山元敏勝先生の著書

 

改めて山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」を読み直しています。山元先生が一番おっしゃりたい事は、「体は、自分で自分を治療する力を持っている」という真実だと思います。その一説を記載します

『人間の体は、つねに「元気にしよう、もっと元気にしよう」という方向に向かって、さまざまな機能を働かせています。

針の効果をご説明したときに、人間の体は、モルヒネと同じ働きをして痛みを止める「エンドルフィン」と言う物質を作り出せることをお話ししました。

この他にも人間の体は、心筋梗塞や狭心症の治療に用いられる「ニトログリセリン」と同じ働きをするEDRFと言う物質を作り出すこともわかっています。

最近では、痛みを軽減させたり、精神を安定させたりする「オキシトシン」というホルモンが、体をなでるだけで分泌されることもわかってきました。私たちの体は、体にトラブルが起きると、それを治療する物質が分泌されるようにできているのです。「医学の父」と言われる古代ギリシャのヒポクラテスは、「人間はだれでも体の中に百人の名医を持っている」と述べています。体が持つ、自分で自分を治療し治す力、つまり「自己治癒力」は驚くべき力を備えていて、痛みであっても、体の不調であっても、うつ病やパーキンソン病の症状であっても、そして麻痺であっても、改善させる力を備え持っています。

YNSAの針の役割は、その力を引き出すに過ぎません。症状を改善させているのは自分の体自身なのです。』

この本のタイトルに「あきらめなければ」とあるのは、難病を治し続けておられる山元先生だから感じられる、生命力に対する畏敬の念と患者さんへの愛情、励ましのように思います。この本は何度も読み返す必要があるようです。

これでいいのだ!

70才代の男性患者Aさんは、息苦しさから「死」さえも感じたのですが、通院されて2ヶ月近くになり、徐々に良くなっています。週に2回のペースで通院され、昨日の朝は、目覚めると全く息苦しさがなく、奥さんに

「ワシ、治ったんじゃろか・・・・全然苦しくない。」

と言ったほどの気持ち良さを感じたそうです。ところが、その日に病院(定期検診)に行き出された新薬があまり合わない気がするそうです。私は医師でないので、薬に関して知識がありません。何一つアドバイスをする事はできません。しかし、患者さんが飲んでいる薬が、どのような作用を及ぼすのかを知っておく必要はあります。そこで、Aさんに薬の説明書を持って来ていただきました。友人の薬剤師に見てもらい、少しずつ勉強していこうと思います。治療が終わり、帰り支度(じたく)をしているAさんが、

「先生、お灸はしないんですですか?」

「いいや、やりますよ。」

「以前にも言いましたけど、私が40才くらいのころ、肺気腫になってお灸で治したんです。肩甲骨と肩甲骨の間の1ヶ所にお灸をしただけなんですが・・・」

「・・・肺兪(はいゆ)かな?・・・・」

どうやらAさん私にお灸をしてもらいたいようです。今回は、肺兪(はいゆ)と思(おぼ)しき個所にパイオネックス(円皮鍼)を貼って済ませたのですが、次回はお灸をしてみようと思います。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の治療に変更して1年ほど経つのですが、経穴(つぼ)の名前を口にすることが全く無くなっているのに、少し驚きました・・・・・そして、何故か、専門学校時代の経穴の教科書を開いてみたくなりました。当時は、教科書にイラストを描いてイメージで経穴(つぼ)を覚えていたのです。

今見てみたら、楽しく勉強していた様子が伺(うかが)えます。試験の間際まで描き続けていたと思います。しかし、これらの知識を捨てさって山元式新頭鍼療法(YNSA)に鞍替(くらが)えしたことに、爽快感を感じます。これでいいのだ!

ソマトトープと指ヨガ

山元式新頭鍼療法(YNSA)の基本概念の1つとしてソマトトープがあります。ソマトトープというのは、人が体調を崩した時、治療点が「小さな人型の投影」として、体表に表れる事をいいます。その多くは、頭皮に現れています。元々、受精卵の外胚葉がくぼみ、神経を形成し、それが集合したのが脳。つまり、外胚葉の延長である体表(頭皮を含みます)と脳は、切っても切れない仲。ですから、頭皮は脳の裏返しと考えられます。

受精卵から胎児へと移行する段階で、最終目標の人型にイメージ「人型になりたいという宇宙の意志」のようなものが、働くのだと思います。そこで、どこを切っても同じ顔が出る金太郎アメのように、人型が様々な個所に現れるのだろうと思います。

体調が悪くなくても、ソマトトープ(小さな人型の投影)が分かる個所があります。それが手です。

韓国の柳泰佑(ユウ・テウ)博士は、高麗手指鍼(高麗手指鍼療法)を考案されたのですが、それは、両手の手掌・手背・手指に、全身全ての器官(臓器)と人体を流注する十四経絡(十四気脈と呼ぶ)に345の経穴(気穴と呼ぶ)が縮図化して存在することの発見でした。つまり、手全体を立体的なソマトトープとみなしたのです。

この考えを元に、ヨガの達人・龍村修先生が「龍村式指ヨガ健康法」(日貿出版社)を出版されています。手は、体の投影で「全体即部分・部分即全体」なのです。この立体的ソマトトープは、山元式新頭鍼灸療法(YNSA)を追求する上で、ヒントを与えてくれているように思います。漠然としていて、まだ言葉にはなりませんが・・・・

現在進行形

昨年暮れ、飛び込みで当院にこられた70才代の男性患者Aさん。現在は、週2回のペースで来院されています。Aさんは息苦しさのため、死をも覚悟したそうです。たまたま、近所にあった当院を選んだだけで、当院に対しての予備知識は、全くありませんでした。

 

「先生、もし頭に鍼刺す治療法じゃと知ってたら、絶対来なんだですワ!・・・・この間も、腰痛の知り合いに勧(すす)めてみたけど、頭に鍼刺すというだけで、相手にしてくれませんでした。」

一般的に鍼のイメージは、患部に刺して痛みを和(やわ)らげる治療だと思います。そんな治療をしていたのは、母校・東京医療専門学校附属施術所で研修をしていた2年間だけです。しかし、ここでの2年間は、治療家としての基礎を学ぶことが出来たので非常に有意義でした。また、母校では卒業生を対象とした卒後研修があり、それに参加後、お世話になった先生に挨拶(あいさつ)に行ったのが、

運命的な出会いとなりました。

「今、山元式新頭鍼療法(YNSA)が凄いよ!」

N先生のこの一言で、私の人生が変わりました。インターネットで調べてみると、山元敏勝先生はご高齢にもかかわらず、現役医師として治療をされています。「創始者に会わないと、後悔する」という気持ちが行動の原動力となり、宮崎セミナーに参加したのです。あれからもう2年経ちます。今では、鍼治療は、山元式新頭鍼灸療法(YNSA)のみ。現在進行形で頭から足のみの治療法に移行しています。まだ、数ヶ月かかると思いますが、実現は可能だと思います。

そうなると、「頭に刺す?!」という壁がなくなり患者さんも来やすくなるかも知れません。

クスノキのコブ再び

2年間右母趾球を蹴(け)って歩けなかったのが、出来る様になった70才代の女性患者Aさん。1週間後の本日来院されました。

「先生、これ見て!」

「・・・・・すごい、蹴(け)ってる!」

足の甲にパイオネックス(円皮鍼)を貼っていたのが効いたのかも知れません。以前なら1~2日で元に戻っていたのですが、1週間持ったようです。実際、Aさんの治療以降、鍼を足の甲やウラにパイオネックス(円皮鍼)を貼って治療することが多くなりました。今後は、益々この傾向が加速していくと思います。いくら足に置鍼することが多くなっても、山元式新頭鍼療法(YNSA)に変わりないので、自由に研究してみようと思います。とにかく、患者さんの言うことに素直に耳を傾ける以外ありません。

改めて待合室にクスノキのコブを並べて、ゆっくり歩いて足を刺激してみました。これはいいです、効きます。以前にも言いましたが、クスノキは英語ではカンフルツリー、つまり「元気の出る木」なのです。コブにあるイボイボからは新芽が出て枝になろうととします。それを人為的に取るとイボイボのままになり、翌年に再びイボイボができ新芽を作る・・・・これを繰り返して、大きなコブが出来上がるのです。クスノキ のコブはイクラやタラコのようなエネルギーの源(みなもと)なのです。

このコブの道を歩くだけで、足ウラがポカポカしてきます。バランスを取ろうとする無意識の動きはカラダの歪みを取って行きます。今後とも、暇な時(ヒマが多いのです・・・)このコブで遊んでみます❣️

相棒

何を思ったか急に模様替えをしたくなりました。多分、新年を迎えたので、気分転換をしたくなったのでしょう。追われて仕事をしていると、ついついあらゆることに慣れてしまいます。そこでちょっと立ち止まり、無駄な空間は無いものかと考えてみました。するとあるものです。もう使われていない弟が作った移動式の棚。これが更衣室に意味なく置かれていました。

それを待合室兼治療室に移動。以前ここで使っていたものなのですが、やはり合理的で非常に効率の良いものと再認識したので、再アレンジ・・・・・ついでに、私の仕事道具を紹介いたします。

①治療直前に、鍼を取り出して刺す包帯入れ容器(常にアルコール消毒をしています)

②弱酸性次亜塩素酸水溶液に浸(ひたさ)れた脱脂綿をいれた容器(置鍼する患者さんの治療点を消毒をします)

③抜刺(ばっし=鍼を抜く)後の鍼を置くシャーレ

④脱脂綿を置くシャーレとピンセット

⑤鍼(直径0.25mm×30mm)

⑥パイオネックス(直径0.15×0.6mm)円皮鍼

⑦手指消毒用アルコール

⑧バイオマット(紫水晶を敷き詰めたマット、遠赤外線の効果で暖かく、電磁波もカットしています)

⑨友人にいただいた室内用草履(ぞうり)、非常に快適で、歩くたびに床掃除をしてくれます。

⑩患者さんが座(すわ)る治療用イス

以上が、治療時の相棒なのです。松山市でもコロナ患者が増えてきています。こちらで出来る範囲の消毒、タオルの洗濯はこまめにしており、必ず乾燥機で70℃の熱風を長時間当てています。また、大量の洗濯物のため、長時間の乾燥でも湿気ているので、天日干しをします。コロナヴィールスに関する資料が下記にあります。

・消毒用アルコール(70~80%濃度)による消毒が有効である。

・0.05~0.1%次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。

・70度以上の温度で死滅する。

・紫外線に弱い

良い情報があれば、積極的に活用していきたいと思っています。

# 操体法

# YNSA 

# 鍼灸

あじさいの杜鍼灸院について

素直な反応

2年ほど前、両膝痛で来院されて以来、毎週通院されている60才代の女性患者Cさん。最近は、30分ほど散歩をされているので、調子がいいそうです。今回も、健康管理、健康維持のための施術となります。また、繊細なCさんには、鍼の刺激が強すぎるので、操体法による治療を行っています。

足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):左(左にかたよりがあるため、左側から治療)

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:腰椎診断点←圧痛点あり

右:胸椎(第2胸椎)診断点←圧痛点あり

首診

左:肝、心、三焦(消化器)

右:小腸

左腰椎の圧痛点は、Cさんが座ったまま私が床に座り、「つま先上げの操法」で取りますが、完全に取れなかったので、膝に角度をつけたまま、ふくらはぎの奥の筋肉(ひらめ筋)を伸ばし、ゆっくり圧力をかける操法。これで、ふくらはぎがゆるみました。

右胸椎(第2胸椎)の圧痛点は、やはり「つま先上げの操法」で取りますが、完全に取れなかったので、膝をしっかりと伸ばした状態で、ふくらはぎの浅い筋肉(腓腹筋)をのばし、ゆっくり圧力をかける操法。これで、ふくらはぎがゆるみました。これらの操法で自律神経が整いました。

次は、Cさんにベッドで仰向けになってもらいます。首診で一番痛い肝の治療点(左側頭部)に軽く触れる操法。

「・・・・お腹の上の方が横に動いています。」

敏感なCさん、肝臓付近が横に動いているのが分かったようです。次に、心の治療点(左側頭部)に軽く触れます。

「・・・・なんか胸あたりが上下に動いています・・・・・今度は、胃あたりが動いています・・・腸あたりが動いています。」

心の大動脈が反応したようです。そのあと、心と陰陽の関係にある小腸が反応したようです。次に

三焦(消化器)の治療点(左側頭部)に軽く触れます。

「・・・・先生が触れているところを強く感じます・・・・それと、気になっている歯が痛くはないのですが反応しています・・・・・・胃あたりが動いています。」

敏感なCさんは、触れたところに素直な反応が出ました。そのあと、足揉(も)みをして終了となりました。操体法の皮膚の操法は、山元式新頭鍼療法(YNSA)と相性がいいようです。

あじさいの杜鍼灸院について

アナトミー・トレインを眺めて

アナトミーは解剖学、トレインは列車。これは、筋膜に関する本のタイトルです。この本は非常に難解で何度読んでもよく分からないのです(そのため眺めてと題しています)が、筋膜が浅層、深層に12本繋(つな)がっておりそれぞれに名前があることは、分かります。そして、その流れが経絡(ツボの流れ)とほぼ一致していることは、11月8日のフェイスブックに書きました。そして、筋膜の主成分がコラーゲンで、下記のように記載しました。

『コラーゲンが電気を発生させ、伝導の特性を持っているとあります。つまり、気といいう概念は、実は電気であるということ。気という概念には?マークがつく人も、電気というと納得出来るのでは・・・・単純な私は、気=電気と今後は解釈することにします。

その上で、アナトミー・トレイン(医学書院)の筋膜の12の流れのうち9番目のデイープ・フロント・ラインに注目。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、首診で内臓の診断をし、側頭部の治療点に置鍼。すると、首の診断点と内臓がゆるみ整います。写真の筋膜の流れを見てみると、側頭部の治療点に置鍼し、首がゆるみ内臓もゆるむという流れが見えるように思います。いかがでしょう?』

この9番目のデイープ・フロント・ラインには、前後のイラストが描かれていますが、今回は、後ろのイラストに注目。現在、私は膝診(膝窩横紋周辺の触診)を上腕診(肘窩横紋周辺の触診)の代わりにしていますが、膝診での診断点と側頭部の治療点の関係が非常に明確に感じます。それは、膝窩筋が、デイープ・フロント・ラインに含まれているためだと考えます。

2枚目の写真はアーム・ラインですが、このラインと、デイープ・フロント・ラインは、胸骨、肋骨、脊柱を介して繋(つな)がっています。列車(トレイン)が走って止まるところが、ステーション(駅)で筋肉の停止部。そこから筋膜の乗り継ぎが行われるのです。その繋(つな)がりで上腕診が可能になるのだと思います。

あじさいの杜鍼灸院について

脳出血

YNSA(山元式新頭鍼療法)事務局から、福井県在住のYNSA鍼灸師を紹介していただきました。本当にありがたいです。ご尽力に心より感謝致します。脳出血で倒れた後輩は、集中治療室を出て、入院中とのことでした。主治医の先生によると、来春4月ころには退院できるとのことです。

やはり、リハビリに時間がかかるようです。ここで、YNSAの創始者、山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」の脳梗塞の患者さんに関する個所を記載します。

麻痺が出てしまった場合でも、早くにYNSAの適切な治療を行うことで麻痺を最小限にとどめ、そして、麻痺を改善することができるのです。

その理由の1つに、脳のむくみを早くに取り除けると言うことがあります。

脳梗塞を起こすと、梗塞が起こったり周りに浮腫ができます。体液がたまり、脳がむくんだ状態になるのです。血行が悪くなっているため、時間とともにその浮腫の範囲はどんどん広がり、麻痺が起こっている場合には、その状態も悪くなります。しかし、針には血行を良くして、浮腫を取り除く働きがあるのです。

浮腫を起こしている部分の脳は健康な状態のため、早い段階でこの浮腫を取り除けば麻痺の早い回復につながるのです。

しかし、どのような状態においても、時間が経ってしまったからだめかというと、そうではありません。慢性化した症状であっても、治療を続けることで確かな効果が出てきます。

どんな症状であっても、早く治療を行うことが一番ですが、時間が経過してしまっても、継続することで確かな効果が現れます。

優しさ

「この子には、ヒモでも付けてあげたらええんよ。」

数十年無農薬農法をしているご夫婦が来られ、ツルが宙に浮いているのを見ての第一声です。奥様に教えてもらいました。前回、奥様に教えていただき、竹で支えを作ったのですが、まだまだ優しさが足りませんでした。ツルの先端がエンドウ豆の生命力のベクトルを現しており、わずか20cmの長さにおけるツルの先端は大変重要なことに気が付きました。

ヒモの代わりに、細い竹を添えてあげました。

これは、治療における患者さんとの接し方に通じます。優しさと今何が一番必要なのかという観察力。これが基本にあっての立派な技術・・・・66才になって2日目、瑞々(みずみず)しいエンドウ豆のツル先の感性をもちつつ、技術の探究に励みます!

追伸:この奥様が通院され5ヶ月になりますが、当初は、上腕診(肘窩横紋周辺の触診)、首診(内臓診断)とも、左側に圧痛点が集まっていたのです。そして、おヘソがずいぶん左に寄っていました。ところが、徐々におヘソが中央に戻り始め、本日の治療では左右どちらが痛いのか、分からないくらい迷うようになりました。かなり、バランスが整ってきているようです。