足ウラ鍼16本

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。前回の治療は、1週間前の日曜日でした。そして、4日間程、頭痛を気にしなくていい日が続きますが、金曜日から頭痛が再発しました。

こういうパターンを繰り返しながら、徐々に良くなっているのは確かです。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の合谷診で腰椎と頸椎にあたる個所が反応します。

特に腰椎はD点および、Iソマトトープでは、コメカミおよび、耳ウラを置鍼することになります。ちょうど、Cさんの頭痛は、コメカミや耳ウラあたりが最も激しいところなので、一石二鳥かも・・・

明るい待合室で頭に置鍼したあと、奥にある診察室のベッドで仰向けになってもらいます。

左側頭部のみの偏頭痛。今回は、左足ウラを診ることにしました。足ウラをじっくり眺めていると、「少し変」なところがあるのに気付きました。

「少し変」とは、少し黒ずんでいる感じのところです。そこを押すと、

「痛い❗️」

の反応があるため、次々と打ち続け・・・合計16本。

「頭痛はどうですか?」

「今は、大丈夫、痛くないです。」

左足ウラ鍼16本のまま、寝ていただき、治療1時間となった時点で起きてもらいました。

「どうですか?」

「楽です、軽いです~~❣️」

さて、今度はいつまで持つのかな・・・・

 

自分のカラダに鍼。

東京医療専門学校附属施術所の研修生時代、研修生同士でよく鍼を打ちあい、私は面白がられる存在でした。というのも、私が患者になってベッドに横たわり、相手がツボを探し、指がツボに触れると、私のカラダは「ビック」っと反応するからです。

相手にとって、非常に分かりやすい患者なのです。それと、もう一つ。

置鍼して私がゆったり横たわっていると、勝手にカラダが動き出すことがあるのです。これは、必ずしもあると言うのではなく、7~80%の確率です。

最初のうちは、奇妙に思われましたが、当の本人は、非常に客観的で意識がはっきりしているのです。

「心配しないで下さい、カラダが勝手に動くだけですから。この状態は、調子がいい証拠です。」

と、説明するようにしていました。

なぜ、このようなカラダになったのか・・・それは、操体法を学んだためだと思います。

2001年、私は操体法の創始者・橋本敬三先生(医師)の直弟子、三浦寛先生に弟子入りしました。当時、三浦先生は、皮膚に触れるだけの治療をしておられ、私は、それを見続けていました。

20人くらい集まるセミナーでも、皮膚の操法を学びました。その間に、カラダが無意識の動き(自発動とか、半覚醒とも表現されています)を覚えてしまったようです。

今更、なぜこんな事をいうのか?

珍しく、私自身に鍼を刺したからです。そして、効いたからです。

患者さんだけに聴くのではなく、自分のカラダに聴くことが大切。

「もっと自分自身に鍼を刺す宣言」をいたします!

山元先生が来られました(その4)

 

生理時、目肩首が痛くて、足が冷たくなってしまう30才代の女性Dさん。頭もクラクラするそうです。

山元先生は、Dさんの左右合谷(親指と人差し指の間)を触診しながら、

「こっちより、こっちですね。」

Dさんは、左より右の方にコリがあるようです。山元先生はDさんのオデコ、正中線より1cm右、生え際より1cm程下の圧痛点に置鍼されます。置鍼のたびに、合谷診をされDさんの「今」の状態を確認されます。

宮崎市の山元リハビリテーションクリニックでの治療(過去2回見学しています)でも、山元先生は、オデコの正中線付近のA点治療がほとんどでした。

小さな水滴が全ての世界を映し出しているように、A点が全身を映し出す水滴と山元先生には見えておられるのでしょう。

3本目の置鍼が終わり、

「今度は、どうですか?」

「目の奥が気にならなくなりました。」

4本目の置鍼のあと、

「今度は?」

「あっ・・・取れました・・・気分がいい!」

Dさん、ニコッと笑顔。

「これと・・・これですね・・・今度は?」

「血が流れるようになった気がします。」

「頭はどうなりました?」

「スッキリしました❣️」

最後の1本だけは、A点ではなく、眉毛に近いE点でした。治療前、浮かぬ顔のDさんでしたが、その明るい笑顔にこちらも、元気を頂きました。

山元先生が来られました(その3)

バイクで転倒し右上腕が、上がりづらいし、後ろに腕を回しづらい30才代の男性Cさん。山元先生は、合谷診を丁寧にされます。

「Number 1とNumbers 2とどっちですか?」

と、少し英語の入った質問から始まりました。山元先生は娘さんの美智子先生と英語で会話をされておられるので、ポロっと英語が溢(こぼ)れるようです。

「Number 1です。」

「左ですね・・・・(右とは)反対ですね。」

たとえ、右上腕が上がりづらくても、合谷診で反応があった左から、治療は始めます。このことは、今回のセミナーの最も重要なポイント。講師の加藤直哉先生が何度も何度も、説明してくださいました。

山元先生は、おでこの生え際にあるA点に、置鍼されます。

置鍼される度に、合谷診で確認されます。たった1本の置鍼で、左の合谷(親指と人差し指の間)のコリが取れ、今度は右の合谷にコリが現れました。

そこで、山元先生は、正中線よりやや右のA点に2本置鍼。

「ほら・・・今度は?」

合谷診をしながら山元先生はCさんに尋ねます。

「まだ、少し・・・でも、右肩に血が流れている感じがします。」

「ここに、一つのしこりがある。」

山元先生は、先程刺した2本の鍼の中間に置鍼。数mm単位の間隔です。

「今度は、どうですか?」

「両手が伸びるようになりました。ただちょっと、ひっかかりがあります・・・腰もちょっとヘルニアがありますが・・・(痛みが)無くなりました・・・5以下になりました。」

「じゃあ、耳出して。」

山元先生は、右耳のすぐ前にある耳穴から1.5cmくらいの間の圧痛点(イラスト参照)に1本置鍼されました。

「液が流れる感じです。」

「これが、一番大事ですね~~」

Cさんの右上腕は、引っかかりはありますが、左上腕と変わらないくらい上がり、後ろに回すと、可動域が、圧倒的に広がりました。

わずか5本の置鍼で終了でした❣️

縦横無尽の鍼

前回、リラックスすると咳が出てノドが痛くなる30才代の男性Bさんの治療についてレポートしました。山元先生のBさんに対する治療を目の当たりにして、感じることがあったので追加レポートいたします。

Bさんのもう一つの症状は、腰痛。

この腰痛に対して山元先生は右耳のウラにたった3本の置鍼のみで治療されました。そして、Bさんの耳ウラの置鍼写真を拡大して、驚きました。刺した鍼の方向がバラバラ、縦横無尽。

鍼灸師は、「美しく刺すという」概念を無意識のうちに植えつけられています。山元先生 の鍼を見せて戴き、アカデミックな色眼鏡に染められている自分自身に気がつきました。

その気づき後、治療室の等身大の人体骨模型=写真(トンスケと呼んでいます)の、耳のウラと腰椎の構造を比較してみました。

よく似ているのです。しかもこの2カ所は、複雑に関節が力を及ぼし合っています。

こんなに複雑な個所には、縦横無尽の鍼が理にかなっています。

山元先生の鍼は、骨格の構造を知り尽くした上での、極めて感覚的な重くて途轍(とてつ)もなく鋭いものなのです。

 

山元先生が来られました(その2)

30才代の男性Bさん、リラックスすると咳が出てノドが痛くなり、ノドがイガイガするそうです。また、腰は屈(かが)めたり朝起き上がる時、痛くなるそうです。

山元先生は、合谷診で右手を選択し、右手の上腕診をされます。

そして、側頭部のY点12内臓点の肺点(髪の折り返し点、イラスト参照)を探りながら、

「これと、これと、これは・・・こっち?」

「はい。」

右側頭部にゆっくり置鍼されます。今度は、左右腕の肘窩横紋(ちゅうかおうもん=肘の内側横すじ)の外側に単刺。これは、肺経の尺沢(しゃくたく)穴ねらいだと思います。

「これで、ノドは?」

「あっ、ノドの痛みは取れました。」

側頭部以外にも肺点は存在します。正中線から左右に1cmの幅で、髪際から頭の頂点(百会=ひゃくえ)に向かった2本のラインに12の脳神経と12の内臓合法点が同じ場所に仲良く共存しています。ここの髪際から9番目のツボが肺点。

「肺点というのは、ピンポイントでここにある。」

と山元先生、頭頂部の肺点に置鍼をされます。そして、今度は左側頭部の肺点にも置鍼です。この2つの肺点でBさんは・・・

「ノドのイガイガが取れました!」

「ほら?・・・腰はどうですか?」

「曲げた最後が痛いです。」

今度は、腰ねらいです。Iソマトトープ(小さな人型)が耳たぶを頭として、逆さまになっており、腰椎が耳のウラ側にあるのです。山元先生は、爪で丁寧に探りながらツボに置鍼されます。

「これですね?」

「ハイ!」

「耳鳴りはしない?」

「しないです。」

「これ・・これ・・・あ~~これか?」

「そこです!」

「腰はどうなの?」

「曲げた最後がまだ・・・・」

「ほう・・・(3本目を置鍼)・・今度は?」

「あれっ⁉️」

「いいですか!・・それがほしいの!」

とニコッと笑顔のBさんと山元先生でした。

追伸:咳止めは、眉毛の上のE点をねらってもいいそうです。「E点=胸椎=肺と関連」

山元先生が来られました(その1)

東京、御茶ノ水駅から徒歩1~2分のところにあるソラシティという大きなビルの一階で、YNSA初級セミナー1がありました。

ここでのビッグサプライズは、山元先生、山元先生の奥様ヘレンさん、そして娘さんの美智子先生が参加されたことです。

今回のセミナーは、キャンセル待ちメンバーが、51名集まったグループ。その心意気に感動された山元先生が、わざわざお越しくださったのです。本当にありがとうございます。

早速、山元先生の治療が始まります。

いきなり、英語で先生が質問。

一瞬、教室全体が・・・「???」

「ハッハハハ・・・・・&€※$$・・€§・・・どうですか?」

「左膝の痛みを取っていただきたいです。」

40才くらいの女性Aさん、左膝蓋骨(お皿)の感覚がなくなり、激しい痛みとなり、過敏になっていくというサイクルがあるそうです。

「一方だけ?」

「はい、左です。」

「ちょっと手を見せてもらっていいですか・・・ここが痛いですね(左の合谷)・・・A点でしょう・・・ちょっと下の方に・・・ここに圧痛点がある」

等と、山元先生は、説明をされながら合谷診と治療を続けられます。ところが、置鍼はほとんどA点(おでこ中央部の生え際よりやや下)にmm単位で置鍼が密集しています。

「この線(A点付近)より下に膝関節があるんです。」

どうやら、山元先生は新たなソマトトープ(小さな人型)をA点の下の部分に見つけておられるようなのです。A点が出発点で再び出発点に戻られ、もっと奥に小さな螺旋状のソマトトープ(小さな人型)を感じておられるようです。

そのため、初級コース方々には「???」の連続だと思います。幸い、私はいきなり宮崎市での山元先生の臨床見学を、4日間(2日コースを2回)したため、流れがある程度分かります。

「これと、これ・・・これですか・・・痛いですねえ・・今、膝は?」

「上がなくなり(痛み)、下にあります。」

山元先生がA点付近に置鍼。

「足が暖かくなりました。」

「ここ(A点の下)に膝関節がある、顕微鏡で見たらいいくらい。」

今度は、膝痛に対応する肘の圧痛点に一本置鍼されます。

「まだゼロじゃないけど・・ちょっと痛い・・」

「まだちょっと残っている・・・B点なんですけど、ちょっと刺していいですか?」

「暖かいです!いつも冷えているので・・・暖っためても、暖ったまらないのに( ^ω^ )」

A点付近に5本肘に1本の置鍼でした。(Aさんの写真を撮ってないので、置鍼数が1本くらい違うかもしれません)

原点回帰

御茶ノ水駅を降りて、見つけたバーガーキング。

ipad の充電が出来る席に座っています。昨夜は京都・ロンドクレアントで須藤信一郎さんのコンサートとパーティに参加し、夜行バスで熟睡。

早朝のバスタ新宿は、日曜日のためか人も少なく、すんなり御茶ノ水まで来れました。

午前10:00から、山元式新頭鍼療法(YNSA)初級1コースのセミナーに参加します。

本家本元、山元敏勝先生のセミナー(宮崎市)には、2回参加しているのですが、基礎から学ぶのは、今回が初めてです。山元先生の治療を目の当たりにした後に、基礎を学ぶと・・・

どうなるのでしょう?・・・・・楽しみです。

私は、元々美術を専攻し、オリジナリティを見出す事が当たり前の世界にいました。そのため、山元先生のオリジナリティに触れた時、ぶっ飛ぶほどの衝撃と喜びを感じたのです。

その勢いのまま、少々勝手な事をしています。

ここで、今一度原点に戻ることが大切です。しっかりと学んできます。

ハリネズミ

30才代の女性患者Cさん。肩コリと腰痛で悩んでおられます。

「先生、前回の治療、今までで一番効きました!効いた上に、持ちがいいんですよ。腰も肩も軽くて~」

と、弾みながら話してくれました。

前回は、左右の足ウラに3本ずつ置鍼(腰痛対応)。左足の親趾基節骨上の圧痛点に、単刺およびお灸(肩コリ対応)。左右の第3指の中節骨圧痛点に単刺およびお灸(肩コリ対応)。

上記のみの治療でしたが、随分効いたようです。

そこで今回は、山元式新頭鍼療法(YNSA)と足ウラ置鍼のみの治療法にしてみました。

頭部に4本置鍼し、右足、左足ともイラストのようにハリネズミ状態の置鍼。

足のソマトトープ(小さな人型)は、ぼんやり浮かんでいるのですが、まだ明らかになっていません。部分的に、腰、膝、肩はわかります。

これからも、患者さんに教えてもらいながら発見して行きたいと思います。

「先生、肩コリの芯が随分なくなり、軽くなりました❣️」

前回は、肩コリには、手の第3指にお灸や、鍼をしていましたが、足を丁寧に治療するだけで、肩コリも無くなるようです。

京都出張治療2日目

京都出張治療2日目

鍼が嫌いな60才代の女性患者Aさん。主訴は、肩コリ。

交渉の結果鍼は使わないでの治療となりました。こういう場合は、操体法で治療します。

仰向けになっていただくと、左足の方が2cmも長くなっています。右ききのAさんは、左重心になりやすいため、骨盤が左に傾いているのです。

両足を立て左右に倒し、倒しにくい方から、倒しやすい方へと動いてもらいます。

この時、私はAさんの膝を軽く押さえて、実際には動かない状態を作ります。Aさんは、何となく気持ちがいい程度の力加減で動こうとします。

これが上手くいくと、1回の操法で骨盤は元に戻ります。今回は1回で戻りましたが、やり方を覚えいただくため、2回行いました。

続いて、足指を丁寧に揉む操法。やく15分くらいすると、Aさんは、半覚醒状態になります。これは、カラダが眠り意識はある状態です。この状態になった後は、Aさんの頭側に回り、後頭部をすくう様に持ち軽く指を添える操法。

Aさんは、口をパクパクして半覚醒状態になります。

途中、頭から足の親指に触れる個所を変えます。約30分ほど行って終了。

「首、右が動きやすくなったけど、左はやりずらいわ。」

「そしたら、やりづらい左の方に首をひねってください。私が顔を支えてますから、ゆっくり右の方へひねってみてください・・・・・どうですか?」

「あれっ、左も大丈夫になったわ❣️」

「それにしても、初めての体験だったわ~、生きてるんだか、死んでるんだか・・・・」

と、フワフワしているAさんでした。