フォークソングを聴きながら

 

私と同い年で誕生日も近い女性患者Aさん。フォークソングを聴きながらの治療です。

7か月前に来院された時は、左脛骨(膝下の大きな骨)にクサビ型の切り込みを入れ、O脚をX脚にするという手術の2か月後。

当時は、左脚をかばうため、右脚が痛くて車の運転が大変でした。

ところが、今では、普通に歩けるため、体調管理を兼ねて週に1回くらいのペースで来られています。

「今から考えたら、足の痛いのがよう治ったと、つくづく思うわい。」

同世代のため、全くの日常会話です。

「足ウラの鍼は、即効性があるというより2~3日したら、あれ?・・・足が軽いんじゃけど・・・と思ったりすらい。」

「へ~~、そうなんじゃ。」

「あれ?、この歌だれじゃった?」

「・・・え~とな~、吉田拓郎じゃ・・・歌ってよ夕日の歌をじゃ。」

「こんなに、声若かったんじゃね~~」

「先生、こんなにおばあさんになっても、気分は青春じゃね。これが、80才になっても続くんじゃろか?」

「そうじゃね~~、人は、自分の顔が見えんけん、若い人と一緒にいたらいつまでも若いわい。」

「そしたら、先生、若い人がええ迷惑じゃわい、ふっふ・・・」

などと、フォークソングでそれぞれの青春を思い出しながら、気持ちよく治療ができました。

肩が痛い

3日前、徐々に左肩が痛くなり、夜中に痛みで目が覚めてしまうようになった40才代男性Cさん。その日に山元式新頭鍼療法(YNSA)で治療。

ところが、もう2日後には、痛くて眠れなくなりました。それで、本日、再来院。

初級コースである私の山元式新頭鍼療法(YNSA)の限界です。

そこで、今回は患者着に着替えてもらい、従来の天城流を取り入れた鍼灸治療をしっかり併用しました。患者着は、胸はチャックで簡単に開けることができ、背中は、マジックテープで開閉が一瞬でできるため、便利です。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で、頭に置鍼した後、ベッドで仰向けになってもらいます。

胸部ソマトトープ(小さな人型)で、左肩に対応する胸骨の上部に、鍼とお灸。

肩寄りの左大胸筋圧痛点に鍼とお灸。左肩甲骨の圧痛点、左腋窩の圧痛点にお灸。

左親指の合谷(人差し指との間)、母指球の筋膜はがし。

そして、上記の圧痛点にパイオネックスをしっかり貼りました。

「まだ、芯に痛みが少し残っていますが、随分良くなりました。」

と、帰られましたが・・・・・「ゆっくり眠れますように❗️」

膝の水を抜きたくない!

60才代の女性患者Bさん、腰痛で悩み、左膝に水がたまり、医者からは水抜きを勧められました。しかし、水抜きをしたくないBさん。知人の紹介で来院されました。

手を腰に当てて歩いて来られました。左膝には、ベルトの様な膝当て。確かにパンパンに腫れています。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)では、右腕のコリが顕著。こういう時は、右側の頭に置鍼します。例えば、頭の置鍼で、腰がゆるんだとします。そうすると、肘の内側もゆるみます。ゆるんだ肘を確認して、

「Bさん、いま腰のハリはどうですか?」

「あっ、ゆるんでいます。」

というような、やりとりとなるのです。今回は、膝と腰に対応する耳ウラへ、左右合計6本置鍼。それと、H点と呼ばれる正中線から2cm外で生え際から1cm上の圧痛点に置鍼。

基本的に患者さんは、座位の状態で置鍼します。その後、ベッドで仰向きになり休憩。

この休憩時に、足ウラの圧痛点に置鍼することが多いのです。

Bさんにも左足ウラに3本。右足ウラに1本して、約30分休んでもらいます。

「Bさん、じゃあゆっくり起き上がってください・・・・どうですか?」

「あれっ、膝が痩せた‼️これ・・・こんなに・・・腰も痛くない。」

確かに全くハリがなくなり、スッーとしています。3日後に予約を取り、スタスタと帰られました。

生田勉監督

第43回日米大学野球選手権大会が、松山市の坊ちゃんスタジアムで、18時から開催されます。日本チームは、亜細亜大学の生田勉監督が率いています。生田監督は、亜細亜大学を3度日本一に導いた名将です。

2年ほど前、愛媛の高校球児を視察に来られた際、生田監督の治療をする機会があったのです。そのご縁で、招待券をいただき、本日は早めに店仕舞いして、球場に来ています。

我が母校(筑波大学)から、篠原涼選手(内野手、主将)と佐藤隼輔(投手)が選ばれています。

あまり信じていただけないのですが、私も筑波大学野球部に所属していたのです!あの原辰徳巨人軍監督とも、公式試合をしたこともあるのです・・・信じられないですよね~~

始球式では、新田高校野球部の女性ピッチャーが、豪速球。

日本チームが1対0でリードしています。

天気痛?

お昼の番組で梅雨の時期、低気圧による頭痛、めまい、腰痛、首痛などを天気痛と呼ぶとありました。そこでは、愛知医科大学学祭的痛みセンター客員教授気象病の第一人者、佐藤純先生が、そのメカニズムを述べておられました。

低気圧になると、三半規管がゆるみ、脳が誤作動し自律神経がうまく働かなくなり、めまいが起こるそうです。

それを防ぐためには、三半規管を刺激するため、耳をほぐして、手首の内関(ないかん)というツボを刺激しましょう、という内容でした。

短い時間内で簡単に説明するのは、難しいとは思いますが、少し説明不足だったように思います。

そもそも、低気圧になると、なぜ三半規管がゆるむのか?この説明が一番大切だと思います。

私が、東京医療専門学校の学生の頃、東京理科大卒で、ギタリストでもあったM先生が、実技の授業で以下のように説明してくださいました。

「気圧が下がると、毛細血管が拡張してきます。深海魚を釣り上げると、カラダがパンパンにふくれるのと同じ。血管がふくれると血流が悪くなります。

ホースの口をせばめると、水がよく流れるでしょう・・・その反対で、血管がふくれると、血流が悪くなるの。

血流が悪くなると、発痛物質(ブラジキニン)が発生し、あちこち痛くなるのです。」

さすが理系の先生、明確な説明!腑に落ちました・・・と、思ったものです。

この説明を、聞いた後だと、低気圧になると内耳空間がふくれリンパ液が揺れやすくなるのかな?と考えますよね。

この現象を佐藤先生は、三半規管がゆるむと表現されたのだと思います。低気圧になるとなぜ腰痛になったり、古傷がいたんで来るのかの説明まで聞きたかったのですが、それはなかったと思います・・・ちょっと、残念。

要は、血流と血の質が健康のバロメーター。60点以上の血流と血の質を保ちましょう‼️

パイオネックス6個で勝負

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。

「先生、先週は、治療後徐々に良くなっていって、金曜日が一番良かった。」

Cさんの治療は、毎週日曜日。そのため金曜日に良くなったというのは、今までで一番調子が良かったことになります。今回は、いつも痛みがでる左頬の痛みがなく、首の後ろが少し痛い程度です。3ヶ月前は、友人と会ってお茶を飲む事さえ出来ず、会社と家の往復の毎日だったのですが、最近は、毎週友人と会えるようになっています。

前回治療では、パイオネックス(円皮鍼)を左外踝(くるぶし)周辺の圧痛点に10個貼り付けました。どうやら、これが効いたようです。そこで、今回もパイオネックスを使うことにしました。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭にしっかり置鍼。

その後、左外踝(くるぶし)にパイオネックスを6個貼りました。もう頭痛はありません。

さあ来週どうなるか、楽しみです。

こちらは、あじさいの杜鍼灸院

午後は、3時から10時までが治療時間です。

男性患者さんが来られ、治療を始め、しばらくすると、

「ガラガラ(玄関の戸が開きます)・・・・駐車は、ここでいいですか?」

「・・・・・・ハイ、いいですけど・・・」

「あの~~、3時半から予約していた◯◯ですけど・・・」

「・・・・◯◯様?いつお電話いただきましたか?」

「2~3日前ですけど・・」

『あれっ?・・・ついにボケが来たかな・・・困ったな~~しかも、3時半???あり得ん予約時間じゃし・・・参った!』

と思ってオドオドしていると、

「あれっ、ここ私が予約したところじゃないかも・・・・」

受け付けテーブルの名刺をご覧になった◯◯様、少しづつ後ずさり・・・

「こちらは、あじさいの杜鍼灸院と言います。」

これで、全てが解決出来ました。

私が開業している地区には、鍼灸院、整骨院などが5~6軒乱立しています。間違えることもたまには、あるでしょう。

それにしても◯◯様、本当は、あじさいの杜鍼灸院で治療を受けたかったのでは・・・

と、ちょっと思いました。


患者さんは、愛媛のヒーロー

2015年、選抜高校野球大会21世紀枠で、愛媛県立松山東高校が出場しました。そのチームのエースピッチャーでクリーンナップを打っていたのが、亀岡優樹選手(3年)。

初戦の二松学舎大付属高校は、大江竜聖投手(現、読売ジャイアンツ)用する強豪校。このチームに5対4で勝利し、2回戦は準優勝高校となった東海大四高と8回表までは、2対0とリード。しかし8回ウラに3点入れられ、逆転負け。

私を含めOBの応援が、凄まじく「緑の大応援団」と随分話題になりました。

この2試合の立役者、亀岡優樹選手が先日、地元のテレビ番組で特集されました。

亀岡選手は、現在愛媛大学4年生なので、本来なら春の大会で野球部をやめ、就職活動に専念するはずなのですが、4年生でただ一人野球部に在籍し、秋の全国大会出場を目指しています。

その理由は、3年の夏のクリーニング手術(肘)による長期間のブランク。

亀岡選手が、当院で治療を受けたのは、2年生の冬。

この時点で、一年間近く、肘に痛みを感じていたのですから・・・相当無理をしています。

地方の野球名門校ではない大学、しかも国立大学となると、選手層が厚いとは、とても言えません。その中で亀岡投手の肘にかかる負担は、想像を絶します。

高校野球での球数制限が話題になっている今、大学野球も同様に話題にしていく必要があるようです。

亀岡選手、あまり無理しないでね~

腰痛に四苦八苦

介護の仕事で夜勤明けに来られた50才代の女性患者Aさん。

3日前にも来られましたが、腰痛がまだ治っていません。前回の治療では、置鍼を少なくしたのですが、現在の私の力量では、もう少し置鍼を増やし、他の治療法も追加した方が良いようです。

胸骨周辺の圧痛点に、ダイオードてい鍼(金属ステイック)で、筋膜剥がし。胸部ソマトトープ(小さな人型)の腰にあたる圧痛点を狙っています。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、耳の周辺に腰に対応するツボが集中しています。そこで、丁寧に圧痛点を見つけだし、左右に7本づつ置鍼。

眉毛の上で、眉間側の圧痛点も背中に対応します。そこにも、3本づつ置鍼。

Aさんにうつ伏せになってもらい、左右足裏に1本づつ置鍼した後、ふくらはぎ、太ももの内側の圧痛点に鍼を刺して抜く事、10数回。これは、天城流湯治法の筋膜剥がしを、鍼を使用し行っています。

「先生、ずいぶん軽くなりました。」

と言葉を残して、帰宅されました。その後、手が床につく前屈写真を送っていただきました。ちょっと、一安心‼️

三冠王とホームラン王(その2)

三冠王3回の落合博満氏とホームラン王の山川穂高選手の対談で、スランプになった時の、治療法を落合氏が山川選手に教えるシーンがありました。

「人間って面白い動物でね。光があって何かが見えれば、そこに気を持っていかれる。明るいと、そのものに左右されて、来るんだから待っとけよって言ってもそこ打ちたい、あれ打ちたいっていろんなスイングになっちゃうから。直すんだったら暗闇の素振り。オレの中ではね」

「暗闇の素振り」さすが、三冠王の言葉だと、重く重く受け取りました。

治療もこれは、当てはまるように思います。

例えば山元式新頭鍼療法(YNSA)で、上腕診という触診を行います。

「これ、痛いですか?」私が、親指でやんわり触れながら聴きます。この時、多くの患者さんは、目を閉じてご自身の感覚、カラダに向かい合います。特に、鍼を刺す個所を探す時は、親指の爪をmm単位で動かし、患者さんの感覚にゆだね、伺います。この時、全ての患者さんは、目をつむるはずです。

触覚という原始感覚を研ぎ澄ます時、目からの情報は邪魔になります。

三冠王の落合氏は、バーチャル化が進んだ映像世界が氾濫している現代社会に対し、一つの警告として、自分と向き合う事の大切さを諭してくれているように思えます。