鎖骨下のコリが、中指で治った!

40才代の女Cさん、伊予柑の収穫8日間で、手足が冷えてしまい、右肩痛で来院されました。
ベットに座っていただき、肩に触れると、確かに右肩が硬く張っています。
今度は、ベットに仰向けです。

『あれっ、表面がとても柔らかくて、奥の方にコリがあるぞ!』

座った時と、横になった時とは、肩の感じが変わります。そこで、とっさに、

「どうやら、足の方から肩こりは来ていますね〜」

寒いミカン畑で8日間も働くと、足元から冷えが来ます。その冷えがカラダの深部筋膜に
影響し、肩の深部のコリになっているようです。
そこで、足首のコリから始めます。

「痛っっっ!」

内踝(うちくるぶし)と外踝(そとくるぶし)に圧痛点があります。そこがある程度ゆるむまで、鍼を刺します。次に右肩を上にして、横向きになってもらいます。
肩甲骨の圧痛点とワキの下の圧痛点に、お灸を5壮ほどします。仰向けになってもらい、今度は、右鎖骨下の肋骨にある圧痛点を探していきます。
触るところ全てに圧痛点があります。6カ所にお灸を3〜5壮。

「それでは、起き上がってください。ちょっと、肩のチェックをしてみましょう。」

「肩は、痛く無くなりました・・・でも、何か鎖骨の下が、変です!」

確かに、右鎖骨の下で、胸骨(胸の真ん中にネクタイのようになっている骨)寄りに大きなコリがあります。しばらく考えた後、

「右手の中指をチェックしますね〜」

前回でも、述べましたがカラダ全体の状態を、手が表わします(フラクタル理論)。と言うことは、右鎖骨下は、右手の中指第2関節のやや下で、人差し指側に位置します。丁寧にその辺りを探ります。

「あっ、そこ何か痛いような・・・何かあります。あっ、そこも痛い!2カ所あります。」

寒いミカン畑で手もずいぶん冷えたはずです。思った通り冷えのかたまりの様なコリがありました。
そこに3〜5壮お灸をしました。

「あれっ、鎖骨下のコリが・・・無い!先生、軽くなりました(^ω^)」

ニコニコ笑って、玄関を出て行くCさんでした。

鍼が嫌いだけど好きな人

私の打つ鍼のベクトルは、限りなく痛くない方向です。しかし、たまにその逆の鍼を打つこともあります。患者さんの思いとは裏腹に、患者さんのカラダが「ひびき(深層の絡んだ筋膜に鍼先が触れてゆるめる現象)」を欲するときです。

私と同い年(63才)の書道家男性Aさん。
数メール四方の大作に挑む時は、常に中腰という一番腰に負担のかかる姿勢になります。そのため展覧会が近ずく頃は、必ず強烈な腰痛に見舞われます。先月が、そのピークの時で、週に1回ペースで、月3回こられました。

「あのの、今日は、あんまり大したことないんよ。先月は腰が痛と〜て、痛と〜て死ぬかと思たげ〜」

「あの時の顔は、ゾンビじゃったですね〜」

「ほ〜じゃった。あんたがおらなんだら、どうもこうもならんかったげ〜。あんた、1日に3人ほど診たら何とかやっていけるんじゃろ。ほじゃけんワシも、の、宣伝しちゃるけんの。絶対潰れたらいかんぞ!」

何とも、ありがたいお言葉です。このAさん、見るからにカラダが硬そうながっしりタイプです。
足はガニ股で腰の筋肉が固まっています。この様な患者さんは、足裏、足の甲の土台から始めます。
ダイオード鍼という15cmほどの棒状の鍼を箸をもつように2本持ち、足裏や足指の間の筋膜を切るように
はがします。

「痛っっっった!痛っっっったい、けど気持ちえ〜〜。痛っっっっっった。あいた〜〜〜〜
けど、気持ちえ〜〜〜、気持ちえ〜〜〜。」

ずいぶんとにぎやかです。

「あんた〜、左足がポカポカしてぬくいげ〜〜。右足とぜんぜん違う。これじゃけん、一所懸命ガマンしよんぞな!」

今度は、手の平の母指球。ここは、まず爪を使って筋膜をはがした上に、鍼を打っていきます。

「あっ、来た来た来た〜〜気持ちえ〜、ワシャの〜、カラダがゆるむん分かるんよ〜」

「ここに来る前は、また鍼刺されるん嫌じゃ〜と、思うんじゃがの。カラダが欲しとるけんの、

ついつい、来るんじゃが。来月また来ての、2月には回数券かうけんの。」

うつ伏せになってもらい、腰の張り具合をチェックし、ふくらはぎに刺して行きます。

「どしたんぞ〜〜カラダが、フニャフニャになっとるげ〜」

丁寧に実況中継してくださいます。
こんな調子で、Aさんの治療は進みます。そして、最後に

「あっあ〜〜、スッキリした〜ありがとう!」

颯爽と赤いスポーツカーで帰るAさんでした。

腰2カ所が痛い患者さん

「今年は、今日しかやってないんでしょ?」

と、突然の電話がありました。どうやら、腰が痛くて仕方がないようです。

「夜の8時にお越しください。」

松山も、年末になって急に寒くなり、近所とはいえ歩いてこられるのは、大変です。
部屋をあたたかくし、遠赤外線のベットを40℃にしてお待ちしまた。

少し足を引きずるように、入ってこられました。左腰(仙腸関節の上)と右腰の側面(大転子)辺りが痛いそうです。左右の腰が痛いと歩行は辛かったと思います。

「それじゃ、右の腰から診ましょう。右肩を上にして横になってください。」

70才の女性Sさん、ゆっくりと横になります。Sさんは、鍼が怖くて、お灸ならガマンが出来るという
痛み熱さに敏感な方です。また、治療中、感想を常にしゃべってくださるありがたい患者さんです。
腰の側面が痛いということは、側面の筋肉(大腿筋膜張筋、腸脛靭帯、長腓骨筋、短腓骨筋)が緊張し引っ張って、悪さををしていると考えます。圧痛点を10カ所見つけ、お灸をしていきます。

「ふくらはぎの方、熱さがきていません。」

「ハイ・・・こんどは、どうですか?」

「きました・・・でも、熱くてウトウトとは、出来んですね〜」

たしかに、「ゆっくりしてくださいね。」と言葉掛けはしたものの、常に『熱っ』と感じていれば、
眠れません。モグサの大きさを加減したり、火を消すタイミングを微妙に変えてみたり・・・

高温になる粗悪モグサを固くし、小豆くらいの大きさで皮膚まで焼き切るのが好きな患者さんから、
細い糸のようなモグサが好きな患者さんまで、感性は様々です。
また、足裏とゆび先では、感性が異なります。考えてみると、かなり高度なテクニックが必要です。

「何回か、ポッと気持ちがええ時が、ありますね〜〜これが続くとウトウトできると思いますわ〜」

という言葉をいただくと、『ヨッシャ!』と思う反面、『数回しか無いのか』と挫折感も味わいます。一通り終えたので、

「それでは、チェックしてみましょうか?」

ゆっくりベットから起き上がり、腰をひねってもらいます。

「まだ、痛いです〜〜」

『アリャ〜〜、予想外じゃ!待てよ〜〜太ももの後ろ側じゃな〜』

再び挫折感を味わうと、カンがさえてくるようです。
先程と同じ体勢になったもらい、別の圧痛点を探します。丁寧に診ていると、ありました!
太ももの真ん中にあるスジ(腸脛靭帯)の後ろ側に、3カ所。

「痛っ((((;゚Д゚))))))) ・・・・鍼でやる方が、効くんですか?」

どうやら、痛がりのSさん、観念したようです。

「鍼とお灸を交互にすると効きます。じゃ〜鍼やってみましょうか?」

最も細い1番鍼(直径0.16mm)で刺入に気をつながら行います。途中で静かになるSさん。
鍼の場合、風船を膨らましたような表皮に刺せば、痛くありません。ただ、深層の絡まった筋膜に触れると痛みを感じる時があります。これを「ひびき 」といい、一気に筋膜がゆるみます。

Sさんは、「ひびき」を感じることなくウトウトしているようです。鍼の気持ち良さは、格別で一瞬で眠りに落ちます。
お灸を併用しながら、圧痛がなくなるまで施術。再びチェックすると、

「痛くない!」

これで調子に乗り、左腰痛を一気せめます。うつ伏せになって頂き、左ふくらはぎの圧痛点3カ所に、
鍼を刺します。これだけで、左腰痛は消えました。

どうやらSさん、鍼の食わず嫌いだったようです。
めでたし、めでたし!

明日、遠征旅行なのに・・

 

「先生、今日はお休みですけど、息子を診てもらえないでしょか?」

日曜日の午前中に電話がありました。

明日、松山から大阪、静岡、東京と遠征旅行に出発するバレー部の中心選手のお母さんからです。練習が終わった午後2時から診察することにしました。

N君は、身長が169cmにもかかわず、320cmの最高打点でアタック出来る能力を持っています。右利きのため、左足で踏み込み右腕でアタックします。どうしても左足に負担がかかるため、左足のふくらはぎに痛みがあります。

早速、左ふくらはぎの皮膚をつまみ、痛みがあるかどうか診ます。

「痛った((((;゚Д゚)))))))」

どこをつまんでも、痛みがあります。ただ炎症はありません。特に、足の小指側に

最大圧痛点があります。

また、前回説明したように「形態的連動」として右腕にも圧痛点があります。やはり、

右腕の小指側に最大圧痛点並んでいます。

そこで、右腕に鍼とお灸をします。ところが、なかなか左ふくらはぎの痛みが取れません。

炎症していないので、左ふくらはぎに直接、置き鍼をすることに決めました。

「N君、どう?」

「まだ、痛いです。」

「・・・・今回は、しつこいな~~」

ふと、気になった左足の指の緊張。

「N君、ここ痛ない?」

「痛った((((;゚Д゚)))))))」

左足の甲の指と指の間(中足骨の間)に、異常な圧痛点があります。足底にも同じようにあります。これらのコリをていねいに指とダイオード鍉鍼で取っていきます。

「N君、どう?」

「あっ、大丈夫です!」

という訳で、左ふくらはぎの痛みがなくなりました。

ただ、理由はよくわかりません。言えることは、「最初の直感を大事にすること」です。

「形態的連動」ばかり気にするあまり、「足の指、変だな~」と思ったことを無視していたようです。

今日も、良い勉強になりました。ありがとうございます。

「ネンザの高校生」再来院

前回の症例「ネンザの高校生」が2週間後に、再び来院。

「右足の内側の痛みが、外側に移動したんですけど・・」

どうやら、1度目の治療でかなり回復したので、普通に練習をしたようです。その結果、

無意識に右足の外側を使い炎症を起こしてしまいました。

まず、氷と水を入れ0度にしたビニール袋で、患部を冷やします。

「どう?気持ちいい?」

「ハイ、気持ちいいです。」

この感覚が大切です。患者・K君の表情、態度を敏感に察知しましょう。

続いて、患部の範囲を探し出します。皮膚をつまみ、痛い所が患部の範囲です。

前回の治療時は、ネンザをしてから2週間経過していたのですが、明確に

「形態的連動」が現れていました。

「形態的連動」というのは、K君の右足首内側のネンザが起きた瞬間、その負荷が対角の左手首内側に移動し、ダメージを軽減させる自然法則のことを言います。その法則は時間にも左右されます。1ヶ月ほど経つと右足首への負荷が、左足首にも移動し、それ以上経つと同側の右手首にも移ります。

K君の場合、ネンザから1ヶ月経つので、反対則の左足にも出ているはずです。

まず患部の右足首の範囲を皮膚をつまみながら探します。確かに外側に広がっており、

つまんだ痛さも、外側の方が痛いそうです(薄みどりの斜線部)。

患部の右足首に対応する左手首の最大圧痛点は、やはり外側に集まっていました。今回は、連動部位(水色の斜線部)の中のツボに鍼とお灸。圧痛点が無くなるまでしつこく治療しました。

前回では、治療しなかった左足首の連動部位(水色の斜線部)にも、しっかり圧痛点が移って

います。こちらも代表的なツボに置鍼。

連動部位の圧痛点を治療することで、患部の治療になるのがポイントです。

K君、練習疲れのためか、気持ち良さそうに眠っているので、置鍼したままにしました。

「じゃ~ 、ゆっくり起きて下さい。どうですか?」

「あっ、大丈夫です!」

「これで、遠征行けるね~~」

「ハイ!」

と、K君にっこり。

12月25日から大阪、静岡そして、春の高校バレーに出場のため

東京に遠征です。

ガンバレ新田高校\(^o^)/

ネンザの高校生

高校バレー部の男子患者さん。
ボールを踏んでしまい、右内踝(うちくるぶし)をネンザし、2週間経過。なかなか治らないので、当院に来られました。

以前にも書いた事がありますが、強い負荷がかかりネンザした瞬間、対角の関節にも同じく負荷がかかります。

今回の患者さんの場合、右内踝ですから、左手頸(てくび)の内側に負荷がかかります。
そして、もう2週間経っているので、反対の左足内踝にも負荷が移行しているはずです。

写真のように右内踝を囲み✖️印が見えます。これは、皮膚をつまんで
痛みを感じた箇所にボールペンでつけたものです。

右足に対応する左手にも皮膚をつまんで痛いところが写真のように✖️印であらわれます。

この左手に鍼と灸を施(ほどこ)します。
また、反対の左足にある圧痛点(右足と同じ箇所にあらわれます)に、鍼を軽めにさします。
実際に、痛みのある右内踝にも、軽めの鍼。

最後に、右小指の圧痛点を丁寧に探し、お灸をして終了にしました。

「あれっ!軽い。歩いても、痛くない!」

この声を聞くためにやっているのです〜

足が棒のようになり、眠れない75才男性

足が棒のようになり、眠れない75才男性

とても75才とは思えない松山市在住の筋肉質のスポーツマン。ところが、1ヶ月ほど前から
1日に2~3回右足が棒のように固まって、眠れなくなり来院されました。

スポーツが好きな患者さんは、動きの操法がぴったりはまることがあります。
そこで、左の肩を上にして、横向きになってもらいます。
私は、患者Kさんの左手首と、右足首を持ち、私の右足ウラを患者さんのお尻に当て、えび反らし。

「ヨイヨイなんぞ〜、こりゃ効く!」

どうやら、はまったみたいです。
そこで、歩いてもらいます。

「ありゃ〜違和感は、ないぞな。」

引きずって歩くようなことはありません。
ただ、ガニ股で歩くため、腰の横にあるくぼみから外踝(くるぶし)
のラインに、負荷がかかっているようです。

今回は、直接右足に鍼を刺すことにします。
右横向きになっていただき、太ももに鍼2本刺し置きし、膝から外踝(くるぶし)までの圧痛点に、鍼を刺していきました。特に外踝(くるぶし)周辺が重要です。

次に、仰向きになってもらい、太ももの圧痛点と、内踝(くるぶし)周辺の圧痛点に鍼を刺し置きします。
それでも、太もものウラに違和感があるため、ストレッチをします。

仰向けの体勢でKさんの右足ウラをしっかり保持したまま、天井に向かってゆっくり上げていきます。ベッドに対して、右足が90度近く。

「ヨイヨイこりゃ〜かなわん。」

顔を真っ赤にして力んでいるKさんに、

「Kさん、息吐いて、吐いて・・そう、そう・・そう、そう」

スポーツマンは、ついつい全力で力む傾向があるので、息を吐きながら動くことをすすめます。
Kさんは、瞬時に理解し上手にストレッチできました。

「先生、足軽なったぞな。ええ調子じゃ。」

ということで、初日は終了。

3日後に来院。

「先生、足が重い感じはあるけんど、痛みはないわい。」

前回以上に動きの操法を入れることにしました。
自家製の足ツボ刺激板(写真参考)を歩いてもらい、ダイオード鍉鍼(写真参照)を使って足のウラ、甲の筋膜はがし。
股関節の回旋、上肢の回旋、前回同様のエビ反り。

「かあ〜汗が出るがい。ヨイこりゃ〜・・先生、あんたも疲れるじゃろ!」

「全然!」

私のことを心配してくれるほど、余裕ができているようです。
その後、前回同様、下半身に置鍼して終了。

その後1週間おきに来院し、丁度3週間経ちました。

「先生、もう足が痛いじゃの、重いじゃのいうことは、全くないわい。ちょっと足が疲れたら、嫁に足を伸ばしてもらうんよ。
それがの〜、でかいケツを乗せて来るんじゃけん、たまったもんじゃないわい。」

どうやら、ご夫婦で養生されているようです。
これが、一番大切なことです。
Kさんは、すっかり良くなり健康管理のために、2週間に1回のペースで来院されています。

1年ぶりのギックリ腰

1年ぶりのギックリ腰

高い所にあるものを取ろうとしたときに、激痛。

その日は、歩くことも出来ず、やっと歩けるようになり来院されました。

1年前にも、同じような状態になったそうです。

着替えをすることも出来ません。

「Wさん、一番楽なポジションになって下さい。」

「そうですね、横向きですかね。」

ゆっくり、ゆっくりとベットに横たわっていただきました。

 

3種類のクッションを使って、少しでも楽な位置を見つけます。

私が、操体法を習い始めた頃(17年前)、ギックリ腰は絶対安静が重要で、2~3日置いてから

治療するように教わりました。

その理由は、操体法の手技は、患者さんの動きを、引き出す必要があるからです。

つまり、八方ふさがりの患者さんは、動けないから操体法が出来なくなるのです。

そのため、操体法の手技で、皮膚を動かしたり、触れるだけの治療法が生み出されました。

事実、私の治療法として、患者さんの皮膚に触れるだけで治す時期が、4~5年ありました。

ただ、この手技は、患者さんの感性に左右されるため、その感性を感知する能力が試されます。

そのため、より確実な鍼灸を、現在は施術しています。

おっと~・・脇道にそれてしまいました。

ギックリ腰です・・腰が痛いから、腰に鍼を刺すようなことはしません。

Wさんの場合、ふくらはぎと、太ももの内側に飛び上がるほどの圧痛点があります。

原因は、この下半身の張りにあります。下半身の筋膜が、腰の筋膜を引っ張るため、腰の筋膜も、

それに負けじと綱引きをし、負けてしまい・・赤旗(痛み)を出すのです。

ふくらはぎの5ヶ所に、鍼を刺し10分ほど置きます。その後、お灸を3~10壮。

お灸は、なるべく圧痛点がなくなるまで時間をかけて行います。

これが、ポイントだと思います。

一度起き上がっていただき、腰の状態をチェック。

背筋を伸ばすことが出来るようになりました。

そのため、仰向けのポジションが可能となりました。クッションをうまく使い、無理のない位置を

確保します。

今度は、太ももの内側です。ここにも、飛び上がるほど痛いところがあります。12ヶ所に置鍼(10分)。

残った圧痛点にお灸を3~5壮しました。

「Wさん、ゆっくり起き上がって下さい。」

恐る恐る起き上がるWさん。

「あら~、楽です!」

キョトンとした表情で玄関をスタスタ出て行くWさんの姿が、今でも脳裏に焼きついています。

肩痛が15分で治った!

肩痛が15分で治った!

170cm足らずの身長ながら、三塁手で2番バッターのM君。
練習試合の応援に行くと、必ず2塁打を打って活躍しています。
そんなM君が、来院。

「先生、肩が痛いんです。肩の前側が痛くて・・特に、背中に手の
甲を回そうとすると、とても痛いです。」

「それから、ボールを投げた時にも痛みが走ります」

と、深刻そうな表情です。センスがいい選手は、ボールを投げる瞬間、
中指と人差し指でスナップを効かせて、回転のキレイなボールを投げます。また、ボールをしっかり握らなくてはならないので、小指側に力が入ります。

ここからは、東洋医学的な見方をします。
気というエネルギーが通る流れが、カラダに14本あります。
ボールを投げるとき、中指、人差し指、小指が大事ですが、これらの指と気の流れを調べて見ます。

写真(正面)のミドリの流れは、胸から出て肩の前側を通り中指まで。

ムラサキの流れは、人差し指から肩の真ん中を通って、鼻まで。
このムラサキの流れは、薄ムラサキの流れと合流します。ですからムラサキと薄ムラサキは表裏一体だと考えてください。薄ムラサキは、肩の
前側を通ります。

つまり、中指と人差し指は、痛めている肩の前側と関係あると考えられます。
そこで、親指と人差し指の間にある合谷(ごうこく)というツボに
お灸を7壮しました。

写真(後面)のキイロの流れは、小指から肩甲骨を経て耳まで。
よく使う小指と関係のある肩甲骨の圧痛点を見つけ、3ヶ所にそれぞれ
お灸を5~7壮しました。

すると、

「先生、痛くない!」

嬉しそうに肩をぐるぐる回すM君。
わずか15分の施術でした。

後にも先にも、こんなに早く治った背術はM君だけです。

肘痛の治療例

2ヶ月前、右肘内側側副靭帯を部分断裂した大学野球部キャッチャー、D君としましょう。
このD君、2回の治療で練習を再開できました。

ベッドに仰向けになってもらうと、やけに右胸が出っぱっています。右膝、右手首もベッドから浮き上がって緊張しています。
また、右足が左足より10mm程長い。

大きなミットで速いボールを受けようとすると、どうしても重心を右に移して構えます。そのため、骨盤が右下がりとなり、右足が長くなるようです。

「チョット痛いかもしれないけど、ガマンしてくださいね〜〜」

と、親指で右胸の筋膜はがし。

痛いけれども、どこか心地良さがあるようだと、自然とカラダは動いて、その歪みを取るようです。

D君は柔らかい筋肉をしているせいか、これだけで足の長さが、整いました。

たまに、このような事があります(*゚∀゚*)

ついでに、足裏と肩甲骨の筋膜はがし。これで、血流が良くなるようです。次に、右肘内側側副靭帯(ケガしたところ)の対角にある、左膝外側側副靭帯に目をつけます。

カラダって、面白いもので、例えば右足の外踝(そとくるぶし)をねんざすると、必ず、左手首の外側のでっぱり(尺骨頭といいます)の対となる箇所に、同じ痛みが生じます(*゚∀゚*)

なぜかというと、突発的にカラダが負荷を受けると、それを弱める為に、カラダの反対側に散らすからです。
考えてみると、極々自然な現象。

ですから、負荷の掛かった反対側を治療すると、負荷が掛かったところも、治るという事が起こるのです。

今回は、右肘内側側副靭帯の圧痛点と対応する左膝外側側副靭帯の圧痛点に鍼。

そして、肩甲骨の圧痛点に鍼(天城流湯治法)。

その10日後、D君来院。
前回に比べ、はるかに良くなっており、表情が明るい。

前回と同様に、右肘の反対側の圧痛点にお灸と鍼。

これですっかり良くなりました。

若いカラダの自然治癒力、生命力のお陰です〜素晴らしい!