鼻)に4本置鍼。

「息が、しやすくなっています。」

これで、十分です。後は、ベッドでゆっくりしていただくだけです。普段はこのまま眠っておられるのですが、何故だか今回は、会話が弾みます。

「子供を産んでから、体質が変って花粉症になってしまいました・・・花粉症の鼻水は、風邪と違って水っぽい鼻水で、それが溜まってくるんです。」

「今は右の頭がグワングワン響いて効いています。」

20分後、

「右の方が治ってくると・・・今後は、左の方が効いています。」

しばらくして、

「今、落ち着きました。」

このタイミングで治療終了となりました。ベッドの横で患者さんの状態を聞いていくことの大切さを感じました。

何とかしてや

「これで、様子を見ててください。」

と、患者さんをお送りしている時に、突然、

「ガラガラガラガラ・・・・」

と、不機嫌そうな60才代男性患者Cさんが、パジャマ姿で玄関の前に仁王立ち。これから帰られる患者さんが、一瞬凍りついてしまいました。

「・・・・??・あっ・・お大事にしてください・・・」

と、患者さんの入れ替えが、何とか完了。

「あらら、今日はパジャマ姿で・・・・」

「もう・・・・着替えるんも、しんどうてやれんのよ・・そのままで来た。もう、肩パンパンで頭の天辺(てっぺん)が痛うて痛うて・・・もうどうしようもないんよ、何とかしてや❗️」

「Cさんは、限界ギリギリまでガマンして、ふらふらになってやっと来るんじゃもん・・・もうちょっと、早めに来てくれたらええのに・・・」

「それは、分かっとるんじゃが、あんた、ワシャ忙しゅうて・・来とうても時間がないんよ。」

Cさんは書道家で、篆刻(てんこく=石を刻んだハンコ)の作業を毎日、集中して行なっています。そのため右手がパンパン。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)右:右側から治療を始めます。

進化系合谷診(頸椎~小脳の診断点)

左:胸椎(2)、腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(0)、小脳(1)

右:胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)

首診

左:心(1)、大腸(1)、三焦(1)、胃(1)、脾(1)、小腸(1)

右:腎(1)、膀胱(1)、肝(1)、胆(1)、心包(0)、心((1)、大腸(1)、三焦(1)、胃(1)、脾(1)、小腸(1)

(  )内は、置鍼の数。

それぞれの診断点に対応する治療点があり、置鍼をすると診断点の圧痛が無くなります。

Cさんの場合、首がパンパンで、ほとんどの部位で反応がありました。それを、側頭部の治療点に置鍼する事で、徐々に首がゆるみ、頭頂部痛、肩こりが無くなりました。

改めて、山元式新頭鍼療法(YNSA)の素晴らしさを感じる治療でした。あれだけ悲鳴を上げていたCさんのカラダが、1本の鍼で徐々に緩んで来るのを、Cさんも私も実感できます。これは鍼を通しての素晴らしいコミュニケーションなのです。私が40年前から目指しているのが「触覚アート」私は患者さんの訴えを聞き、圧痛点を指針として患者さんの訴えを解決する。これはアートです。

「明日も来るけん、明日は、足ウラに鍼打ってや・・・あれは、効くけん。」

私が勝手に打っているツボですが、明日はやってみましょう(やらなくてもいいかも)❗️

鍼1本の力

「ここしばらくは、ず~っと調子よかったんよ・・・けど、2~3日前から、ここ(大胸筋と肩関節の間)が痛なってきて・・・・それから、左の脇が運転しよって、攣(つ)りそうになってなあ、車を路肩に止めて、休まんといかんかったんよ。」

「それは、大変じゃったな・・・・」

20日ぶりに来院の50才代の男性患者Aさんは、トレーラーの運転で朝早く起床し、夕方遅くまでの仕事をされています。頸椎症と診断され、首と肩のコリ、五十肩などがあり、通院当時は、右肩が上がらず、大好きな祭りで、神輿(みこし)がかけず、交通整理係に回されてしまいました(私の力不足❗️)。

その後、山元式新頭鍼療法(YNSA)の中級セミナー2、上級セミナー1と進むにつれて、技術も向上していき、Aさんの肩もスムーズに上がるようになって行きました。今回は、上級セミナー2を終了した後で、技術の修正ができました。鍼1本1本の力が変わって来ています。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左側から治療を始めます)

合谷診の進化系(上腕診と同じ腰痛~小脳の診断ができます)

左:腰椎(3)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)、

右:大脳(1)

(  )内は置鍼の数。左腰椎以外は、治療点と診断点を爪の押圧でしっかり確認出来置鍼したため、1本の置鍼で圧痛点は無くなりました。これで、基礎治療が終わり自律神経が整いました。次に応用治療として、Aさんの大胸筋と肩関節の間の痛みを取ります。

基礎治療では、胸椎の治療点に置鍼しませんでしたが、Aさんは左脇が攣(つ)ったのですから、左胸椎の治療が必要です。そこで、左眉の1cm上の圧痛点(これがE点)に、2本置鍼。

「何か・・・気持ちのせいかもしれんけど、効いとるような気がする。」

生え際と正中線が交差する点から生え際に沿って2cmの所にB点があります。今度は左B点に1本置鍼。そして、B点から2.5cm外側のC点に1本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・右肩の方が、重なってきた。」

そこで、右B点、C点に1本ずつ置鍼。

「今のが・・・今日一番効いた‼️・・・・こりゃ~ええわい・・・1本打つごとに、(カラダが)違ってくるのが分からい。」

「それは良かった・・・そしたら、ベッドでゆっくり寝ていただきますね〜」

「これが、また気持ちええんよ・・・鍼が効いてくるんよ・・」

30分懐かしいフォークソングを聴きながら休んでもらいます。鍼を抜き玄関口で、

「これで、しばらく来いでええような気がすらい・・・」

「それは何よりじゃわい!・・・いつでも連絡してくださいさいや!」

「また、よろしくお願いします。」

あああ~、いい仕事が出来た❣️

カンニングペーパー

 

60才代の女性患者Bさんは、O脚を矯正するため、1年4か月前に、左脚(脛骨)内側にクサビを入れ、金具とボルトを6本で固定。1年後に金具とボルトを取り出す手術をし、月に2回の来院をしています。私と同い年で、生年月日も近いので、ほぼお友達感覚です。

「先生、今日はじいちゃんとばあちゃんが・・・・どうたら、こうたら・・・6か月の犬に生理が来て、不妊手術・・・・」

話を聞いているだけで、楽しくなってきます。Bさんの場合、手術をした左膝には違和感を感じていますが、痛みはありません。どちらかというと、左膝をかばうため、右股関節に負荷がかかり階段の上り時、右脚に力が入りません。また、仕事で同じ姿勢で座っているため、前屈すると腰痛を感じます。

「Bさんの腰痛は、慢性的じゃから今日は、オデコじゃのうて、後頭部の方に鍼を刺してみようわい。」

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左から治療を始めます)

進化系合谷診(上腕診と同じく頸椎~小脳の診断点となります)

左:頸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(1)、

右:小脳(0)

右小脳が0とあるのは、左側に置鍼したことで、右小脳に対応する診断点の圧痛が無くなったことを意味します。さて、ここまでは上手く行きましたが、陽のY点(イプシロンともいう、治療点です)の位置をしっかり覚えていません。

「あのね・・・ちょっと、参考書見てええ?・・・まだ覚えてないのよ。」

「先生、カンニングペーパーじゃね~、どうぞ、どうぞ。」

「スミマセン💦」

首診:左腎(2)、大腸(1)、三焦(0)、胃(1)

:右なし

「これで、腰の状態どうですか?」

「・・・・あっ軽なった・・・前に倒して・・・・ちょっと真ん中に芯がある程度じゃね・・・」

「階段上りは?」

「・・・・まだ、右の股関節あたりに力が入りにくい・・」

この状態で、30分うつ伏せで休んでいただきます。

「は~い・・・そろそろ、鍼を抜きましょか・・・・どうですか?・・・・階段上り?」

「・・・・あれっ?先生・・・楽になっとらい・・・効くんじゃね~」

30分間の置鍼は、効果があったようです❣️

陽の鍼(はり)

3年間偏頭痛に悩んでるいる40才代の女性患者Cさんの続報

「今日は、午後から頭が痛くて、痛くて・・・・そやけど、それまでは、保(も)ちました。」

「えっ!・・2週間も保(も)ったの⁉️」

1週間前には、広島までスーパージェットという高速船に乗って出張にも行けたそうです。今朝起きた時は、すっきりしていたのですが、午後2時ころから、偏頭痛が始まり痛さのあまり、髪の毛をかき乱していたそうです。Cさんの偏頭痛は左アゴから左後頭部、左首までに片寄っています。

「今回は、今までと違うやり方をしてみましょう・・・人が四つんばいになって陽(ひ)が当たるところが陽。今までは、当たらない陰の方に鍼を刺してたんじゃけど、Cさんの頭痛は慢性的じゃから陽の方がええかもしれん。」

大切な脳を守っている頭蓋骨には、縫合というチャックのようなギザギザした繋(つな)ぎ目があります。骨模型(とんすけ君)の縫合をマジマジと見ていると・・・これは、きっと大事なツボがあるに違いない❗️・・・と、思ってしまいます。後頭部にあるアーチ状のラムダ縫合が、前頭部の生え際に対応します。ですから、後頭部をオデコに置き換えて刺すだけ、簡単です。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):右(右側から治療していきます)

合谷診の進化系(合谷診と同じ個所の約3cmに頸椎~小脳までの診断点があり、圧痛点を探る)

(上腕診の代用)

左:頸椎(4)、脳幹(1)、小脳(0)

右:胸椎(0)、腰椎)1)、小脳(1)

(  )内の数字は置鍼数・・・左の頸椎は、やはり多くなりました。

上記の置鍼で痛みの範囲は狭くなりましたが、左ノドと左アゴに痛みが残ります。

「先生、右の肩を思い切りつかむと・・・こうやって・・・左の痛みがスーッと無くなるんです。」

Cさんが、大変いいアイデアをくれました。3年以上も頭痛と付き合っているCさんは、偏頭痛のプロ。どんどん教えてもらいましょう。右の肩は大腸診断点、Cさんは便秘気味なので、やはり反応があるのです。よく調べてみると、胃、脾(ひ)にも圧痛点があります。対応する治療点に1本ずつ3本置鍼。

「先生、痛みが減った・・・けど、左の肩がしんどい。」

同じように、左の大腸、胃、脾にそれぞれ1本、合計3本置鍼。それでも、まだノドに痛みが残ります。そこで、前回と同様に、脳神経9番(舌咽神経)ねらいで置鍼2本。

「完全じゃあないけど、良くなりました。」

今回は、これでうつ伏せになり、15分ほど休んで治療終了。陰だけでなく、陽の置鍼も患者さんに合わせてしていこうと思います。

2週間

「先生、調子がええんです(良いです)。そやし、今週は治療休んでみようと思うんですけど・・・」

3年前から偏頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんからの連絡がありました。

「すごいね~~、良かったね❗️行けるとこまで、ガンバってみて。途中しんどなったら、いつでも連絡ください。」

と、言い残して・・・まだ、連絡がありません。もう2週間たち、明日来院となります。どうやら、前回の治療が効いたようです。そこで、前回の症例を引用します。

(引用文)

そこで、今回はいつもと違う治療を考えました。合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)はしますが、頭の正中線(生え際から頭頂部)から1cm左右の平行線上の12脳神経の治療点に置鍼する事にしました。

12脳神経というのは、脳から直接出ている神経のことで、1番は、嗅神経。2番は視神経・・・・などあり、12番は、舌下神経、このようになっています。その中で9番の舌咽神経に対応する頭頂部に置鍼すると、

「口の中の舌が当たる上の方と、ノドが楽になってきた。」

「それで、今どこに痛みが残っとるん?」

「左の鼻と、アゴ・・・くらいかな?」

『これは、胃経(胃のツボの流れ)じゃ❗️』と思いました。大雑把にツボの流れをいうと、12ありまして、お腹から手先。あるいは、手先からお腹の流れが6本。頭から足先、あるいは、足先から頭までの流れが6本。この中で、胃に関する流れは、頭から足先になるのです。その流れがCさんの痛みの個所を流れているのです。胃の大切なツボは、膝から下にあります。その大切なツボを刺激するとCさんの顔の痛みが、取れるかもしれません。

そこで、足の甲にお灸を沢山すえます(壮数を数えられませんでしたが、30壮以上していました)。

これで、顔の痛みの範囲が狭ばりましたが、まだ鼻の左とアゴに痛みが残ります。そこで、お灸をあきらめ、鍼を刺す事にしました、まず足三里。

「何か、す~と楽になります。」

(引用文終了)

前回は、脳神経に置鍼をし、顔面の痛みが胃経(胃のツボの流れ)だと気付き、膝から下の治療点にお灸と鍼治療をしたのが、効いたようです。明日、Cさんが2週間をどのように過ごしたのか、聞くのが楽しみです。

C点凄い

昨日の山元式新頭鍼療法(YNSA)上級コース2に参加して、YNSAだけで治療している先生方がそんなに多くないのに驚きました。その理由は、察しがつきます・・・長年、それぞれの流派の優れたところを、もうすでに体得されているからです。誰だって、そんな良いものをおいそれと捨てたくは、無いです。

私の場合は、2001年から操体法という民間療法を学んでいましたが、鍼灸師の国家資格を取ったのは、7年前。その後どこの流派に所属することなく、操6C点体法と鍼灸を融合した治療法を探っていたのです。そんなフーテンの寅さん状態の時、YNSAに出会い鍼灸はこれで行くと決心がつきました。私の場合は、捨てるものが無かったのです。

いずれ、操体法や造形行為と融合する治療法が出来ればいいと思っていますが、YNSAの奥のふかさにハマってしまい、今はそれどころではありません・・・で、本日の患者さんは、60才代の女性Aさんです。

Aさんは、1か月ぶりの来院。左肩甲骨の下が痛くて仕方がないのです。そこで、合谷診と上腕診。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左・・・左側から治療していきます。

上腕診:左頸椎(1)、胸椎(2)、腰椎(1)

:右脳幹(1)、小脳(1)

(  )内の数字は、圧痛がなくなる置鍼数。これで基礎治療ができ、自律神経が整ってきました。これから、主訴の「左肩甲骨の下痛」対応となります。ヒタイの生え際に沿ったラインにA点、B点、C点とあるのですが、肩治療には、B点あるいはC点が有効です。今回は、C点に3本置鍼。

「Aさん、肩甲骨どうですか・・・・」

「・・・・何か、軽くなった感じ・・・・高くあがる(腕を後ろに回し肩甲骨の上方へ)。」

「えっ・・・本当ですね・・効きましたね。」

「ふふふ・・・右の方が上がらない・・・」

確かに、痛かった左腕の方が楽々と肩甲骨の上に上がっていました。そこで、右のヒタイのC点に1本置鍼。

「ふふふ・・・上がった」

Aさんの後ろに回って手の位置を見ると、同じ様にしっかり上がっていました。C点恐るべし❣️