痛ったたた

前日に続いて、足と頭との併用で首肩こりの痛みを取ったお話です。

60才代の男性患者Cさん、ドライバーの仕事で、首肩のコリが激しくなり来院されました。ドライバーをしていると、水分補給が疎(おろそ)かになりがちで、膀胱は気になるとのことでした。首診でやはり膀胱診断点に激しい痛みがあります。そこで、膀胱の治療点に爪を立てて押圧すると、いつもなら首の診断点の圧痛が消えるのですが、消えません。慢性化しているようで、耳ウラの治療点(陰陽では、陽になります)に1本置鍼。多少効いたのですが、まだ痛みがあります。そこで、見つけている足の治療点に爪を立ててみました。

「痛ったたたたた・・・・」

当院の外ででも聞こえそうな大声。これだけ痛いと効き目があると判断して、お灸をすることにしました。10壮ほど据(す)えると首診断点の痛みがとれ、緩みました。首の根元にある消化器系の診断点(三焦といいます)にも、しつこい圧痛があります。これも10壮ほどのお灸で消えました。

このように、頭と足の併用は非常に有効的であると思っています。今後とも試行錯誤しながら新たな治療法を探していきます。

足だけで治療できます

頭に鍼を刺すのが嫌いな女性患者Aさんには、見つけ出した足の治療点にパイオネックス(皮内鍼)を貼る治療で対応しています。これだけで自律神経と内臓を整えることが出来ます。また、下肢、上肢の圧痛も治療出来ます。今回のAさんは、右肩甲骨内側に痛みがあったのですが、なくなりました。但し、足は頭に比べ小さいので、治療点を見つける爪の角度や位置がより繊細になります。そのため、集中力がかなり必要となります。今回の治療では、脇に初めて汗が流れて来ました。治療後、Tシャツ、長袖、白衣(本当は紺色)の全てが濡れていたのには驚きました。

足の圧痛点の痛みはもの凄く激しいので、ピッタリとパイオネックスを貼れると、診断点の痛みはウソのように無くなります。パイオネックスと同様に、お灸を据(す)えることで診断点の痛みを取ることも出来ます。今日はAさん以外にも80才代の女性患者Bさんに、足だけの治療を行ったのですが、全てお灸治療となりました。今月病院でレントゲン撮影をし、腰椎4番の圧迫骨折と診断されたBさんですが、お灸だけで腰の痛みが全くなくなりました。

実は、Bさんには「頭の鍼と、足のお灸どちらがいいですか?」と伺っていたのです。Bさんは、足のお灸を選択されたので、足にお灸をしたのです。今後、このように患者さんが選択できる治療が出来ると鍼灸治療がもっと浸透していくように思いました。

ノドの痛みを取る

ツバを飲み込むとノドが痛く、不眠が続いているため頭痛に悩んでいる19才の男性患者Cさん。今回が初めての治療です。私が治療点に爪を立てて押圧するだけで、診断点の痛みがなくなることに、驚くCさん。若いので反応が早いようです。

「ええええ、何で、何でなん?」

置鍼をし、診断点の圧痛がなくなるとお決まりの言葉が飛び出します。

合谷診:合谷診(人差し指と親指の間の触診)左→左上腕診と左膝診を行う

上腕診:頸椎(1)、胸椎(0)、腰椎(0)

膝診:胸椎#1、#6、#9、#11、#12(2)、腰椎#1~6(1)、大脳(1)

首診:右膀胱(1)、右肝(0)、右胆(0)、右心包(0)、右大腸(0)、右三焦(1)

左腎(0)、左膀胱(1)、左肝(0)、左胆(1)、左大腸(1)、左三焦(1)

11本の置鍼。

上記の自律神経、内臓の調整だけで頭痛が消えました。あとはノドの痛みです。頭頂部の舌咽神経の治療点に1本置鍼。そして耳タブの下がノドの治療点になるので、触れると5mmほどの板状の張りがあります。それで4本置鍼し、しばらくたって、

「今、ノドはどんな感じですか?」

「・・・・・ツバ飲み込んで・・・痛みが小さくなってきました・・・ええええ何で?」

「そしたら、足にも治療点があるので、そこにお灸をしてみましょう。」

「お灸?・・・・・」

「お灸知らない?ヤイトのことなんだけど・・・・知らないよね。」

そこで簡単に説明をして、納得していただき足の治療点にお灸を10壮。

「これでどうですか?」

「ノドもう軽くなっています。」

若い患者さんの反応の良さに驚きました。これで、治療は終了。

鍼と灸

「今日は、頭・・・足?」

60才代の男性患者Cさんから質問がありました。

「・・・・うん、自律神経は頭でやって、内臓は足でしようか・・・・」

同級生なので、こんな会話になってしまいます。そこで、合谷診から首診まで行います。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左→左上腕診、左膝診をする

上腕診:頸椎(1)、脳幹(0)

膝診:胸椎#1、2、3(1)、#11、12(1)、腰椎#1~6(1)、大脳(1)

首診:右肝(灸2壮)、右胆(0)、右心(0)、右脾(0)、

左脾(灸2壮)、左三焦(0)

早速、頸椎、胸椎、腰椎(自律神経を整える)の治療点に置鍼をします。

「痛っっっっっっった!」

「ちょっと我慢して・・・・最近の鍼はね、痛いんよ・・・・筋肉と筋肉の間狙っとるけん。」

1本の置鍼が痛いので、他の個所に影響を及ぼすように思います。最近は置鍼の数が減って来ています。次は足に見つけた内臓治療点に爪を立てると、

「痛っっっっっっっっっっっっっっっっっった!」

今回は、この圧痛点にやや熱めのお灸を2壮。すると首にある内臓の診断点が緩みました。後は、腰に効く足の治療点にお灸をして、パイオネックス(皮内鍼)を貼り終了となりました。やはり、鍼と灸の併用は治療効果が上がるように思います。

はり師ときゅう師

 

私は鍼灸師ですが、国家資格として「はり師」と「きゅう師」の2つを持っています。ところが、はりときゅうの使い分けをあまり考えていませんでした。そこで、ヒントになる文献に当たったので、掲載します。

 

『 では、お灸と鍼はどうやって使い分けていると思いますか?

お灸は血の流れを良くし、鍼は気の乱れを調整する医術として発生したと古来より考えられています。東洋医学の専門家は血と気の言葉の背景にある意味がわかりますからこの説明が一番簡潔なのですが、それ以外の方には良くわからないと思いますので、私なりの簡単な言葉での解釈を付け加えます。

ヒトは体の調子が崩れてきたとき元に戻りたいという現象として「症状」が表れます。この時はまだ体力があります。鍼治療で大丈夫です。

身体を休めずに同じ生活を続けると体内で熱を作る力が衰え冷えを受けやすい状態になります。灸治療が必要です。

体力のある病気の人に対しては鍼治療単独で緩解しますが、体力を消耗し身体が冷えを感じている人や長期間患っている病気の人は、灸治療が必要だという事です。体調が少しくずれた患者からガン患者まで鍼灸治療が幅広く適応なのはこんな理由からです。』

このことから、足が冷えている患者さんにはお灸が最も必要であると感じました。置鍼した後、足が冷えている患者さんにお灸をするという治療システムを作ってみようと思います。

お灸のイメージ

患者さんとお灸の話をしていて、イメージのギャップに驚きます。お灸=やけど・悪いことした時のお仕置きという負のイメージを多くの患者さんが持っています。私は、こんなに安くて手軽な健康促進剤はそんなに無いと思っています。しかも、作ろうと思えば5月にヨモギを採取、乾燥し、石臼で細かくし、ヨモギの葉ウラにある細かい毛を集めれば、モグサになります。不純物が少なくなればなるほど、上質のモグサになります。上質のモグサは高温になりにくく、米粒か半米粒の大きさで使われ、皮膚に火が届く前で、火を消すので、間接灸なのです。

粗悪なモグサは、高温になるので、大きな固まりにしてニンニクのスライスやビワの葉の上に乗せ間接灸として使用されます。この大きな固まりが多く人のイメージでしかも、皮膚まで焼き切る直接灸だと思い込んでいるはずです。

お灸には大きく分けて間接灸と直接灸に分類されます。多くの人がイメージしているのが直接灸、つまり皮膚まで火が付くヤイト。これは、今の鍼灸師はしていません。全ての鍼灸師が行っているのは間接灸です。ただ、カガトのように分厚い部位には直接灸をすることもあります。また、糸状灸という糸のような細いモグサで焼き切る直接灸もありますが、それは間接灸といってもいいほどの灸です。

ここで、科学的な灸の効果を紹介します。

①心地よい温熱刺激で、鎮痛と、筋緊張の緩和の効果

これらは、血流改善の効果の結果です。

②免疫機能の活性化の効果

お灸をすることで、白血球数が増加したり、

また、アレルギー体質を改善したりする効果があります。

③灸の香りにより、心身をリラックスさせる効果

お灸の材料のヨモギには、シネオールという、リラックス効果

のある、香りの物質が含まれていることがわかっています。

④動物実験では、お灸により免疫に関係する細胞(NK細胞、サイトカイン)

が活性化し、生存率を高めることが報告されています。

 

足にお灸とパイオネックス

 

「先生、今日は足にパイオネックスを貼ってください。」

30才代の女性患者Aさん、夏には足にパイオネックス(皮内鍼)を貼る治療を中心にしていました。最近は頭に置鍼する事の方が多かったのですが、今回はお灸で足に治療し、最後にパイオネックスを貼ることにしました。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左→左上腕診、左膝診を行う

上腕診:頸椎、胸椎、腰椎

膝診:頸椎#5、6、腰椎#2、大脳

首診:右腎、右膀胱

左肝、左胆、左心包、左大腸、左三焦、左脾

上記の治療点のうち、頸椎、胸椎、腰椎、左胆、左三焦の治療点に10壮以上のお灸をすえると、全ての圧痛点がなくなる。

足に見つけた治療点をお灸と鍼を駆使して効率の良い治療法を見つけ出したいと思っています。ご期待ください。

奇妙な感覚

 

1週間前から、左肩甲骨の内側が痛くなり徐々に肩、上腕、前腕まで痛みが来て、人差し指が痺(しび)れている40才代の男性患者Bさん。当院に初めて来られました。簡単な治療の説明をして、ある程度納得していただいたようなので、早速、自律神経と内臓の調整を始めました。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左→左上腕診、左膝診を行う

上腕診:頸椎(0)、胸椎(0)、腰椎(0)、小脳(1)

膝診:頸椎#6~7(3)、胸椎#11、12(1)、腰椎#3~6(2)、

首診:右胃(1)、左腎(1)、左膀胱(0)、左大腸(1)、左三焦(1)、左脾(1)

以上11本の置鍼

Bさんの触診をしていて感じるのは、硬さ。特に首は大木を押しているような感覚でした。そして、Bさんは痛みを感じないという奇妙な感覚・・・・鈍麻(どんま)しているのかもしれません。このまま放置していると、折れそうな・・・柔軟性が欲しい・・・そんな感覚になります。それで、圧痛点がなくてもコリがある診断点をチェックしました。

「どうですか?」

「・・・何か、首が楽になった気がします・・・・肩も・・・まだ、指先のしびれはあります。」

そこで、左足のヒラメ筋に細い鍼を刺し上下に動かします。

「ちょっと、指先の感覚が変わってきました・・・・それから、首と肩が随分楽になってきました。」

どうやら、頭の置鍼が効き始めたようです。首と肩が楽になると他のところの痛みが気になり始めます。上腕の外側に痛みがあるそうです。そこで、私が見つけた治療点に鍼を刺しました。

「ははは・・・す~っと、痛みが消えました・・・繋がっているんですね。」

Bさんの言葉で足の治療点は、間違いないと確信出来ました。今後は、頭と足の治療点との併用をもっと展開して行こうと思います。

1ヶ月半ぶりの来院

「1ヶ月半も、来てなかったけん、頭が重いし目が疲れて、疲れて・・・・・パソコンばっかし見とるけん。」

30才代の女性患者Aさん。パソコンを前に1日中、仕事に追われているので充血した目で来られました。そこで早速、目の治療点の置鍼を10本。

「どうですか?」

「だいぶスッキリしてきた・・・・ただ、左目がまだぼやけとる・・・」

そこで、JソマトトープとKソマトトープという頭頂部にある人型の投影の目に当たる所に2本置鍼。少しずつ良くなっていますが、まだ元に戻ってはいません。しかし、いつも通り合谷診を行い、上腕診、膝診、首診を行って自律神経と内臓を整えることにしました。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左→左上腕診、左膝診を行う

上腕診:頸椎(0)、胸椎(0)、腰椎(0)、大脳(0)

膝診:頸椎#7(1)、胸椎#8~12(1)、腰椎#4#5(1)、大脳(0)、小脳(1)

首診:右腎(0)、右膀胱(0)、右肝(0)、右(0)、右心(0)、右大腸(1)、右三焦(1)、右脾(0)、右肺(1)

左腎(0)、左膀胱(1)、左肝(0)、左胆(1)、左心(1)、左大腸(0)、左三焦(1)、左胃(0)、左脾(0)、左小腸(0)、左肺(0)

上記10本置鍼。

「どうですか?」

「頭は軽くなったけど、まだ目が・・・・」

そこで、後頭部の目の治療点に2本置鍼し、私が見つけている足の目の治療点にお灸をすることにしました。

「お灸か・・・・面白そう・・・いいですね。」

「これは、自分で出来るから、覚えておくと便利ですよ・・・子供さんにも出来るし・・・」

「そうですね・・・どうやって、やるんですか?」

ということで、急遽(きゅきょ)お灸ワークショップを開くことになりました。器用なAさんは簡単に艾炷(がいしゅ→米粒大の円錐形のモグサ)を作り自分の足に乗せることが出来ました。実際に火を線香でつけたので、お灸というものが身近に感じられたそうです・・・・来年は、お給料のワークショップをしようかな・・・などと、思ってしまいました。Aさんに何壮もお灸をして、

「今、目の調子はどうですか?」

「・・・・あれ?いい・・・元に戻った・・・・いつもの状態に戻った!」

ということで、やはり足にも目の治療点があるのが分かってきました。

来年のカレンダー

来年のカレンダーがやっと出来ました。当初の予定では、大きな書き込みができるサイズのカレンダーを作ろうとしたのですが、値段が桁外れになるのでやめました。そこで、卓上サイズのカレンダーにしたのです。これには令和4年はもちろん、平成34年、昭和97年という年号をあえて描きました。昭和生まれの人は、今が昭和何年になるのか・・・・もう、すっかり分かりません。そこへ、平成が入り、令和が入ると・・・・・もう、西暦で計算するしかありません。

しかし、たとえば平成10年は西暦では何年?急に言われても・・・・・分かりません。もう混乱するばかりです。そこで、平成だと34年、昭和にすると、97年となるのでその数字をカレンダーに描いたのです。もちろん、西暦も入れました。これで、かなりスッキリ計算できると思います。

これで、20年前に別れた娘や息子の年(平成でしか覚えていなかったので)が、来年何才になるのか、しっかりと分かります。また、楽しいデザインですので、お部屋が明るくなると思います。結構評判がいいので、2日間で6個売れました。100個しか注文していないので、早くもの勝ち・・・・500円です、尚、混乱を避けるため、郵送は考えていません。