鍼が怖い・・・

鍼がこわい、という70才女性Bさん。

右骨盤の上に頑固なコリがあります。

クスノキの瘤(こぶ)に興味をお持ちなので、瘤の上に足ウラをおいてもらい、膝下には、クッションを置いてユックリしてもらいます。

腹診をしてみると、全体的にコリ。

こんなとき、鍼で対応したいのですが、Bさんには無理です。

冷えた足が気になるので、お灸をする事にしました。

ところが、なかなか温まりません。

鍼もお灸もダメ。

こういう時は、皮膚に軽く触れる療法が効く時があります。

ふくらはぎと、太ももの圧痛点に軽く中指を添えるだけの操法。

これは、17年前、三浦寛先生に弟子入りしていた時の手技です。

Bさん、気持ち良さそうにウトウト。

15分くらい経ったころ、圧痛点に触れると、あまり痛くありません。

お腹の張りが無くなり、右骨盤の上を触ってみると、緩んでいます。

「欲張ったら、良くないので、これくらいにしておきましょう‼️」

鍼灸が苦手な人には、良いようです。

鍼が効いてるとき・・・

鍼で「響き」という現象があります。これを「得気(とっき)」ということもあります。鍼を刺して、しばらく鍼を深く進めていると、患者さんの筋肉が、ピクッと反応する事を言います。

この現象後、からだは緩みます。

患者さんは、電気が走ったような感覚、刺したところから離れたところに響くなどと、おっしゃいます。

「響き」は筋肉が動くので私も分かります。

ところが最近、

 『あっ、これ鍼が効いてるな~~』

というのが、分かるようになりました。先日の患者さんとのやりとりです。

「今、効いてるでしょう~⁉️」

「うん、効いてる。でも、先生何で分かるん?」

「あんね~、眠くなるのよ~~」

「へ~そうなんだ‼️」

そうなんです、眠気が鍼先から指を伝わってカラダに入ってくるような感覚になる時は、決まって効いています。

これを気の流れと言うのでしょうか?よく分かりませんが面白い現象です。

めぼ その後

めぼ その後

 昨日、おでこに円皮鍼を貼り「めぼ治療」開始。

2日目の今日、ほんの少しだけ、かゆみが残りましたが、めぼの事はすっかり忘れていました。やはり、良くなっています。

山元敏勝先生(山元式新頭鍼療法の創始者)は、80才を超えておられますが、来年1月には新たなツボを見つけられ、新刊本を発売されます(早速、インターネットで予約しました)。

ここで、改めて感じるのは、人には、年齢制限などないということ。それを作るのは、本人の気持ち。

益々、先生の研修会に参加したいと思うのでした。

めぼ

めぼ

四国松山あたりでは、「ものもらい」とか、「めばちこ」などと言いません。

「めぼ」です。

おそらく、目+いぼ=めぼ でしょう。

私の右目の下側に、余り目立たない程度のめぼが出来ました。まばたきをすると、少し重い感じで、こするとやや圧痛を感じます。

そこで、YNSA(山元式新頭鍼療法)を試してみることに。

これは以前にも紹介しましたが、宮崎県の開業医、山元敏勝先生が患者さんの治療を通して、見つけ出した頭部のみに行う鍼療法です。

ブラジル、ドイツ、アメリカ合衆国などで、認可され海外から数多くの医師が宮崎まで、研修に来ています。

私の来年の目標の一つが、山元敏勝先生のもとでの研修です。行くぞ、宮崎❣️

まあ~、そんな事で、目に効くツボに円皮鍼を貼りました。貼ってから9時間経ちましたが・・・・結構、効いてます。

まばたきしても、重さはほとんど感じません。押しても痛くありません。ただ、目の下の赤みはまだあります。明日の朝が、どうなるのか・・・たのしみです。

40年前、木霊療法と呼ばれた積み木(その8)

40年前、木霊療法と呼ばれた積み木(その8)

実は、これからも病院内で行った数々のイベントなどを、書き込みたいのですが、病院の許可を得ていないので、これで一旦終了致します。個人的には、書き残してある程度まとまったものにしたいとは考えています。

私の大学卒業論文のテーマは、「触覚的アート」

今後益々ビジュアル技術が急速に発展していく中で、最も必要となっていくのは、原始的な触覚と捉えてていました。橋本敬三先生の「からだの設計にミスはない」にある原始感覚という言葉に共鳴したのもこのためです。

私は、触覚をテーマに積み木を展開していきました。そして、その延長線上に、鍼灸師という仕事があったのです。

そのため、鍼灸師=芸術家なのです。

これからも、新たな道を踏み歩く芸術家として、治療の世界で活動していきたいと思います。

何の根拠もない話

何の根拠もない話。

最近の治療では、クスノキの瘤(こぶ)を、ベットに並べる事が多いのですが、あまり違和感を感じないのです。

もし、ただの木っ端を置くだけなら、違和感があるはずです。

なぜなんだろう・・・っと、ガイコツ(治療室にポツンと立ってます)を眺めながら、考えました。

木の瘤は、枝が折れた後、その周辺の樹皮が傷跡を覆(おお)った結果です。そんな瘤は、骨

と骨の境い目の関節に形状が似ています。

骨がまっすぐ伸びて折れた後、

「いや~~、俺はまっすぐ伸びたくない❣️動きたい・・・」

と骨が思ったなら、瘤(こぶ)を作って動きやすい形状になると思います。

つまり、次へのエネルギーを必要とする時、瘤(こぶ)が必要になるのです。

まあ~~、勝手な屁理屈です。

そんな瘤にふれることで、私は人体における骨、そしてそのエネルギーを感じます。

患者さんも私と同じようなエネルギーを感じるのではないでしょうか?

何の根拠もない話。

クスノキの瘤(こぶ)でゆする

10ヶ月ほど前から、ほぼ毎週、通院されている30才代男性Aさん。最近は、体調管理を目的としておられます。

先週からの風邪がまだ治らず、頭がボ~っとしているそうです。

背中を触ると、左の肩甲骨から腰にかけて、硬い棒のような張りがあります。

お腹を触る(腹診)と、やはり、「肺に対応するところ」にコリがあります。

肺経は、お腹から胸を通り、親指まで 流れています。その流れを緩めると、お腹の「肺に対応するところ」が緩みます。

お腹が緩んでくると、表裏一体ですから、そのウラに当たる腰も緩んできます。

今回は、クスノキの瘤(こぶ)を使います。よく使う6種類の瘤を見定めて、適当と思われる瘤をAさんの左前腕に置き、ゆすります。

「痛くないですか?」

「気持ちいいです~~」

こんな感じで、お腹を再びチェック。

表面がゆるみましたが、押されると腰に響くそうです。そこで、作戦を変更。

左大腿内側に、瘤を置き、ゆすります。ある程度ゆるんだ後に、鍼を刺し、もっとゆるめます。今度は、膝下に瘤を置いてゆすります。

これらの施術の間、Aさんの手の平にはクスノキの瘤を置き、常に触れてもらっています。

こんな感じで、右側もゆすります。

「Aさん、ユックリと起きてみてください~」

Aさんの背中を触ってビックリ。

「Aさん、背中、ユルユルです~~」

「・・・あ~・・手に木の香りがかすかに残っていて、気持ちいいです。」

クスノキの瘤、手技の一つになってきました。

全身の骨は、3年で新しく生まれ変わる

全身の骨は、3年で新しい骨に生まれ変わる

医療関係者なら、「全身の骨は、3年で新しい骨に生まれ変わる」は、常識です。しかし、患者さんにこの事を言うと、「本当ですか⁉️」と、ビックリ顔をされます。

恐竜が発掘されるときは、骨の状態であったり、殺人事件で遺体が白骨化され発見されるので、骨をモノのように考えてしまうのかも知れません。

あるいは、歯は永久歯が抜けるもう二度と生えてこないので、骨=歯と勘違いしてしまうのかも知れません。

ところが、破骨細胞という血液の一種がホルモンの刺激を受けて、古い骨のカルシウムやコラーゲンを溶かします。その後、骨芽細胞が、新しいカルシウムとコラーゲンを塗って骨を強固にしてくれます。

まあ~~、実際に見たこともないので、解体屋さんと左官屋さんの関係として理解だけはしています。

ところが、人工骨を入れてしまうと、もう二度と再生はしません。入れ歯の様なものです。

というか、入れ歯のような感覚で、人工骨にしてしまっているのでしょうか?

骨は、表皮に覆われたカラダという水袋に浮いており、筋膜が骨を支えていると私は解釈しています。この筋膜がよじれ、もつれて骨を引っ張り変形させているのです。ですから、この筋膜をゆるめると、元に戻っていきます。

骨は、簡単に動きますよ~~❣️

何が効いたのかな?

70才後半の男性患者Cさん。

下肢静脈瘤、脊柱管狭窄症。今年2月頃から、歩行がギクシャクし始め、足底が1cmくらいの厚みで痺れています。

約1ヶ月の治療で、痺れはなくなりましたが、2~3日前からの寒さで、足底が痛くなりました。

私としては、痛みが素直に出ているので、少し安心しています。天城流では、足底の痛みを、ふくらはぎ内側の筋膜剥がしで治療します。ところがCさん、ふくらはぎ内側に痛みが余りありません。

『そしたら、積み木療法でやってみるか!』

Cさんは、どんな姿勢でも、動いていても足底に痛みを感じます。仰向きになってもらい、両膝を立てて、ゆっくり左右に倒してもらいます。その際、クスノキの輪切りに痛い足底を乗せ、ゆっくり倒してもらいます。あまり痛みを感じないそうです。

『アレ?もう効いているの?いや、そんな事はない!』

今度は、イボイボだらけの瘤クスノキ(通称:ゴジラ)に足底を乗せます。

「小指が痛い。」とCさん。

「そしたら、別のクスノキ置きますね~~」

「あっ、それは大丈夫です~~」

手が縮んでいるように見えたので、クスノキの木っ端を軽く握ってもらい、ベットの外に腕を投げ出してもらいます。

再び、イボイボのゴジラを足底に敷いてみました。

「小指の根元だけが痛い!」

「そしたら、足の根元の甲の部分にお灸しましょう。」という事で、お灸をする事5分。

「もう痛くないです~」

「そしたら、ベットを下ろしますね~・・・・じゃ~~ユックリ降りて、歩いてみてください。」

「痛くない!?」

さて、何がいつどこで効いたのでしょう?あまりよく分からないまま、治療終了。

カンフル剤って、樟脳剤⁉️

カンフル剤って、樟脳剤⁉️

階段を降りる時、膝が痛いという50才代の女性Cさん。

鋭い感覚とおおらかさを合わせ持った素敵な方です。

仰向けになったまま、手のひらにクスノキの瘤(こぶ)を置き、施術中は触れていただきます。途中からは、足底にも。

「アレ?、私こういう施術うけてる時、いつもは目をつむっているのに、ここでは、何か見てる・・・・ガイコツ・・・かわいい❤️」

「・・・あの~、以前、ある患者さんに、『先生、開業する時は、天井が飽きないようにしてよ!患者は、天井ばっかり見てるんだから。』って、言われたんですよ・・・それで、大工さんに、節の多い杉板を天井にお願いしたんですよ。」

「なるほど・・・」

などと言いながら、施術終了。

「先生、手のひら、汗かいてる❣️私、普段汗かかなタイプなのに・・・足のウラも汗❣️」

「そうでしょ!私も、これに触れ続けてたら、手のひらが熱くなるんですよ❣️」

という訳で、改めてクスノキについて調べてみました。

クスノキのの樹皮を除いた材を樟木(しょうぼく、Camphorae Lignum)と呼び、中国の民間では1日5~10グラムを煎じて、胃痛、脚気による関節痛、痛風に用いている。

日本では主としてカンフル(樟脳、Camphora , (英)camphor )の原料にする。

私が使っている積み木も、樹皮を取った樟木(しょうぼく )です。つまり、この積み木を煎じると、胃痛、関節痛、痛風に効くことになります。

カンフル=樟脳なので、カンフル剤とは、樟脳剤のことなのです❣️

カンフルは局所刺激作用があり、軟膏に配合されて神経痛、打撲、しもやけその他の皮膚病によく使われ、また強い強心作用を示し、注射剤の形で呼吸、血管、心臓の興奮薬として心臓衰弱などに用いた。

とあります。

触れていて、熱を感じたのは、このカンフル(樟脳)の作用だったのです。そうすると、Cさんが、仰向けになっても目をつむらなかったのは、杉板の節だらけの天井が面白いと感じたのではなく、カンフル(樟脳)のせいだったようです。

クスノキとは、クスリの木が由来という説もあり、四国ではクスノキの御神木が、数多くあるのも、うなずけます。ましてや、傷を負って出来たクスノキの瘤(こぶ)は、パワーが充満しています。

面白いですね~~もっと、展開出来そうです~