肩甲骨下の痛み

 

草引きをしていて、無理な体勢になってしまい、左肩甲骨下に痛みが走った50才代の女性患者Cさん。我慢が出来なくなり来院されました。いつもの様に、合谷診(人差し指と親指の間の押圧):右(右側を触診します)から始め、上腕診と膝診を併用して脳と脊柱の状態を診断します。

上腕診:腰椎、小脳

膝診:頸椎#4、#6、腰椎#5

上記治療点に3本置鍼して圧痛点が無くなりました。これで、自律神経が整いました。次に首診で内臓診断を行います。

左:腎(1)、膀胱(1)、大腸(1)

右:心(0)、大腸(0)、三焦(1)

(  )内は置鍼の数、0は他の治療点の影響により圧痛点が無くなったことを示しています。これで、肩甲骨下の痛みが、いくらか減りました。そこで、左のC点(オデコ)と左のE点(眉の上)に置鍼するとずいぶんと減りました。そして、私が見つけた足の治療点を押圧。

「痛い!・・・・・痛いんですけど!」

これが効きました。もう全く肩甲骨下の痛みは無くなりましたました。頭と足の併用は非常に効果的です。

股関節は足で治す

 

70才代の男性患者Aさんは、農業従事者。がっちりとした体型でとても若く見えます。今回は、右肘、右股関節と腰痛で来院されました。

合谷診:左(左側の治療点を置鍼します)

上腕診:頸椎(1)

膝診:腰椎#1(1)、大脳(1)、小脳(1)

首診:右 腎(1)、膀胱(0))

左 腎(1)、膀胱(0)、心包(1)

それぞれの治療点に置鍼した本数が、( )内の数字です。

自律神経神経と内臓を整えました。これから、右肘、右股関節、腰痛の治療となります。右肘と右股関節はIソマトトープ(小さな人型の投影)の治療点(右側頭部)に置鍼。右肘の痛みは2/3なくなりました。しかし、右股関節には痛みが残ります。そこで、私が見つけた足にある治療点(まだ、YNSA学会に認可されていませんので、公表出来ません)に、親指で押圧をします。すると、Aさん大声で、

「痛ったたた・・・・」

右肘、右股関節とも痛みが少なくなりました。そこで、ピンポイントを見つけ、直接鍼を刺して上下に突きます。Aさんは眉間に大きなシワを作って耐えています・・・・これで、すっかり痛みが取れました。後は、腰痛です・・・これも、足に見つけた治療点に鍼を刺し、パイオネックス(皮内鍼)を貼って終了としました。

足の治療点に関しては、確信していますので、次の段階に進むための勉強をしていきたいと思っています。

上腕診と膝診の併用

 

大学野球部の男性患者Bさん、2ヶ月程前から右肩(三角筋前部繊維)が痛くて腕を頭上に挙げようとすると、途中でバリバリと肩が鳴り、痛くて挙げにくいそうです。そこで、山元式新頭鍼療法(YNSA)の説明をして、早速治療に入ります。

合谷診:左(左の上腕、膝の診断を行います)

上腕診:頸椎(1)腰椎(0)

膝診:頸椎#1、#2(1)、胸椎#1、#2、#3(1)、腰椎#1、#2、#3、#4、#5、#6(1)

大脳(1)、小脳(0)

首診:左 腎(1)、膀胱(0)、心(1)、三焦(0)、小腸(0)

右 膀胱(0)、心(1)、大腸(0)

最近は、上腕診と膝診を併用して治療をしています。(  )内の数字が置鍼の数を示しています。

8本頭に置鍼しました。

そして、肩の治療点であるB点、C点、Iソマトトープ、マスターキー(全て頭にあります)という4つの治療点に置鍼。すると、痛みがずいぶん無くなりました。ただまだ痛みは残っているので、足に見つけた肩の治療点に一番細い鍼を刺し上下に動かした後、置鍼します。

「痛い・・・・・」

「痛いけど、我慢してください・・・・痛い程、治りがええけん。」

6本置鍼して、痛みを確認するとずいぶん無くなりました。3日後に来ていただいて、2回目の治療で完治を目指します。

素直なカラダ

背筋や腹筋を鍛えるローラーでエクササイズをしていた50才代の女性患者Aさん。頑張りすぎて「ギックリ背中」の重くもないけれど、軽くもない程度の症状があります。特に右肩甲骨あたりが痛くて仕方がありません。そこで、自律神経を整えたあと、B点というオデコにある治療点に置鍼することにしました。

合谷診:右(右側の膝を診ることになります)

膝診:頸椎#5

胸椎#3、#4、#8

上記に対応する治療点に置鍼2本(オデコと右眉の上)すると、診断点の圧痛が無くなりました。今度は、B点という肩の治療点(正中線から2cmほど右の生え際)に1本置鍼。これがずいぶん効いたようです。

「痛い・・・・・・・・痛くて、顔の筋肉を動かせない・・・・・・・痛い・・肩が緩んでいくのが分かる・・・・けど、痛い。」

もうこの3本の置鍼で十分です。このままの状態でゆっくりしてもらいます。Aさんは、健康管理に気をつけているためか、とても素直なカラダをしています。鍼(はり)という異物が入ると、カラダがその異物を取りのぞこうと押し出し始めます。過去に2~3回鍼が飛んで床におちることだありました。今回も顔面の痛みが無くなった時は、鍼の先がわずかに皮膚にくっついているだけの状態になっていました。

「顔を振ったら、落ちそう・・・・」

と、Aさん。

普段から、水や食べ物を研究して、カラダに悪いものを入れていないAさんは、どこかちがうようです。そんな素直なカラダのAさん、「ギックリ背中」は治ったようです。久しぶりにたった3本の置鍼で終了となりました。

魚の目には、お灸

 

左足ウラに魚の目が出来た60才代の男性患者Aさん。ご自身が、カミソリで皮膚を削っていたのですが、お灸で治療できる事を伝え、早速治療することになりました。1週間に1度のペースで通院され、今回で4回目、ちょうど1ヶ月経ちました。最初と2回目は、50壮くらい米粒より小さめのモグサを魚の目の最も痛い所に置き、焼き切りました。

普段は、質の良いモグサを使っているのですが、魚の目を焼き切るには、質の悪いモグサの方が良い様です。質の悪いモグサには、モグサ以外のものが入っているので、高温になり効果があります。モグサ治療が初めてのAさん、

「これは、効く!痛みが全く変わってきた・・・・ありがとうございます。」

と、その効果に驚いています。3回目は40壮ほどにしました。すると、それから12日後の今朝、硬くなっていた皮膚が、

「ポロッと取れ・・・・足ウラがきれいになりました・・・・かすかに、痛みが残る程度。」

「それは良かった・・・・そしたら、今日が最後のお灸にしましょう!」

という事で、今回は20壮ほどで終了となりました。魚の目の患者さんと、ここまでじっくり向き合ったのは初めてでした。鍼灸の専門学校に通っているころ、「魚の目は焼き切って治す」と聞いていたのですが・・・・本当でした。魚の目はお灸で治しましょう!

学会発表は、無し

治療院中央部に、高さ40cmで3畳弱の畳部屋兼、物入れの空間があります。ここでヒマな時は、横に転がり、セルフケアの方法を考えます。その途中で骸骨のモデル(トンスケと呼んでいます)を、マジマジと見つめていると、治療点が閃(ひらめ)く時もあります。最近、患者さんの様子をフェイスブックにあまり揚(あ)げなくなったのは、新しく見つけた治療点を、YNSA学会に発表出来ず、まだ認可されていないからです。そして、運動器系(内臓を除く筋骨格)の障害は、これらの治療点で治していることが多いからです。現在では、これらの治療点は間違いないと確信しています。

今年は、コロナ禍で全国大会がどうなるか・・・とにかく、発表は出来ないそうです。そのため、来年の発表となります・・・ただ、コロナ禍が続けば、無理かも知れません。いずれにせよ、来年YNSA学会の認定試験を受ける権利をいただけるので、それに向け症例検証をしていこうと思っています。もう少し足裏の反射区を勉強する必要があるかもしれません・・・やることが、一杯です。

乗馬を考える

60才代の男性患者Bさん、脊柱管狭窄と言われ歩行時に腰痛を感じ、手すりを伝って歩くのが精一杯の時もあったそうです。そこで、座ったまま移動出来る馬術を、1年前から始めました。すると、あっという間に腰痛が治ったそうです。これは一体どういうことなのでしょうか?私は、患者さんに

「カラダは60~70%水です。そして、骨は皮膚に覆(おお)われた水袋に浮いています。この骨を支えているのが筋肉です。その筋肉の周りに筋膜があり筋肉の中には、細いソーセージの様な筋肉があって、その周りも筋膜が覆っています。その筋肉にも、もっと小さな筋肉が束になってあり、筋膜が覆っています。ちょうど、このヘチマタワシの様なのが筋膜です。」

と言って、トンスケ(骨の模型)にくっつけたヘチマタワシを見てもらいます。そして、

「内臓もこの筋膜に覆われていて、筋肉や骨とも繋がっているのです。この筋膜ですが、東洋医学の三焦(さんしょう)という見えない臓器に当たると考えられます。また、この筋膜はコラーゲンで出来ていて、電導体となって微妙な電気を流しています。そして、筋膜の流れが12あり、東洋医学でいう経絡(ツボの流れ)と一致しているのです。ですから、皮膚に鍼を刺すことで、内臓に影響を与えることが出来るんです。そして、もう一度言います、骨も内臓も水に浮いているんです。簡単に動くんです。」

Bさんが乗馬をした時の姿勢を考えてみましょう。下肢(特に両膝)を固定し、馬の動きを上半身に伝え、背骨を揺らします。この揺れに対してカラダは無意識の動きをします。すると、脊柱管狭窄と言われていた背骨もあっという間に元に戻るのです。何故なら、骨は水に浮いているからです。

一回の乗馬、45分で4000円。当院の治療費と同じです・・・乗馬を選んだ方がいいかも?

松山と東京、結構近い

東京から来られた60才代男性のAさん、急にギックリ腰になってしまいました。そして、今日の午前中、飛行機で東京に帰られます。そこで、松山空港まで、車で7~8分のところにある「あじさいの杜鍼灸院」で午前9時から治療を行い、その後、車を使って空港までお送りする事にしました。

ギックリ腰の場合、やや高めのイスの方が座りやすいので、高めのイスにクッション2個置いてお待ちしました。Aさん、雨の中タクシーで来院。歩いておられる様子では、それほど重症ではありません。よくお話を伺うと、19才の時ひどいギックリ腰をしたので、それからは、腰の違和感を感じると、常にAさん流の対処方法を心掛けておられるそうです。今回も、その成果があったようです。

Aさんには、自律神経を整える置鍼と、内臓を整える置鍼を行いました。それだけで、かなり腰痛が軽減。次にマスターキーと呼ばれる後頭部の治療点に1本置鍼、そして、トルコの先生が見つけた側頭部の治療点に2本置鍼。これで、8割腰痛が無くなりました。最後に、足に見つけた治療点に鍼をさし、パイオネックス(皮内鍼)を3個貼って終了。痛みはほぼ無くなりました。Aさんを車に乗せ松山空港に向かう道中、野球の話で盛り上がりました。

「新居浜商業が準優勝した時、村上という細い体型のピッチャーと、続木というごっつい体のキャッチャーがいたでしょう、あのコンビの印象は強烈でした・・・・そして、ノーアウト満塁になった時、村上がゆっくりと天を仰いだんですよ・・・・あれを、今でもよく覚えています。」

「・・・よく覚えておられますね・・・・あのチームは、いつの間にか勝っていったチームで、私も良く覚えています。確か、習志野が優勝したんですよね・・・・・新潟(Aさんの出身地)といえば、日本文理大付属と中京大学付属中京の決勝戦、あれは凄かったですね。」

「あれは、テレビ中継を見ていました。本当にすごかった・・・勝った中京大学付属中京が泣いて、負けた日本文理大学付属が笑っていたんですから!」

などと、話しているうちに松山空港に着きました・・・東京と松山、結構近いんですよ!

明後日、治りそう!

近所の高校野球部の男子患者A君、左大腿部の肉離れの診断で来院2日目です。

「どう?調子は・・・」

「大分いいっす!」

「おう、それは良かった。」

「氷水で冷やしてみたい?」

「・・・・いや、大丈夫です。」

こんな会話をしながら、ボチボチ治療に入っていきます。上腕診と膝診を併用しながら頭に置鍼します。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)左側が痛いので左側の置鍼を行います。

上腕診:腰椎(1)、脳幹(1)

膝診:胸椎(1)、大脳(1)、小脳(1)

上記で自律神経を整えました。(  )内は置鍼の数。これから、左大腿部狙いです。

左Iソマトトープの大腿部・・・左耳の上に1本置鍼

トルコの先生が見つけた左側頭部の治療点に2本

次に左足に見つけた治療点に1番細い鍼でツンツンと刺激します。

「これで、どう?」

「・・・・・明後日治る気がします。」

「効いた?・・・良かった!」

後は、左大腿部の痛みのある所と、対応する左上腕二頭筋の圧痛点にパイオネックス(皮内鍼)を貼って、10分間私の指先(中指)を軽く触れる操法をして終了。

「この間来た時の痛みが10としたら、今日来た時の痛みは、どのくらい?」

「5くらいです。」

「そしたら、今はどのくらい?」

「4です(・・・正直!まあ、そんなもんか・・・)」

ということで、また今週来てもらうことにしました。

肉離れの高校生

近所の高校の野球部A君が、病院で「肉離れ」と診断され来院。まず、肉離れとは何か・・・

インターネットから引用します。

『肉離れは俗称で、正式には「筋挫傷(きんざしょう)」といいます。スポーツを行うなかで、急に無理な動作をした場合に発生する筋膜や筋繊維の損傷・断裂を表します。筋肉が裂けたり破れたりすることを筋断裂といいますが、筋断裂のうち範囲が部分的なものを一般的に肉離れと呼びます。

発症すると患部に激痛が走り、それ以上運動を続けられなくなります。ときには筋肉が断裂した瞬間に「プチッ」という音が聞こえることもあるでしょう。また、痛みのある部位をよく観察すると、くぼみや変色が生じている場合も。

肉離れは、筋肉の強い収縮とともに、逆に強く引き伸ばされるような方向の力が加わったときに起こりやすいと考えられています。具体的には、急なダッシュやストップ、ジャンプからの着地などのタイミングで多発します。筋肉疲労の蓄積、加齢、ウォーミングアップの不足などは、肉離れを引き起こす要因となります。日頃からストレッチをするなどして予防を心がけることが大切です。』

A君は、3日前に急なダッシュを行ったため、肉離れになったそうです。こういう時はまず冷やすのが1番です。ベッドでうつむけになってもらい、左大腿部の中央部に、氷水を入れたビニール袋を乗せます。

「A君、気持ちいい?」

「はい、気持ちいいです。」

「気持ち良かったら、いつまで味わってもええけん・・・冷たいだけになったら言うてな。」

と言葉を残すも、いつまで経っても返事がないので、

「まあ、今日はこの辺にしとこう・・・家に帰ってからもやってや。」

という事で、鍼治療をすることになりました。A君は鍼治療を受けるのは初めてです。

「鍼って、痛いっすか?」

「ちょっと、痛いよ・・・じゃけど、治るけん、ちょっと我慢してや。」

A君は①歩く時と、②脚を伸ばした時、③直立した状態から、下を向く時に大腿部裏側が痛みます。見るからに元気そうなA君には、内臓の状態を診る必要がないと判断。また、合谷診(親指と人差し指の間の触診)で左右を調べても反応がないので左右の膝診をすることにしました。

肉離れの個所が左大腿部なので、膝診には反応がありました。

右:腰椎(1)、大脳(1)

左:腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)

(  )内の数字は置鍼の数です。これで膝周辺が緩みました。歩行時の痛みが無くなりました。

次に、Iソマトトープと呼ばれる側頭部の治療点に1本、マスターキーと呼ばれる後頭部の治療点に1本、トルコの先生が見つけた側頭部の治療点に2本、それぞれ置鍼しました。すると、脚を伸ばしても痛くありません。

次に私が勝手にやっている足の治療点に1番細い鍼を刺し、上下にツンツンと動かします。そして、パイオネックス(皮内鍼)を3個貼って終了としました。4日後にもう一度来てもらい様子を診てみようと思います。