クスノキの瘤(こぶ)パワーは本物

先日、高校1年生の女子野球部Bさんが、来院。

授業の持久走(3.5km)で頑張り、放課後の練習では30名くらいの男子野球部に混じって必死に走った結果、左下肢に激痛。歩くことさえ出来ない状態になりました。

その3日後、棒の様になった左脚を引きずりお母さんと共に来られました。

早速、ベッドに仰向けになってもらいます。

「あれ?、右足の方が長いんだけど・・・左きき?」

「いや、右利きなんですけど、左バッターとして練習しています。」

と、お母さんが説明してくれました。なるほど、左打ちをすると重心が左に移る動作をするため骨盤が左に傾くのかもしれません。

一般的に、右利きの人は、左重心の方が楽なため、骨盤が左に下がる傾向があります。そのため、仰向けに寝た時、左足が長くなる傾向があります。この左右差を調整する操法の説明を今回は省略。

さて、左脚が棒の様になったBさん。

「このクスノキのコブをベッドに置くけんね、その上に痛い方の左脚を置いて、寝てくれる?」

「はい!」

「どう?痛ない?」

「大丈夫っす!」

枕もクスノキの輪切りにします。後は、私がBさんのカラダをただただ揺するだけです。10~15分揺すりました。

「は~~い、そしたらね、ユックリ起きて、歩いてみようか?」

「どう?」

「あれ?大丈夫・・・歩けるし ・・・痛くないです。でも、重心を左に掛けるとお尻の付け根が痛いです❗️」

そこで、色々鍼治療を試してみたのですが、左にしっかり重心を掛けると痛みがあります。欲張っても仕方がないので、本日はこれでおしまい。

それにしても、クスノキの瘤(こぶ)パワーは本物です。

京都の猿丸神社では、癌封じのため木の瘤(こぶ)が祀られています。 

また、京都にはクスノキの瘤(こぶ)がパワースポットになっている神社があるそうです(次回、調べておきます(#^.^#)

ツボの流れがわかる⁉️

50才代女性患者Aさん、皮膚に引っかき傷を作った結果、全身にアレルギー反応(発疹)が出てしまいました。繊細なAさんは、この時期に度々(たびたび)あるそうです。

いつもの様に腹診をし、お腹のコリを見つけ、足の大切なツボに鍼を刺して、お腹をゆるめます。次に首のコリを診て頭皮に鍼を刺し置きします。

Aさんの右手近くに立っていたので、何となく右手の母指球が目に入りました。いつの間

にか、手に取り押圧。特に気になった訳ではないのですが、こういう自然な動きは、案外うまくいくことがあります。

今回のAさんは全身に発疹があるため、『皮膚に軽く触れるだけの操法にしよう!』と徐々に思い始めました。Aさんの右手母指球と、右肘内側の圧痛点に左右の中指を軽く置きます。しばらくすると、

「先生、右指先からお腹に流れて、Mの字を描く様に、左指先まで流れています。面白いですね~~」

「今度は、右手から右足に流れてお腹に行って、左足に流れ、左手の中指まで流れています。はっはっ・・・おかしい❣️」

「あれっ、今度は胸の方から波の様にサラサラと下がっています❣️」

Aさんの右手に触れていた私の手を、右足親趾の圧痛点に移動しました。すると、Aさんから次の様な言葉が、

「直(ちょく)で頭に来ています。そして、鼻が凄いことにになっています。」

しばらく経って

「右足から右手に流れています・・・・・・あれっ、今度は、クロスして反対側の手に流れています❣️」

Aさんの様に繊細な方は、感受性が豊かなため、ツボの流れを体感できるのだと思います。この様な人々の証言から統計学的に、ツボの流れが明らかになっていったのでしょう。

今回の体験を通してAさんカラダがどの様に変化したのか、次回伺ってみようと思います。

「やっぱり響きます❣️」

おおよそ3ヶ月前から来院。週1回くらいのペースで今回が10回目の70才代男性患者Bさん。病院では、下肢静脈瘤、脊柱管狭窄と診断されています。初診では、両足底が深さ1cm

位しびれて、歩行が難しい程でした。良くなったり、元に戻ったりしながら、徐々に回復しています。

今回は、足底の痛みはありませんが、左の足先にしびれ感が残っています。

早速、山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭皮に5本鍼の刺し置きをします。左のおでこの生え際に鍼を刺すと、

「先生、左の足先3本に来ました❣️」

どんぴしゃで、ツボに刺さったようです。残り4本は、特に変化はありませんでした(*^^*)

左手を全身と捉えると、親指が右下肢、人差し指が右上肢、中指が脊柱と頭、薬指が左上肢、小指が左下肢となります。最近の治療では、この見方で指にお灸を据(す)え、患部を治療することが増えています。

特に、冬場の寒い時期は、極力肌を出したくありません。なるべく、肘から下、膝から下、頭のツボを使った治療をするようにしています。患部の左足のしびれに対して、左小指に7ヶ所お灸をします。

「先生、右足に来ます。途中から右足が浮いた感じになります❣️」

左足にアプローチしたはずだったのですが、なぜか右足に反応があります。

今度は、右足にアプローチしてみます。左親指の圧痛点を丁寧に取り、お灸をします。

「先生が、親指先端を叩(たた)くと、右足ウラに響きます❣️」

「へ~~え~、面白いですね!チョット叩(たた)きますね~~・・・・どうですか?」

「やっぱり、響きます❣️」

初診時は、どこを触っても、強く押圧しても何も感じなかったBさん。

この3ヶ月で感覚は随分回復しているようです。

過去のカルテを読み返してみると、足底が完全にしびれているため、足底の強刺激を中心にスタートし、足底のお灸へと移行。次に、山元式新頭皮鍼療法(YNSA)の導入。

YNSAで治療し始めてから、感覚が鋭くなっている様です。今後とも、YNSAを併用していく必要がある様です。

強い生命力と強い意志

 

強い生命力と強い意志

先日、50才代の男性患者Cさんから、嬉しいメールをいただきました。ちょうど4ヶ月前に悪戦苦闘の治療をしたCさんは、高校時代は野球、大学時代はラグビーをしていたスポーツマンで、ガッチリした体躯の方です。

「佐伯先生、ご無沙汰しております。今日、雪の愛宕山に登ってきたのですが、いつも下山の際に痛くなる膝が、施術により、今回は痛くなりませんでした。不思議なくらいです。ありがとうございました。」

本当に嬉しいメール、ありがたいです。

しかし、あの時の治療は全く上手くいかなかったのです。にもかかわらず、4ヶ月持っている・・・?

何が効いたのかよく分かりませんが、4ヶ月前の治療を思い出してみます。

Cさんは、ラグビーでタックルをされた際、左膝半月板損傷。この古傷が痛み始めました。また、左下肢全体に張りと痛みもあります。

そこで、2つの見方による治療を行いました。

1つは、天城流。天城流では、膝痛は下肢全体の筋膜の絡(から)みをほぐす事に重点を置いています。特に、太もも、足ウラ内側の筋膜は重要です。

この2カ所に鍼とお灸をしっかりしますが、なかなか良くなりません。

ガッチリとした体躯なので、太ももの圧痛点に鍼を刺すのですが・・・

足ウラ内側にお灸を3~5壮するのですが・・・

そこで、2つ目。左膝の対角の右肘に14cmのステイック状の鍼でほぐします。

しかし、これもうまくいきません。

結局は、こんな状態で治療は終了しました。とても、気になっていたのですが・・・

「佐伯先生、昨日はありがとうございました。昨日の脚の痛みは全くなくなり、膝も軽くなったようです。」

というメールが届きました。

「えっ?良くなったんだ❣️」って言うのが、正直な思いでした。

それから、4ヶ月経っても、痛みがぶり返すこともなく、下山道でも膝痛が出なかった。

これは、私の技術というより、Cさんの生命力の強さと、治りたいという強い意志がこの様な結果を招いたものと思います。

そっと静かに消えて下さる?

右足先の痛みがなくなった92才の女性患者Aさん。本日は、右腕特に小指側のしびれが気になり、カラダ全体がだるいそうです。

92才になられても、頭はしっかりしておられ、毎日室内の散歩はかかせません。ただ、なかなか熟睡できないそうです。

いつものように、腹診をしますが、特にコリや痛みはありません。

指先のしびれを天城流では、肩甲骨、大胸筋、肘の筋膜を剥(は)がして治します。ところが、高齢の患者さんに、ある程度の痛みをが伴う剥(は)がしは不向きだと考えます。

そこで、肩甲骨、大胸筋、肘の圧痛点に軽く中指を触(ふ)れるだけの操法で治療。

この間、穏やかな時間が流れ、スズメやカラスの話、冬眠の話など・・・

「爆睡をしてみたいワ❣️」

突然、Aさんがおっしゃっいます。そこで、踵(かかと)中央部の失眠(しつみん)というツボにお灸をすることにしました。左右のツボに5壮(同じツボに5回)程度お灸をし、再び右腕に触(ふ)レました。

「Aさん、随分手があったかくなりましたね~~」

「そうなの、ポカポカしてる❣️」

肩甲骨と胸の圧痛点に軽く中指を添(そ)える操法をはじめます。しばらくすると、

「なんか、カラダは眠っているのに、意識があるのよ❣️」

「ええ、この治療法では、そういう事がよく起きます。ですから、いびきをかいている患者さんに、話し掛けるると会話が出来、会話が終わると、患者さんが再びいびきをかき始めたりします。」

「不思議ね~~」

しばらくして、

「そっと静かに消えてくださる?」

という事で、爆睡される事を期待しつつ、忍者のように消えていく私でした。

 

3本指が鍼(はり)のかわり

92才の女性患者Aさん、右足先(第2、3趾)が痛く歩くのに不自由だそうです。 また、右腕にしびれを感じます。

「Aさん、ベットでじっとしていても右足先は痛いのですか?」

「ハイ、痛みはあります。」

ということで、足先から最も遠い右側頭部の圧痛点を探すことにします。 この圧痛点は、山元式新頭鍼療法(YNSA)に沿った3カ所です。本来なら、この3カ所に鍼を刺し置きすればいいのですが、Aさんは、鍼が嫌(きら)いなため、右手の親指、人差し指そして中指の3本を、鍼の代わりにします。

3本の指をAさんの右側頭圧痛点に、軽く触(ふ)れるだけです。この状態で15~20分経過。

「Aさん、右足先の痛みはどうですか?」

「痛くありません❣️」

右足先は良くなったようです。3点のうち2点は、右足先狙(ねら)いだったのですが、残りの1点は右腕のしびれ狙(ねら)いです。しかし、右腕のしびれはなかなか取れません。

そこで、お灸を右肘の圧痛点4ヶ所に3壮ずつ、第4指の圧痛点にも2壮しますが、お灸の熱があまりお好きではないようです。

 「Aさん、ユックリ起き上がって歩いていただいてよろしいでしょうか?」

「あっ・・・右足痛くないです❣️」

右腕のしびれは取れませんが、右足先の痛みは取れましたので、治療を終了しました。

足首は手首で治す

長時間の正座で感覚がマヒしてしまい、立ち上がろうとした時、左足首が可動域を超えて外側の靭帯を損傷してしまった30才代女性患者Cさん。

近くの病院に行き診てもらったところ、大した捻挫ではないと診断されました。

しかし、翌日から外踝(くるぶし)が紫色に腫れ上がり、もう一度、別の病院に行き、手当を受けました。現在は、包帯でしっかりと固定されています。

「Cさん、捻挫をしたら、まず患部を氷水で徹底的に冷やしてください。毛細血管が切れているのでその切り口を閉じなければ、どんどん内出血してしまいます。」

Cさんは、この重要な処置をしなかったため、内出血の腫れが出来てしまいました。

今回は、左足首は固定されているため、その対角に当たる右手首の圧痛点を見つけ出し、全身のバランスを取っていく事にします。

右手首周辺の皮膚を丁寧につまみ上げていくと、痛いところと、そうでないところがはっきりと、現れてきます。痛いところに赤印を付けていくと、手首外側に大きな長細い地図ができます。この形の相似形が、左足首外側に存在しているのです。

今回は、右手の圧痛地形図にクスノキの瘤(こぶ)を軽く当て、気持ちよく揺(ゆ)擦ります。

かなり、ほぐれて来たので、お灸をします。

最も痛いであろうところは最後に残し、徐々に外側から始めます。

「ここ、痛いですか?」

「痛い‼️痛いです‼️」

やはり、足首の患部に対応する部位が、飛び上がる程痛いのです。そこにしっかりとお灸をし、今回は終了しました。

追伸、Cさんから下記のメールが届きました。

佐伯先生にこの前お灸して頂いたら、それまでズキズキ痛んでいた靭帯の痛みは治っています(ビックリ!)

また痛くなってくるのかなあ、と不安でしたが、今のところ大丈夫です。

佐伯先生のおかげです。ありがとうございます!

正座が出来た❣️

昨年の4月から正座が出来なくなった60才代の女性患者Bさん。変形性膝関節症と診断され、今回の治療で8回目となります。徐々に回復し正座した時、太ももと踵(かかと)が接触するぐらいになっています。初診の時は、14~5cmくらいは空いていたと思います。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で、膝、下肢に対応する頭部に鍼を刺し置きします。

あとは、松山から持ってきた2個のクスノキの瘤(こぶ)をBさんの両膝うらに置き、3個目の瘤(こぶ)を太ももの内側に置き、ユックリと揺(ゆ)するだけです。

「どうですか?」

「気持ちいいです。最初痛かったところが、徐々に痛くなくなって、気持ちいいです。先生、このイボイボ、絶妙ですね~~」

「これ、私に合っていると思います。」

15~20分くらいは揺(ゆ)すって、太ももが随分ゆるんできました。

「頭に鍼を刺したままですが、ユックリ起き上がって、正座をしてみてください。」

「・・・よっこらしょ!・・・アレッ、正座できた❣️❣️・・・・何ヶ月ぶりやろ?(10ヶ月ぶりです)」

確かに、しっかりとお尻が踵(かかと)について体重が乗っています。ただ、両膝の内側にまだ痛みがあります。そこで、対角の両肘内側の圧痛点を探してみます。

「痛った!先生、そこ痛い。」

肘と膝はお互い影響し合っているため、対角に位置する部位(右膝←→左肘)を治療すると連動して良くなることが、あります。そこで、両肘圧痛点に鍼を刺してみました。

頭に刺した鍼を抜いて、

「ユックリ起き上がって、正座してみてください。」

「・・・・張りがあるけど、痛みはありません❣️・・・これなら、お茶(茶道)できそう❣️」

とニコニコ顔のBさんでした。

クスノキの瘤(こぶ)で胸椎一点押し

スキー大好きな60才代の男性患者Aさん。いつものように温泉に入ってからの来院。

「ここへ、来るようになって、よく歩けるようになるでしょう。そうすると、翌日右股関節が痛くなって・・・プールに行って歩くと良くなって・・・そんなのを繰り返しながら良くなっています。」

「先生、今日は、胸椎の一点に来ています!」

Aさんは、スキーの最中に頭から飛び込んで埋まり、スキー板が雪面と平行になる事故を起こした事があります。その時、胸椎の一点が「ギック!」と来たそうです。

カラダが良くなってくると、その古傷が顕著に出て来るそうです。

「先生、一番大きなクスノキの瘤(こぶ)を、ここにお願いします❣️」

ということで、今回もAさん主導の治療です。腹診をするとおヘソの左右そして上にコリがしっかりあります。そのため、手首、足首の大事なツボに刺し置きします。ある程度柔らかくなったので、鍼を抜き、Aさんの指示通り大きなクスノキの瘤(こぶ)を胸椎の一点に合うように置きます。

枕もクスノキ。胸にもクスノキを置き、その上にAさんは、両手を置いて自分で圧をかけています。

「イボイボが気持ちいいですね~~。押しながら、手も胸も背中も気持ち良くなる❣️」

「胸椎の一点を押すと、顔面の左側に刺激が来る~~」

「先生、お腹触って❣️・・・・」

「アレッ、柔らかい、お餅みたいになってる!」

あまりに柔らかくなっているので、思わず声が出てしまいました。今のAさんには、この療法が一番あっているようです。

米寿を迎えた男性患者Aさんの続報(その2)

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「先生、腕と肩はもう治った。じゃがの、左耳に水がたまって、よう聞こえんのよ。」

前回まで痛がっていた腕と肩はもう気にならないそうです。

ということで 、腹診をして、足に鍼を刺しお腹を柔らかくした後、山元式新頭鍼療法(YNSA)の耳に対応する部位に鍼を3本刺し置きします。

「先生、肩が治ったら思い出したんじゃけど、ココ(右股関節)が痛いんじゃ。」

確かに右太ももの裏側に板状の大きなスジがあります。右足首も冷(ひ)んやりしています。

そこで、右膝うらに手を当て、Aさんの皮膚を軽く刺激します。

この皮膚にアップローチする手技は、京都の丸住和夫先生が、仙台の温古堂で橋本敬三先生から操体法を学んでおられる時に、編出(あみだ)されました。

私は、東京で橋本敬三先生の弟子である三浦寛先生の門下に入り10年、身体運動の法則(基礎的なカラダの動かし方)と、皮膚の手技をはじめ様々な手技を学びました。この皮膚にアプローチする手技は、まだまだ発展途上です。山元式新頭鍼療法(YNSA)も頭皮へのアプローチで新たなツボが次々と見つかっています。

1個の受精卵が分割し内胚葉、中胚葉、外胚葉となり、そこから徐々に胎児となりますが、外胚葉の一部が窪(くぼ)み神経系、感覚器となりそれらの中心となる脳ができます。

そのため、皮膚と脳とは密接な関係があります・・・と、これくらいは何とか言えるのですが・・・なぜ?軽く皮膚に触れるだけで、患者さんのカラダが良くなるのか分かりません。

Aさんの右膝うらが、すっかり柔らかくなりました。今度は、冷えた足底を両手でつつむように触れることにしました。Aさんは爆睡中です。足底が温まったころに、起きてもらいました。

「・・・うんん・・・ちょっと、寝たようじゃのう・・・」

「ここ(右股関節)どうですか?」

「おおおう~~、軽い軽い、楽じゃ❣️」

娘さん運転する車で元気良く帰られるAさんでした。

追伸:左耳の状態を聞き忘れました。次回伺うことにします。