何が効いたのかな?

70才後半の男性患者Cさん。

下肢静脈瘤、脊柱管狭窄症。今年2月頃から、歩行がギクシャクし始め、足底が1cmくらいの厚みで痺れています。

約1ヶ月の治療で、痺れはなくなりましたが、2~3日前からの寒さで、足底が痛くなりました。

私としては、痛みが素直に出ているので、少し安心しています。天城流では、足底の痛みを、ふくらはぎ内側の筋膜剥がしで治療します。ところがCさん、ふくらはぎ内側に痛みが余りありません。

『そしたら、積み木療法でやってみるか!』

Cさんは、どんな姿勢でも、動いていても足底に痛みを感じます。仰向きになってもらい、両膝を立てて、ゆっくり左右に倒してもらいます。その際、クスノキの輪切りに痛い足底を乗せ、ゆっくり倒してもらいます。あまり痛みを感じないそうです。

『アレ?もう効いているの?いや、そんな事はない!』

今度は、イボイボだらけの瘤クスノキ(通称:ゴジラ)に足底を乗せます。

「小指が痛い。」とCさん。

「そしたら、別のクスノキ置きますね~~」

「あっ、それは大丈夫です~~」

手が縮んでいるように見えたので、クスノキの木っ端を軽く握ってもらい、ベットの外に腕を投げ出してもらいます。

再び、イボイボのゴジラを足底に敷いてみました。

「小指の根元だけが痛い!」

「そしたら、足の根元の甲の部分にお灸しましょう。」という事で、お灸をする事5分。

「もう痛くないです~」

「そしたら、ベットを下ろしますね~・・・・じゃ~~ユックリ降りて、歩いてみてください。」

「痛くない!?」

さて、何がいつどこで効いたのでしょう?あまりよく分からないまま、治療終了。

カンフル剤って、樟脳剤⁉️

カンフル剤って、樟脳剤⁉️

階段を降りる時、膝が痛いという50才代の女性Cさん。

鋭い感覚とおおらかさを合わせ持った素敵な方です。

仰向けになったまま、手のひらにクスノキの瘤(こぶ)を置き、施術中は触れていただきます。途中からは、足底にも。

「アレ?、私こういう施術うけてる時、いつもは目をつむっているのに、ここでは、何か見てる・・・・ガイコツ・・・かわいい❤️」

「・・・あの~、以前、ある患者さんに、『先生、開業する時は、天井が飽きないようにしてよ!患者は、天井ばっかり見てるんだから。』って、言われたんですよ・・・それで、大工さんに、節の多い杉板を天井にお願いしたんですよ。」

「なるほど・・・」

などと言いながら、施術終了。

「先生、手のひら、汗かいてる❣️私、普段汗かかなタイプなのに・・・足のウラも汗❣️」

「そうでしょ!私も、これに触れ続けてたら、手のひらが熱くなるんですよ❣️」

という訳で、改めてクスノキについて調べてみました。

クスノキのの樹皮を除いた材を樟木(しょうぼく、Camphorae Lignum)と呼び、中国の民間では1日5~10グラムを煎じて、胃痛、脚気による関節痛、痛風に用いている。

日本では主としてカンフル(樟脳、Camphora , (英)camphor )の原料にする。

私が使っている積み木も、樹皮を取った樟木(しょうぼく )です。つまり、この積み木を煎じると、胃痛、関節痛、痛風に効くことになります。

カンフル=樟脳なので、カンフル剤とは、樟脳剤のことなのです❣️

カンフルは局所刺激作用があり、軟膏に配合されて神経痛、打撲、しもやけその他の皮膚病によく使われ、また強い強心作用を示し、注射剤の形で呼吸、血管、心臓の興奮薬として心臓衰弱などに用いた。

とあります。

触れていて、熱を感じたのは、このカンフル(樟脳)の作用だったのです。そうすると、Cさんが、仰向けになっても目をつむらなかったのは、杉板の節だらけの天井が面白いと感じたのではなく、カンフル(樟脳)のせいだったようです。

クスノキとは、クスリの木が由来という説もあり、四国ではクスノキの御神木が、数多くあるのも、うなずけます。ましてや、傷を負って出来たクスノキの瘤(こぶ)は、パワーが充満しています。

面白いですね~~もっと、展開出来そうです~

足の冷え

足の冷え

この10日間くらいで、急に冬到来。

ほとんどの患者さんの足底は、冷えています。体調を崩している方もいらっしゃいます。

木火土金水の五行で冬=水。

陰陽で、カラダを見ると、足底は陰。しかも、腎経(五行の水)の始まりが足底にある湧泉(ゆうせん)というツボからです。

解剖学的に考えると、足底には、薄ぺらい屈筋がスルメの様にこびりついていますが、ふくらはぎ、太ももの様にタップリ血液をため込んでいません。そのため、冷えやすいのです。

どう考えても、冬は足底が冷えます。

そのため、ここ10日間、足へのお灸の割合が増えています。この時、足底をクスノキの瘤(こぶ)に置くと、効果があるようです。

五行で考えると、火(お灸)の親は、 木(クスノキの瘤)なので、相性が非常にいいのです。

木を擦(こす)り続けると、火が生じます。ですから、火の親は木となるのです。

まあ~、屁理屈かも知れませんが、そんな事を感じながら施術しています。

写真は、お灸をした後の様子。

60才代男性の積み木療法続報

60才代のアクティブな男性の積み木療法続報

先日、鹿島(かしま)という1周1・5 km、中央部には100mほどの山がある島に行き、てっぺんまで登ったAさん。

太ももの外側がお疲れだそうです。仰向けになってもらい、腹診。

脾経、肝経、腎経が張っています。これら3つのツボの流れは、全て足にあり、親指付近から流れ始めます。

そこで、クスノキの瘤(こぶ)が足底に触れる様に置き、足の甲をタオルの上から、ユックリ押す事にしました。

「先生、気持ちいい~~、天国じゃ、天使に会うた❗️」

施術者を乗せることの上手なAさん。単純な私はすっかりいい気になり、指圧のサービス。

それに合わせて、Aさんは、流れるように喋ります。

「ペラペラペラ・・・」例の如く、実況中継。

しかし、今回は、私が手技をしている関係で、それらの言葉を書き写すことが出来ません。耳から筒抜けです。情け無い。

Aさんに横向きになってもらい、張りのある太ももの下にゴジラの足様積み木(通称:ゴジ足)

を置き、太ももの上の部分をゴジラ積み木(通称:ゴジラ)で軽く叩きます。

「先生、サンドウィッチじゃ、効く~~」

その後は、「ペラペラペラ」耳から筒抜け、で治療終了。

「先生、今日はワイン飲んだようじゃ。」

ニコニコ顔で帰るAさん。しばらくして、Aさんから電話がありました。

「先生、近くに飯岡神社⛩があるから、行ったらええ。御神木が大きなクスノキで、パワースポットになっとる。」

行ってみると、総代さんがしめ縄作りをしており、お話を伺っているうちに、クスノキを譲って頂くことになりました。この近くにある清水八幡神社でも、大きなクスノキがあり、頂けることになりました。

クスノキコレクターの始まり、始まり❣️

ゴジラの快進撃

身長180cm以上、体重80kg以上の50才代の男性Aさん。

右手首と左の踵(かかと)それに、腰痛。

どこから始めよう?

そうです、いつもの様に腹診から始めます。

おへその周りを軽く押して、「一番痛いところの経絡の要穴(大切なツボ)に鍼」が定番なのですが、今回は、ゴジラとゴジラ足(クスノキのイボイボ積み木)を、ベットに置き、その上にAさんのふくらはぎ。

「チョット痛いけど、効いてる感じです~~」

『うん~~、これは、効いたかも?』と、内心ニヤリ。

硬かったお腹を押してみました。

「アレッ、柔らかい!不思議‼️」

思わずAさんが叫びました。私もこれには、ビックリ‼️

ついでに、足を揺すってみました。

「効きますね~~」

これに気を良くした私は、引き出しにしまっている「ゴジラ様チョット大きい積み木」を次々出してベットは、ゴジラだらけ。お腹の上には、ゴジラの2段重ね。

「重くないですか?」

「ぜんぜん大丈夫です、効いてます。」

これを機に、Aさんの体重をお借りして、効きそうな箇所にゴジラ大作戦。

「効く~~」

揺すったり、押したりもう何でもあり。

その結果、Aさん、

「クスノキは効きますね~~」

ニコニコ顔で帰られました*\(^o^)/*

若いって素晴らしい!

今年の高校バレーインターハイで、ベスト16になった高校の主力選手A君。

2~3日前、ジャンプすると左股関節の外側が痛く練習が出来なくなったそうです。

腰の横側には、大転子というおおきな骨の出っ張りがあります。その出っ張りの後ろ周辺が痛いようです。多少炎症を起こしている様なので、氷水で冷やします。

「気持ちええかい?」

「はい、気持ちいいです。」

「もう十分、もう必要ないと感じたら、言うてや?」

高校生くらいだと、「気持ちいいと、そうでないの感覚」がハッキリしているようです。しばらくすると、

「もう大丈夫です!」

患部の炎症を鎮めて・・・・治療方針を決める時、ポイントになったのは、2~3日前からの痛み。こういう時は、対角の部位に負荷がかかっている場合が多いのです。

特に、右利きのアタッカーが左の腰、股関節に痛みがある場合、右肩にトラブルが良くあります。時間が経つにつれて、その負荷が同側の腰、股関節へと散っていく傾向があるのですが、まだ2~3日。

A君にうつ伏せになってもらいます。丁寧に右肩を診ていくと、思った通り、圧痛点が肩甲骨の外側部に点在しています。それらに鍼と灸治療。途中、腰の状態をチェックしながら約30分で、ほぼ圧痛点はなくなりました。

「はい、起きてチェックしてみて~~」

「あっ、大丈夫です。」

「・・・ん、あっそう。では、終了にしましょう。」

あまりにも、あっさりしているので、A君の帰り際に、

「今、痛みどうなの?」

「全く大丈夫です。」とニッコリ。

若いって素晴らしい!

You は何しに日本へ

テレビ東京の人気番組「youは何しに日本へ?」を見ていたところ、外国人医師がこぞって宮崎県の病院詣(もう)でをしていました。

向かう先は、山元敏勝理事長の山元病院。山元先生は、1973年山元式新頭鍼療法(YNSA)を世に発表されました。この療法は、患者さんの頭皮に刺鍼することで、肩凝り、腰痛はもとより、脳神経疾患治療に顕著な成果をあげています。

現在、ブラジルではこのYNSAが、医師による保険適用で普及しています。サンパウロでは、山元クリニックが国の援助により設立され、貧しい人々のため無償で治療を行なっています。

その結果、なんと医療費が11%も削減したのです。これにより、ブラジルでは医療費抑制の切り札として、YNSAをブラジル全域に普及する努力がなされています。

ドイツやアメリカでもYNSA が注目され、山元先生は、2007年にハーバード大学・大学院で講演、指導までされています。

ところが、お膝元の日本では、知られていません。

私も、YNSA の理論を知った時、東洋医学のツボの概念を全く別の見方から論じている為、半信半疑でした。

こんな時は、自分のカラダを通して理解していくのが一番。

私のカラダは、非常に便利にできています。指先が必要とするツボに当ると、勝手にカラダが動き始めます(これを、自発動といいます)。

そこで、YNSAの頭皮ツボに爪を立ててみました。すると動く動く!

「これは、凄い!」

ということで、患者さんにも適応できると感じました。実際、頭皮への鍼は、カラダが求めています。理由は、ここでは書きませんが、これは事実だと思います。

このYNSA 治療例をあげます。

交通事故やスキー事故で、足(脛骨)を骨折し股関節痛の男性Aさん(60才代)。

感覚が鋭いため、カラダの反応が顕著です。頭に鍼を刺すと、様々なことを喋ってくれます。

「先生、今、お腹がゆるんだ。」

「鼻が抜ける。」

頭に鍼を刺すと、

「先生、そこは無意識のうちに、爪を立てて刺激していた場所じゃ!」

などなど、ビックリするような言葉が出てきます。

そして、そのうち気持ち良さそうにウトウト。

術後には、

「あっ、先生・・・しゃがめる、和式トイレに行ける!」

YNSA恐るべし。

反省

 

最近、なかなか投稿出来なかった理由は、ある患者さんに十分な結果を出せなかったからです。

しかも、従来の方法でやれば、結果が出るのに、マイブーム(現在、注目している治療法)

にこだわり過ぎて、患者さんを診ていなかった・・・

何とも、失礼なことをしてしまいました。

これを機会に、腹診、頸診をしっかりした上で、治療ごとの変化を、患者さんにしっかり感じてもらうようにしました。

さあ、明日から、ボチボチ投稿していきます。

冷え性対策

美空ひばり大好きの70才代女性Bさん。

随分調子がよくなり、月に3回くらいの割で来院されます。

「先生、調子はええです。なにやら足がポカポカしてるような、気がします。」

「ほ~それは凄い!なんかご自身で特別なことされてます?」

「お風呂で、足の指をこやって、こやって(このようにして)伸ばしとります。」

「それは、素晴らしい!」

「道後温泉に行ったりしよります。」

確かに、Bさんの足は緊張感がなく緩みを感じます。触っても冷たくありません。松山市内には、温泉がたくさんあるので、温泉で入浴した後に来院される方が、結構いらっしゃいます。治療する上で、非常に恵まれた環境です。天城流湯治法があるのだから、松山流湯治法があってもいいくらいです。

先月から冬場の冷え性に備えての治療を始めるBさん、今回で4日目になります。

中国では、冬場に風邪をひかないため、夏にお灸をする習慣があります。Bさんには、このことを説明した上で、冷え性を治すためのツボに鍼とお灸をしています。

おヘソの周り、おヘソと恥骨の間、下肢の内側のツボに鍼を指し置きし、八風(はちふう)と呼ばれる足指の又の部分に、お灸をします。Bさんは、好きな美空ひばりさんの曲を聴きながら、ウトウト。

「美空ひばりさん、舟歌を歌うんだ~~・・・いいですね~~舟歌❣️」

「・・・・・」

八代亜紀の舟歌と美空ひばりの舟歌を、比較しながら治療している私・・・ちょっと不謹慎。

Bさんは、気持ちよくお休み中です。そうこうしているうちに、治療終了。

「先生、お漬もん(お漬物)食べる?」

「あっ~キュウリ、大好きです?ありがとうございます?」

「美味しいかどうか、分からんけんど・・・塩とお砂糖少しにお酒で、今朝作りました。」

Bさんありがとうございます。大変美味しくいただきました。ごちそう様*\(^o^)/*

天城流恐るべし!

1週間ほど前に、東京を歩き周り足が疲れてた上に、細かい手仕事をされている女性患者Aさん(60才代)。

3日前に転び、首が軽いムチウチの様になり、首が膠着状態。食事も中々ノドを通りません。

こういう状態の時は、首は触りません。

まず、足の親指(第1趾)の側面の圧痛点。丁寧に探すと指先から指の根元まで10カ所以上あります。ここにお灸を3~5壮すると、

「ジュジュ~、シュルシュル~~」

突然、お腹が鳴り始めます。

「ここ(足の親指)は、消化器系(脾経)だから、お腹が反応しますね~~」

「食事が出来なかったのは、このせい?」

「そこは、何とも・・ただ、十分考えられますね~、どうですか、首?」

「ちょっと、楽になった気がします。」

今度は、反対足の親指にお灸をします。

「シュルシュル~~」

やはり、消化器系が反応してお腹が鳴ります。3~5壮を10ヶ所ほどに施術した後、今度は、手の甲。

親指と人差し指の間にある圧痛点を丁寧に探し、爪でコリコリと筋膜の絡(から)みをほぐします。

次は母指球の圧痛点をほぐします。

「首どうですか?」

「ちょっといい感じ。動くようになった。」

今度は、足の内踝(うちくるぶし)周辺の圧痛点に鍼とお灸。丁寧に時間をかけて施術します。

「どうですか?」

「あれ?こんなに首が回る・・・ちょっと、奇跡的!明日になったら、もっと良くなる気がする。でも、首の後ろに痛みが残ります。」

今度は、肩甲骨の下にある圧痛点の筋膜を爪でコリコリはがします。

「どうですか?」

「あっ~、随分痛みが無くなった!」

という事で治療終了。首に触れる事なく首を治す。天城流恐るべし!