夜間高速バスの過ごし方

夜間高速バスの過ごし方

まず、しっかり眠れる様に、適量のアルコールを補充。車内に持ち込むのは、貴重品の入ったバックと、水350ml。それで眠りに入ります。

「JR三ノ宮駅です」

車内放送で、目が覚めてしまいます。ただ、頭はボケているので、『ここはどこじゃ?』

『オレは、何しよんぞ?』状態がしばらく続きます・・・・やっと状況を理解して、ボツボツ動き出します。多分、その間は車内が明るくなっていると思います。

それから、ウトウトしているようです。JR大阪駅を過ぎた頃から、しっかり目が覚めカラダの手入れを始めます。まず、前の座席に人がいないことを確認して、両足を座席に上げ、

下がっている血、水の流れを良くします。

それからは、指先(手も足も)を動かしたり、足首をゆっくりストレッチしたり・・・思いつく気持ちのいい動きを適当にします・・・首が気になったら、首をゆっくり回したり。

制限された空間に追いやられているので、いつも以上にカラダを意識して、手入れするようです。そうこうしている内に、車内が再び明るくなり、

「まもなく、京都駅に着きます。」

みぞれ混じりの京都に到着。

京都駅内のゴミ箱にペットボトルを入れて、さあ~~一日頑張っていきましょい❣️

勝手に・・・!

足ウラに痛みがある介護職50才代の女性Dさん。

朝起きて立ち上がる時、左右の踵(かかと)に、激痛が走るそうです。

ベッドに仰向けになってもらい、お腹から診ることにします。消化器系と肺の流れにコリがあります。

右足の母趾球(太白=タイハクというツボ)と右手首(太淵=タイエンというツボ)に鍼を刺します。すると、お腹のコリがやんわりと無くなっていました。

足ウラには、長趾屈筋、短趾屈筋というスルメの様な筋肉があり、ふくらはぎの内側につながっています。特に長趾屈筋は脛骨(ケイコツ)という大きな骨にしっかりとくっついています。ここをゆるめる事にします。

鍼で右足をゆるめていくうちに、アキレス腱付近でツボに触れると、Dさんの右足がピクピク動くことに気がつきました。面白いので、何度も触れてみますが、その度にピクピク。

面白くなって来たので、Dさんの最も痛いところを刺激してみようと考えました。

踵(カカト)の中央部に失眠(シツミン)という不眠に効くツボがあります。そこにお灸。

すると、足首がクネクネと平泳ぎ。

「ハハッ・・・チョット、恥ずかしいんですけど・・・」

Dさんの意志とは関係なくカラダは勝手に動きます。これを自発動あるいは無意識の動きと呼びます。特に操体法では 、この動きの誘導を手技にすることが多いのです。

つまり、カラダは無意識の動きをする事で、勝手にカラダの歪みを正すメカニズムを持っているのです。

今度は、左足の失眠(シツミン)にお灸。

すると、大胆なバタバタ・・・クロールです。

「イヤッ~~~~」

右足は平泳ぎ、左足はクロールとDさんの意に反して、泳ぎまわる両足。

永遠に続きそうなので、程よいところで終了。

「は~い、そしたらベッドから降りて、歩いてみてください。」

「アレッ、痛くない!」

スタスタと歩くDさん。

さてさて、いつまで持つのかな・・・

また、やった‼️

10日ほど前に、坂道ダッシュをしていて、右太もも内側に痛みを感じ来院の高校生(16才・男子)C君。

本日は、左太ももの内側に同じような痛みを感じ来院。

「左のハム、やりました。」

「アレ?・・・右はどうしたん?」

「治りました。それで、頑張って練習してたら・・・」

「ちょっと・・・うん・・・どしたん。何しよったん?」

「300mのかえる飛びやってる途中、100mくらいで痛くなりました。」

「何時ころ?」

「・・・3時頃です。」

何で無理をするんだろ・・しかも、やっと治ったところなのに、と思いつつも治療を始めなければなりません。

前回同様、患部には氷水を当てます。痛いのは左太もも内側の1点。親指で押した程度の範囲です。

前回同様、対角の右上腕内側の圧痛点を見つけます。確かに1点しかありません。その一点に、鍼を刺し、その後お灸を20壮くらいします。

「さあ~、起きてもらっていいですか?どうすると痛いの?」

「伸ばすと痛いです。」

ベッドの上で左脚を前に出し、右脚は座ったままで上体を前かがみにするC君。丁度、ハードルを飛ぶような格好です。さすが、陸上部。

「大分良くなりましたが、まだ痛いです。」

「来た時が10の痛さだったら、今は?」

「4です。」

今度は、右手第2指(人差し指)の第2関節の圧痛点2カ所に15~20壮のお灸。

「今度は、どうですか?」

ゆっくりと前屈をするC君。

「あっ、大分いいです。2くらいになりました。」

次回の予約をして、帰りる姿のC君。確かに足は引きずってはいません。

しかし、ちょっと心配です。

『無理すんなよ~~』

 

何で治ったの?

昨年末、腰痛で起き上がる事が出来ず、病院でブロック注射をして来院されたBさん。

京都で日本料理の修行をし、松山で調理師をされている40才代の男性です。

本日で3回目の来院。

左ふくらはぎ全体が、「冷た痛い」そうです。

まずはお腹から(腹診)です。触ると腎の流れ(腎経)に張りと痛みがあります。

日本料理店の厨房は、コンクリートと水にさらされて冷えています。立っているだけで、足ウラから冷えが襲ってきそうです。

腎経は足ウラの湧泉からスタートして、下肢の内側を通って腎臓に行き、横隔膜を通って、喉まで流れます。そのため、湧泉に灸をしました。すると、お腹の張りと痛みは取れました。

しかし、左ふくらはぎは、「冷た痛い」のまま。

そこで、腎経の流れと、腎経の表(おもて)にあたる膀胱経の流れにお灸をしました。

すると、左ふくらはぎの「冷た」は無くなりました。

でも、痛みは左ふくらはぎのやや外側に直径3cmくらいの円形で残っています。コレが非常に厄介です。

この円形には、張りやコリがありません。一般的に痛みの部分は、皮膚をつまむと、痛いのですが、この部分は、痛くありません。ただ押すと痛いのです。

もしかして、対角の右腕に圧痛点があるかも・・・無理矢理見つけ出し、右腕に鍼を刺しますが、全く変化なし❣️

仕方なく、円形部分に直接、鍼を刺しみました・・しかし、コレまた、変化がありません❣️

『もしかして、痛みの近くの筋膜が、悪さしているのかも?」

丁寧に膝ウラの圧痛点を見つけ出し、鍼を刺してみました。すると、

「痛くありません。引っかかりもありません❣️」よく分からないまま治療終了。

どう考えていいのか・・・仮説です。内臓を含める筋肉や、骨格を支えている結合組織の筋膜には、12の流れがあるとされています。その一番深層にあるデイープフロントラインの筋膜が絡(から)まっていた。たまたま、その絡まりに鍼が刺さり良くなった。

この様に考えると、痛みの円形部分にコリや張りがなく、つまんでも痛くないのが理解できます・・・まあ~~屁理屈でしょけど・・・

変形性股関節症の女性

昨年7月から1ヶ月に3~4回のペースで来院の50才代女性Aさん。

病院では、変形性股関節症(右の骨が数ミリ削れている)と診断されました。

右の靴下がはけず、階段を上る時は、右足が外を向いてしまいます。来院初日は、右足を引きずっておられました。職場でも、

「どしたん、その歩き方‼️」

と、いつも言われていたそうです。そんなAさん、本日で17回目。年賀はがきには

「朝、タイムカードまで、猛ダッシュで走れるようになった事が、何より嬉しいです」

と書いてくださいました。

さて、本日の治療。

それでも右股関節痛が点として残っています。そこで、天城流股関節に効く手技より4ヶ所

プラス右膝内側、合計5カ所を鍼と灸で治療しました。

具体的には、

⑴右鎖骨下の圧痛点

⑵右肘内側周辺の圧痛点

⑶右内踝の圧痛点

⑷右膝後部の圧痛点

⑸右膝内側の圧痛点

結果、痛みはなくなりました。ただ、これが継続するとは思いません。次回報告していただくことに致します。

       

60才代のアクティブな男性の積み木療法続報の続報

60才代のアクティブな男性の積み木療法続報の続報

冬到来で、スキーの準備に忙しいAさん。

ベッドで仰向けになるや否や、足ウラを合わせて股関節に近づけ、開脚を始めました。

「先生、股関節を伸ばしたい❣️」

「どうぞ、どうぞ」

ということで、しばらくAさんの自力自療に委ねます。ベッドは40℃の遠赤外線で暖かくしています。冬場でも、のびのびと動ける条件では、あると思います。

Aさんは、運動神経、感覚神経ともに優れ、しかも言語能力に長けているので、ご自身の感覚や動きを客観的に表現してくれます。

『今日は、何もしない方がいい!』

と感じたので、膝の上に大きめのクスノキを置き、重さを感じてもらう事にしました。

「どうですか?」

「重さが、丁度いい❣️」

一見重そうに見えるクスノキですが、程よい重さで、無意識のうちにカラダが重心を探すようです(積み木をつむ時の感覚です)。

「全体的に、うっすら、うっすらハゲている感じ。最近、玄米食を始めたので、いい循環に なってるのかな~~」

「カタツムリ?みたいに、効いていきよる。頬から、目の周りがお酒を飲んだみたいに、

ホワホワしとる。」

今度は、Aさんの手が気になります。

手が伸びをしたいように感じたので、薄めの積み木を持ってもらいました。

「丁度いい重さで、手が伸びよる。丹田あたりも伸びていく感じ。」

「言葉がより鮮明になってくる。眠っているのと、起きているのとの中間。こんな時は、語学の勉強にいいのかな~~」

院内は、Aさんの大好きなポルトガル語のボサノバが流れているため、言葉に反応されたようです。

今度は、Aさん。突然、口を開けたり手をグルグル回したり(これは、ご本人の意思で!)

しばらくすると、私に強烈な睡魔が・・・

どうしようもないので、 ベッドから距離を置きました。すると、睡魔が取れました。

『これは、面白い?』

と思い、ベッドに近づくと、再び睡魔が ・・・

一体何なんでしょう?

これ以上書くと、オカルトの世界に思われそうなので、やめますが、面白い体験でした。

長時間、股関節を開いていたので、今度は閉じて、太ももの外側にクスノキを置きユックリしてもらいました。

「そのところにあって欲しいという感じで・・・いい感じ❣️」

時間も来たので、終了としました。

結局、 私は何もしない治療・・・40年前、積み木活動を始め、最初はしゃかりきになって、作品を作り上げていたのが、だんだん、子供たちに作ってもらう作品に移行。最後は、場を提供するだけの作品になり、私自身は、何も表現しないで、参加者が自由に表現する作品となって行きました・・・・これは、今回の治療と同じ。

なるほど、同じコンセプト・・・・・・灯(あかり)が見えてきたような気がします。

ギックリ腰2日目

ギックリ腰の60才代の男性Aさん、昨日に続いて来院されました。

まだ、前屈するのが怖いそうです。歩く時には痛みは感じないのですが、腰に張りを感じるそうです。確かに、骨盤の上が張っています。

天城流では、ギックリ腰の要因に、ふくらはぎのコリを上げています。昨日は、ふくらはぎを診たつもりでしたが、見落としがあったようです。

ふくらはぎのコリに鍼を刺していきます。今度は仰向けで、太ももの圧痛点に鍼を刺し、お灸もします。

それでも、骨盤の上の張りが気になります。こういう時は、ウラ側の股関節。

押すと、

「痛った‼️‼️」

どうやら、股関節が縮んで、腰が張っているようです。股関節を押圧したり、反らしたり。

かなり緩んできました。

「どうですか?」

「軽くなった、前屈も出来る」

股関節のストレッチ方法などをお教えして、年明けに、もう一度来院していただく事にしました。次回で、完治しますように!

ギックリ腰

10日前にギックリ腰となり、無理して会社に通い、やっと本日、来院の60才代の男性患者Aさん。遠距離(大阪在住)にもかかわらず、月に2回くらいの通院を、2年間続けておられます。

前かがみするのが、怖いそうです。骨盤の上が硬く強(こわ)ばっています。

一番楽な横向きから、始めます。

右太ももの内側の圧痛点に鍼を6本、右ふくらはぎに1本置き鍼をして、15分。ユックリ起き上がってもらいます。

「左がまだ痛い。」

「そしたら、仰向けで寝てもらいますね~」

今度は、左太もも内側の圧痛点に鍼を刺していきます。今度は、刺しては、抜く施術にしました。

「今度は、どうですか?」

「あれ?右が張ってる。」

「では、うつ伏せになってもらっていいですか?」

両膝のウラにある圧痛点に鍼を刺します。横向きになっている時には、見つからなかった圧痛点がうつ伏せでは、はっきり分かります。

「はい、それでは起きてみて下さい」

「う~~ん、随分いい。軽くなった。」

歩く姿が、普通になりました。太もも9割、ふくらはぎ1割の治療で腰には一切触れていません。これは、天城流の腰痛に対する筋膜剥がしの箇所を、鍼治療したものです。

明日の大晦日、もう1日来院されれば、ほぼ完治すると思います。

鍼が怖い・・・

鍼がこわい、という70才女性Bさん。

右骨盤の上に頑固なコリがあります。

クスノキの瘤(こぶ)に興味をお持ちなので、瘤の上に足ウラをおいてもらい、膝下には、クッションを置いてユックリしてもらいます。

腹診をしてみると、全体的にコリ。

こんなとき、鍼で対応したいのですが、Bさんには無理です。

冷えた足が気になるので、お灸をする事にしました。

ところが、なかなか温まりません。

鍼もお灸もダメ。

こういう時は、皮膚に軽く触れる療法が効く時があります。

ふくらはぎと、太ももの圧痛点に軽く中指を添えるだけの操法。

これは、17年前、三浦寛先生に弟子入りしていた時の手技です。

Bさん、気持ち良さそうにウトウト。

15分くらい経ったころ、圧痛点に触れると、あまり痛くありません。

お腹の張りが無くなり、右骨盤の上を触ってみると、緩んでいます。

「欲張ったら、良くないので、これくらいにしておきましょう‼️」

鍼灸が苦手な人には、良いようです。

鍼が効いてるとき・・・

鍼で「響き」という現象があります。これを「得気(とっき)」ということもあります。鍼を刺して、しばらく鍼を深く進めていると、患者さんの筋肉が、ピクッと反応する事を言います。

この現象後、からだは緩みます。

患者さんは、電気が走ったような感覚、刺したところから離れたところに響くなどと、おっしゃいます。

「響き」は筋肉が動くので私も分かります。

ところが最近、

 『あっ、これ鍼が効いてるな~~』

というのが、分かるようになりました。先日の患者さんとのやりとりです。

「今、効いてるでしょう~⁉️」

「うん、効いてる。でも、先生何で分かるん?」

「あんね~、眠くなるのよ~~」

「へ~そうなんだ‼️」

そうなんです、眠気が鍼先から指を伝わってカラダに入ってくるような感覚になる時は、決まって効いています。

これを気の流れと言うのでしょうか?よく分かりませんが面白い現象です。