あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋14

台湾の本屋では、健康部門ベスト1となっている、YNSA創始者・山元敏勝先生の著書からの抜粋です。

『 脳梗塞を発症して2日後、左半身麻痺で来院

1ヵ月後には歩き、3ヶ月後には走れるように

脳梗塞による半身麻痺(男性60代)

この患者さんは、脳梗塞を発症した2日後に来院されました。

ベッドに横になった状態で、「手を挙げてごらん」「足を上げてごらん」の言葉がけに、右手に、右足は自然に動かすことができましたが、左半身に麻痺が出ており、左手と左足はまったく動かない状態でした。そのため入院して治療を行うことになりました。

初日の治療で頭部の生え際にある2つの点に針を刺すと、左手の指をやや開き閉じるなど少しの動きが見られました。しかし左足は反応がないままでした。

しかし毎日治療を続けると、まったく動かなかった左足にも少しずつ動きが見られるようになり、左手の動きも大きくなってきました。

そして来院からちょうど2週間経った日、足の力がだいぶ強くなってきたことから、付き添いの方と看護師の2人が両脇を支える形で病院の廊下に立ってもらい、歩行をうながしました。すると、ゆっくりゆっくりではありますが、5メートルほどの距離を往復できるまでに大きな改善が見られました。その時の顔は、少し照れたように笑っておられましたが、付き添いの方と看護師さんは大変に喜んでいました。

また、この頃には左手をグーパーグーパーと開いたり閉じたりもできるようになりました。伸ばした左手は肩の高さまで、左足も座った状態で高く上げられるようになりました。

そして19日後、ベッドに座り、子供の上履きのような形の靴を、自分でゴムの部分を伸ばしながら履くことができるようになりました。手にも力が入り、足の曲げ伸ばしもできるようになったのです。また足を大きく上げがちではありましたが、1人で歩けるようになり、両手で手すりをつかみながら、階段の上り下りもできるようになりました。その階段を上る速さはとても驚くような速さでした。

そして、退院となった1ヵ月後には、全く通常と変わらずに歩くことができるようになり、さらに3ヶ月後には、思いっきり走る姿も見せてくれました。

脳梗塞を発症し、麻痺が起きてから普通が2日後と言う早い段階で、治療を行えたことが効果を高めたといえます。』

この記録映像を宮崎のセミナーで見たときは、本当に驚きました。とにかく、患者さんが全く普通にすごいスピードで走っていたのです。

確か、この映像を1973年大阪で行われた学会で発表されたように記憶しています。その翌年の1974年に、スリランカやハンガリーの学会でもこの映像を発表され、大反響を呼び多くの国々の医療に取り入れられたのでした。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!

 

『4年間苦しんでいた原因不明の頭痛がなくなり、不安による不眠もなくなった

頭痛・めまい(女性 40代 主婦)

この方は、原因不明の頭痛に4年もの長い間、悩んでおられた患者さんです。

わんわんするような頭痛をいつも抱えている状態で、時にはめまいが起きることもあったそうです。

日南からはだいぶ離れたところに住んでおられ、近くの脳外科などの病院で診てもらっていたそうですが、どのような検査をしても問題はないと言われ、原因がわからない状況でおられました。他の総合病院で診てもらっても、やはり原因はわからなかったそうです。

知人の方から私の病院のことを聞き、たずねてこられました。

長い間つらい思いをされ、その原因がわからないことからの不安もあったのでしょう、私のところにこられた時には、眠れない日も続いていました。

YNSAの首診を行うと、大脳と小脳の点に反応がみられました。小脳は、体の平衡感覚を保つ働きをしているため、めまいも起きているのは明らかでした。

そこで、頭の1番上の部分、頭頂部にある大脳の点と小脳の点に針をさしました。

30分ほどしてから針を抜き、「痛みはどうですか?」とたずねると、「あっ、すごくすっきりしています」「なにか、すーっと痛みが引いていった感じがします」と、肩の力がぬけたように、とてもほっとされたような表情をされました。

このような頭痛の場合は、1回の治療で何もなかったかのように改善が見られますが、1週間くらいすると、また痛みが出てくることが多くあります。

この患者さんの場合も、しばらくすると、また痛みが出てこられたため、1週間に1回の治療を続けました。

ちょうど、7回目の治療くらいのあと、長い期間たっても、痛みはでてこない状態になり、8回目で治療を完了しました。

治療を受けると痛みがとれるという安心があったようで、1回目の治療のあとからは、ぐっすり寝られるようになったそうです。』

山元敏勝先生は、8回の治療で完了されましたが、私は3年間頭痛に悩んでおられる患者さんを、1年間治療し続けて、まだ完治までいたっていません。この差をしっかりと自覚し、努力しましょう❣️

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋12

山元敏勝先生がYNSAで治療された実例をご紹介します。

『突然口が開かなくなり来院、1階の治療で完全に改善し、食事も出来るようになった女性15歳中学生顎関節症

この患者さんは、日南に住む中学生の女の子でした。突然口が開かなくなり、その日のうち、すぐに来院されました。ショートカットの快活そうな女の子でしたが、急に口が開かなくなったことへのショックと不安から、とても元気がなく心配そうな顔をしていました。

口はわずかに指が1本入るくらいにしか開けることができず、「口を動かしてごらんというと」耳の付け根あたりにカクカクするという違和感と顎の痛みを訴えました。

なんとか会話はできるものの、ままならない状態で、もちろん、何かを食べるということもまったくできる状態ではありません。

私の西洋医学としての診断は、顎の関節に障害の起きる「顎関節症」でした。YNSAの首診を行うと、脳神経に関係する4つの点に明らかな反応がみられました。「顎関節症」が起こる原因は人によってさまざまですが、顎の関節の動きは脳神経がコントロールをしているため、この女の子の場合には、この4つの脳神経になんらかのトラブルが起きていたと考えられました。

そこで頭部にあるこの4つの脳神経とつながる点に針を刺し治療を行いました。初めての針治療だったため、針にも不安な様子が見られましたが、ほとんど針の痛みは感じなかったようです。針を刺した後、「口を開いてごらん」と言うと、これ以上開かないと思うほど大きな口を開きました。これには自分でも驚いたようで、びっくりしたような顔をしましたが、次の瞬間、ついさっきまでの暗い不安そうな顔をふきとばすように、中学生ならではの元気いっぱいの笑顔で大喜びをしました。

この1階の治療で、耳の付け根にあった違和感も痛みも消失し、会話はもちろん、食事もまったく問題ない状態まで改善しました。

顎関節症は習慣性があるため、人によっては繰り返すことがありますが、この女の子の場合は、それ以降も順調であったようです。』

顎関節が4つの脳神経をねらい、1回の治療で完治とは、驚きであり、非常に参考となります。多くの神経は、脳から中枢神経を通り末梢神経へと広がっていますが、12本の脳神経は、脳から直接、末梢神経(嗅神経、視神経・・・舌下神経)が広がっています。この12の脳神経のうち、顎と関係あるのは・・・・推測ですが、5番三叉神経、7番顔面神経、9番舌咽神経、12番舌下神経ではないか・・・・・と。

これらの神経の治療点は、オデコの生え際中央部から頭頂部にかけて1~12番と並んでいます。

いい勉強になりました。

あきらめなければなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る抜粋11

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋11

『同時に、さまざまな効果を生むYNSA 

私のところには、椎間板ヘルニアや圧迫骨折などの強い痛みでみえる患者さんも多くおられます。針を刺した直後に、痛みがピタッとおさまり、歩いて帰られるということも少なくありません。1回の治療でおさまってしまうこともあります。

YNSAは、飛び出した軟骨をもとにもどしたり、骨を補強する手術のように、その場で根本をなおすものではありません。

また、針には、痛みを止める働きがありますが、単に痛みを止めるだけであれば、ある一定の時間が過ぎると、また痛みは現れてしまいます。

しかし、その後も痛みがおさまり、回復するのはなぜか。

それは、YNSAの針には、同時にさまざまな効果を生む働きがあるからです。

痛みは、血流が悪くなることによっても起こります。痛みが起こると筋肉はさらに緊張することで硬くなり、さらに血流が悪くなると言う悪循環が起こるのです。

YNSAの点への針の刺激は、痛みを止めている間に、硬くなった筋肉を緩めることによって血流をよくし、この痛みの悪循環を断ち切ります。

また、痛みを起こしたり、痛みを記憶したりする脳の機能に働きかけていることもあります。

さらには免疫力や自己治癒力の力を高めて、椎間板や骨そのものまたその周りの筋肉などに、大きく働きかけていることも考えられます。

YNSA は、症状にかかわるさまざまな臓器の機能を高めて、体が持つ改善の力を大きくサポートしているのです。』

YNSAの首診では、内臓の診断をします。例えば、肩と首の境目(僧帽筋の首側)に大腸点があります。この点に圧痛があれば、側頭部の大腸治療点にも圧痛があります。この側頭部に置鍼をすると、肩と首の境目が、一気に柔らかくなり圧痛点がなくなります。

この時、肩周辺の血流がよくなり、周辺の筋肉がほぐれます。患者さんには、置鍼したまま30分以上休んでいただきます。この時、脳や大腸などの臓器の機能を高めているのだと思います。この治療を継続することで、免疫力や自己治癒力を高めていくのでしょう。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋10

 

 

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!からの抜粋10

神経の説明を、山元敏勝先生がされています。

『YNSAは、中枢神経や脳の器官に大きくあたり働きかける

では、針の刺激は、どうやって脳に伝わるのでしょうか。

目で見たもの、耳で聞いた音、鼻で嗅いだにおい、手や足で感じたものなど、人間の体が感じた情報は、すべて脳に伝えられます。

そして、人間の体は、すべて脳からの命令で動いています。

体には、その情報や脳からの命令を運ぶ道がたくさん通っています。それが神経です。

テレビなどで手術の様子を見たことがあるかと思います。そのとき、傷つけないように注意深く白い繊維をよけているところを見たことがあるのではないでしょうか。この白い繊維が神経です。

神経は、脳のさまざまな領域から出ていって、束になって脳の付近である脳幹を通り、背骨の中へとつながっていきます。

この背骨の中の神経の束は、「脊髄(せきずい)」と呼ばれています。

脳幹を通る神経の束と脊髄はあわせて「中枢神経(ちゅうすうしんけい)」と呼ばれ、神経の中で最も重要な働きをします。

そして、この中枢神経は、背骨の隙間から、「末梢神経(まっしょうしんけい)」という細かい神経に分かれ、体中にはりめぐらされているのです。

この細かい末梢神経には、脳から直接出ているものもあります。目と情報や命令のやりとりをする「視神経(ししんけい)」、鼻と情報や命令のやり取りをする「嗅神経(きゅうしんけい)」などです。このような脳から直接出ている末梢神経は脳神経と呼ばれています。

YNSAの針の刺激も、神経をとって脳に伝わります。

YNSAの点に刺した針の刺激は、神経の中でも最も重要な中枢神経に大きく働きかけます。

また、さまざまな働きを持つ脳の器官にも作用します。あわせて内臓をコントロールする自律神経や、感覚や筋肉の働きをコントロールする脳神経などにも強く働きかけます。

原因のある部位とつながるYNSAの点から情報を受け取った脳が、「治療すべき確かな場所」に、「治療に必要な確かな命令」を送っているといえます。』

頭に針を刺すと、末梢神経から中枢神経、脳に刺激が伝わり脳がさまざま判断をくだすのだと思います。その現象を山元敏勝先生がいち早く理解され、その法則を発見されたのだと思います。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋9

科学が証明した、針の6つの効果の残り3つ

 『4)硬くなった筋肉を緩め、血液の流れをスムーズにする

針は、硬くなった筋肉をほぐし、血液の流れを良くします。

針を刺すと、筋肉の中の血管が広がり、筋肉の中に血液が多く取り込まれます。すると、血液の中にある酸素やさまざまな成分によって、痛みや緊張で硬くなっていた筋肉が緩み柔らかくなるのです。筋肉が柔らかくなることによって、さらに血液の流れが良くなる効果も生まれます。

5)体を守る免疫力を高める

針には、外敵から体を守る力を高める働きもあります。

体には、細胞やウィルスなどの敵が体内に入ってくると、それを体の外に出したり、死滅させたりする、「免疫」と言う働きがあります。

ひと言で免疫といってもその働きは実にエキサイティングで、まるでハリウッドで作られるSF映画の戦闘シーンのような戦いが、体の中で毎日繰り広げられているのです。

血液中の白血球という成分が、体に入ってきた敵と戦うことはよく知られています。その白血球が持つ免疫細胞には多くの種類があり、体を守ってくれるその細胞たちの名前も、まさに映画の登場人物のようです。

全身の組織に存在して、出会った敵を次々と食べていく大食細胞の「マクロファージ」。このマクロファージは、体に入ったウィルスやカビ、がん細胞も食べてしまいます。

そして、敵を見つけると攻撃して破壊する「ナチュラルキラー」。この細胞は、がん細胞が大きくならないうちに破壊したり、ウィルスや細胞に感染してしまった体内の細胞も破壊していきます。「マクロファージ」は敵の細胞を食べるとその敵と同じ仲間に目印をつけると言う技も持っています。司令官の役割を持つ「ヘルパーT」がその目印を見つけ部下である「キラーT」に出動命令を出して、敵を攻撃させる。体内ではこのような連携プレーまで行われています。

体の中にはまだまだたくさんの免疫細胞による働きがあり、体をつねに外敵から守っているのです。

しかし体が熱く疲れたり、ストレスを受けると、この免疫力は下がり、病気にかかりやすい状態になってしまいます。針の刺激にはこの免疫力免疫の力を高める働きがあるのです。

6)自己治癒力を高める

針は、人間がもともと持っている、病気を治す力を高めます。

人間の体には「自己治癒力」と言う働きがあります。文字の通り、人間は、自分で自分の体を治療して、治す力を持っているのです。いまお話した敵と戦って体を守る免疫も、この自己治癒力のひとつです。

体は切ったり転んだりして傷ができても、もとの状態にもどります。傷によって細胞が壊れても、細胞が再生して元の状態に戻るのです。また、風邪をひいたときでも暖かくして寝ていれば、薬などを飲まなくても治ってしまいます。

骨が折れても、周りを固定して動かないようにすることで、骨の折れた部分はつながり、元の状態に近い形に回復します。

トカゲが敵から逃げるために自分で尻尾を切っても、もとの状態にもどることはよく知られています。

実は、人間の内臓にも、そのような働きがあるのです。人間の肝臓は、切除しても元の形にも再生します。仮に肝臓全体全体の80%を切除してしまっても、数ヶ月後には元の形にもどるのです。

人間の体には、このように、かかってしまった病気や傷を自分自身で治す働きがあります。

針にはこの自己治癒力を高める働きがあるのです。

このように針が持つ効果についてお話しすると、人間の体にはいかに人間自分の体を守り、元気を保つための働きがあるのかが、おわかりいただけると思います。

針には、この人間がもともと持っている力を引き出し、強める働きがあるのです。』

このように、針には人間の持つ潜在能力を引き出してくれるのです。そして、最近つくづく思うのは治療というのは、患者さんとの共同作業であるということです。患者さんの体の声を2人で聞いて、確認することが最も大切なことだと思います。

明日は、神経について説明します。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋8

科学が証明した、針の6つの効果のうちの3つ

『では、針から刺激を受け取った脳は、体のためにどんなよいことをするのでしょうか。

その答えが、アメリカのハーバード大学の研究所を始め、世界中から報告され、明らかになっています。

わずか直径0.25ミリの針の刺激は、脳に、驚くような働きを起こさせるのです。

1)痛みを抑える働きのある物質を、脳から放出させる

針は、脳から全身に、痛みを抑える物質を放出させます。

あまり知られていませんが、人間の体は、痛み止めの薬と同じ働きをする物質を作り出すことができます。

この物質は「エンドルフィン」といい、「脳内モルヒネ」とも言われています。

モルヒネと言うのはご存知の通り、がんなどの強い痛みを止めるときに使われる物質です。

突発的な事故にあった直後など、怪我があるにもかかわらず痛みを感じなかったという話をよく聞きます。これは脳が瞬時にエンドルフィンを分泌して、激しい痛みや苦しさをから体を守っているのです。

針は脳の茎である脳幹の上の部分、視床下部などからこのエンドルフィンを放出させ、痛みを抑えることが明らかになっています。

2)痛みを脳が感じないように、情報の通り道をブロックする

針には、体から脳への情報の通り道をブロックする、つまり通せんぼをして、痛みの原因を脳に伝えないようにする働きもあります。

痛みや怪我などをした部分で起こっているように見えますが、そのメカニズムは大変におもしろく、実は、痛みは脳がつくり出しているのいるのです。

たとえば、腕を机にぶつけたとしましょう。その瞬間、「机にぶつけた!」という情報が瞬時に腕から脳に伝えられます。すると、ぶつけてしまった腕の部分が痛いと言う感覚を、脳が作り出すのです。

わざわざ痛みを作るなんて、なんてのは意地悪なのだろうと思ってしまいます。ですが、その反対です。痛みを感じることで、その部分にトラブルが起きていることや治療が必要なことを知らせたり、それ以上怪我をしないように守ってくれているのです。

尖ったものを踏んだときに「痛っ!」と飛びのくのも、この情報伝達の働きが大きく関係しています。痛みでその場を瞬時に離れさせ、体を守っているのです。

では、手や足などから遠く離れた脳へ、どのように情報が伝えられるのでしょうか。

その情報の通り道となるのが、「神経」です。神経は、白く細い繊維で、脳から体中にはりめぐらされています。

針には、怪我などをした部分と脳との間にある神経をブロックする働きがあります。情報が脳に届かなくなり、脳は痛みを作り出せなくなるのです。

また針には、神経を通して脳からトラブルの起きている部分に、ダイレクトに痛みを抑える物質を遅らせて、痛みを止める働きがあることもわかっています。

3)自律神経のバランスを保つ

針は、自律神経に直接働きかけ、体調をコントロールします。

先ほどお話ししたように自律神経は、心臓を動かす、呼吸をする、食べたものを消化する、排泄をうながすなど、自分の意思とは関係なく体を動かす働きをしています。針は、その自律神経の働きをスムーズにするのです。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つが交代勤務制で働いていることもお話ししました。この2つの働きのバランスが、体の健康にはとても重要です。

どちらか一方が、仕事はしたくないと休んでしまうと、もう一方が本来休み時間でありながら働かなければいけなくなります。また交代の時間になっても仕事をゆずらずに働き続けていると、相手の仕事内容に支障が出てきます。

このように交代勤務のバランスが崩れてくると、体調が乱れてくるのです。

針には、この交感神経と副交感神経のバランスを整え、胃、腸、膀胱など、内臓の機能を整える大切な働きがあります。』

針麻酔で2000件の手術をされた山元敏勝先生の言葉は、分かりやすく重く響きます。明日は、残りの3つの効果を紹介します。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋7

針の効果は、脳科学によって解明された!

『では、YNSAが治療の道具として使用している、「針」には、一体どのような効果があるのでしょうか。

(中略)

脳科学の分野でも、体を輪切りの状態で撮影するMRIと言う機器で、体に針をさしたとき、脳がどのようになるのかについて、さまざまな研究がされてきました。

この研究の成果として、体に針をさしたとき、脳に大きな変化のでることがわかったのです。

(中略)

脳をカリフラワーにたとえると、その白いモコモコとした部分が大脳です。大脳は脳全体の80%を占めています。

大脳の役割は、考える、感じる、言葉を話す、記憶する、創り出すなど、まさに「人間らしさ」に深く関わる働きをしています。

「小脳」と言うと、小さな「こぶ」のような形をしていて、大脳の後ろ側に左右1つずつぶら下がっています。

小脳の働きは、手足を動かしたり、体のバランスを取ったり、まさに動作や運動と深く関わる働きをしています。

では、3番目の脳幹はどこにあるのかと言うと、カリフラワーのまさに茎の部分です。

カリフラワーを縦に切ってみると、茎は外側だけでなく、中心にもしっかりあることがわかります。

脳幹もまた脳の中心にあり、まさに脳の茎といえます。

実は、体への針の刺激は、この「脳幹」に反応を起こすことがわかっているのです。脳幹は生命を維持する、まさに人間が生きるために重要な働きを行っているところです。

体の機能を整える物質「ホルモン」を分泌する、菌やウィルスなどの外敵から体を守る「免疫」の働きをコントロールする、体温や血圧を一定に保つなど、生きるために重要な働きはみな、脳の茎であるこの「脳幹」が行っているのです。

(中略)

生きるために重要な役割を持つ脳幹はいくつかの部位に分かれていて、茎の上のほうに「視床下部」と呼ばれる部位があります。

脳幹の中でもこの視床下部に、体に針を刺したときの反応が大きく出ることがわかっています。

視床下部は、内臓を働かせる自律神経と言う機関の調節調整を行っています。

(中略)

自律神経は、2つに分かれています。体の働きを活発にする「交感神経」と体を休めたり回復させる「副交感神経」です。

そしてそのどちらか一方が働いている時、もう一方は休んでいます。まるで会社での交代制勤務のようです。人間が健康でいるためには、この2つのバランスがとても重要でそのバランスをコントロールしているのが、脳の茎の上の部分である「視床下部」なのです。

体に針を刺したときの脳のMRI画像には、脳の反応がはっきりと映し出されます。

この反応は、人間が生きていくための重要な働きを持つ「脳幹」、そして脳幹の中でも、内臓を働かせ、自律神経をコントロールする「視床下部」に多く出ているのです。

このことから、針の刺激が人間の生命の維持や健康に大きく働きかけ、重要な働きを役割を果たしていることがわかります。』

このように、針の刺激がMRI画像を通して脳幹、特に視床下部に働きかけていることが、明らかになった事を理解しておいてください・・・・次回は、科学が証明した、針の6つの効果のうち3つを抜粋します。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋6

 

ブラジルではYNSA の導入で、医療費が11%削減!

『YNSAの世界への普及においては、こんなこともありました。

ある日、ブラジルから私に国際電話がかかってきました。政府の方からの電話で、ブラジルのサンパウロに新しく建てた病院に私の名前をつけると言うのです。「なんで私の名前を?」と一瞬訳がわからなかったのですが、よく話を聞くと、ブラジルにYNSA専門の病院を建設し、その病院にYAMAMOTO CLINIC(ヤマモトクリニック)と私の名前をつけると言う話だったのです。大変光栄な事でしたが、何より私が嬉しかったのは、この病院は治療費を払えない貧しい人たちのために、無料で治療を行う病院にすると言うことでした。

ブラジルは現在、世界で最もYNSAを盛んに行っている国の1つといえます。YNSAの治療を医師が行う場合には、患者さんは保険診療として受診することができます。

ブラジルにYNSAが国の医療として普及し、サンパウロにYAMAMOTO CLINIC(ヤマモトクリニック)が建つまでになったのは、こんな出来事がきっかけでした。

2003年、当時の大統領が大統領選挙に初当選した際、大きな障害に見舞われたのです。

選挙運動で多くの国民と握手をし、また手を振り続けることによって肩に強い痛みが起き、腕が上がらず、どの病院に行っても手術しか回復の方法はないと言われる状況だったのだそうです。

そんな時、2名のブラジル人の医師が、大統領の治療をすることになりました。この2名の医師は、以前私が宮崎で行った国際医学学会に、ブラジルからYNSAを学びに来ていた医師でした。

大統領就任直後に入院や手術となっては業務に支障が出ます。手術をせずに治せる方法がないかと大統領が探す中、このYNSAを学んでいた2名の医師が指名され、またたく間に大統領のその障害を取り除いてしまったのです。

大統領はYNSAの治療効果を高く評価し、ブラジルの国の医療として認めました。そして、このYNSAをブラジルの医療として取り入れると言う大統領の決断が、ブラジルの医療に大きな影響をもたらしました。YNSA の普及によって手術や薬の処方の必要が減り医療費がなんと11%も削減されたそうです。このことから、私はブラジル政府から表彰を受けました。

このような背景から、YNSA専門の病院も建設され、ここでは貧しい人たちのために国が費用を負担し、治療を行ってくれています。

私はこの当時から毎年のようにブラジル政府や医師会から招待され、講演、実技を続けてきました。そしてそれは現在も続いています。』

ブラジルの大統領の英断が素晴らしい❣️

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋5

海外のYNSA 

『あらゆる痛みから麻痺まで改善するYNSA の高い治療効果は、世界の多くの国々で認められてきました。現在では、医療大国であるドイツ、そしてブラジルを始め、14カ国以上もの国の医療に取り入れられています。

そして、国によって基準などは異なりますが、医療に保険の制度を取り入れている国々では、その多くで、YNSAは保険診療の対象として認められています。

つまり、世界の多くの国で、YNSAの治療を保険診療で受けることができるのです。患者さんにとって、これは本当に喜ばしいことです。

日本では、2007年より私がYNSA の指導を定期的に始め、ここで学んだ全国の医師、鍼灸師の先生方が、ご自分の医療にYNSAを取り入れるようになってきました。しかしながら、大変残念なことに、世界の国々に比べると、日本ではまだまだ知られていません。

その理由は、YNSAが日本ではまだ、正式な保険診療の対象に認められていないことにあるでしょう。具合が悪くなって病院に行ったとき、日本の病院で行われる治療は、一般に西洋医学が中心です。

まず行われる血液検査やレントゲン検査、薬での治療、悪いところを切って切り取り除いてしまう手術、これらはみんな西洋医学です。そして、日本の医療の世界はどちらかと言うととても保守的で新しいものを取り入れることにはとても消極的です。

YNSAの大きな効果を目の当たりにしても、「暗示のような作用が働いたのだろう」と、治療の効果を認めようとしない人が、日本の行政や医療の世界に多いことも否めません。

YNSAは、西洋医学に東洋医学の針を取り入れた全く新しい治療法ですが、日本では、針治療そのものに対する偏見も多く、受け入れられにくいようにも感じます。

また、中国式の針治療は古くから伝わり、現在ではいくつもの流派に分かれています。それぞれに考え方も違うため、針を使った治療そのものが1つの医療として認められにくいのです。

ではなぜ、世界の多くの国々で、YNSAが医療に取り入れられているのか。それは、海外の国々には、西洋医学ではなくても治療効果が高いと認められた治療法は、積極的にどんどん医療の中に取り入れていく体質があるのです。

医療大国であるドイツ、アメリカを始め、海外の国々では、ちょっと難しい言葉ですが、「補完代替医療(ほかんだいたいいりょう)」の研究が盛んに行われています。「補完代替医療」と言うのは、西洋医学とは異なる考え方や治療法を持つ医療のことです。

多くの国は、医学の種類に関係なく、効果が高いと認められた治療法には国として研究の予算を取ります。そして医学的にその効果が証明されると、医療の中にどんどん取り入れていくのです。

YNSAは、私が1973年に発表した直後から、効果の高い治療法として世界の国々で大変に注目され、大きな反響を呼んできました。各国に招かれひとたび講演を行えば、500名、600名、時には1000名、と会場には入りきれない多くの医師や医学生であふれました。若い医師たちは皆生き生きとした顔で私の話に聞き入り、目の前で行った治療の実技指導では、誰もが素直に驚きを表しました。

もちろん即座にすべての人に受け入れられるたわけではなく、たくさんの聴衆の中には、YNSAの効果について述べている時、何を馬鹿なことを言っているんだそんな顔をしている人も数名見られました。しかし、実技で、腰に痛みがあって歩けない人がすぐに歩けるようになったり、パーキンソン病の症状の手足の震えがその場で収まる光景を目の前にすると、その顔はみるみる変わっていきました。

そして、その後も次々とYNSAに関心を寄せた世界各国の医師、鍼灸師の人たちが積極的にYNSAを学び、医療に取り入れていったのです。私はそのヨーロッパをはじめとする海外の国の状況を見て、針を取り入れたこの新しいYNSAと言う治療法に、たけのこがすくすく伸びていくような勢いを感じました。

現在ではドイツ、ブラジルを中心に、アメリカ、オーストラリア、イタリア、スペイン、オーストリア、スイス、ハンガリー、ルーマニア、フランス、ポーランド、イスラエル、ギリシャを始めとする多くの国々の医療に取り入れられています。

そして大変に喜ばしいことに、医療保険制度のある国では、その多くで、保険診療の対象医療として、認められているのです。

いま、世界では数十万人の医師が、YNSAの治療を行っています。』

海外では、45年前からYNSAが普及、研究されているのに対して、本家本元の日本では、まだ13年の歴史しかないのです。私にいたってはまだ1年、これからです❣️