宮崎YNSA セミナー(症例5)

 

ーたった7本の鍼で長年の腰痛が治ったー

30年以上腰痛に悩み、右前腕も物をつかんでいて、力が入らず落とすこともあった60才代の男性Eさん。

「腰は、もう長いんですか?」

「30年以上です。」

「取れない・・・また、再発する?」

「そうですね。」

「足はどうですか?」

「今年の正月は、右ふくらはぎ痛で大変でしたが・・・鍼を打って治りました。」

「それと、右腕に力が入らなくなります。」

「動くことは、できるの?」

「今は大丈夫です。」

「はい、手出して。」

左右の合谷診(親指と人差し指の間の触診)をされた山元先生は、左右の上腕診(外側のみ=頚椎点)をされた後、左前腕の上廉(肘下横紋から指4本下)付近に2本置鍼。

山元先生は、再び左右の合谷診をされます。

「これよりも、これのほうが・・痛い。」

「若干・・痛いです。」

今度は、オデコ中央部のA点に2本置鍼。

「どうですか?」

「・・・・痛みが取れたような、気がします。」

「立ったり、すわったりは・・・やってみて。」

「どうもありません。」

「反対の手出して。」

今度はEさんの右上腕診(外側のみ=頚椎点)をされた後、同じ位置に置鍼2本。

山元先生は再び左右の合谷診を同時にされます。そして、右前腕の2本の置鍼個所付近を押圧。続いて、左前腕の2本の置鍼個所を押圧され、もう一本置鍼。

第7頚椎右横に注射をし終了となりました。

「とにかく山元先生は、人間としてのスケールが大き過ぎて、常に叱られている様な感じだった。鍼に全く迷いがなくズドーンと入って来た。滅多にお会いすることができない怪物の様な方に、お会い出来る機会があったことに感謝します。」

長年の悩んでいた腰痛がすっかり治ったEさんでした。

宮崎YNSAセミナー(症例4)

変形性頚椎症および腰椎症の80才代の女性患者Dさん、肩凝りが激しいとのことです。

「先生、ここらへんが痛いです。」

両肩をさすって肩凝りの状態を、山元先生に伝えられます。

山元先生は、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしながら、オデコの中央部に次々と置鍼を5本。

 

「どうですか?」

「まだ、痛いです。」

今度は、山元先生、Dさんの頭頂部めがけて2本置鍼されます。

「どうですか?」

「・・・・痛くないです。」

 あまりに突然良くなったので、呆然としている私の耳元で、ベテラン鍼灸師の先生が、

「あれは、肝に刺したのです。肝は肩凝り(僧帽筋辺りを指差して)によく効きます。」

と、教えて下さいました。ここでいう肝とは、12脳神経、12内蔵合法点における10番目の肝。これを読んで分かる方は、ほぼいらっしゃいません!

そこで、小学校高学年でも分かるように説明したいと思います。

受精卵が分割して内胚葉、中胚葉、外胚葉となって徐々に人型が出来てきますが、大元は一個の受精卵。全てがつながっています。特に外胚葉は、外側の表面がくぼんで筒状となり、それが神経の大元となります。それが集まったものが、脳。

くぼんでいない外胚葉の多くは皮膚になります。頭皮と神経が密接な関係にあるのがよく分かると思います。神経は大きく分けて脊髄から根っこのように広がった脊髄神経と、脳から直接、頭を中心に根っこを張った脳神経があります。

この脳神経が12種類あって、頭皮には根っこのような脳神経を刺激するポイントが、オデコの中心部から頭頂部にかけて、きれいに並んでいます(写真参照)。

そして、そのポイントは、心臓、肝臓などの12の内蔵とも関係があるのです。元々、一つの受精卵だったので、一つのポイントが、様々なところにつながっているという考えは、理にかなっていると思います。

ただ、何故、肝を刺激すると、肩コリがよくなるのか分かりません。ゴメンなさい!

宮崎YNSA セミナー(症例3)

変形性腰椎症及び頚椎症で両足のしびれに悩む60才代の女性患者Cさん、ツエをついて入室。

「先生、足のしびれが一番つらいです。左脇から腰にもしびれがあります。」

「ツエなしでは、歩けない?」

「押しクルマで畑に行かないと、ダメです。」

などと、会話が進むなか、山元先生は、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしながら、オデコの中央部に置鍼されます。

「これで、ちょっと歩いて・・・・・どんなで?」

「少しは、のんだ(腰が伸びた)。」

「長いんでしょ?」

「若い時から、手術をすすめられて・・・でも、踏ん切りがつかなくて・・・この、しびれ感がつらいです。」

次に、山元先生は、Cさんの左肘周辺の圧痛点に2本置鍼されます。

「先生、腰が伸びました。」

続いて、左足の外踝(くるぶし)の下にある圧痛点にパイオネックス(円皮鍼)を3個。

「立ってごらん。」

「しびれ感・・・だいぶ楽になりました。」

今度は、右足の外踝(くるぶし)にパイオネックス(円皮鍼)を4個。

「先生、まだ脇のしびれ感がたまらんです。」

山元先生は合谷診をされた後、オデコ中央部にもう1本置鍼をされ、

「はい、これで様子をみて下さい。」

C

 

宮崎YNSA セミナー(症例2)

耳鳴り、頭痛に悩んでいる60才代女性患者Bさんは、変形性腰椎症、頚椎症でもあります。

山元先生は、いつものように左右の合谷診(親指と人差し指の間の触診)を同時に行います。

「先生、すごい痛いです。」

Bさんは、合谷診を受けるだけで、親指に痛みを感じるようです。

最近の山元先生は、合谷診の後、ほとんどオデコ中央部の生え際A点に置鍼されます。

「これの上と・・・下は?」

「下です。」

「この痛みと、これは?」

「それです。」

0.5mm単位で5本が密集しています。これは、腰と首に対応する置鍼です。

次に耳鳴り、頭痛に対する置鍼。

山元先生は、イラストの番号順①④に置鍼されます。

「この辺(②の周辺)に打っていただいた時、こっていたんだなあ〜と感じました。」

「音が低くなって、小さくなって来ました。」

Bさんの耳鳴りが、改善したようです。最後、頚椎に注射をして終了となりました。

「耳鳴りは、詰め込んだものを、外に出してやる・・・・そんな、感じ。4つの点が色々重なっています。」

と、山元先生の説明がありました。しかし、「4つの点が色々重なっています」の意味合いが良く分かりませんでした。離れているのに何故重なっているのか?

そこで、解剖学的見地から、頭蓋骨を覆(おお)う筋肉を見てみると理解出来ました。

イラストのように、

①の鍼は、胸鎖乳突筋

②の鍼は、後頭筋

③の鍼は、上耳介筋

④の鍼は、側頭筋

とそれぞれ異なる筋肉を刺激しているため、重なっているのです。つまり、この4点に正確な置鍼をすることが、重要であることがよく分かります。

宮崎YNSA セミナー(症例1)

第1日目の午前中、山元式新頭鍼療法(YNSA)の概要説明があり、余った時間を山元先生の治療(参加された先生方の治療)に当てていただきました。

30才代の男性Aさん。

左目がピクピクと動いて気になるそうです。

山元先生は、Aさんの左右の合谷診(親指と人差し指の間の触診)を同時にし、左右のコリの違いを聞きわけながら、一番強いコリを探されます。

そのコリが左手の合谷のソマトトープ(小さな人型)の頚椎に当たるところだったようです。

山元先生は、Aさんのオデコ中央部、やや左よりの生え際に親指をゆっくり当て、

「これと、これは・・・これですね。」

「ハイ!」

直径0.25mm長さ15mmの鍼をゆっくりと刺されます。

「これは、どうですか?」

「さっきとは、全然違います・・・・でも、まばたきをすると、違和感があります。」

「これと・・・・これは、これ?」

「あっ、そうです。」

山元先生は、ゆっくりと、しっかり鍼を刺されます。オデコ中央部に5本置鍼。

「どうですか?」

「だいぶ、いいですね~」

次に、眉間の左眉毛やや上にある圧痛点に置鍼されます。

「今のいいですね!」

と、Aさん。その時、冨田先生が、

「そこは、口腔ポイントです。」と説明がありましたが、山元先生から、

「いいや・・・・ここには、目があるじゃない?」

参加メンバー全員が、キツネにつつまれたような雰囲気になりました。続けて、山元先生は、右目と鼻の中間点を指差して、

「ここは、口じゃね。」

もう何が何だか、訳が分からなくなりました。初めて聞くポイントです。

「なんでそうなのか・・・分からない・・・圧痛点は、敏感でしょう・・・圧痛点が同じところで、模索しているような、連携しているような・・・ツボというのは、1つの小さい反応が起こっているんじゃないか・・・・と、思うんです・・・とにかく、分からんことが、いっぱい・・・・ハッハ、ハ、ハ・・・・」

「先生、鍼は刺した時が、一番効きますか?」と、どなたかが質問されました。

「一番効きますが・・・まあ~時間を置いた方がいいけどね・・・鍼は・・・100%でなくてもいいみたい・・・めぼしをつけて、刺せばいい!」

ポカ~~~ンとした時間の経過と共に、Aさんの左目ピクピクも治ったようです。

股関節と肩

女子中学生の患者Aさん。昨日、朝平泳ぎの練習をしている時に、右股関節が痛くなり来院。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭に置鍼。股関節が痛いので、特に耳のウラにしっかり3本置鍼。

 

「これで、股関節の痛みはどう?」

「こっちは、痛くないけど、まだこっちが痛い。」

痛みの範囲が狭まりました。山元式新頭鍼療法では、股関節=肩。それで、丁寧に肩の内側の圧痛点を探し、細めの鍼(寸6の3番)で刺していきます。圧痛点がなくなるまでに3~4分かかったでしょうか。

「今度は、どう?」

「もう、痛くない!」

これで終了してもいいのですが、念のために天城流湯治法での股関節痛に効く個所、右内踝(くるぶし)と、右肘の圧痛点に鍼を刺し終了しました。

Aさんのお母さんが、

「右脚であぐら組んでみて!」

「うん・・・・ほら、出来る‼️」

「これが、出来なかったんですよ。ありがとうございました😊」

山元式新頭鍼療法(YNSA)と天城流湯治法の併用は、うまくいくようです。

追伸:写真の肩甲骨と上腕骨の関係が、大腿骨と骨盤の関係に良く似ています。そのため、股関節の痛みが、肩の圧痛点を取ることで、無くなるようです。

耳ウラと仙腸関節

“耳ウラと仙腸関節は、ちょっと似てる”

50才代男性Aさん、3日前にギックリ腰となり、その日のうちに来院されました。仙腸関節に痛みが残っていますが、かなり良くなり、本日再び来院。

「やっぱり、ここの一点に痛みが残っています。」

左仙腸関節を指さしながら、教えてくれました。普段なら山元式新頭鍼療法(YNSA)で、頭に置鍼をするのですが、天城流湯治法で治療を始めます。

左外踝(くるぶし)より上にある腓骨筋の圧痛点に鍼刺し。丁寧に圧痛点を探して何ヶ所も刺していきます。

「これで、腰はどうですか?」

「だいぶ軽くはなっていますが、まだ残っています。」

ギックリ腰の場合、どの様な体勢が楽なのか・・・これが一番大切です。横向きで寝ると痛みを感じないそうです。そこで、左肩を上にして横向きになってもらいました。もうこの体勢からは、山元式新頭鍼療法(YNSA)の耳のウラに置鍼しかありません。しっかり5本刺して、起き上がってもらいます。

「腰は、どうですか?」

「あれっ?・・・全く痛くない。」

やはり、山元式新頭鍼療法(YNSA)の効果は凄いです。

耳ウラと仙腸関節が、なぜ?・・・・と思う方が多い事でしょう。

そこで、全く勝手な解釈をいたします。

写真の頭蓋骨と下顎骨と頸椎が接するところに耳ウラがあります。もう一つの写真では、仙骨と、寛骨(腸骨+坐骨+恥骨)と腰椎が接するところに仙腸関節があります。

頭骸骨⇄仙骨

下顎骨⇄寛骨(腸骨+坐骨+恥骨)

頚椎⇄腰椎

強引に仙骨を頭骸骨だと見て、小さな頭の大きな大きな下顎(寛骨)をした逆さ人間・・・・なんとなくつながって来ませんか?

そう考えると、顎関節が硬い人は、腰痛で悩みそうです・・・・おしまい。

フォークソングを聴きながら

 

私と同い年で誕生日も近い女性患者Aさん。フォークソングを聴きながらの治療です。

7か月前に来院された時は、左脛骨(膝下の大きな骨)にクサビ型の切り込みを入れ、O脚をX脚にするという手術の2か月後。

当時は、左脚をかばうため、右脚が痛くて車の運転が大変でした。

ところが、今では、普通に歩けるため、体調管理を兼ねて週に1回くらいのペースで来られています。

「今から考えたら、足の痛いのがよう治ったと、つくづく思うわい。」

同世代のため、全くの日常会話です。

「足ウラの鍼は、即効性があるというより2~3日したら、あれ?・・・足が軽いんじゃけど・・・と思ったりすらい。」

「へ~~、そうなんじゃ。」

「あれ?、この歌だれじゃった?」

「・・・え~とな~、吉田拓郎じゃ・・・歌ってよ夕日の歌をじゃ。」

「こんなに、声若かったんじゃね~~」

「先生、こんなにおばあさんになっても、気分は青春じゃね。これが、80才になっても続くんじゃろか?」

「そうじゃね~~、人は、自分の顔が見えんけん、若い人と一緒にいたらいつまでも若いわい。」

「そしたら、先生、若い人がええ迷惑じゃわい、ふっふ・・・」

などと、フォークソングでそれぞれの青春を思い出しながら、気持ちよく治療ができました。

肩が痛い

3日前、徐々に左肩が痛くなり、夜中に痛みで目が覚めてしまうようになった40才代男性Cさん。その日に山元式新頭鍼療法(YNSA)で治療。

ところが、もう2日後には、痛くて眠れなくなりました。それで、本日、再来院。

初級コースである私の山元式新頭鍼療法(YNSA)の限界です。

そこで、今回は患者着に着替えてもらい、従来の天城流を取り入れた鍼灸治療をしっかり併用しました。患者着は、胸はチャックで簡単に開けることができ、背中は、マジックテープで開閉が一瞬でできるため、便利です。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で、頭に置鍼した後、ベッドで仰向けになってもらいます。

胸部ソマトトープ(小さな人型)で、左肩に対応する胸骨の上部に、鍼とお灸。

肩寄りの左大胸筋圧痛点に鍼とお灸。左肩甲骨の圧痛点、左腋窩の圧痛点にお灸。

左親指の合谷(人差し指との間)、母指球の筋膜はがし。

そして、上記の圧痛点にパイオネックスをしっかり貼りました。

「まだ、芯に痛みが少し残っていますが、随分良くなりました。」

と、帰られましたが・・・・・「ゆっくり眠れますように❗️」

膝の水を抜きたくない!

60才代の女性患者Bさん、腰痛で悩み、左膝に水がたまり、医者からは水抜きを勧められました。しかし、水抜きをしたくないBさん。知人の紹介で来院されました。

手を腰に当てて歩いて来られました。左膝には、ベルトの様な膝当て。確かにパンパンに腫れています。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)では、右腕のコリが顕著。こういう時は、右側の頭に置鍼します。例えば、頭の置鍼で、腰がゆるんだとします。そうすると、肘の内側もゆるみます。ゆるんだ肘を確認して、

「Bさん、いま腰のハリはどうですか?」

「あっ、ゆるんでいます。」

というような、やりとりとなるのです。今回は、膝と腰に対応する耳ウラへ、左右合計6本置鍼。それと、H点と呼ばれる正中線から2cm外で生え際から1cm上の圧痛点に置鍼。

基本的に患者さんは、座位の状態で置鍼します。その後、ベッドで仰向きになり休憩。

この休憩時に、足ウラの圧痛点に置鍼することが多いのです。

Bさんにも左足ウラに3本。右足ウラに1本して、約30分休んでもらいます。

「Bさん、じゃあゆっくり起き上がってください・・・・どうですか?」

「あれっ、膝が痩せた‼️これ・・・こんなに・・・腰も痛くない。」

確かに全くハリがなくなり、スッーとしています。3日後に予約を取り、スタスタと帰られました。