先生、これ見て!

「私の右脚には10人の脚が、束(たば)ねてあるんです。」

と、ご自身の痛い右膝のことを表現していた70才代の女性患者Cさん。最近では、10本脚から、元の1本脚に戻り、以前ほどの腫(は)れはないのです。しかし、非日常の当院での施術で膝の痛みがなくなっても、日常に戻ると、痛みが元に戻るそうです。Cさんにとって、非日常である当院の施術はあくまで非日常で、日常は膝痛持ち生活なのです。

と、以前にFacebookに書いた女性患者Cさんには、パイオネックス(皮内鍼)を足に貼る治療に移行しました。すると「劇的に変わった!」という言葉をCさんからいただきました。

「先生、これ見て!」

膝の悪い右脚で一本立ちをして、おまけに両手を思い切り突き上げ手を合わせて、ロケットポーズ。私は思わず拍手をして満願の笑みに・・・・嬉しいです!

私は、足に頭と同じくらいの治療点があると思っています。そして、山元先生が患者さんのカラダの声を聞きながらYNSAを作られたという姿勢を、受け継ぎたいと思っています。今回のCさんのカラダの声は、「長持ちしない。1〜2日で元に戻る」でした。そこで、足にパイオネックス(皮内鍼)を貼って長持ちする作戦。

どうも、これが良かったようです。足はまだまだ、未開地で仮説をドンドン立てて、開拓出来ます。確実につかんだものもありますが・・・まだまだ、おぼろげです。私が2年後のYNSA認定試験を受ける頃までには、しっかりと発表できるようにしてみたいです。

右手甲は右足甲で治す

昨日、治療を終了した80才代の女性患者Aさんが、

「あらっ・・・・先生、右の手の甲が痛い!」

「エッッ、来た時は痛くなかったんでしょう?」

「そうなの・・・・転んだ時、左手だけでなくて、右手も打っていたんだと思います。そして、今頃になって痛みが出てきたんだわ・・・・」

10日ほど前に転んでオデコと左手を打撲したAさん、急に右手の痛みが出てきました。そこで翌日の今日、右手治療のため来院。

「昨日、全体のバランスを取ったので、今日は右手だけ狙いますね。」

という事で、右足のヒラメ筋の圧痛点を探します。左内踝(うちくるぶし)から指4本~5本目位上の圧痛点・・・ここは、三陰交という逆子を元に戻したり生理不順を治したりするツボの周辺です。ここに2~3カ所鍼を刺し持った指を上下に動かします。これは、雀啄(じゃくたく)という手法。スズメがエサ食べては、上を見、食べては上を見る様な仕草に似ているところからのネーミングです。

「右手どうですか?」

「ちょっと、良くなったみたい。」

3本ほど刺しっぱなしにします。次に側頭部のIソマトトープ(小さな人型の投影)の手に当たる個所に1本置鍼。後は、右オデコにある手に当たる個所に1本置鍼。

「これで、どうですか?」

「あれ・・・なんか、痛くなくなった・・・・触ると、まだゴワゴワしてるけど・・・でも、よく触っていくと、痛いところがある」

とAさんが右手の甲の痛いところを探っている場所を見ながら、Aさんの右足の甲で、右手に対応する個所に置鍼。これが効きました。Aさんの右手甲の痛みはほぼ無くなりました。今回はこれで終了。山元式新頭鍼療法(YNSA)は本当に良く効きます。

序ノ口

2ヶ月前から息苦しさを感じ、「死を初めて感じた。」とおっしゃる70才代の男性患者Bさん。40才の頃、肺気腫となりお灸で良くなった経験があるため、当院に来られました。Bさんは卓球選手で大学時代は1日8時間の練習をし、30才まで現役選手でした。そのため、猫背になってしまい、肺に負荷がかかったのかも知れません。週2回のペースで来院されているので、今回で20回目となります。

治療後、息苦しさが少なくなる期間が、徐々に増えてきています。元々お灸を受けたくて来院されたBさん。今回はお灸もしてみようと思います。

最近、足にパイオネックス(円皮鍼)を貼る治療を中心に行っているのですが、これは、肩こり、腰痛といった、病名が付く手前の不定愁訴(ふていしゅうそ)によく効きます。それとは、全く別次元で脳梗塞、パーキンソン病などの難病に対し、山元式新頭鍼療法(YNSA)が、大変有効であることは、世界中に知れわたっています(残念ながら、日本ではあまり知られていません)。

つまり、私がやっているのは、山元式新頭鍼療法(YNSA)のまだ序ノ口なです。それでも一定の効果が出ているのですから、YNSAの素晴らしさがおわかり頂けると思います。さて、今回のBさんの治療には、いきなり頭頂部のノドと肺に効く治療点に置鍼1本。その後、左足にパイオネックス3ケ。後はうつ伏せになっていただき、Bさん40才の時になった肺気腫に効いたとされる、1点に25壮のお灸をして終了となりました。

これからも、患者さんの声に耳を傾ける治療を目指したいと思います。

これでいいのだ!

70才代の男性患者Aさんは、息苦しさから「死」さえも感じたのですが、通院されて2ヶ月近くになり、徐々に良くなっています。週に2回のペースで通院され、昨日の朝は、目覚めると全く息苦しさがなく、奥さんに

「ワシ、治ったんじゃろか・・・・全然苦しくない。」

と言ったほどの気持ち良さを感じたそうです。ところが、その日に病院(定期検診)に行き出された新薬があまり合わない気がするそうです。私は医師でないので、薬に関して知識がありません。何一つアドバイスをする事はできません。しかし、患者さんが飲んでいる薬が、どのような作用を及ぼすのかを知っておく必要はあります。そこで、Aさんに薬の説明書を持って来ていただきました。友人の薬剤師に見てもらい、少しずつ勉強していこうと思います。治療が終わり、帰り支度(じたく)をしているAさんが、

「先生、お灸はしないんですですか?」

「いいや、やりますよ。」

「以前にも言いましたけど、私が40才くらいのころ、肺気腫になってお灸で治したんです。肩甲骨と肩甲骨の間の1ヶ所にお灸をしただけなんですが・・・」

「・・・肺兪(はいゆ)かな?・・・・」

どうやらAさん私にお灸をしてもらいたいようです。今回は、肺兪(はいゆ)と思(おぼ)しき個所にパイオネックス(円皮鍼)を貼って済ませたのですが、次回はお灸をしてみようと思います。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の治療に変更して1年ほど経つのですが、経穴(つぼ)の名前を口にすることが全く無くなっているのに、少し驚きました・・・・・そして、何故か、専門学校時代の経穴の教科書を開いてみたくなりました。当時は、教科書にイラストを描いてイメージで経穴(つぼ)を覚えていたのです。

今見てみたら、楽しく勉強していた様子が伺(うかが)えます。試験の間際まで描き続けていたと思います。しかし、これらの知識を捨てさって山元式新頭鍼療法(YNSA)に鞍替(くらが)えしたことに、爽快感を感じます。これでいいのだ!

お尻のホオズキ

松山市国民健康保険・後期高齢者医療制度による助成金として、該当の患者さんには1000円の補助金を支払う制度があります。この制度についてのチラシを松山市針灸協会が発行し、当院にもたった1枚だけですが、チラシが残っていました。内容は下記の通りです。

はり・灸にはこんな特徴があります

1:生活習慣などの予防医学のひとつとして注目を集めています。

2:身体と心のバランスを調える全身治療で自然治癒力を高めます。

3:痛みを和らげ、血行を改善し、病気に対する免疫力を強めます。

4:習慣性や副作用がなく、安心して治療を受けることができます。

はり、きゅうはこんな病気に効果があります

1:整形外科系の病気

肩こり症、変形性脊椎症、頸肩腕症候群(手のしびれ感と痛み)、寝ちがい、むち打ち症、五十肩、テニス肘、変形性膝関節症、捻挫、打撲、腰痛症、ぎっくり腰、椎間板ヘルニアなど

2:脳神経科系の病気

神経痛(三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛)、顔面神経麻痺、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠症など

3:循環器科系の病気

どうき、息切れ、心臓神経症、高血圧症、低血圧症、不整脈など

4:呼吸器科系の病気

風邪ひき、せき、気管支炎、気管支喘息など

5:消化器科系の病気

胃炎、胃下垂、胃酸過多症、食欲不振、下痢、便秘など

6:耳鼻咽喉科系・口腔器科系の病気

急性扁桃腺炎、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、耳鳴り、中耳炎、難聴、メニエール症候群、歯痛、歯肉炎、口内炎など

7:泌尿器科系の病気

排尿困難、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、インポテンス、遺尿症、尿失禁など

8:眼科系の病気

仮性近視、眼精疲労、ものもらい、白内障など

9: 産婦人科系の病気

生理痛、更年期障害、乳腺炎、冷え性、逆子など

10:小児科系の病気

夜泣き、夜尿症、小児喘息、虚弱体質など

11:内分泌科系の病気

糖尿病、バセドウ病、肥満症など

12:皮膚科系の病気

じんましん、帯状疱疹など

これをご覧になった80才代の女性患者Aさんから電話がありました。

「先生、チラシを見て・・・・ちょっと言いにくいんですけど・・・もしかして、お尻から出たホオズキみたいなのも、治るかしら・・・と思って。」

「ああああ・・・大丈夫ですよ。」

という事で、翌日の治療予約を取りました。そこでやったのは、頭の天辺にある百会(ひゃくえ)というツボに50壮のお灸。それだけです。お灸の大きさは米粒(こめつぶ)ほどの小さなものです。お灸には間接灸と直接灸とがあり、治療に使うのは9割以上、間接灸です。間接灸とは、皮膚を焼ききらないヤケドをしないお灸です。ポイントは、火だねが皮膚に到達する手前で火を消すことにあります。

ところが、多く人々はお灸とはてんこ盛りのモグサに火をつけて火傷(やけど)を作る荒療法と思っています。もっとも「お灸をすえる」「ヤイトをする」というのが子供のしつけの常套(じょうとう)手段になっているので、仕方ありません。

ところが、Aさんの場合、間接灸を何壮かやっても熱が通らないので、途中から焼き切る直接灸にしてみました。

「Aさん、熱感じますか?」

「感じます・・・・気持ちいいです。」

何ど聞いてもこんな返事なので、気持ちいいお灸を50壮したことになります。そして、翌日の朝、Aさんから電話。

「先生、お尻のホオズキなくなりました。ありがとうございます。」

午後には、野菜好きの私のためにレタス、ブロッコリー、椎茸、アボカド、酒好き用にタラコ料理、柚木のタレをいただき・・・・・美酒に酔っているのです。

患者さんが教えてくれる

2ヶ月ほど調子が良かったので、来院していなかった60才代の男性患者Aさん。昨日6mの高さのところへ、30kgの荷物を2回運んだのが原因なのか、良く眠れず、朝起きると首の左側が痛く、さらに縦揺れのめまい(50cmくらい垂直に揺れる)におそわれたそうです。それで来院されました。

「Aさん、最近は足にパイオネックス(円皮鍼)を貼るように変わってきてますよ。」

「そうなんじゃ・・・」

早速、靴下をぬいでもらい、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)右に痛み(右から治療)。次に膝診(腓腹筋周辺の触診)

頸椎

右:#4、#7

左:#3、#5、#6

胸椎

右:#1、#2、#4

左:#1、#2

腰椎

右:#5

左:#6

 

上記に圧痛点があり、右に4個のパイオネックス(直径0.15、長さ0.6mmの鍼)で圧痛点消滅。ところがAさんの左首は痛みが取れません。そこで、左足の頸椎治療点(まだ仮説のため、公言出来ません)に爪を立てるとものすごい反応。Aさんは、のけ反りイスから倒れそうでした。そこにパイオネックスを貼り、私の右中指先端を軽く触れる操法を始めました。しばらくすると、

「先生、これ気持ちええねえ・・・・・手のひらが温(ぬく)なってきた・・・首が緩んできた・・・・」

Aさんに首をチェックしてもらうと、もう痛みはなくなっていました。ただ、左目が上手く開(あ)けられません。そこで足の甲をあちこち触っていると、

「先生、今日はそこらあたりが痛うてたまらんかった・・・・そこじゃ!」

足の甲に猛烈な圧痛点がありました。そこにパイオネックス。

「・・・・・先生、目が開(あ)いた・・・・分かった、そこじゃったんじゃ。先生、縦に揺れるめまいのツボはそこじゃ!今度、縦にめまいがある言う患者さんが来たら、そこをやってあげて。相当気持ち悪いし、脳じゃないんかと不安になるんじゃけん。」

と、Aさんから教わるばかりでした。このような体験を通して少しずつ治療点が分かってくるのだと思います。

出張治療

ご高齢で来院出来ない患者さんには、出張治療をしています。今日は、出張日。

ご夫婦を同時に治療します。前回までは頭に置鍼をしていたのですが、今回から、足にパイオネックス(円皮鍼)を貼る治療に変えました。奥様のAさんには、2~3本の置鍼をしていたのですが、パイオネックスだと、もう少し多く貼る事ができます。理由は、パイオネックスは、長さ0.6mmの弱刺激だからです。皮膚に貼っても痛みは全くなく、しかも1週間くらいは、はげ落ちたりしません。お風呂に入っても大丈夫です。

Aさんには、パイオネックスを6個貼りました。ご主人のBさんには4個貼り終了。

これは、あくまでも私の仮説で勝手にやっていることなので、パイオネックスを貼った場所などは、お知らせ出来ません。ただ、膝診、足首診の圧痛が無くなっていることは、確かです。また、パイオネックスの上に中指を軽く触れる操法が、効果的なので患者さんにご自身で出来るように指導しています。次回の訪問が楽しみです。

追伸:治療の途中でお隣の方が来られて、ご主人が作った足大根の写真を見せてもらいました。絵のように偶然にも5つの指がある大根❗️・・・・・お隣さんは、週に一回来院される私の患者さんです・・・・・とにかく、この写真で大盛り上がり、治療効果抜群でした。

腰が熱い

2週間前に腰痛で来院された高校生A君。今回もお母様と一緒に来院されました。治療後調子良く練習をしていたのですが、最近、投球(サイドスロー)したり、バットスイングをすると、左腰部から背中にかけて痛みを感じるようになりました。体幹を捻(ね)じ、最大可動域のところで、痛みを感じるようです。上腕診、首診の代わりに膝診、足首診をするようになったため、また新たな発見がありました。膝は上腕に比べ大きいため、頸椎の1番から胸椎、腰椎を経て仙骨までの状態把握ができます。これは、診断する上で大いに役立ちます。下記の#数字は、頸椎、胸椎、腰椎の椎骨の番号になります。

膝診(膝窩横紋周辺の触診・・・圧痛点の位置で椎骨の悪い個所が分かる

頸椎左:#4、#7

右:#1

胸椎左:#1、#8、#12

右:#1、#8

腰椎左:#2

右:#1

上記の結果に対し左側のみに置鍼。左胸椎#8に対し1本置鍼・・・#1、#12の痛みもなくなる。

左腰椎#2に対し、3本耳ウラに置鍼。これで、左腰痛がかなり軽減。

「今、どんな感じ?」

「・・・・・・かなり良くなりました・・・けど、奥の方が痛いです。」

そこで、左側頭部に4本、後頭部に2本置鍼。

「これでどう?」

「・・・・確実に良くなってます・・・・けど、まだ痛みはあります。」

そこで、(私の勝手な)仮説を元に、足の甲の腰椎に対応する個所にパイオネックスを5個貼り、私の中指を軽く添える操法。しばらくして、

「今、どんな感じ?」

「腰が熱くなってきました。」

「熱く過ぎる?」

「いいえ、気持ちいいです。」

そこで、お母様を呼び、私と同じようにパイオネックスの上に指先を置いてもらい、私は治療を止めました。お母様には5~6分この状態を保っていただきました。

「これで、腰はどんな感じ?」

「・・・・・・全然大丈夫です。これだったら、今でも(ボール)投げられます。」

お母様には、この治療をする様にお願いして後は、雑談で終了となりました。

手の痛みは、足で取る

無農薬農法をされているご夫婦が来院。70才代の奥様Aさんから治療を始めます。昨日草引きを徹底的にしたため、左母指球が痛くてしかたがないとのことでした。そんな時は、左足(左手ではありません)の母趾球に必ず圧痛点があるので、丁寧に探すのがポイントです。

「・・・・ここらあたりに、痛いところありませんか?」

「いやべつに・・・・・・・・痛い!痛い!そこは、痛い。」

ピンポイントであるので、探すのに少し時間がかかりました。あとは、その圧痛点に軽く私の左中指を添(そ)えるだけです。しばらくして、

「・・・・・何か、手の親指が緩(ゆる)んできよる気がする・・・弱い電気が流れよる感じ・・・」

「そうでしょう・・・・今、親指はどうですか、ちょっと触ってみてください。」

「・・・・痛みが全然、変わってきた・・・・凄い!人間のカラダって凄い!」

驚いてご主人の方を振り返っても、ご主人は何が起こっているのか分からないので、返答のしようがありません。こういう時は、もうしばらく施術を続けしっかりと結果を出して、説明するのが一番いいようです。Aさんは、気持ち良さそうに目を閉じて、今にも眠りこけそうです。Aさんの左手母指球を見つめていると、反対の右手親指が微細な動きをするのに気がつきました。

自発動が始まっています。この動きは無意識の動き。これで、カラダの歪みをとっているのです。

「今は、親指どんな感じですか?ちょっと、チェックしてみてください。」

「・・・・ええ感じ・・・もうほとんど痛ない!」

「じゃあ、これぐらいでいいでしょう。」

私は、これから始める鍼治療の間に、左手母指球が良くなるような予感があったので、指で触れる施術は終了しました。体験した奥様は納得した様子ですが、ご主人は何が起こったのかわからないため、三浦寛先生のイラストと写真の多い「皮膚からのメッセージ」(たにぐち書店)を見ていただいて、施術法の一つである事を分かってもらいました。

Aさんの鍼治療を終了し帰宅される際に、母指球の状態を伺うと、

「全然痛くない!」

とのことでした。

追伸:これは自分自身でも出来るので、そのやり方をご夫婦にお教えしました。

壁・・・こそチャンス

「私の右脚には10人の脚が、束(たば)ねてあるんです。」

と、ご自身の痛い右膝のことを表現していた70才代の女性患者Cさん。最近では、10本脚から、元の1本脚に戻り、以前ほどの腫(は)れはないのです。しかし、非日常の当院での施術で膝の痛みがなくなっても、日常に戻ると、痛みが元に戻るそうです。Cさんにとって、非日常である当院の施術はあくまで非日常で、日常は膝痛持ち生活なのです。

この壁を何とか超えないと、次のステップに進めません。手探りのまま治療をはじめることにしました。いつものように足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):右(右から治療をはじまます)。

膝診(膝窩横紋周辺の触診=頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳、小脳の診断)

頸椎

右:#1、#2、#3、#4、#5

左:#1、#2、#3、#4、#5、#6、#7、

胸椎

右:#2

左:#1、#10

腰椎

右:なし

左:#1

#数字はそれぞれの椎骨の番号(圧痛点)

足首診(内臓の状態を診断)

右:肝(1)、心包(2)、心(0)、三焦(1)、肺(0)

( )内の数字は置鍼数

施術途中で、Cさんの第三、第四、第五中足骨付近の腫(は)れが気になりました。そこで、何気なく爪で圧痛点を探ると、Cさんは悶絶(もんぜつ)するくらいの痛みを訴えました。

「ここに違いない!」

と、その後はCさんの足の甲にある圧痛点を爪で痛気持ちよくこする療法を7~8分。そして3ヶ所の圧痛点にパイオネックス(円皮鍼)を貼り、歩いてもらうと、2年ぶりに右足の母趾球で床を蹴(け)るような歩きができるようになりました。これで、私にあるヒントが浮かんだのです。まだ、言えるようなものではありませんが、いつかお話出来るといいですね・・・・まあ、単なる妄想かも・・・