強烈な一撃

長時間の正座で感覚がマヒしてしまい、立ち上がろうとした時、右足首が可動域を超えて外側の靭帯を損傷してしまった30才代女性患者Cさん。1ヶ月前に治療し、ある程度良くなりましたが、まだ痛みが残っているそうです。

Cさんは、あるセミナーに参加したものの、後半からは、右目が痛くなり、しかもそれが偏頭痛となり全く集中出来なかったそうです。

また、肩甲骨と肩甲骨の間が痛くて仕方ないそうです。

一挙に3カ所を診る事になりました。こういう時は、一番キツそうな偏頭痛から・・・・

山元式新頭鍼治療法(YNSA)をしばらく封印しようと思っていたのですが、3ヶ所を一度に診るとなると、話はかわります。

①偏頭痛・・・おでこの右目、頚椎、動眼神経にあたるところに鍼を刺し置きします。

山元式新頭鍼治療法(YNSA)

②右足首・・・前回の治療から1ヶ月経っているので、直接右足首の圧痛点を丁寧に診てい きます。外踝(そとくるぶし)の下に鍼を刺した瞬間、

                           

「痛っった‼️」

ずーーんとした強烈な激痛が走ったそうです。そのため、対角に位置する左手首の小指側の圧痛点を見つけ、軽く指先を添える操法に変更。すると、徐々にあの強烈な痛みが治まり、右足首の痛みが消えていったそうです。

それと共に、偏頭痛がいつの間にか無くなってきました。あと残るは、

③肩甲骨の間の痛み・・・手の甲の小さな人型(ソマトトープ)の肩甲骨は、中指の根元付近にあります。その近辺の圧痛点にお灸を1~3壮。これを左右の手にします。

その結果、肩甲骨の間がかなり緩みました。

①②③の症状に対しそこそこの結果が出たようですが・・・右足首の一撃が、カラダを瞬間的にかえるスイッチだったのかも・・・

カラダって、わからない・・・

再び打撲のCさん

ピアニストのCさん、2か月ほど前には、左薬指を打撲。

何とか治療し、その翌日、観客の人々はもちろんのこと、相棒の演奏家にも打撲負傷を気づかれないままピアノ演奏も出来ました。

ところが、10日前に反対の右小指を打撲してしまいました(*≧∀≦*)

今回は、プラスチックのギブスで小指を支持しています。そのため、その状態でピアノを弾くとプラスチックが当たり「カチカチ」と音を立ててしまいます。

「何とか小指が動けるようにする」のが、私のミッションです。

まず打撲した右小指に圧をかけます。  Cさんの右小指の第2関節を、両手の親指、人差し指、中指で軽く包みこみます。後は、微細な微細な圧をかけるだけです。

「先生、指が熱くなった!」の言葉で終了。

次は、右手小指の対角に当たる左足の第5趾の圧痛点にお灸を3~5壮します。

足を触っていると足ウラにも圧痛点があるので、そこにもお灸を3~5壮。

打撲してから10日間ほど経っているので、直接、右小指の圧痛点にパイオネックスという

円皮鍼を5個貼り付けました。

「先生、痛さは残るけど、動く❣️」

ピアノを弾くにはまだまだ力強さは、足りませんが、動く事は出来ました❗️

とりあえず、ミッションは果たせたようです。

Cさん、また経過報告よろしくお願いします~~

「もう、転んだり、打ったりせんように、お願い致します(#^.^#)」

60点でいいんです

92才の女性患者Aさんの続報。

昨日の治療後、足指の痛みはないそうですが、靴を履いて歩くと痛いそうです。

「あの~~右ふくらはぎにコリがあって痛いんですけど!」

昨日、こむら返りが起きそうになったのもこの個所でしょう、確かに大きなコリがあります。そこで、同側の肘内側の圧痛点に指を軽く添えるだけの操法。しばらくして・・・

「今、どんな感じですか?」

「何にも感じません。」しばらく、経って・・・

「右手の人差し指がしびれています。」しばらく、経って・・・

「手全体が暖かくなってきました!」

かなり血流が良くなって来たので、今度は山元式新頭鍼療法(YNSA)の理論で上肢、下肢に当たる「側頭部圧痛点」に、軽く指を触れるだけの操法。

Aさんは最近睡眠が浅く、なかなか熟睡出来ないので、ゆっくりしていただきます。

この指を軽くカラダに触れる操法は、鍼治療をするようになって、長らく封印していました。しかし、Aさんのように熟睡出来ないで、しかも鍼治療が怖い方には、有効な手段のように思います。

また今回のように山元式新頭鍼治療(YNSA)の理論を、指で軽くカラダに触れる操法に取り入れることは可能だと思います。

山元先生も、

「別に鍼にこだわる事はない。他の手段もある。」

と、おっしゃいました。現在進行中のクスノキの瘤(こぶ)を使った療法(自称:クスノキ木霊療法)との融合も遠い将来可能かも知れません。

おっと寄り道をしてしまいました。

Aさん、最後に左手の小指と親指の先(井穴=せいけつと呼ばれます)にお灸を1壮づつして終了。随分と足が軽くなりました。

Aさん、足が弱らないように、毎日屈伸運動をされています。大変いい事ですが、少しオーバーワークのように感じました。そのため、右ふくらはぎにコリが出来たようです。

気持ち良くふくらはぎのストレッチをする事、これが大切です。

「気持ち良さがお薬です。ですから、あんまり頑張り過ぎないでくださいね~~」

「あらっ・・・そうなの!私、痛いぐらいやらないとダメかと思ってた❗️」

「いやいや、そんな事ないんです。気持ち良く、ほどほどで・・・60点でいいんです。」

と、しっかり操体法の奥義をお伝えしました。次回は、動きの操法を、ご高齢の方が楽しく出来るように工夫してみようと思います。これは、とても重要な事だと思います❣️

足の指が痛い

92才の女性患者Aさん、本日は2番目、3番目、4番目の両足指が痛いそうです。そのため、靴を履いて外を散歩することが出来ません。

ゆっくりベッドに寝ていただき、足ではなく手の人差し指、中指、薬指にお灸をすることにします。足の指の痛いところと、同じ位置の手の指に1~3壮します。

「それでは、ゆっくり起き上がって下さい~~・・・歩いてもらって、よろしいでしょうか?」

「・・・あまり痛くは、ないです・・・靴履くと、どうか分からないですけど・・・」

ある程度、良くなっているようです。

続いて、左足首の外側圧痛点に、指を軽く添(そ)えるだけの操法を初めます。しばらく経つと、

「なんか、反対側の右足の中指だけに痺(しび)れと痛みが集まってきたの!」

「そうですか? そうしたら、その指を意識して、ゆっくりとそこに息を通すようにしてください。1回通したら普通呼吸を2~3回して、またゆっくりと息を通して下さい。」

しばらくすると、

「なんか、こむら返りしそうなの!」

「あらっ、右の足ですか?・・・・そしたら!」

と、右足ウラをしっかりと抱(かか)えて、ふくらはぎをゆっくり伸ばします。

「あ~~気持ちいい!」

どうやら、これを機に指先の痛みが随分なくなったようです。

今度は、痛みが集まってきた右足の3番目の指と同側の中指。この指の圧痛点に軽く触れます。しばらくすると、

「もう、足先に痛みは無いけど・・・ここが痛くなった。」

Aさんは、右脇腹を押さえます。

「そうしたら、この触れてる指と別のところ(ソマトトープで胸部)を触れますね~~」

「あれっ、痛くない❣️」

「足の痛みはどうですか?」

「大丈夫です。」

「今日は、このくらいで、終わりにしましょう。明日、様子を教えてください。」

明日の治療をお約束して、本日は終了。

先生は私の鍼ポッター先生!

山元リハビリテーションクリニックのレポート第4弾。

車椅子で来られた40才くらいの女性患者Dさん。

カイロプラクティックの治療を受けた際、頸部のヘルニアとなり、車椅子生活を余儀なくされたようです。また、手の人差し指にブロックが落ち、両腕がほとんど上がりません。

山元先生の前で、車椅子生活になるまでの経緯を淡々と話してくれました。

「今日は、背中が殴られたように痛いです。」

山元先生は、Dさんの親指と人差し指の間(合谷=ごうこく)を診察し、おでこに鍼を刺していきます。刺すたびに、

「ちょっと、腕あげてみて~」

最初のうちは、なかなか上がりませんでしたが、徐々に、左腕が上がるようになり、

ある時から、急に右腕の方がよく上がるようになってきました。

「目が開(あ)いた!」

目を驚いたようにパチリ、パチリとするDさん。

「流れるような感覚が腕にあります。」

次々と状況説明をしてくれます。

「あれっ、右の肩が痛くない❣️軽くなって・・・・(肘を)後ろに引ける・・・」

今まで、おでこに鍼を刺していた山元先生、今度は側頭部を押圧し、注射を側頭部に。

「ん~~、来た❣️」

Dさんの両腕が、上まですうーっと上がります。先生は、反対の側頭部にもう一本注射を打ちます。

「わあ~~10kgの重りが取れた~~、先生は、私の鍼ポッター先生❣️❣️」

と、Dさんは、先生をハグしたくて仕方ない様子でピョンピョン。

ニコニコ顔の先生が、

「人間のカラダって、どこになんがあるかわからんネ~~」

90才のご高齢の山元先生が、次々と患者さんを治療される姿は、神の領域です。

「治療家とは、かくあるべし」と無言の御言葉をいただきました。

今回のセミナー程、衝撃を受けたことはありません。セミナーを企画してくださった原正和事務長はじめ関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

また、愛媛松山と宮崎までの往復運転(途中フェリーに乗車)をしてくれた弟である事務長、

「本当にありがとう!もう少しマシな治療家になりたいと思います。」

0.2mmの表皮

山元リハビリテーションクリニックのレポート第3弾。

ー0.2mmの表皮ー

最終日の午後2時から5時までは、教室で坐学。

「ビデオを見てもらおうと・・・思ってますが・・」

山元先生のお言葉に、『いや~~、もっと実技を見たい‼️」という無言の沈黙が続きます。すると、 いつの間にか全員が認めるクラス委員長のGさんが、

「先生、みんな先生の治療を受けたいと思っているので、治療をした後にビデオを観るのはどうでしょうか?」

ということで、午前中に引き続き、90才の山元先生は治療を続けられることに・・・

その治療の一コマを紹介いたします。

指圧師としても仕事をされている男性Cさん。右腕が凝っています。特に親指には痛みがあるそうです(今回のレポートは、文字として残していないので、私の記憶だけが頼りです。そのため、強烈に覚えているところに焦点を当てます)。

先生は、Cさんの親指と人差し指の間(合谷=ごうこく)で探った情報により、おでこに鍼を刺していきます。2~3本刺した時点で、腕のコリは無くなりましたが、親指の痛みは残っています。

そこで、Cさんの親指を引き寄せた先生は、長さ15mmの鍼を親指の爪と平行になるようにくっつけます。

『なに?・・・・先生、鍼で爪の長さを測ってる???・・・しかも、微妙に弾(はじ)きながら・・・なんなん、これ???』

爪と並行に軽く弾(はじ)いていた鍼先が、ほんの少し角度をつけた瞬間、Cさんの表皮0.2mm程度を突き刺し、引っかけました。15mmの鍼は親指にピッタリくっついています。

「どう?」

「・・・・痛くない・・・・・です!」

全く見たことのない手技を、目の当たりにした我々は、

「ポカ~~~~~~~~~~~~~~~~ン!」

その後のことはよく覚えていません。

0.2mmの表皮のイメージが鮮明に残るだけでした。

おしまいm(_ _)m

元々、鉛筆が持てないんです

山元リハビリテーションクリニックの治療レポート続編

脳梗塞で、右半身が1年半の間、動かなくなった60才代くらいの男性患者Bさん。

動脈バイパス手術後、半年のリハビリで歩行可能となりました。

Bさんは奥様と同伴で来られ、奥様も治療を受けられます。

山元先生の前に座ったBさん、両手が吸い込まれるように先生の親指へ。

先生は、Bさんの親指と人差し指の間のツボ(合谷=ごうこく)を軽く押さえ左右差や合谷内の頚椎、胸椎、腰椎などを感じとる作業をされている・・・・と推測します。

「こっちと・・・こっちは?・・・・この痛みは?」

「今、来ました。」

Bさんは、左脳の障害にもかかわらず、普通に会話をされています。

先生は、Bさんのおでこの圧痛点に次々鍼を刺していかれます。

「字は書けないの?」

先生が同席の奥様に聞かれるや否や、

「書けません。」

「・・・・・字を書いてみ!」

鉛筆を持ったBさん、少しぎこちない持ち方ですが、名前を小学校5年生程度の字で、ゆっくりと書き上げました。

「書けたね~~」

再び、おでこ に親指を当てて、

「これと・・・これと・・・これは?・・・・これですか?」

「あっ痛ったたた‼️」

「痛いね~~ハッハハッハハッハハッハ~~」

先生はクシャクシャな顔でものすごく嬉しそうです。

「字を書いてみ~~?」

Bさん、1回目に書いた名前の下に同じ様に書いていきました。筆圧が強くなっています。

「あんま~、変わらんか?!」

「字が、元々下手くそなんで!」

と、しっかりした口調のBさん。

「先生、右手がなかなか動かんです。」

「全体?」

「全体ですね。」

先生はBさんの合谷を触って、

「ここですか?」

「はい!」

Bさんのおでこに鍼を1本。

「手は、どう?」

「あれ、動きだした!」

「あんた、パピプペポは言える?・・・・ラリルレロは?・・・はい、今度は、頭下げて~~」

「あ痛っった!」

Bさんの頭頂部に鍼を刺した先生は、ニコニコ顔。

「今度は?」

「あれっ、全然(手の)動きが違う❣️」

頭に刺した鍼は9本。Bさんは、退出しロビーで30分安静にして治療終了となります。

順番を待っておられた奥様の隣にいた私は、

「すみません、旦那様は、字が書けなかったのですか?」

と不躾にも質問をしました。

「元々、鉛筆が持てないんです。」

ということは、鉛筆を持っているだけで、奇跡だった‼️‼️

小銭でよかったネ

山元リハビリテーションクリニックでの治療をレポート致します(当院事務長の許可を得ています)。

一人に用する治療時間は、10~15分。広々とした明るい治療室の中央部に山元先生の机があり、そこに鍼と消毒綿と小さなゴミ箱がある程度です。

アシスタントは、奥様のヘレンドクターあるいは、外国人医師。山元先生にタイミングよく鍼を渡し、出来たゴミを素早く捨て、常にシンプルな空間を作っておられます。

70才位の男性患者Aさんが呼ばれて山元先生の横にゆっくりと座ります。

Aさんは、頚椎圧迫のため、首が変形しています。

「先生、小銭を持つと、しびれてポロポロ落ちるとです。」

「・・・小銭でよかったネ・・・ワハハハハ・・・・・」

山元先生は口を大きく開けて顔をクシャクシャにしてゆっくり笑われます。すると、一瞬で和(なご)んだ雰囲気になります。

「ほで・・・・・オタクは・・・・ちと、ゆっくりして・・・・」

先生は、おもむろにAさんの左右の親指にそれぞれ手をやります。左右の合谷(ごうこく)

というツボを優しく親指で触れ圧痛点を探ります。

「これと・・・・これは・・・・これ?」

「そっちです。」

この診察で左右どちらかの治療部位を決定されるようです。もうこれからは、神業の域ですから、何をされているのか分かりません。

「これと・・・これは・・・この上と・・・この下は・・・」

「下のほうかな~~」

このようなやりとりが続いて、先生の親指の爪が、何かを見つけるようです。

Aさんのおでこの生え際中央部に鍼(直径0.25mm長さ15mm)が4本密集して刺さっています。

「手のしびれは?」

「取れた・・・・みたいです。」

先生はAさんにしびれていた手に小銭を渡し握ってもらいます。

「おう~、落ちないですね~・・・・ちょっと、手を見せて。」

Aさんのおでこに、もう1本刺します。

「しびれはどうなった?」

「無いです!」

「アンタはよう~、首をそうとうやられとるから・・・」

と言われ、ベッドのある治療室に2人で入られ2~3分。Aさんが出てこられた時点で、治療は終了。わけのわからないため息が出てしまいました  (´-`).。oO

側弯症には天城流

甲子園でベスト4まで進んだ元高校球児のAさん。70才代とは、全く思えない若々しい体躯の持ち主です。趣味がゴルフで、飛距離が半端ないそうです(友人の患者さんの弁)。

そんなAさん、ゴルフ前日によく来院されます。

「ゴルフの前に、ここへ来たら、午前中は最高に調子ええんじゃ!午後からは、ちょっと・・・なあ・・」

半分うれしい?

Aさんは、脊柱管狭窄、坐骨神経痛と診断されていますが、今回は、腰全体に張りがあるそうです。

「ワシは、言うてなかったんじゃけど、側弯症なんよ。」

「だいたい原因は、分かっとる。若いころ無理してなあ~。みかんの入った重いコンテナを一輪車で運びよったんじゃけん。」

確かに、右肩甲骨、左背中中央部、右腰部が張ってS字になっています。こういう時は、天城流が有効です。写真にあるように、

  

(結果)            (原因)

①右肩甲骨→右上腕外側

②左背中中央部→左前腕外側

③右腰部→右ふくらはぎ外側

原因の部位に鍼を刺していくます。すると、途中からAさん腰を微妙に動かして、

「腰の周辺から、ゆるんで来るのがわからい(分かります)。あとは、背骨の中心辺りだけじゃなあ。」

「そしたら、今度はうつ伏せになって戴いてよろしいですか?」

うつ伏せになったAさんのふくらはぎ圧痛点を丁寧に鍼刺する事、5~6分。起き上がって腰をチェックしてもらいます。

「随分ええ感じじゃ❣️ありがとうございます?」

明日の午後も、持ちますように( ^ω^ )

雑巾しぼり

左O脚をややX脚にする手術を受けた60才代の女性患者Aさん。

左脛骨を切り、脛骨の角度を変える手術を受けたのが、4ヶ月前。左足をかばうため、右股関節から足首が「気持ち悪い」そうです。

週1~2回のペースで11回目の来院。

「気持ち悪い」感覚はなくなりましたが、股関節外側ふくらはぎの外側に痛みがあります。

いつものように腹診をして、足に鍼を2本ゆっくり刺し、お腹のコリを取ります。

「今日は、いつもとは違う方法でしましょうか・・・・う~んと、左肩を上にして、横向きになっていただいて、よろしいでしょうか?」

「先生、痛い方が下でかまんの(構わない)⁇」

「う~~んと、そうよ、それでええんよ。」

「あんね~~、痛い股関節と対角になる左肩を・・・診るけん。」

「それとね~なるべくベッドの端(はじ)っこに来てくれますか?そそそう~、そんな感じ」

Aさんの左脚をベッドの外に投げ出してもらいます。すると、カラダはバランスを取ろうとして、無意識のうちに左腕を出来る限り伸ばそうとします。

私は、Aさんの正面に立ち、ねじれていく首を左親指で軽く押圧。右手のひらは、首と反対にねじれていくお尻を軽く支えながら押圧。

ちょうどAさんのカラダ全体を「雑巾しぼり」している感じです。

「先生 、これ気持ちいい。なんか・・・効いとる感じじゃね。」

しばらくは、自然呼吸でしてもらいますが、途中から、

「はい、そしたら。息を吐きながらゆくっくり伸ばしましょうか?決して無理しないでくださいね。はい、今度はゆっくり吸いながら・・・・・・・息止めて、一気に吐く~~」

これは、総合格闘家、平直行さん(人気漫画、グラップラー刃牙のモデル)直伝の呼吸法です。

この呼吸法でカラダの可動域はもの凄く増えます。平さんは益々進化した武道家としての治療法を確立しておられます。

「Aさん、ベッド下ろします。」

「ビユ~~~~~~~~~~」

「はい、ゆっくり起き上がってみてください!」

「あれっ、軽なっとる❣️調子ええけど、膝から下が・・・・なにやら冷たいわい。」

「あら、そうなん・・・ふ~~ん、そしたらね・・・もう1回寝てもらいましょか!」

Aさんの右手小指の圧痛点にお灸を5壮しました。

「Aさん、今度はどうですか?」

「先生、冷たない❣️」

「あ~良かった!そしたら、今日はこれで、お し ま い‼️」