腰痛に四苦八苦

介護の仕事で夜勤明けに来られた50才代の女性患者Aさん。

3日前にも来られましたが、腰痛がまだ治っていません。前回の治療では、置鍼を少なくしたのですが、現在の私の力量では、もう少し置鍼を増やし、他の治療法も追加した方が良いようです。

胸骨周辺の圧痛点に、ダイオードてい鍼(金属ステイック)で、筋膜剥がし。胸部ソマトトープ(小さな人型)の腰にあたる圧痛点を狙っています。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、耳の周辺に腰に対応するツボが集中しています。そこで、丁寧に圧痛点を見つけだし、左右に7本づつ置鍼。

眉毛の上で、眉間側の圧痛点も背中に対応します。そこにも、3本づつ置鍼。

Aさんにうつ伏せになってもらい、左右足裏に1本づつ置鍼した後、ふくらはぎ、太ももの内側の圧痛点に鍼を刺して抜く事、10数回。これは、天城流湯治法の筋膜剥がしを、鍼を使用し行っています。

「先生、ずいぶん軽くなりました。」

と言葉を残して、帰宅されました。その後、手が床につく前屈写真を送っていただきました。ちょっと、一安心‼️

胸部ソマトトープ

30歳代男性患者Aさん、1週間前から首が痛くなり前後に倒す事が出来ないそうです。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、やはり首に対応する個所に圧痛点がしっかりあります。

ひたいの生え際には、7本の置鍼。

「どうですか?」

「・・・あっ、前には行けます(首の前屈)・・・後ろは、まだ痛いです。」

そこで、YNSA 勉強会のH先生が、胸部ソマトトープのパイオネックス(円皮鍼)で膝の痛みを2割にしたという報告を思い出しました。

「Aさん、ここ(ネクタイの様な胸骨の結び目にあたるところ=胸骨柄)痛いですか?」

「痛い‼️」

丁寧に圧痛点を探すと、鋭い圧痛点がたくさんあります。そこに鍼を刺した後、パイオネックス(円皮鍼)を左右に合計7個貼りました。

「首、後ろどうですか?」

「痛くない!大丈夫です。」

胸部のソマトトープ。これは、効きます‼️

パイオネックス10個

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。前回の治療後、調子は良かったのですが、夜から頭痛が始まり、3日後には最も痛くなったそうです。ところが、徐々に回復し、今日は、痛みがありますが、調子がいいそうです。

Cさんは左の偏頭痛。そのため、前回は左の外踝(くるぶし)周辺に16本置鍼しました。にもかかわらず、施術3日後には激しい頭痛が起きました。

そこで、今回はパイオネックス(円皮鍼)を最初から使うことにしました。これを貼ると1週間近く剥がれず、効果の持続も期待出来るからです。

天城流では、頭痛を鎖骨の上にある左右の圧痛点の筋膜剥がしをします。それで、今回はその圧痛点にパイオネックス(円皮鍼)を5~6個貼りました。そして、左外踝(くるぶし)に10個貼りました。

Cさんも痛みをほぼ感じない程度になったので、治療を終了しました。

パイオネックス(円皮鍼)に期待しましょう❣️

痛みに感謝

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。

「先生、先週は良くなかった。金曜日の夕方から、頭をしめつけられる様な痛みがあって・・・土曜日は、映画を見ていても痛くて集中出来なかった。」

前回の治療では、いつもは足に刺していた鍼を、頭頂部に刺したのですが、それが良くなかったようです。

私の山元式新頭鍼療法(YNSA)は、初級のレベルです。まだまだ、頭部だけの置鍼では、無理があることを、実感しました。

また、足への置鍼が有効であることも分かりました。今後とも、天城流との併用治療も含め、患者さんに最適な治療を目指したいと思います。

そこで、今回は、イラストのように、しっかり足に15本置鍼しました。しばらく経って、

「先生、痛みが、鼻の横の狭い部分だけになって来た。」

「あっ、そう?そしたら・・・・ここ、痛い?」

「痛い❗️」

足の甲中央部の圧痛点に鍼を刺して抜く事3回。

「もう、痛くない」

頭部の痛みが無くなったCさんが、こんな事を言って帰られました。

「先週は、痛さのあまり手を強く押し当てんといかんかった。6月になってこんな痛いんは、初めて!・・・・そこで、ふっと思ったんは・・・・・・随分良くなって来ているんやな~~っ❣️」

痛みは色々な事を教えてくれます・・・・痛みに感謝。

肩コリには・・・

ひどい肩コリと、右前腕の痛みに悩み、睡眠も浅い70才代の女性患者Bさん。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で肩、首に対応する前頭部に、8本置鍼。

右前腕の痛みには、右膝下圧痛点に単刺(鍼を刺して、抜く手技)。

さらに足の甲、特に第1趾と第2趾の間の圧痛点が、肩コリに効くと感じているので、左右の甲に4本ずつ置鍼。

私のように、山元式新頭鍼療法(YNSA)初級の鍼灸師には、YNSA プラスαが必要です。

また、YNSA は、他の手技と併用できるのが、特徴ですし、強みです。

鍼灸師の方々で、YNSA に興味をお持ちの方。

是非ともおススメいたします。置鍼した瞬間に患者さんのカラダが変化するのを、鍼灸師と患者さんが、共に分かりあえます。この時間の共有が信頼を作り上げていくと思います。

Bさんは、施術後、肩コリが解消し、前腕も軽くなりました。また、7時間目が覚めないで眠り続ける事が出来るようになったそうです。

その後、1週間に2回のペースで来院され、4回目の時には、

「最近、意欲が出てきて、毎日が計画的なってきました。そして物事をプラス思考するようになりました。」

と、話してくださいました。やっぱり、YNSA は凄いです!

膝を肘で治す

20才代の時、左半月板損傷。40才代より痛み始め、去年9月に来院。

膝の痛みがなくなり(4カ月程、調子が良かったそうです)、痛みが出ると、突然来院されるパターンの60才代男性Aさん。

入梅で低気圧となり、カラダが浮腫(むく)み始めると、全ての毛細血管が拡張するため、血流が悪くなります。血液が同量であるため、太い血管の流れが悪くなります。

元々血流が良くないAさんの膝が、低気圧で浮腫(むく)み始めると、痛み始めます。

「先生、今、病院におるんじゃけど、立ち上がったら膝に激痛が走ってたまらんのです。突然で申し訳ないんですが、予約取れるでしょうか?」

「それは、大変ですね・・・16:30じゃったら、取れますが、いかがですか?」

というわけで、16:30Aさんが来院されました。

「先生、3か月前から、膝が徐々に痛なってジョギングが出来んように、なっとったんです。今は歩いたら激痛が走って・・・・」

早速、合谷診、上腕診と進みますが、Aさんは、特に左膝の激痛なのだから、それに集中しようと思い、

Aさん、膝のどこが痛いですか?」

「ここです・・・・(左のお皿を両手で覆っています)」

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、左膝は左肘で治す手技もあります。今回は、これでいきます。左肘の圧痛点4カ所に、寸6(50mm)3番鍼(直径0.2mm)の単刺(刺したあと、直ぐに抜く手技)。

Aさん、膝どうですか?」

膝屈伸をするAさん。

「あれっ・・・・痛ない・・・歩いてみてもええですか?・・・・痛ない・・・先生、どしたん、また、腕上げた。」

「ほうなんです・・宮崎の山元先生に、なろたんです。」

これで、終了(10分)も申し訳ないので、ベッドに仰向けになっていただき、足ウラに左右3本ずつ置鍼。フォークソングを聴きながら休んでいただきました。

それにしても、「膝を肘で治す」は凄い❗️

ブ〜、先生また出た

体調が悪くなると、当日電話の予約で来院される60才代の男性患者Aさん。

1年前の通院当初は、群発性頭痛が激しかったのですが、徐々に治り、最近では頭痛を感じなくなっています。ただ、梅雨の前には、毎年、群発性頭痛に悩まされるそうなので、今年はどうなるのか・・・・・大変気になります。

今回は、左の背中から腰にかけて痛みがあります。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で合谷診(親指と人差し指の間の触診)で左上腕診の頸椎、胸椎、腰椎に対応する頭の個所に置鍼。

左上腕は緩みましたが、背中から腰にかけての痛みは残ります。

私のレベルでは、頭に置鍼だけの治療には限界があります。そこで、足ウラに1寸6分(50mm)の3番鍼(直径0.2mm)を刺しては抜く手法(単刺と言います)で、腰痛治療です。

Aさんは、足ウラの鍼で響き(電気が走る感覚)を感じると、お腹が動き出します。お腹が緩むので、腰も緩みます。そうなると、よくオナラが出ます。

「ぶ~~~、先生、また出た!腹が張って、たまらんかったんが、ゆるゆるになったわい。」

「先生、背中の真ん中に痛みが残るだけになったわい。」

「ちょっと、いいですか?どこです?・・・・ここですか(腰椎4番)そしたら・・・」

と、左ふくらはぎの圧痛点に単刺。これは、天城流湯治法の手技になります。

山元式新頭鍼療法(YNSA)を使う以前は、天城流湯治法の考えを鍼灸に当てはめて治療していました。これも非常に効きます。

YNSAを完全に身につけていないため、様々な手技が必要となります。

「Aさん、どうですか?」

「あっ・・・痛ない!」

ということで、ニコニコ顔で帰られるAさんでした。

J~Kソマトトープ

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。前回の治療後、その夜アゴに重い違和感が出て来たそうです。ところが、翌日からチョット痛みを感じる程度で、順調に過ごせました。多少の波はありますが前回よりは、良くなっています。

本日の痛みは、左顎関節から3cm程斜め下に痛みがあります。ただ側頭部は、指で触れると、痛みを感じるそうです。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の合谷診で腰椎と頸椎にあたる個所が反応します。

先々週、御茶ノ水のセミナーで、山元先生の縦横無尽の置鍼を、目の当たりにした後は、一本一本の鍼刺入が、スムーズになっているような気がします(錯覚かもしれません・・・)。

山元先生のイメージが焼き付いていることは、確かです。

前回までは、足への置鍼で頭痛対策をしていましたが、今回は、頭のJ~Kソマトトープ(小さな人型)の頭に対応する個所に置鍼をしてみます。

私には、頭頂部への刺入は、姿勢が楽なこともあって、心地良いのです。4本刺して、全て効いているような感覚・・・そして、Cさんが、

「あっ、痛くない❗️」

何だか、今回は一番効いたような予感がします。一週間後の来院が楽しみ

手を足で治す

7年前から、左母指球に痛みを感じるようになり、病院では、亜脱臼していると言われた40才代女性患者Bさん。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)で左上腕診を選択すると、この上腕診では、頸椎に対応する箇所が反応しました。そこで、おでこの中央部の生え際A点の圧痛点に置鍼し、左上腕の圧痛点がなくなる事を確認します。

左上腕の圧痛点が消えると、頸椎の左側が緩んでくるのです。

それにしても、この原理を発見された山元敏勝先生の偉大さに、ただただひれ伏すだけです・・・・山元先生は、本当に凄い‼️。

Bさんは、左母指球が痛いので、そこに対応する左耳の斜め前上の圧痛点3カ所に置鍼。

「あれっ、母指球の痛みがなくなりました・・・あとは、ここですね~」

Bさんは、母指球から人差し指に向かうキワ(イラスト参照)を指さしました。これに対応する同側の足の親指(イラスト参照)に7本置鍼しました。

来られた時は、ギブスをされていましたが、左親指の可動域が普通になったので、ギブスをしないで帰られるBさんでした❗️

どしたん・・・足ウラ痛ない

2週間前、来院され下記のようなレポートを載せたCさんの続報です。

『自力自療

60才代の男性患者Cさん、本日で4回目の来院。

長年、慢性的な腰痛に苦しみ、左足外側から足ウラまでしびれています。ところが、2週間前の3回目に足ウラへ、5本の置鍼をしたところ、

「足ウラが、熱くなって来た。」

「今までで、一番ええ(効いた)かもしれん。」

という言葉を残して帰られました。そしてその後、石のマットを購入し毎日、足ウラ刺激をしているそうです。』

それ以降、今日まで毎日足ウラの刺激をしているそうです。そのため5回目の今回は、腰痛とか下肢のしびれが主訴ではありません。足ウラ痛です。

調子が良くなったので、昨日ジョギングを10kmし、足ウラが痛くなってしまいました。歩くのが苦痛だそうです。

先週日曜日の山元先生(YNSAの創始者)の手技イメージが強いまま、今も治療しています。

すると、頭鍼の質が向上しているのが分かります。そこで、足ウラに置鍼することに頼ず、頭鍼だけで治療することを念頭に置きました。

合谷診(親指と人差し指の間の触診)をした後、上腕診(肘の内側にある横紋線の触診)。

この上腕診で頭鍼の個所が決まります。

今回は、耳のウラ、耳の前上に置鍼。これは腰椎狙いです。

途中Cさんが、咳き込むため、頭頂部と側頭部の肺点に置鍼をします。

「鍼を打ってもろた瞬間、ノドのイガイガが無いなったんで、咳が止まると思たわい。」

と、Cさんは治療後言ってくれました。

さて、頭の置鍼が終わったので、Cさんに足ウラの状態を聞いてみました。

「どしたん?足ウラ・・・痛ない・・・今まで(の治療)で、一番ビックリした❗️」

頭鍼だけで、やれました!

後は、ベッドで仰向けになってもらい、足ウラに3本ずつ合計6本。

Cさんの足ウラの痛みは10→3となりました。