腎が重要

70才代の女性患者Aさん。とても70才代には見えません。時間があればフィットネスクラブで、カラダを鍛えておられるので、筋肉もしっかりしています。今日は、肩コリと前腕に痛みがあるそうです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)では、全て左に圧痛点があります。そして、それぞれに対応する個所に置鍼すると、1本の置鍼で、全てゆるんでしまいます。カラダを鍛えていると、反応が良いようです。次に、首診を行いますが、こちらも左側に圧痛点が多いようです。特に痛みを感じたのは、腎、膀胱の内蔵点。そこでひだり側頭部の腎治療点に3本、膀胱治療点に1本置鍼すると、首2カ所の圧痛点はほぼ無くなりました。

すると、腎治療点と膀胱治療点の影響でしょう、胆、心包という内蔵点もゆるんでいます。

ここで、加藤直哉先生が作られたテキストの、

「主訴、疾患にかかわらず、必ず基礎治療として自律神経を改善させるために、背椎・脳・腎を最優先治療として行う。」

という意味が分かってきました。

腎は、他の内蔵点にも影響を与えるのです。

Aさんには、肩コリ治療で、よくヤンキーのお兄ちゃんが剃りをいれている個所付近の圧痛点に置鍼をします。

「あらっ、軽くなったみたい❗️」

後は、肩甲骨と肘ウラの圧痛点に鍼を刺して抜き、治療は終了となりました。

改めて、腎の重要性を感じることが出来ました。Aさんに感謝です。

ツボの流れ

10か月前、右股関節が痛くて、車に乗るにも両手で太ももを持ち上げないと、乗れない状態でこられた50才代の女性患者Bさん。当時は、脚を引きずるように歩いていました。ところが、最近では普通に歩け、体調管理のため1週間に1度のペースで来院されています。

前回の治療後も調子が良く、「ルンルン」だったそうです。ところが、ストレスがたまる事があり、右股関節に痛みが生じました。たしかに脚を引きずりながら、歩いておられます。そこで、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診をゆっくりすることにしました。

上腕診では、左上腕が普段は反応することがなかった大脳、小脳に反応が出ています。そこで、オデコの中央部で生え際よりやや上にある圧痛点に置鍼。普段なら、1~2本で治療が終わるのですが、今回は8本置鍼しました(脳に関しては、置鍼が多すぎたと反省しています)。首診では、消化器系が多く7本置鍼しました。今回は置鍼の本数が多いので、後はゆっくりベッドで休んでもらうことにしました。

Bさんの右股関節痛を考える場合、専門的になるのですが、経脈(ツボの流れ)を頭に入れる事が大切だと思います。今回、置鍼した腎経、脾経、肝経はそれぞれ右股関節を流れます。

この効果はかなりあるはずです。次回の右股関節の状態が楽しみです。

まさか旅行が出来るなんて

まさか旅行が出来るなんて・・

3年前から偏頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。前回から、首診をして、東洋医学の12経脈に相当する側頭部に置鍼する治療を始めました。Cさんの場合、首から側頭部にかけての偏頭痛。今回は首診から側頭部に置鍼するだけで、偏頭痛がなくなりました。

過去のカルテを調べてみると、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の)で基本治療をし、その後は天城流の頭痛治療を参考に、胸鎖乳突筋と鎖骨付近の圧痛点にお灸をしたり、外くるぶしの圧痛点に鍼灸をすることが多かったのです。

天城流では、首のコリを取ることで偏頭痛を治します。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、首のコリを12経脈(12内臓点)から探り、側頭部の圧痛点に置鍼し、首のコリを取るのですから、偏頭痛の治療にピッタリです。こんな、当たり前のことが・・・何でやれてなかったのか・・・・それは、私がまだYNSAの初級だったからです。今は、中級にまで進んでいるので、首診が出来ようになったのです。

YNSAの諸先輩方は、難病治療に取り組み、素晴らしい成果を上げておられます。私は、来年の2月にならないと上級を修了出来ないのです。

YNSAの素晴らしいところは、こんな私でも、成果をある程度だせる!ってことです。

お陰で、Cさんからは、

「通い始めた頃は、まさか旅行が出来るなんて思ってもなかった・・・嵐のコンサート(大阪ドーム)に、新幹線と飛行機で行けるなんて・・・今回は、飛行機の離陸、着陸の気圧差は、大丈夫だった‼️」

こんな言葉をいただきました・・・・ただ、ただうれしい😊

頭に鍼24本

当日予約で、来院される60才代の男性患者Aさん。昨日、草引きを長時間したため、両手首、首、腰に痛みがあります。そこで早速、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診を行います。

上腕診では、どこを触ってもほぼ痛みがあります。そして、その痛みに対応する頭や顔の個所に置鍼。感覚が素直なAさん、ほぼ1本の置鍼で上腕の圧痛点が消えていきます。今度は、首診で東洋医学の12経脈の状態をチェックし、側頭部に置鍼していきます。

「痛っっっっった‼️・・・・先生、鼻が抜けた・・」

「今度は、ノドが抜けた・・・・息が、しよなった(やりやすくなった)。」

「先生、目が、目が、よう見える・・・ほら、ぱっちりしとるでしょ?」

「どしたん・・・左の足首が、痛なってきた・・・・何で?」

「Aさん、左手ちょっと、貸してください・・・ここら辺り、痛くないですか?」

「・・・・・痛っっっっった‼️・・・ひどいな・・・」

左足首の圧痛点に対応する左手首の圧痛点に鍼を刺して抜きます、3~4カ所していると、

「先生、今ポッキっと音がした・・・・入った・・・左の足首が、入ったわい!・・・どしたん、今度は右足が痛なってきた。」

「Aさん、今度は右手じゃ。」

左手同様に鍼を刺していくと、やはり、ポキッと音がして右足首が良くなったそうです。ただし、私には音は聞こえませんでした。そんなAさんの頭には、24本の鍼が刺さっています。

「Aさん、頭が針山になっとるけど、移動して、向こうのベッドでうつ伏せに寝ましょうか?」

まだ腰と手首(親指の母指球)に痛みが残っています。針山状態の頭を見ていると、鍼以外で治療したくなりました。今回は、操体法の圧痛操法。手の親指母指球が痛いなら、同側の足の母趾球に圧痛点があります。そこを、優しく強く押圧。

「・・・・痛っっっっった‼️」

腰をクネクネしながら、悶絶するAさんです。

「先生、どしたん?・・・・親指が治った。」

今度は、ふくらはぎの圧痛点を、優しく強く押圧して、Aさんにクネクネ体操をしてもらいます。どうやらこれで、腰も軽くなり終了となりました。操法法との併用は効果的です❣️

これは、困った

1か月半ぶりに来院の50才代女性患者Bさん。今回は、肩こりが激しいそうです。

図書館に1週間に1度行き、10冊借りて読み切る生活をされています。専業主婦ではなく、仕事を持ちながら、合間に1週間に10冊❗️

読書が嫌いな私には、全く考えられません。字が読めない子供の頃から、本をめくっていたそうですから・・・正真正銘の本の虫。本を読むのに夢中になり、肩こりになってしまうようです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)をするも、全く反応がありません。元々痛がりのBさんが、触診で痛みを全く感じない・・・これは、困った!

そこで、首診。やっと3カ所圧痛点があり、頭に3本置鍼。それでも、肩こりは治りません。そこでKソマトトープ(小さな人型)という頭頂部の肩めがけて3本置鍼・・・・この時、『次は、足の親指にお灸するか・・・』と思っていたのです。すると、

「あれ!足の親指に来た‼️」

Bさんが感じた個所と、次の狙い目が一致しました。もうこうなると、足の親指しかありません。Bさんの親指を軽く爪で触れると、

「痛ったたたたたた‼️」

やっと本来の痛がりBさんに戻りました。後は、お灸を圧痛点にしていきます。

「先生、なんか肩が柔らかいような、軽い感じになってきた・・・血行が良くなってて手が痒い❗️」

と言いつつも、お灸を痛がるBさん。痛がるほどのお灸をしている訳ではないのですが、親指が相当敏感になっているようです。ある程度、肩が治ったので終了としました。

「あれ?足が軽い‼️・・・何なん、これ?・・・人生で今まで足が軽いなんて、思ったことなかった・・・初めて❣️」

本の虫で頭をフル回転しているBさんには、足元の刺激が必要なようです。

「今日は、両膝が痛いんよ❗️」

2年前から、毎週通院している60才代の男性患者Aさん。主訴は、慢性的な腰痛と右前腕痛ですが、右前腕痛はほぼ完治しました。ただ農業従事者のため、常に肉体的なストレスを感じており、1週間に1度の通院で体調管理をされています。

今回は、出荷作物の最盛期、山を上ったり下ったりで、膝にかなり負担がかかったようです。普段は、あまり弱音を吐かないAさんですが、今回は、来院するや否や、

「今日は、両膝が痛いんよ❗️」

「あらら・・・どしたん?」

Aさんとは同級生のため、治療の時は、若い頃と同じ口調になってしまいます。言語能力に長けたAさんは、淡々と状況説明してくれるため、見事にイメージが浮かび上がってきます。

「うん、だいたい分かった・・・そしたら、手出してや。」

合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)では、左上腕に全て反応があります。今回は、腰椎に対応する側頭部、耳ウラに5本置鍼。首診でも1カ所に2本くらいの割りで置鍼したため、合計26本。いつもの2倍です。

「ワシが注射嫌いなん、知っとろう?・・・考えとうおみいや・・・・それでも、こうやって耐えとんで・・・」

「・・・ほんとじゃ・・・偉いわい。」

「効くけんなあ・・・・今、ズシーンと、効いとらい❗️」

こんな会話をしながら、治療は進み、いよいよ膝治療になります。

「あん

「・・・これから、膝ねらおうわい、ここ痛い?」

G、Hいう膝対応の点が、オデコの生え際と、耳ウラにあるので、その圧痛点を見つけ置鍼します。

「膝どう?」

「・・・いいんじゃない。」

「うん?ホントにええの?」

「・・・・いいんじゃない。」

ということで、治療終了。後は世間話に花が咲きました🌸

指が鍼3

1年前から、膝痛、足ウラのしびれ、腰痛で週1回のペースで通院される60才代の女性患者Aさん。膝痛、足ウラのしびれ、腰痛はなくなりました。現在は、体調管理で来られています。今回は、腰に張りがあるそうです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診をしっかりした上で、治療後の変化を確認することにしました。

Aさんは、鍼よりも指で軽く治療点に触れるだけの方が、合っているようなので、3か月前から鍼を刺していません。

写真にあるようにVの字が、コリや痛みがあるところです。Vの字の中央部に一が引かれているのは、コリや痛みが無くなったことを意味しています。10カ所の内、9カ所無くなっています。随分確率が良いので、今後Aさんには、これを継続していき記録を残していこうと思います。今回触れるたのは、3カ所。

①上腕診より、オデコ(A点、脳点)→左の胃腸が動く

②首診より、側頭部(右内臓点胃、左内臓点腎)→右の胃腸が動く。左ふくらはぎが、熱くなる。

③左右肩甲骨→右こめかみに反応。左アゴ(下顎骨)に反応。

②③の反応は、ツボの流れ(経脈=膀胱経、小腸経)と関係がありそうです。

③左右肩甲骨は、腰の張りに対応する治療です。腰の張りはなくなりました。

今回の症例は、専門的で分かりづらいと思います・・・申し訳ございません。

卵油

肌がツルツルでガッチリした体型の90才近い男性患者Aさんが、初めて来院されました。

右手の小指、薬指、中指がシビレるそうです。Aさんは、剪定(せんてい)バサミを使い過ぎたからだろうとおっしゃっています。

「過去に大きなケガや病気をしたことは、ありますか?」

「特にありません。」

90才近くになって、大きなケガや病気をしていない!凄いことです。

早速、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診をします。

ご健康のため、圧痛点がなかなか見つからず、やっと右頸椎、左腰椎、右膀胱、左膀胱に反応を見つけ、それぞれに置鍼。ゆるみを確認しました。

「鍼は、速攻性があるんじゃね。」

「そうなんですよ・・・刺した瞬間に反応があって、刺したままにしていると、もっと効いてきます。」

Aさんは、カラダを通して、鍼の効果を実感されたようです。こうなると、シビレのある右手に対する鍼の効果が、上がるような気がします

「これから右手をねらって、オデコに鍼を刺します・・・・・どうですか・・右手?」

「・・・・・・うん?ええかもしれん・・・箸(はし)を使ってみたら分かるんじゃが・・」

「持ってきます・・・(台所まで取りに行く私)・・・これ、使ってみてください。」

「・・・大丈夫じゃ・・・」

ということで、施術は終了。後は置鍼したまま、30分以上待合室でゆっくりしてもらいます。その間、色々とお話ができたのですが、Aさんの健康法が印象的でした。

有精卵を卵油に調理し、それを毎日飲んでおられるそうです。これは、勉強になりました。

子供の頃から、鶏のいる生活をしていた私、いずれは、あんな生活に戻りたい・・・と、思ったものです。Aさんありがとうございます😊

下記は、卵油の作り方です!

https://www.ranyunoohanashi.com/tamago/

東京まで行けた・・・

山元式新頭鍼療法(YNSA)の中級コースを修了したため、首診がしっかり出来るようになりました。その結果、内臓疾患対応が、明確になって来ました。今後、その精度を上げること

で、患者さんの疾患に対して、より適切な治療が出来るようになると思います。

3年前から、偏頭痛に悩んでいた40才代の女性患者Cさんの続報です。前々回は、調子がよくキャンセル。そして前回、山元式新頭鍼療法(YNSA)で首診をした後、側頭部のY点(東洋医学の12経絡を表す12内臓点)に置鍼し、左側頭部に12本置鍼、右側頭部に6本置鍼することになりました。結果、Cさんの頭痛もなくなり、首が軽くなりました。

どうやら、これが効いたようです。

調子が良くなったCさん、念願だった大好きな歌手のコンサートに飛行機で、何と東京まで行けたのです。Cさんの治療を始めて半年、目標を達成出来ました・・・・ところが、飛行機の離陸時と、着陸時の気圧変化のせいで、偏頭痛になってしまいました・・・う~ん、残念。

しかし、東京に行けたのは、随分自信になったようです。Cさんは元気な声で、嬉しそうに東京の話をしてくれました。そんな雰囲気の中、治療に入りました。

今回は左側頭部に12本、右側頭部に4本、頭頂部に3本の置鍼だけにしました。前回は、肩甲骨に左右14カ所に鍼を刺して抜きましたが、今回は山元式新頭鍼療法(YNSA)だけで十分・・・・・Cさんの状態から、そんな気がしたのです。

・・・次回の治療がとても楽しみです‼️

対角に出た

当日調子が悪くなると電話予約して、夜の空き時間に来院される60才代の男性患者Bさん。

今回は、首とふくらはぎにコリがあり、辛いそうです。それから、右母指球に痛みがあります。

「松の木の大きいのを、切ったり運んだりしたのが、効いとるんじゃろ・・・しんどいんよ❗️」

確かに右手が合谷診(人差し指と親指の間の触診)では反応し、4等分した第2中手骨際、全てに圧痛点がありました。Bさんは、置鍼1本に対する反応が激しく、鍼を多く刺さなくても十分対応できます。

「ひゃ~~来た❗️・・・先生、どしたん・・・右手が、よう動く❗️・・・先生これ、どうして?」

右ではなく左のヒタイに置鍼した瞬間、Bさんの右手が反応しました。

「わからん・・・・」

置鍼をしているうちに、いつの間にかBさんの首痛は、なくなりました。

「先生、首も手も良うなったんで、後はふくらはぎじゃ。」

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、ふくらはぎは前腕で治します、しかも同側(右→右、左→左)。そこで、Bさんの左前腕の圧痛点に刺すと、

「先生、どしたん・・・右のふくらはぎがゆるんだ!」

「・・・たまに、対角に出ることもあるんよ・・・・」

と、説明はしたのですが、よく分かりません。私が操体法を学んでいる時、捻挫、打撲のような明かな外傷が生じた時、カラダは対角にその負荷を散らすと理解していました。Bさんは、重い松の木を運ぶ作業の負荷が、対角に散ったのかもしれません。いずれにせよ、Bさんのふくらはぎは、対角の前腕圧痛点に鍼を刺すことで、良くなりました・・・・カラダっておもしろい🤣