京都出張治療3日目

 

京都出張治療3日目

ゴムボールに出会う

この2~3カ月、慣れない事務仕事で、首肩コリが激しくなった50才代の女性患者Bさん。今回が初めての治療となります。まずは、合谷診(人差し指と親指の間の触診)から始めます。

合谷診:右(右側から始めます)

上腕診:左頸椎(3)、胸椎(2)、腰椎(1)、脳幹(1)

:右大脳(1)

上記(  )内の数字は、治療点の圧痛点がなくなった時の置鍼数。

これで、基礎治療終了。自律神経を整えました。

首診:左腎(1)、膀胱(1)、三焦(0)、脾(0)

:右膀胱(2)、心包(0)、三焦(0)

上記(  )内の数字は、治療点の圧痛点がなくなった時の置鍼数。

応用治療で内臓を整えました。

この時、一番最後に膀胱治療点に打った鍼の様子を、お伝えします。私のねらいは、膀胱治療点の手間5mm位のところ。ここに1寸(3cm)の5番鍼(直径0.25mm)の鍼先を軽く刺し、斜めにゆっくりと膀胱治療点めがけて挿入します。その時、ゴムボールの塊(かたまり)に出会いました。

『何じゃこれ???・・・・こりゃ、鍼が進まん!』

と思っていると、

「来た❗️そこそこ、グニャっと当たった・・・・効いてる‼️」

その後、刺した鍼がゴムボールに負け、フニャっと斜めにぶら下がってしまいました。こんなことは、初めてです。しかし、効果は抜群。上記の首診で、膀胱(1)、三焦(0)、脾(0)と印されているのは、膀胱目指して刺し、三焦、脾までが、治った事を示します。この一刺しでBさんの左肩がずいぶん楽になりました。そして、Bさんが、

「カラダの中の反応が、あんなに感じられたのは初めて・・・・しかも、先生が同時に感じているなんて・・・・・不思議やわ・・・・カラダは、面白いですね‼️」

本当に、不思議な体験でした・・・・しかし、まだ左肩を上げると引っかかりがあります。そこで、胸部ソマトトープ(小さな人型)の胸骨にある肩の治療点に、4本置鍼。

「Bさん、肩どうですか?」

「・・・・あがる❗️軽い‼️先生、大丈夫です。」

ニコニコ笑顔のBさんでした。

京都出張2日目

「今日は、足が北極の氷みたいに、冷たいの・・・・どうにかして❗️」

70才代の女性患者Cさんのご要望です。長年お付き合いのある患者さんのため、私が鍼灸師になる以前、操体法で治療していた事もありました。そこで、今回は操体法と鍼治療を併用することにします。

京都は、今年一番の寒さ。雪のチラつく大徳寺の茶室となると、エアコンはあるものの寒いです。Cさんは、茶室に入ってこられるやいなや、靴下を脱いで布団に入り、お休みの態勢です。

そこで、早速素足の底に手をやると、確かに氷のように冷たいのです。いきなり難題を持ち込まれました。

「そうしたら、手からやっていきましょう。」

左手の圧痛点の「筋膜はがし」を丁寧に行います。ねらいは、左足の血流アップ。下肢と上肢は、おヘソを介して上下対称に痛みやコリが分布しています。そのため、左手のコリを取れば、左足のコリも取れていきます。

「Cさん、足の冷えはどうですか?」

「・・・・そうね、北極の氷から、南極の氷に変わったくらいかな?」

「そうですか・・・そしたら、右手に移ります。」

左手同様に、右手の圧痛点筋膜はがしを続けます。両手の平は、ピンクと赤のツルツルした色に変わってきました。

「今も、冷たいですか?」

「そんなに変わらないわね。」

次に、左右側頭部にあるIソマトトープ(小さな人型)の足に位置するところに、軽く指を置く治療。約5~6分経過して、

「今度は、どうですか?」

「そうね・・・・北海道の氷くらいに、なったかな・・・」

少し変化が見えてきたようです。今度はいきなり◯◯◯◯◯◯という後頭部の治療点に指を置いてみました。6~7分経って効果が見えてきました。

「関東の透けてきた氷くらいになって・・・氷が指先だけになってきた。」

と、突然Cさんの右膝に痛みが走りました。そこで、右肘の圧痛点を見つけ気持ち良く押圧。

「どうですか?」

「・・・・治(おさま)ってきました。」

今度は、後頭部のKソマトトープ(小さな人型)にある足底に位置する治療点に指を置きます。どうやらこれも効いたようです。今まで透けていた氷の指先がみるみる溶け始め、第5趾と第4趾に氷が残る程度になりました。

「第5趾、第4趾以外は、どんな感じですか?」

「そうね・・・お湯じゃないけど、普通の水になってきました・・・あれっ、また右膝が痛くなって来た」

そこで、右側頭部のIソマトトープのG点に置鍼。これで右膝の痛みは取れました。後は、両足の第5趾、4趾の氷・・・・これらを、両手の小指、薬指に気持ちよく押圧し、

「関西の透けた薄氷になったわ。」

この時点で、治療終了となりました。

京都出張初日

50才代の女性患者Aさん、1カ月ほど前から、右肩に違和感がありました。そして、1月半ばの夜中に寝返りをした時、右肩に痛みを感じました。それ以来、右肩にヘチマの筋(すじ)のような物が1~2本ある感覚があります。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):右(右側から治療を始めます)

上腕診(肘内側の横紋の触診)

左:胸椎(2)、腰椎(2)

右:胸椎(3)

上記は、基礎治療で、自律神経を整えます。

首診

左:腎(1)、膀胱(1)、大腸(1)、三焦(0)

右:腎(1)、膀胱(1)、心(1)、胃(1)、脾(1)

上記は、応用治療で内臓の働きを整えます。

上記の(  )内の数字は、上腕診、首診で存在した圧痛点の個所に対し、頭部の治療点に置鍼し圧痛点がなくなった置鍼の数。

これで、Aさんに右腕を上げてもらいますが、痛みはあります。そこで、右側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の上肢に当たる部位の圧痛点3個所に置鍼。

「Aさん、右腕上げてみて下さい。」

「・・・・軽くなった。でも、まだ筋(すじ)がある。」

そこで、右側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の下肢に当たる部位の太ももと股間の間に当たる部位に置鍼1本。

「今度は、どうですか?」

「・・・・あれっ、すーっと上る・・・筋(すじ)を感じない・・・ホント❣️」

これは、どういうことかというと、「上肢の痛みは下肢で取る」という法則を、側頭部に存在する上肢と下肢に当てはめてみた結果です・・・結果が出て、びっくりしました‼️

絵を描いた女の子

絵を描いた小学6年生の女の子Aちゃん、今日は治療です。

1月半ばまでは、元気に普通の生活を送っていたのに、1月20日頃から朝起きて、調子が悪くなり、車酔いも激しく起立性調節障害と診断されました。思春期前後の小児に多くみられる自律神経の機能失調です。

Aちゃんのお母様は、操体法にも興味があるので、操体法の治療から始めます。今回はその内容を省略しますが、3種類の動きの操法を行い、Aちゃんに、お家でもやってもらうように指導しました。お母様にも覚えていただき、親子で楽しんでもらいたいのです。操体法はカラダの歪みを気持ちよく取る療法で、自力で治療できます。

Aちゃんは、鍼が嫌いなので指を鍼代わりとする手技をおこないます。施術前の合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診が、指の手技後で変化し、圧痛点が少なくなれば、鍼に代行出来る治療と言えます。結論からいいますと、下記の通り鍼ほどではありませんが、ある程度の結果は出ました。

施術前              施術後

合谷診:左             合谷診:どちらも圧痛点なし

上腕診:左大脳           上腕診:左なし

:右頸椎、腰椎、小脳        :右腰椎

首診:左腎、膀胱、心、大腸、三焦  首診:左腎、膀胱、三焦

:右腎、膀胱、大腸、三焦      :右大腸、三焦

私がなぜ、どこに指を置いたか・・・説明しようとしましたが、私の文章力では、限界。

誰がいくら読んでも理解できないものになってしまいます。そこで、Aちゃんの頭に指を置いている間の会話を記(しる)しますので、想像してみてください。

「今、どんな感じ?」

「背中の下の方が、ジンジンしています。」

「今度は、どうですか?」

「お腹の上が何か変・・・・・・・・・抜けました。」

「今は、どうですか?」

「おへその辺りが痛いです。」

「今は、どうですか?」

「痛くなくなりました。」

となり、治療を終了。Aちゃんのカラダが素直なため、触れた頭の治療点にカラダが正直に反応しているのが良く分かりました。今後も続けていきます。

寝違えて首痛の高校生

2日前に寝違えてしまい、首を捻(ひね)っても、前に倒しても痛みが走る高校生A君。

15カ月ぶりの来院となります。

「今は頭に鍼を刺す治療法に変わったんよ・・・・それでもかまん?」

「・・・・えっ・・・いいです・・・」

ただでさえ大きい目のA君が、まん丸の目でポカ~ンとしています。やや不安そうな表情が見え隠れするので、

「あんね、この鍼はね・・・すごく効きがいいのよ。特に首じゃろ、首にはぴったりじゃわい。」

「はい!」

ちょっと安心するA君。それでは、いつもの様に合谷診(人差し指と親指の間の触診)から始めます。

合谷診:左(左側から治療します)

上腕診(肘内側の横紋の触診):左腰椎

:右頸椎

A君は、左腰椎に対応する左肘内側に圧痛点があります。それで、左耳前方の圧痛点を見つけ、1本置鍼。すると、左肘内側の圧痛点がなくなりました。これで、A君は納得したようです。次に右頸椎に対応する右肘横紋の外側圧痛点を、再確認して、オデコ中央部の生え際の圧痛点に3本置鍼。すると、右肘横紋の外側l圧痛点がなくなりました。これが基礎治療です。

「首・・・どう?」

「少し楽になりました。」

続いて、応用治療になります。首診をすると、

首診:左膀胱、肝、三焦

:右腎、膀胱、三焦

上記のようになりました。そこで、左側頭部膀胱に対応するところに1本置鍼。これで、首の膀胱に対応する圧痛点がなくなりました。続いて、左側頭部肝に対応するところに1本置鍼。やはり、首の肝に対応する圧痛点がなくなりました。そうすると、左三焦の圧痛点は、置鍼しなくても、なくなりました。

「これで、首はどう?」

「左は軽くなりました・・・でも、右に痛みがあります。」

右側頭部の腎に対応ところの圧痛点に1本置鍼。首の腎に対応する圧痛点がなくなりました。次は膀胱、やはり同じように、首の圧痛点がなくなりました。このように首の圧痛点がなくなってくると、痛みが絞られてくるようです。

「A君、どこへんが痛い?」

「ここです。」

もう痛みは首というよりも肩の部分になっていました。そこは、丁度残った三焦に対応する圧痛点です。側頭部の三焦に対応する圧痛点に1本置鍼。首(というか肩)の圧痛点がなくなりました。それでも、首、肩に圧痛点がまだ残っています。その圧痛点は、大腸と胃に対応するところにあります。それぞれに対応する右側頭部の圧痛点に1本ずつ置鍼。

「A君、首どう?」

「あっ、大丈夫っす。」

「もう一回、ゆっくり調べてみて・・・」

「・・・・・大丈夫っす❣️」

後は、30分Jポップを聴きながら休んでもらいました。首診のある山元式新頭鍼療法は寝違えに良く効くと実感しました。

左首痛が、突然右首痛に!

「先生、今日治療してもらえる時間ある?」

「え~とね・・・・21時半、9時半からじゃったら、大丈夫です。」

「そしたら、それでお願いします。」

本日の最終患者は、60才代の男性患者Cさん。Cさんは大変感覚が鋭く、様々なことを教えてくれます。本日は左半身に痛み。左首、左肩が特に痛いそうです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)では、左右ともに圧痛点があるそうです(こんな時は、左側からでも右側からでも鍼を打っていってもいいと思います)。

上腕診(肘内側の横紋の触診)で圧痛点がある個所。

左:頸椎、腰椎、脳幹、大脳、小脳

右:頸椎、胸椎、腰椎

まず左側から始めます。脳幹、大脳、小脳の順で、それぞれ1本の置鍼で、圧痛点がなくなりました。次に頸椎です。

「今、先生ポキッと音がして入ったわい。」

『・・・・?オレには、聞こえんかったけど・・・』

続いて左腰椎ですが、3本の置鍼が必要でした。これで、痛い左半身は終わり。

右頸椎。1本の置鍼で圧痛点がなくなりました。次に胸椎。2本で圧痛点がなくなりました。そのころ、しきりにCさんが右頸椎を押さえ始めます。

「先生・・・ワシは、元々右側を痛めとるんよ。左側の方が新しいんで、左側が治ったら、古傷の右が出始めたんじゃ・・・」

Cさんが押さえている個所が、丁度大腸の内臓点にあたるので、側頭部の大腸治療点に置鍼。すると、圧痛点が心の内蔵点に移りました。そこで、側頭部の心治療点に置鍼しましたが、まだ痛みがあります。そこで、Cさんに軽く口を開けてもらい、耳の前にある頸椎治療点に2本刺し、3本目を刺すと、

「ひゃーーー効いた!・・・じゃが、まだここが痛い・・先生、ここ押さえてみて。」

Cさんの指示した個所を押圧すると、

「先生、効く・・・・・先生が押すと、3本目に刺した鍼のところが痛なる・・・・これ、つながっとるな!」

押圧が効いたのか痛みが少なくなって来ました。しばらく、座っていたCさん、

「先生、右肩から指までジンジンして来た・・・・・ひどいな・・・今度は、背中の方に下りて来た・・・・3本目が効いとるなあ。」

「これで、先生もうええです。」

後は、Cさんにベッドで休んでもらうだけです。Cさんのカラダが治療の終了時間まで教えてくれます。私にとってCさんは先生です。ありがとうございます😊

スーッと立てた

90才の女性患者Bさん、特に悪いところはないのですが、歩行が困難でツエが必要です。また、イスにすわってから立ち上がるのが非常に難しく、時間もかかります。実際に、イスにすわって立ち上がってもらいましたが、太ももに手を置き時間をかけてやっと立ち上がることが出来ました。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、どんな患者さんでも、脳と頸椎、胸椎、腰椎を整える基礎治療から始めます。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左→左側から治療を始めます

上腕診:左頸椎、脳幹

:右頸椎

合谷診の進化系(合谷治療点を探す方法)で、合谷にある圧痛点を探し、左右とも腰椎にあることが分かりました。

合谷診の進化系:左腰椎

:右腰椎

それぞれに対応する個所に1本ずつの置鍼で、全ての圧痛点がなくなりました。

「Bさん、ここでイスから立ち上がってみて下さい。」

「・・・・あれ?立てた!」

あまりにもスムーズに立ち上がるBさんを見て、驚きました。次に、首診で12内臓点の圧痛点を探します。

首診:左小腸

:右腎、膀胱

やはり、それぞれに1本ずつの置鍼で、圧痛点がなくなりました。

「Bさん、もう一度立ってみて下さい、」

「・・・・スーッと立てた!」

最初よりもっとスムーズに立てました。今回は、膝や下肢を特にねらった訳ではありません。それなのに、こんなに効果があるとは驚き。Bさんは4日後に出張治療の予定です。今後の経過がたのしみです。

お絵描き教室

小学校6年生の女の子Aちゃんが、来院。

「途中しんどくなってしまい、治療出来なくなるかもしれません。」

娘さんの体調を気づかい、心配されたお母様の来院早々の一言です。その時点で、どの様な治療にするか全く白紙の状態になりました。とりあえず、カルテに氏名、住所などを書いてもらいます。

「ペンの持ち方が、しんどそうじゃね。そうやって、書きよったら、疲れろ?」

「はい。」

「あんね・・・ペンは、軽く持って、手首や肘を使ってこうやって書いたらええんよ。」

ペンを指だけ使って握り締めながら書いているAちゃんに、ボールペンでクルクルと曲線を引いて、ペンの握り方指導をしました。

「あんね・・・指だけ使って握りよったら、カラダも自然とうつむいて来て・・・・気分も自然と落ち込んで来るんよ。」

「気分良くなろうと思ったらな・・・・・手開いて中指を軸にして、小指を外に向けて回して・・・・・そう、そうしたら、自然と上向いて顔が向いていくじゃろ・・・その方が、気持ちええじゃろ!」

まず身近な生活指導から始めることにしました。そして、Aちゃんには、ペンを軽く持って曲線を引く練習をしてもらいます。

「上手じゃね~・・・・そしたら、色鉛筆持ってきたけんな・・・これで、色塗っとおみい(色塗てみてね)。」

中学生になったら美術部に入りたいくらい絵が好きなAちゃん、一瞬で緊張がほどけ、好きな色を探して、塗り始めるました。その時の姿勢やペンの持ち方が、重要です。勿論、小学校でも習っているとは思いますが、私が小学生(50年以上前)頃に比べると、習い方の厳しさは違うと推測します。

私の場合は、明治生まれの祖父さん、祖母さん(2人とも学校の先生)に習ったので少しでも、変な鉛筆の持ち方をすると注意されました。姿勢が悪いと竹の物差しを背中に入れられ、背筋を伸ばす習慣を身につけました。お陰で正しい鉛筆の持ち方が身についたようです。今は、あの時の厳しい愛情に心より感謝しています。

「そうじゃ!上手なったな~」

小学校6年だと、教えてすぐ修正できます。Aさん、ゆるんだ手で楽しそうに色塗りしますが出来ています。手がゆるむと、カラダがゆるみ、心もゆるみます。ましてや、好きな色塗りを楽しみながら・・・途中から、私も色塗りを始め、2人で楽しくおしゃべりも出来ました。

その結果、出来たのが写真の絵です。ウラに日にちと、それぞれの名前を書き、Aちゃんに差しあげると、

「あれだけ(60分弱)鉛筆持ったら、いつもは手が痛なるのに、今日は痛くない。」

と言い、お母様は、

「次回にカラダを診ていただきます。」

の言葉を残されて、2人は帰られました。

指が鍼に・・

間違った個所に指、結果は・・・

鍼に対して過敏に反応するため、鍼を使わず指で触れるだけの治療をする60才代女性患者Aさん。今回は胃腸の調子が良くないとのことです。そこで、治療方針を説明しました。

「まず、脳、脊椎を整えて、自律神経に働きかけます。これで内臓が整ってきます。そのあと首診で12の内臓点を診て治療します。」

上腕診(肘内側の横紋の触診) :左胸椎、腰椎、小脳

             :右なし

首診:左肝、胆、心包、胃、脾、小腸

  :右膀胱、胃、脾

Aさんには、ベッドに移動してもらい仰向けで寝てもらいます。

上腕診の左胸椎を私の思い違いで、左頸椎に対応する個所(オデコの生え際中央部のA点・・・実際には、左眉毛やや上の圧痛点E点におくべきでした)に軽く右中指を添()え、人差し指を、もう少し上の個所(脳点)に添えます。左腰椎に対応するAさんの左耳の前にあるD点に左中指を添えます(イラスト参照)

「左の胃だか腸だかが、グルグル動いています。」

この状態を78分続け、自律神経を刺激する基礎治療終了します。次に応用治療として、12内臓点のうち、最も反応のあった右脾、左脾に対応する側頭部(Y)の治療点に、左右の中指を軽く添えます。

「胃と腸全体が動き出しました・・・・・・歯(Aさんは、歯の治療をしています)に、やっぱりズシンっと来ますね。」

この状態で78分。次に、右膀胱、左肝に対応する側頭部(Y)の治療点に、左右の中指を軽く添えます。この間、Aさんは一言も話をすることなく78分過ぎました。

「今、どうですか?」

「落ち着きました。」

後は、ゆっくり20分ほど過ごしてもらいます。

最後に上腕診と首診を行い、指を添えるだけでそれぞれの診断に変化があるのか、チェックすることにしました。

上腕診:左胸椎圧痛点あり    首診:左肝圧痛点あり    

   :左腰椎圧痛点なし      :左胆圧痛点なし    

   :左小脳圧痛点なし      :左心包圧痛点なし   

                  :左胃圧痛点なし

                  :左脾圧痛点なし

                  :左小腸圧痛点なし

                  :右膀胱→圧痛点なし

:右胃→圧痛点なし

:右脾→圧痛点なし

上記のように、83%良くなっていました。左胸椎は、私の失敗で圧痛点が残った可能性があります。次回は、失敗しないようにします❗️

やっぱり、耳と仙腸関節

3年前から偏頭痛で悩んでいるCさんの続報

「今回は、翌日から少しずつ痛みが出て、金曜日がピークやった。」

前回は、完治したかと思うほど調子良かったのですが・・・・やはり、波があるようです。

「今回は、ノドが痛くて、痛くてノドを触りながら仕事していたんです。」

「そしたら、ここが痛ない?」

と、左側頭部の圧痛点に親指の爪を立てると、Cさんは、とっても痛がります。しばらく、押圧を続け、

「ノド・・・・どう?」

「痛み・・・だいぶ減ってる!」

そこで、山元式新頭鍼療法(YNSA)の教科書を見てもらい、首診で12内臓点を診て、ノドにあたる内臓点が肺であることを、理解してもらいます。その肺の治療点が側頭部にあり、たった今痛みを感じたところであることをお教えしました。

「ノドが痛なったら、ここを爪立てほぐしたらええんよ。」

「先生、ここも痛いけど・・・」

「そこは、小腸じゃけん、ここ・・・」

と、 その圧痛点の下にある圧痛点を、押圧。

「痛っっっっった・・・・確かに、痛みが減ってきた。」

Cさんには、圧痛点を感じることで、覚えていただきました。そして、今回も合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診をし、頭部に合計24本置鍼。

これで、かなり頭痛はなくなりましたが、まだアゴにしつこい痛みがあります。これをなくすために、昨日の「耳と仙腸関節」の理論を使います。

Cさん、ここ痛ない?」

「痛い!」

Cさんの左座骨付近を押圧すると、確かに圧痛点があります。そこは、Cさんが痛がっていたアゴに対応する個所だと考えています(興味ある方は、昨日の症例をみていただくと分かります)Cさんには、左脚だけあぐらを組んでもらい、私がCさんの足ウラを固定。Cさんには、固定した足ウラをゆっくり元に戻すような動きをしてもらいます。

「どう?」

「あれっ・・・・痛くない・・・どうして?」

やはり、「耳と仙腸関節」は、筋膜が綱引きをしている関係のようです。そこで、C さんに自分自身で出来る操法をお教えしました(イラスト参照)。これは、かなり効果があると思います。次回の来院を楽しみにしています。