積み木アートへ

現在、京都出張治療で、ロンドクレアント(北白川伊織町40)というギャラリーにいます。お昼からは、大徳寺に、出張治療で出かけます。

今回は、キャンセルが多くて大変ですが、その分自らの治療法を問いただす時間をいただいています。

つくづく感じるのは、カラダは良くなるように出来ているということです。

その法則に身を置くだけでいいのです。橋本敬三先生(操体法創始者)が、「治療なんて下の下だ」とおっしゃっていた意味がやっと分かって来ました。

今回は、治療らしきことをしないで、80%くらい。治療らしきことで20%。おおよそ、30分で終了しています。最後の最後に鍼治療をする時がある程度です。

今後は、20年間やってきた積み木アートを、2004年ジョアンミロ美術館で展開した路線に結びつける操体アートへの展開です。

私の心の中でくすぶっていた、離婚への負い目も、6月次女と会うことで軽減してきました。やっと、道路を歩いている子供たちを見ても、目を合わすことが出来るようになりました。

子供たちのためにと始めた積み木アートに、再び手をつけたくなりました。幸い、滞在している宿が、ギャラリーで、しかも、その長男が木の原木を仕事にしているため、積み木アートが出来る環境です。

地元松山での仕事を早く軌道に乗せ、治療とアートとの融合をロンドクレアントで展開してみようと思います。

冷え性対策

美空ひばり大好きの70才代女性Bさん。

随分調子がよくなり、月に3回くらいの割で来院されます。

「先生、調子はええです。なにやら足がポカポカしてるような、気がします。」

「ほ~それは凄い!なんかご自身で特別なことされてます?」

「お風呂で、足の指をこやって、こやって(このようにして)伸ばしとります。」

「それは、素晴らしい!」

「道後温泉に行ったりしよります。」

確かに、Bさんの足は緊張感がなく緩みを感じます。触っても冷たくありません。松山市内には、温泉がたくさんあるので、温泉で入浴した後に来院される方が、結構いらっしゃいます。治療する上で、非常に恵まれた環境です。天城流湯治法があるのだから、松山流湯治法があってもいいくらいです。

先月から冬場の冷え性に備えての治療を始めるBさん、今回で4日目になります。

中国では、冬場に風邪をひかないため、夏にお灸をする習慣があります。Bさんには、このことを説明した上で、冷え性を治すためのツボに鍼とお灸をしています。

おヘソの周り、おヘソと恥骨の間、下肢の内側のツボに鍼を指し置きし、八風(はちふう)と呼ばれる足指の又の部分に、お灸をします。Bさんは、好きな美空ひばりさんの曲を聴きながら、ウトウト。

「美空ひばりさん、舟歌を歌うんだ~~・・・いいですね~~舟歌❣️」

「・・・・・」

八代亜紀の舟歌と美空ひばりの舟歌を、比較しながら治療している私・・・ちょっと不謹慎。

Bさんは、気持ちよくお休み中です。そうこうしているうちに、治療終了。

「先生、お漬もん(お漬物)食べる?」

「あっ~キュウリ、大好きです?ありがとうございます?」

「美味しいかどうか、分からんけんど・・・塩とお砂糖少しにお酒で、今朝作りました。」

Bさんありがとうございます。大変美味しくいただきました。ごちそう様*\(^o^)/*

天城流恐るべし!

1週間ほど前に、東京を歩き周り足が疲れてた上に、細かい手仕事をされている女性患者Aさん(60才代)。

3日前に転び、首が軽いムチウチの様になり、首が膠着状態。食事も中々ノドを通りません。

こういう状態の時は、首は触りません。

まず、足の親指(第1趾)の側面の圧痛点。丁寧に探すと指先から指の根元まで10カ所以上あります。ここにお灸を3~5壮すると、

「ジュジュ~、シュルシュル~~」

突然、お腹が鳴り始めます。

「ここ(足の親指)は、消化器系(脾経)だから、お腹が反応しますね~~」

「食事が出来なかったのは、このせい?」

「そこは、何とも・・ただ、十分考えられますね~、どうですか、首?」

「ちょっと、楽になった気がします。」

今度は、反対足の親指にお灸をします。

「シュルシュル~~」

やはり、消化器系が反応してお腹が鳴ります。3~5壮を10ヶ所ほどに施術した後、今度は、手の甲。

親指と人差し指の間にある圧痛点を丁寧に探し、爪でコリコリと筋膜の絡(から)みをほぐします。

次は母指球の圧痛点をほぐします。

「首どうですか?」

「ちょっといい感じ。動くようになった。」

今度は、足の内踝(うちくるぶし)周辺の圧痛点に鍼とお灸。丁寧に時間をかけて施術します。

「どうですか?」

「あれ?こんなに首が回る・・・ちょっと、奇跡的!明日になったら、もっと良くなる気がする。でも、首の後ろに痛みが残ります。」

今度は、肩甲骨の下にある圧痛点の筋膜を爪でコリコリはがします。

「どうですか?」

「あっ~、随分痛みが無くなった!」

という事で治療終了。首に触れる事なく首を治す。天城流恐るべし!

爆睡(( _ _ ))..zzzZZ

Aku60才過ぎてもオートバイクに乗って、愛媛の名所巡りをしている男性患者Bさん。若いころ事故に遭い、

右ヒザからスネにかけて、手術の痕があります。今年の冬にはスキーをしていて、追突され肋骨を5本折りました。それでも、ニコニコとバイクで走り回っています。絵にも興味があるようで、

「これ、いい絵ですね~」

「あの~~、私が描いたんです。何を描いたのか良くわかりませんが・・出来ました。」

「絵って、それでいいんですよ。」

という、初対面。

ベットで仰向けになり、身の上話から、松山市内の美味しいレストラン、神社仏閣、東京生活等々

の話を、淀みなく話されます。

様々な経験をされているB さんは、何かスイッチが入ったように、とどまる事を知りません。

治療終了後、

「先生、私は元来おしゃべりでは、ないんですよ。先生の絵を見て、話が出来ると感じただけなんですよ~」

と、予想外ののお話をいただきました。どうやら、作品は本人以上におしゃべりをしてくれる事もあるようです。週に2回のペースで来院されるBさん、本日は、風邪気味で、前日には、吐き気があったようです。

腹診をすると、案の定、消化器系と肺にコリを感じます。

そこで、消化器系のツボに置き鍼をし、肺経の肘周辺の圧痛点に鍼を刺していきます。いつもはおしゃべりのBさん、あっという間に爆睡状態。大きないびきをかいています。

頭痛もするとのこと。鎖骨の上の圧痛点にお灸をしました。治療を終え、気持ちよく寝ているBさんを、起こすのも少し気が引けるのですが・・・

「あれ~、先生よく寝たみたいですね~。モヤッとしてたのが、晴れた感じです。鍼ってすごいな!」

と、ニコニコ顔のBさんでした。

刺さないハリ

がっしりした体型のスポーツマンの患者Aさんは、月に1回くらいの割で来院されます。

全身が凝っており、どこを触っても、

「痛っ!」

の連発です。こういう時は、総合武術家・平直行さん提唱の「やわらぎメソッド」を私なりに展開している腰、下肢への操法(現在6種類)を行います。丁寧にしっかりとやると、汗かきのAさんは、全身がじっとり。柔軟性が増しました。

次に、Aさんが気にしていた右手首。

手首を反らすと痛みが走ります。こういう症状を天城流では、上腕の付け根、鎖骨の下あたりの筋膜はがしで治します。今回は、ダイオードてい鍼(写真)2本をお箸のようにして使います。

刺すことなく皮膚に触れる事で治します。

鍼(はり)というと、注射針を連想して、「痛くて、怖い!」というイメージを持つ方が多いので、当院にもなかなか患者さんが足を運んでくれません。

そこで、刺さない鍼(はり)があることを知って頂きたいのです。

小児鍼(しょうにしん)治療といって、銀鍼(写真の銀色に光っているモノ)を子供さんの皮膚にこすりながら治す方法もあります。また、銀鍼を銀のスプーンに代えても治療できます。非常に気持ちがいいです。

Aさんには、銀のスプーンとはいきません・・・

ダイオードてい鍼のお箸で、筋膜をはがしていきます。鎖骨下の大胸筋、親指から腕の圧痛点の筋膜を、しっかりと・・

「あれ?痛くない!」

めでたし、めでたしでした。

ストレッチ?操体法?

座ってできるふくらはぎ(腓腹筋)のストレッチ。この動きに呼吸や目線、足指の伸展などを加えていくと、より質の高いストレッチとなります。

ストレッチと操体法の境界線は、これらの要因が加わり、「気持ち良さ」に比重を置くかどうか。

操体法は、気持ち良さを指針とします。カラダや心の歪みが正される時に、気持ち良さを感じます。そして、全ての生き物は、このベクトルに向かい生きています。

ただ、人間は生活のために、仕事をし、ついつい仕事優先の生き方になる傾向があります。カラダの声に耳を傾ける時間もなくなり、いつのまにかカラダに歪みを作ってしまいます。

チョットした時間を見つけて、気持ちよくカラダの歪みを取っていきましょう。

自力自療

夜行バスに乗って7~8時間。畳の間で3~4人患者さんの治療をすると、中腰になるため、腰に負担がかかります。腰痛の一歩手前 ・・・

こういう時は、畳でゴロゴロします。どこに張りがあるかチェックし、その部位を可動域ギリギリまで伸ばし、軽くその部位が動かないように抑えます。

その後は、その部位にある筋肉をゆっくりと動かし、一番気持ちのいい力加減で味わいます。

これは、とても気持ちがいいので、ダラダラと続けます。

この動きに、ゆっくりとした腹式呼吸を加えると、非常に効果的です。

現在、私は京都市内のパン屋さんで食事をしながら記事を書いています。この時も、骨盤の調整を気持ちよくおこないなが、iPad に向かっているのです。

いつの間にか、自力自療が身についているようです。

腹式呼吸法

患者さんの中には、呼吸法が苦手で浅い呼吸になる方がいます。

そこで、イラストを描いて見ました。

私は、呼吸法の専門ではありませんが、毎日呼吸をしているので、呼吸法を語ることはできます。

浅い呼吸をしている人は、肋骨周りの肋間筋を使って肋骨を上下する胸式呼吸になっています。

深い呼吸が出来ている人は、横隔膜が大きく上下する腹式呼吸をしています。

横隔膜は、胸と腹を横断しているアーチのような筋肉です。この筋肉の上には、肺と心臓、下には肝臓と大変重要な臓器があります。ですから、腹式呼吸をすることが臓器に影響を及ぼすことは、容易に想像できます。

そんな事、分かっている・・・・けど、出来ない!

そんな方のお手伝いになれば、幸いです~~

膝をケガして、骨盤ズレた!

フラダンスをしている70才の女性患者Cさん。今回は、大きな剪定(せんてい)ばさみを使って、草刈りをしていたところ、右膝から地面に転び、右膝下に怪我。

その拍子で骨盤がずれ、良くなっていた右腰部に痛みが再発しました。

「明らかに、骨盤がずれていますね~~」

立ち姿から一目瞭然でわかります。左脚が2cmほど長くなっていました。

仰向けになってもらい、両膝を左右に倒し、やりづらい方からやりやすい方へと、両膝を戻してもらいます。ただし、私が軽く両膝に両手を添えているので、実際にはCさんの両膝は動かず、カラダの奥にある筋肉が動き、筋膜がゆるんできます。これを何度か繰り返し、脚を伸ばしてもらいます。

「は~~い、脚がそろいました!」

2cmも差のあった両足が、ぴたっとそろいました。

今度は、仰向けのまま、片膝づつを胸元に持っていきます。やりやすい膝を胸元からゆっくり伸ばしてもらいます。ただし、私が片膝に手を添えているので、Cさんの膝は動かず、カラダの奥が動きます。これも何度か繰り返します。

「あれ?ずいぶんいい感じ。」

今回は、どう言う訳か、治りが早いようです。しかし、まだ右腰部に張りがあります。

うつ伏せになってもらい、右ふくらはぎの圧痛点に鍼を刺します。服の上からでも、右腰部のゆるみは分かります。

「どうですか? 起き上がってチェックしてみてください。」

「あれ?痛くない!」

これで、治療終了ですが、打撲した右膝の治療も・・・

対角の左肘下に圧痛点を見つけ、そこに鍼とお灸をして終了となりました。よかった、よかった!

軽いギックリ腰

軽いギックリ腰になった40才代の女性患者Aさん。2回の治療ですっかり良くなりました。

一回目、痛みが腸骨の上、脊柱の両側が、前かがみすると痛みます。

典型的な、ギックリ腰だと感じたので、ふくらはぎの圧痛点、太もも内側の圧痛点に鍼とお灸で治療。

前かがみをしてもらうと、

「まだ、痛みはありますが、前かがみが楽になりました。」

3日後、二回目の来院。

「今度は、左のお尻が痛くなりました。」

「・・・ん~、チョット触っていいですか?」

Aさんの左足薬指(第4趾)を軽く引っ張りました。

「痛った~~(*≧∀≦*)」

これを天城流では、脊柱管狭窄の症状と捉(とら)えます。そして、下半身の外側の絡(から)んだ筋膜をほぐします。これを、鍼灸師の色眼鏡でみると、胆経の経脈(写真の人形・ワタ助のオレンジ色の流れ)と考えます。そこで、今回は、お尻にも長い鍼を刺し置きすることにしました。

Aさんに左を上にして、横向きになってもらいます。お尻に2カ所、腸骨の上に1カ所、足の甲に1ヶ所、置鍼。後はAさんに痛いところを聞きながら、鍼を指していきます。お灸もポイントだと感じたところに、3~7壮します。

「じゃ~、起きていただいて、チェックしてみてください。」

「あっ!お尻の痛みが取れました。でも~、腰の上に痛むが・・・」

1回目の治療で痛かったところに、まだ痛みがあるようです。うつ伏せになってもらい、左右のふくらはぎに「響き」を感じる一穴を鍼で刺します。

「今度は、どうですか?ゆっくり起きてみてください。」

「あっ、大丈夫だ!痛くない(*゚▽゚*)」

こぼれる様な笑顔のAさん。「この仕事を選んで、本当に良かった❣️」と思う瞬間です。