新発見


80才代の女性患者Aさん、変形性膝関節症と診断され、2年前に右膝を人工膝にする手術をしました。1年前の夏には、痛くない左膝も人工膝にする手術が予定されていました。

「それは、やめましょう!私のところで鍼治療しましょう。」

と、Aさんの右人工膝痛を、治療し始めたのが、去年の6月。もう膝痛は忘れています。

「先生、今日は腰・・・・1週間経つと、痛みが出てくる感じ。」

素直な感覚のAさん、合谷診(人差し指と親指の間の触診)で脳、頸椎、胸椎の状態を診て、頭に置鍼。

「Aさん、腰どうですか?最初の痛みが10、全く痛くないのが0なら・・・」

「だいぶいい・・・4くらい。」

今度は、ベッドに移動し、うつ伏せになってもらいます。腰のコリは、肩で取ります。お尻のコリは、肩甲骨の棘下筋。広背筋と僧帽筋はよく似ています。腰痛部位(広背筋)と対応する僧帽筋の圧痛点に鍼を刺して抜きます。

「腰、どうですか?」

「軽くなった・・・2くらい。」

「先生、右の肘が痛いんだけど・・・勝手言ってごめんなさい。」

「治しましょう・・・・右の膝・・・ここ痛いでしょ?ここに、鍼しますよ。」

「あれれ・・・・痛くない・・・新発見❣️」

「先生、ついでに、右膝のこの一点が、痛いんですけど・・・・」

「そしたら、右肘のここ・・・刺しますよ。」

「痛い‼️・・・・あれれ、治った。」

新発見連続のAさんでした。

 

相似形

70才代の女性患者Aさん。非常に素直で明るい性格のためか、カラダも素直に反応します。

「今日は、左脚がここ(腰の外側)から、ここ(膝の外側)まで痛いんよ。」

という事で、合谷診(人差し指と親指の間の触診)をすると、脳、頸椎、胸椎、腰椎の主に右に反応(コリ、痛み)があります。脳点(1本)、A点(右2本、左2本)、E点(右本)、D点(右2本)の置鍼で、左右の合谷(人差し指と親指の間)がゆるみました。これは、基礎治療。脊椎がゆるみ、自律神経が活性化します。

次に、痛い左膝周辺をねらいます。左側頭部と左耳ウラのG点と、左オデコ、生え際奥のH点に置鍼。

「これで、膝はどうですか?」

「ここ(大腿外側)は、痛ない・・・けど、ここ(膝蓋骨周辺)だけに痛みが残っとる。」

頭への置鍼だけで、膝痛が治るのがベストですが、私の実力ではまだ無理です。そこで、山元式新頭鍼療法(YNSA)の膝痛を同側の肘で取る治療を行います。

膝と肘は全く相似形で、圧痛点が現れます。これは真理です。患者さんから痛い個所を聞き、丁寧に圧痛点を探すだけのことです。その結果、13本左肘周辺に置鍼。

「今度は、右肘が痛なった!」

左半身が変化したので、右半身が反応したようです。

「そしたら、右の膝を診よわい(診ます)。」

右膝外側に3本置鍼して、

「右肘どんなん?」

「痛ない。」

後は、大好きなフォークソングを聴きながらゆっくりしてもらいます。膝痛はなくなり、秋晴れのCさんでした。

皮膚へのアプローチ

1年前から、週1回のペースで通院されている60才代の女性患者Bさん。当初は膝から下がジンジンとして、ご自身の足だと思えないほどでした。半年ほどして、下半身の問題はほぼ解決。現在、歯が痛いのが気になります。ところが、先週の土曜日、突然右膝内側が痛くなりました。それから、徐々に良くなったので、階段を普通に降りたところ、再び痛くなりました。

Bさんには、鍼治療をしません。指で軽く触れるだけの治療の方が、Bさんには合っているからです。右膝痛が主訴のBさんに、ベッドで仰向けになってもらい、右肘(痛みのある右膝では、ありません)の内側圧痛点を探し、そこに軽く右手中指を置きます。

「何かカラダに変化が出てきたら、教えてください・・・眠くなったら眠ってくださいね。」

10分経過

「右膝がだるくなってきました。」

15分経過

「今度は、ジンジンしてきました。」

20分経過

「左足首からくつ下を履いた感じでジンジンします。」

25分経過

「全部が、治(おさ)まってきました。」

今度は、仰向けのCさんの頭側に回り、Cさんの後頭部を両手のひらで、すくうように保持します。そして、後頭部の皮膚を軽く手前に引いていると、

「腰(仙骨)が、引っ張られている感じです。」

『やはり!頭蓋骨⇆仙骨は確かなようじゃ・・・今度は、ゆるめてみよう。』

後頭部の軽く引っ張っていた皮膚を、ゆっくりとゆるめてみました。

「今、腰はどうですか?」

「ゆるみました!・・・・・・歯が少し痛くなってきました。」

そこで、Cさんの足元に移動します。左足の踵(かかと)を左手で保持し、右手中指をCさん足の甲の圧痛点に軽く置きます。

「腰がだるくなってきました。」

「そしたら、腰を意識してください。腰に息を通すように、吐いてください。それをしばらく続けてみてください・・・・・・どうですか?」

「治(おさ)まってきました。」

治まったところで、治療終了。あとは、10分ほどベッドでゆっくりしてもらいました。

膝の痛みは無くなりましたが、歯痛はあると思います(聞くのを忘れました)。

  • 次回、その後の経過を伺おうと思います。

ごめんなさい

10月7日は、松山市のお祭り日。

我が「あじさいの杜鍼灸院」に、神輿(みこし)の御幸と獅子舞が、朝の8時からありました。ハッピ姿で集まった小中学生約40名。治療院の駐車場で2人の女の子が太鼓叩き、2人の男の子が、獅子舞を披露してくれました。これから、運気が上がっていきそうです。

お祭り日は、予約患者さん2名と少なく、ゆっくりしていたのですが、突然の電話。

「今からでも、大丈夫ですか?」

「ハイ、大丈夫です。」

「そしたら、20分後にお願いします。」

50才代の女性患者Cさんからでした。Cさん、右の背中にハリがあり、ひねると痛みが走ります。首が痛くて仕方がありません。

Cさんの合谷診(人差し指と親指間の触診)、上腕診(肘の内側の触診)をしても、反応がありません。こんな時は、背中のハリがある胸椎と痛い頚椎を狙うようにするだけです。

胸椎治療のため、眉毛の上にある圧痛点に置鍼をします。右眉毛の上に5本、左眉毛の上に3本。

「Cさん、背中をひねるとどうですか?」

「まだハリは残ってるけど、痛みはない。」

次は、首痛。最近は、首は腰で治す事が多くなっています。そのため、外果治療点(腰痛の治療点)にパイオネックス(円皮鍼)を貼ります。そして、骨盤の上の圧痛点に鍼を刺して抜きます。

「Cさん、首どうですか?」

「動きは良くなったけど、まだ痛い。」

そこで、胸部ソマトトープ(小さな人型)の胸骨柄の圧痛点に鍼を刺して抜き、その後にパイオネックス。その上に、軽く指を添えること10分。

「Cさん、首どうですか?」

「痛みはないけど、ハリがある。」

そこで、Cさんの足の親指を狙います。0.5寸5番鍼(長さ15mm直径0.25mm)で、足の親指圧痛点をツンツンと刺します。Cさんが、痛くて悲鳴を上げるのですが、刺します。

「Cさん、首どうですか?」

「痛くない!」

ごめんなさい・・・痛かったでしょう・・・でも、良かった❣️

ターボエンジン

若い頃、バイクの事故で右脚骨折したのが原因で、右股関節が痛い60才代の男性患者Aさん、今日は足にむくみがあり、首も痛いそうです。

そこで、首診(首に12のツボの流れが反映されたポイントがあり、それを触診する)で、心、腎、膀胱にコリを確認。側頭部の心、腎、膀胱点に置鍼し首診。

「先生、ゆるんでる。」

「ありゃ、ホントじゃ!」

「先生、腹から膀胱の方に流れを感じる。」

繊細なAさんは、腎、膀胱点に置鍼した途端に、その流れをキャッチしました。

私は、山元式新頭鍼療法(YNSA)では、中級コースのため、脊椎を中心とした基礎治療を主にしています。心、腎、膀胱といった内臓治療の鍼は、あまりしていません。しかし、Aさんの反応から、積極的に内臓アプローチが出来ると感じました。これで、Aさんの足のむくみが解消できそうです。

次は、Aさんの股関節痛。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、股関節痛は、同側の肩で治します。Aさんに股関節の痛い個所を教えもらい、それに対応する肩付近の圧痛点を探ります。

3ヶ所見つかったので、パイオネックスを3ケ貼ります。

今回は、パイオネックスの上に、人差し指、中指、薬指を軽く触れる治療を新たに追加してみました。

「先生、これ効く!ターボエンジンみたい・・・・・ゆるんできた。」

ターボエンジンというのは、排気ガスをキレイにして、再利用するため、馬力が強いエンジンです。パイオネックスの上に指を置く治療法は、ターボエンジン的効果があるかもしれません。 10分ほど経って、

「Aさん、股関節どうですか?」

「いい感じ、ゆるみました!」

で、治療終了。その日にAさんと連絡する機会があり、

「先生調子いい、首の痛いのがなくなった❗️」という言葉をいただきました。何故、痛みが取れたのは分かりませんが・・・・

肩はお尻で治す

90才代の女性患者Aさん、左肩が横水平に90°しか上がりません。肩の筋肉(三角筋)が痛くなるそうです。

「90才になって、五十肩なんて変よね~~」

ごもっともです。

Aさんは、鍼が嫌いなので使えません。そのため、指先で軽く触れるだけの操法とします。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、肩は、股関節(お尻)で治します。そこで、Aさんに左肩を上にして、横向きになったもらいます。そして、お尻の圧痛点を見つけ、軽く右手を添え、操法に入りますが、しばらく経つと、

「あの・・・この姿勢は、しんどい」

高齢のAさんには、横向きの姿勢は無理があるようです。無理な姿勢での治療は患者さんによぶんの負荷がかかり、良い結果は望めません。すぐに体勢を変えなければなりません。

「Aさん、うつ伏せなら大丈夫ですか?」

「それなら、大丈夫。」

ということで、ゆっくりとうつ伏せになっていただきます。すると、指先を触れるだけより、お灸で治療した方がいいような気がし、

「Aさん、お灸は大丈夫ですか?」

「はい、お灸は大丈夫!」

そこで、お灸をする事にしました。6ヶ所圧痛点を見つけ1ヶ所に10壮のお灸をして、Aさんに起き上がってもらいます。そして、ゆっくり腕を上げてもらいます。

「あら?どうして・・・腕が左と同じに上がる‼️」

「カラダって、不思議ね~~・・つながっているのね。」

90才のAさんが、少女のように喋ってくれました。

指が鍼

1年前から、膝痛、足ウラのしびれ、腰痛で週1回のペースで通院される60才代の女性患者Aさん。通院のおかげで、膝痛、足ウラのしびれ、腰痛はなくなりました。現在は、体調管理で来られています。ところがAさんは、鍼があまり好きではなく、パイオネックス(円皮鍼)も肌が敏感なため、貼ることができません。それで、指を軽くふれるだけの操法をしています。

本日は、歯痛と口内炎そして、左足首がたまに痛くなるのが気になります。今回は、合谷診人差し指と親指の間の触診)をし、本来なら鍼を刺すべき個所に、指を軽く触れると合谷の脳、頚椎、胸椎、腰椎に対応するところが、ゆるむかどうか、試してみました。

Aさんには、ベッドに仰向けになってもらい、合谷診。その結果、右手で、Aさんの右耳周辺のD点(腰)、左手でオデコの生え際の脳点、A点を軽く触れます。これが、鍼に換わる指の治療です。指は合計10本あり、一度に何ヶ所も触れることが出来るので、思ったより効率的です。そして、Aさんのカラダが反応してきます。

「左足首が、ジンジンしてきます。」

やはり、気になっていた左足首に反応が出てきました。皮膚に触れる操法をしていると、古傷が様々な反応をする事があります。Aさんの場合は、古傷ではありませんが出てきました。しばらくして治(おさま)ったので、左の合谷をチェックすると、痛みが無くゆるんでいました。

「今度は、右の腰がジンジンしています。」

しばらくすると、ジンジンが治りました。右の合谷をチェックすると、やはり痛みは無くなりゆるんでいます。

これらの事から、Aさんの様に鍼が合わない人でも、山元式新頭鍼療法の考え方を実施する道があるように感じました。

鍼の速攻性は凄い

20年前の腰椎椎間板ヘルニア手術跡が痛み、しかも腰痛。肩もパンパンに張り気分が悪いという60才代の男性患者Bさん。

「傷跡、どうかなっとらせん?ワシや、ここが腫れとるように思うんじゃが・・・」

来院されるや否や、傷跡を見せてくれるBさん。

「・・・・いいや、別に腫れては、ないですよ。」

「ほうかや・・・もう、痛うてしょうがないんよ。肩もパンパンに張って気持ち悪い。何とかしてや!」

早速、合谷診(人差し指と親指間の触診)をしながら、第2中手骨を4分割し腰椎、胸椎、頚椎、脳の状態把握を行います。Bさんの場合、どこに触れても痛みがあります。相当お疲れのようです。

脳点、頚椎、胸椎、腰椎に対応する頭部、顔面に置鍼し、その度に合谷診で確認します。

「まだ痛いですか?・・・・ここ(合谷診)」

「あれ?どしたん・・・・痛ない。」

「首どうですか?」

「軽なってきとる。」

次は、胸椎に対応する眉毛の上に、左右9本の置鍼をします。

「背中どうですか?」

「背中は、もうどうもない・・・問題は、腰よ。」

そこで、腰椎に対応する左耳の周辺に6本置鍼。

「どうですか?」

「どしたん、左だけ楽じゃ!」

「今度は、右腰を狙いますね。」

右耳周辺にやはり6本置鍼すると、

「もうこれで、ええわいい・・・腰が軽なった。それにしても、鍼は速攻性があるのう~~凄い‼️」

後は、ベッドで好きなジャズを聴いてゆっくりしてもらいますが、10分程経つと、

「もう、ええわい。十分じゃ。家に帰ってシャワー浴びて、寝る。」

素直なカラダで、正直なBさんでした。

足ウラがジ〜ンと、気持ちいい

2年前、頚椎症と診断された男性患者Aさん。漢方薬治療を続けるも、両腕が上がり難く、五十肩とも診断されました。今回で3回目の来院。過去の2回とも、2日間は調子が良いのですが、その後元に戻ってしまうそうです。

そこで、カラダの歪みを取る民間療法・操体法をメインで行うことにしました。

まず、人工芝の上にゴルフボール程の大きさの陶石を置き、ゆっくり歩いもらいます。これは、悲鳴を上げるほど痛いです。

「ちょっと・・・これ、痛すぎて・・・歩けんがな・・・・」

「まあ~、やれる範囲で・・・」

「バランスとるのが難しいし・・・フラフラして・・・」

「このフラフラするのがええんよ・・・無意識のうちに、カラダの歪みを取りよるんよ。」

などと、話しながら今後は、クスノキの瘤(コブ)の上を歩いてもらいます。

「クスノキは、薬の木という語源があるくらいじゃけん・・・・クスノキから出来る樟脳(しょうのう)は、英語でカンフル言うて・・カンフル剤のカンフル・・・元気の源なんよ。」

「・・・・これ、気持ちええ❗️・・・歩き終わってしもたら、足ウラが、ジ~ンと気持ちええ。」

「そうじゃろ、歪みもとれていきよるし・・・結構、よかろ~~」

「やみつきになりそじゃわい。」

ゴルフボールと人工芝を使って自宅ですることをお勧めし、操体法による治療を始めます。

Aさんは、左肩及び左肩甲骨に痛みを感じています。痛みの個所を聞きながら、その個所に対応する左股関節、左臀部の筋肉及び筋膜を伸展する操体法を気持ちよくおこないます。

そして、最後に残った痛みが、肩甲骨の棘下筋(きょっかきん)。それに対応する腸骨の筋肉に2寸の5番鍼(長さ60mm直径0.25mm)を5本置鍼して終了となりました。

Aさんには、これからも操体法を中心に治療をしていこうと思います

『つづけよ』

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。

前回の治療をご報告していなかったのですが、お尻(仙腸関節)と胸骨柄(胸骨の上の部分)に鍼とパイオネックスを重点的に行いました。その結果、随分調子が良く、朝起きても頭痛を感じない日が続いたそうです。ただ、夕方に軽い頭痛が戻るというパターンでした。

そこで、今回は合谷診(人差し指と親指の間の触診)をしながら、腰椎、胸椎、頚椎、脳の状態を診断する方法(現在、山元先生がされている方法)でやり、頭に置鍼していきます。それで、左アゴの痛みが残るだけとなりました。

前回よく効いた胸骨柄への置鍼。今回は、ネクタイの結び目のような形をした胸骨柄にだけ集中して治療することにしました。特に理由はありません。

山元式新頭鍼治療(YNSA)では、胸部ソマトトープ(小さな人型)という診断治療点があります。イラストのようになっており、痛みの残る左アゴに対応する個所の圧痛点を丁寧に探し、鍼を横向きに刺しては抜いていきます。また、前回腰に置鍼をして効果があったので、胸部ソマトトープ(小さな人型)の腰に当たるところにも鍼。パイオネックスをそれぞれに6ケ、2ケ貼り終了しました。

「どうですか?」

「大丈夫です、痛くないです❣️」

「後は、これがどれだけ続くかじゃね~~、次回また様子を教えてくださいね。」

「はい、ありがとうございました・・・・・続くといいな~~❣️」

『つづけよ』・・・・・😢