五輪書

宮本武蔵の五輪書、現代語訳(大倉隆二訳)を購入して、水の巻を読むと心のあり様、姿勢、目の付け方、刀の持ち方など事細かく述べてあります。全て興味深いのですが、前回剣道6段のお客様が「踵重心では、スポーツはできません」と、剣幕を巻いておられたので、足の運び方について記載してみます。

足使いのこと。足の運びようは、爪先を少し浮かせて、踵を強く踏むようにすべきである。足使いは、場合によって大小、遅速はあるけれども、普段歩くようにすること。足使いのうち、飛び足・浮き足・踏み据(す)える(固着する)足というのがあるが、この3つは嫌う足である。この道(兵法)の大事にいう「陰陽の足」、これが大切である。陰陽の足というのは、片足だけを動かさないことである。切るときも、引くときも、受けるときも、つねに陰陽といって、右・左、右・左と踏むのである。くれぐれも片足だけを踏むことがあってはならない。よくよく吟味すべきである。

とあります。つまり、爪先を少し浮かせて踵を強く踏むことが大切なのです。これは、普段歩くようにとあることから、普段の歩き方が踵重心であることも分かります。現代剣道の足が、嫌う足→飛び足・浮き足・踏み据える足であることがよく分かります。そして、「くれぐれも片足だけを踏むことがあってはならない。よくよく吟味すべきである。」と念を押して書かれています→現代剣道は、片足だけで踏み込んでいるのです。

次回、踵重心の話をする時は、五輪書を持っていくことにします。

クリスマスプレゼント

患者さんから、

「先生に贈り物があります(今日は、クリスマス!クリスマスプレゼント)。」

と、正岡子規の和歌の自筆を完全な形でコピーした短冊をいただきました。子規がなくなる3~4年前のものですが、勢いがあり、またバランスがとてもいいのです。

ベースボール  打ちはづす球キャッチャーの手に在りてベースを人の行きがてにする

とあり、升(のぼる)と名を書かれています。明治31年に詠まれた和歌ですので、病床に伏しておられた正岡子規ですが、野球を楽しんでいた子規の一場面が蘇ってきたのでしょう。打ち損なったボールをキャッチャーに取られ、つぎのベース(1塁)にいけなかった悔しさを詠んだのだと思います。

あじさいの杜鍼灸院に来られた方、子規の素敵な世界に出会えますよ!

 

先日、キャメルKで踵重心の姿勢で歩くと転ばないので、大腿骨骨折の予防になると話をしたのですが・・・・・突然、あるお客様から、

「スポーツでは、踵重心なんかでは勝てませんよ!」

とかなりの剣幕で喋ってこられました。その方は、剣道6段の腕前で、重心は母指球にかけて後ろ足の踵は紙が1枚入るくらいの位置で構えると習ったそうです。私は、日本人の本来の姿勢と歩き方について話しているだけで、全くスポーツに関したことは言っていないのに・・・・

「実は、この考えは宮本武蔵の五輪書に書かれているのですが・・・」

と言っても意に返していないようです。そこで、あじさいクラブのメンバーで剣道4段のカッパちゃんに少し喋ってもらったのです。

「日本刀と竹刀では、全く別物なんです。」

と喋り始めても、とりつく島が無い様子なので、カッパちゃんも話合うことを諦めたようです。カッパちゃんは、高校剣道部に指導をしていたほどの腕前ですが、スポーツとしての剣道に疑問を感じ指導を辞めたという経験があります。こんな話を今日の患者さんのお父様に話していると、

「時代劇の殺陣(たて)には、剣道経験者は絶対に使わないそうです。剣道では剣を止めてしまい、切らないからです。」

と、説得力のあるお言葉をいただきました。いま一度、姿勢と歩き方考えてみては、いかがでしょう?

踵重心

昨日、キャメルKでコンサートがあり、その後プチ講演をしました。今年亡くなられた大野朝行先生の著書・「カタカムナの姿勢と動き」からの引用ですが、これは日本人としてしっかり身につけるべきものだと思います。参加された方から「目からウロコが取れた」との感想があり、この踵重心の姿勢と歩きこそ後世に伝えなくてはならないと思っています。

最近、下駄を履き感じたことはがあります。下駄を履くと踵の後ろ側が少しはみ出しますが、それが歩く効率を良くしていることであると知りました。ちょうど踵の中央部が、下駄の縁(ふち)になり体重が下駄の縁にかかり、踵重心のためスムーズにカラダの移動ができるのです。

とにかく、踵に重心を置いて歩くことが、高齢の方が転んで大腿骨骨折をするリスクを減らすことになるのです。

プチ講演の準備

今週金曜日、12月22日(金)にあじさいクラブの演奏と、私のプチ講演が13時から、約1時間あります。そのプチ講演の内容をホワイトボードに書いて準備しています。

最近は、年配の方が転び、大腿骨骨折をし寝たっきりとなり、お亡くなりになるケースが増えています。ところが、歩行指導が全く出来ていません。今回のプチ講演では、その指導を行います。興味ある方は、下記に連絡してください。お待ちしています。

キャメルK 089-913-2002
https://camelk.jimdofree.com

 

 

大先輩の命(めい)

私が高校1年時の3年生だったAさんは、野球部の大エース。私は、当時柔道部に所属してしていたため、一緒に練習をすることはなかったのですが・・・2学期から野球部に鞍替えしたため、間接的後輩となりました。それが縁となり、現在最もお付き合いをさせていただいている大先輩です。

野球部は、1月3日の12時から紅白対抗試合があり、私は参加します(多分、最高年齢)。その後、総会があり・・・・何と、その後高校の同窓会に17:00から参加するハードスケジュールが待っているのです。

「ほんなら、のボールのユニフォームで試合も総会も同窓会も参加せいや!」

「・・・・はっ?」

「目立ったらええんよ・・・その時、名刺渡したらよかろう?」

「・・・・うん・・・そうですね・・」

という命令をいただきました。大先輩の命を「かしこまりました!」というような硬派の高校ではないのですが・・・・・思案中・・・・どうしよう?

冬はウオーキングより四股

今日は、「冬の夜のウオーキングはおすすめしません」というYouTubeを作りました。その理由は、動画で説明しています。そして、おすすめしたのは、四股(しこ)です。そこで、四股の効能を下記にコピペしましたので、興味ある方は、ご覧ください。

『四股が腰痛に良い理由は、股関節の柔軟性のアップと体幹が強化されるからです。ここでは、それぞれについて分かりやすく解説します。

股関節の柔軟性がアップする

股を大きく開いて腰を沈み込ませる運動を腰割りといいます。腰割は四股のはじめに行う動作で、股関節の柔軟性アップが期待できるのです。

股関節の柔軟性がアップすると、骨盤の動きが良くなります。腰は骨盤と連動して動くもの。そのため、腰割りで股関節を柔軟にすると、結果的に腰痛も楽になるのです。

体幹が強化される

腰割りの際に、体を地面に向かって沈み込ませる動作は、太ももや臀部の筋力強化につながります。さらに、四股を踏むために片足を上げるため、一本の足で体を支えるための筋力やバランス感覚が養われるのです。

結果的に、四股が体幹の強化に役立ちます。体幹が強化されると、体の軸がブレにくくなることで、正しい姿勢をキープすることが可能。結果的に、姿勢の崩れによって起こる腰痛を予防できます。』

場所を取らず、どこでもできる四股は、日本が誇る素晴らしい健康法です!

日本人の姿勢

私が幼いころ、夜は、真っ暗闇。懐中電灯を持って買い物をすることもありました。麦わらで出来た買い物服を下げ、月明かりの中、ムササビが飛び交うこともありました。そんな時、恐る恐る歩くものです。夏ならば、草履(ぞうり)を履いて足の指先をセンサーにして歩いていました。昭和30年代のことです。もう少し時代を遡って江戸の初期・・・・

人々は、着物を羽織り腰には帯。提灯の灯りをたよりに、わら草履をはいて歩いていました。道は凸凹で水たまりや、馬糞、牛糞が落ちている道を、やはり恐る恐る歩いていたに違いありません。着物を着ているので、歩幅は狭く腰を落とした踵重心で、足の指先をセンサーにして歩いていました。これが、日本人の本来の歩き方です。

ところが、明治になり靴を履くことが普及し始まり、徐々に鋭い足先のセンサーを使わない生活へと移行しはじます。軍隊では、ヨーロッパの形式を学び歩行、戦術も靴を履いたものとなり、学校でもそれが普及しました。足を上げつま先を蹴った歩き方を幼い頃から学び、叩き込まれました。特に運動会ではそれが顕著でした(幸いにも、私が小学生のころは、裸足で走ることがまだ、普通でした)。

その結果、老人が転んで大腿骨を骨折し、歩けなくなり亡くなられるケースが増えてきました。これは靴文化の弊害です。靴を履いてつま先で地面を蹴ると必ず前屈みで重心が前になります。この状態で何かにつまずくと必ず転びます。足の指先は、手の指先と同様に非常に繊細なセンサーなのです。そのセンサーを働かせていないのですから、転び方も激しくなります。

愛媛県の松前町には、「おたたさん」という頭に魚の入ったオケを乗せて行商するご婦人がいました。彼女たちは、着物を着てアゴを少し上げ、頭の真ん中にある脳幹を背骨の延長線状の位置に起き、脳幹と背骨を縦一直線にして安定した姿勢をとっていたはずです。そこに重いものを乗せても重さを感じない道=経が出来ていたのです。それが神と繋がる「神経」だったに違いありません(大野朝行先生の著書からの引用です)。

今一度、日本人としての姿勢を正す時が来ているようです。

鍋パーティ


昨夜は、音楽バンドのメンバー合計5名で鍋を囲んでのパーティとなりました。えんちゃん(キーボード、ヴォーカル)がカキ、白魚、エビなどの海鮮物を買ってきて、野菜たっぷりの鍋を、あっという間に作ってくれました。美味しいのですが、1日1食に慣れた私のお腹には、ほんの少ししか入らないのです。リードギターのヨッシャーなどは、7~8杯は食べていたのに・・・・

和気あいあいで会話を楽しみ、尚かつ少食。美味しいビールとワインと日本酒、何という贅沢でしょう!それにしても、皆んなよく食べました。最後に玄米と大豆を鍋に入れて雑炊にしたのですが、残ったのはお茶碗一杯の雑炊だけ!これが今日の夕食となります。この雑炊と、朝から用意した具沢山の味噌汁(昆布、煮干し、干しレンコン、干しゴボウ、干し大根、干しピーマン、芽ヒジキ)に豆腐とモヤシを入れれば、夕食の完成です。

ムード歌謡

 

 

毎週1回、ムード歌謡のYouTubeをかける日があります。患者さんが私と同じ世代なので、昔話をしながら当時を振り返っているのです。これは、後ろ向きなイメージがあるのですが・・・・・ちょっと違うようです。より創造的で治療的効果があるようなのです。その記事の一部をコピペします。

『昔を懐かしむことは、実際に認知症の医療現場に「回想法」として取り入れられています。 回想法とは、 昔を思い出させる写真や音楽、食べ物などを用い、それを見たり聞いたりした認知症の高齢者が回想をすると同時に、医師や看護師らがそれを受け入れることで、認知症の高齢者の心理的な安定や生きがいの創造をサポートする方法です。

現在では、認知症を発症した人だけでなく、軽度認知症患者に行われたり、うつ病患者や終末期医療の現場などでも応用されています。また、回想法の応用として、同年代の仲間たちが集まって昔のことを語ることで、脳を活性化して認知症のリスク低減に役立てるという試みもあります。

実際、さまざまな研究から、昔を懐かしむことで脳の健康を維持し、認知症の進行を抑える効果があることがわかっています。

過去を振り返ることは、後ろ向きの行為どころか、むしろ未来の自分のプランニングに関連していることが、解剖学的にも明らかになっています。というのも、過去を振り返るときに使われる脳内のネットワークと、未来のプランニングをしているときに使われる脳内のネットワークは、かなり重複しているということがわかってきたのです。

具体的にいうと、過去の記憶を詳しく思い出そうとしているときには、脳のなかでも前頭葉、側頭葉領域、後部帯状回などの領域がよく働きます。こうした領域は、未来に起きるであろう出来事や将来の自分の姿を想像するときに働く領域と共通しているのです。』

とあるのです。昔を回想する同世代の患者さんが、当時の記憶を生き生きとリアルに表現してくれるのは、今に活かせると何処かで感じているからなのでしょう。