ほぼYNSA(山元式新頭鍼療法)

昨年7月から1ヶ月に3~4回のペースで来院の50才代女性Aさんの続報。

病院では、変形性股関節症(右の骨が数ミリ削れている)と診断されました。やはり、まだ右股関節の外側からふくらはぎの下まで痛みがあるそうです。

今回は、山元式新頭鍼療法(YNSA)で治療します。

Aさんのように右下肢全体に痛みを感じる場合、右耳中央部の後ろから頭のてっぺんにかけての圧痛点を探します。

6箇所見つけ出して斜め刺します。同じ様に左側頭部の圧痛点を探しますが・・・

見つかりませんでした。

「へっえ~~、こんなことあるの⁉️」

チョットびっくりしました。

あとは、フォークソングを聴きながらゆっくり40分休んでもらいます。

『今日は、腹診で足に鍼を刺した以外は、全て頭に刺したので・・・どうなるのかな~~』

『考えてみれば、「ほぼYNSA治療」って初めて❣️』

「Aさん、起きてみてください。足の状態はどうですか?」

「・・・んん、あれっ・・・足全体は痛くない。横の奥にあるだけです❣️」

肩と背中の張りが緩んでいます。

Aさんに赤ボールペンで痛いところを描いてもらった右下肢の部位が、緑ボールペンの部位に減少していました(カルテをコピーしました)。

頭は開拓の余地がいっぱいあるようです。

カラダにお任せ

午前中、キャンセルがあったため、畳部屋でゴロゴロ。

クスノキの瘤(こぶ)に頭、背中、ふくらはぎ、太もも、足首を置いて揺(ゆ)すると、効きます。クスノキがシナモンと同類のため、10分ほどでカラダがカ~~ッと熱くなる感じです。クスノキから抽出された樟脳(しょうのう)がカンフルと言われるのが良くわかります。

午後からは、スキー大好き60才代男性患者Aさん。

前回までは、私が方針を立てその中にクスノキの瘤(こぶ)治療を加えていました。

しかし今回は、Aさんのカラダにお任せすることにしました。

過去2回、Aさんはクスノキを十分体感しました。しかし最も大きな瘤(こぶ)をメインでつかうことはありませんでした。そこで、大きな瘤(こぶ)をAさんの背中の下に敷くというやや大胆なことをしてみました。

午前中、大きな瘤(こぶ)の上でゴロゴロし、効果を実感。また、感覚、運動神経が鋭いAさんのカラダなら勝手に反応するだろうと思ったからです。

「先生、背中が気持ちいい~~❣️」

「カカトにとんがったのが欲しい❣️」

「背中が暖まってきて、腕の重さで指、手、腕が引っ張られてる~~」

「音楽のリズム(ボサノバ)に任せて、素直に動いていると・・・なんだ、どうなってんだ・・・ああ、これは効く~~ああ~~~、❣️」

「クスノキの感触って、やわかた(柔らかいけど、硬い。硬いけど柔らかい)で、いいんだよね~~。ハマりますね~~このまま(の状態)でいたい❣️」

色々、喋ってくれます。

私はというと、強烈な睡魔に襲われ、踏ん張るのに精一杯。前回もやはり、強烈な睡魔を感じたのですが、何かあるのでしょう。よくわかりませんが・・・

追伸:Aさんの手のしびれがなくなりました。

新頭鍼療法(YNSA)の進化形

くつ下が履(は)けなかった50才代女性患者Bさんの続報の続報

くつ下はもう履(は)けるようになり、左股関節は余りに気になりません。

「先生、今日は肩から首にかけてパンパンなんです❣️」

「あらら、ほんとだ!これは、しんどいでしょ~」

ということで、ベッドに仰向けで寝ていただきます。いつもの様に腹診。

今回は、五臓全てに圧痛点、あるいはコリがあります。こんな時は、最も痛い箇所と2番目に痛いところを確認します。

①脾臓と②肝臓ということで、方針が立つのですが、チョット専門的になるので省略。

最近特に意識していることは、「一鍼入魂」というよりも・・・「一鍼入無」というか・・・Don’t think,feel it. ブルースリーの名言の様な感じです。

鍼を刺した後、目を瞑(つむ)り鍼を持った右手と鍼を支えている左手で「感じています」

何も感じない時もあれば、急に眠くなることも、ピリピリ感じることもあります。

感じることがあれば、患者さんのお腹は柔らかくなっているようです。

Bさんの場合、4~5本の刺入でお腹が柔らかくなりました。お腹が柔らかくなると、ウラ側にある腰も緩んできます。

頭痛持ちのBさん、今回は頭に鍼を刺すだけの山元式新頭鍼療法(YNSA)で治療することにしました。YNSAは今なお進化しています。そのため、今回はその進化形を活用します。

 Bさんは、感覚が鋭く素直なので、カラダの反応が素早く出ます。

「あ痛った‼️(中国式での刺入のため、痛みは伴います)・・・・鼻が通ってきました❣️」

「右耳の下から、唾液が・・・すごい出てます。梅干しを見た時みたいな、感じで出てきます❣️」

40分ほど頭に14本刺し置きました。

「は~い、ユックリ起きてくださ~い。」

「あっ、肩が軽くなっています❣️・・・頭が、冴えた感じです~~」

実際、肩から背中にかけて、ゆるゆるになっていました。

YNSAの進化形恐るべし。

「言葉は運命のハンドル」という操体(医師、橋下敬三先生の治療を含めた生き方)の教えがあります。いい言葉を使えばいい人生になり、悪い言葉を使えば悪い人生になる。

このことを、客観的に証明したのが、水の研究者、江本勝さんです。水に良い言葉つまり良い波動を与え凍らした結晶は、美しく、悪い波動を与え凍らした結晶は美しくない、という写真集「水からの伝言」を出版されました。

人のカラダも60~70%は水。自ら喋る言葉がカラダの水に最も影響します。いい言葉の波動はもちろんのこと、良い文字の波動も水に影響を与え、美しい結晶を作ります。これは確か「水からの伝言 2」に掲載されていたと思います。

私は、2004年スペイン、マジョルカ島のジョアン・ミロ美術館で滞在芸術家として2ヶ月、子供達にワークショップを行いました。この時、ご飯を入れたビンAには、「グラシアス(ありがとう)」ご飯を入れたビンBには「トント(ばか)」と2週間子供達に言ってもらいました。その結果、ビンA、ビンBともに、同じようにカビました。

「なんじゃ~~、変わりない!おんなじじゃ!」

と、ガッカリ。しかし、もしかして・・・と思い、子供達に目を瞑(つむ)ってもらい、ビンAとビンBの匂いを比べてもらいました。すると、

「ビンBはひどい匂い、でもビンAは、全然ちがう香ばしい❣️」

という驚きの答えが返ってきました。実際、私もその違いに驚きました。

改めて、美しい波動の凄さを感じたのです。

書道家の患者さんから、「夢」という素晴らしい作品をいただき、待合室の壁に掛けました。この書が放つ柔らかい響きが心地よく、この空間のヘソが出来ました。

60才を過ぎた私ですが、「夢」をまだまだ追いかけます❣️

「Come on!」大坂なおみ選手の拳(こぶし)

日本国籍の大坂なおみ選手が、全豪オープンで決勝に進出し、世界ランキングも1位になる勢いです。恥ずかしがり屋の大坂選手のインタビューが自然体で、ほんわかしているので、いつも楽しみにしています。インターネットで、下記のエピソードを見つけました。

全豪オープン大会前の会見で大坂選手は「今の私の最大の目標は“大人になること”。今の自分は、3歳児のようなものの考え方だから。実は一冊のノートがあるの。毎晩、寝る前にノートにみんなに披露するジョークを書き留めている」と発言。記者からどんなジョークを書いているのか聞かれると、「今のもジョークよ!」と会場を盛り上げた。

粋(いき)な話ですね。

このお茶目な自然体が、独特の雰囲気を生み出しています。

試合中でも、この自然体を感じる時があります。それが、納得したプレーの時に出るガッツポーズ

「Come on !」

の拳(こぶし)です。よく見ると、常に親指がまっすぐでそれ以外の指が曲がっています。大坂選手にとって最大の握り拳(こぶし)に、親指を使っていません。

これは、カラダの自然法則(身体運動の法則における身体安定の法則=足は親指、手は小指)が身に付いている証拠です。

もし親指を最大限に曲げたガッツポーズをとると、カラダが緊張します。

無意識のうちにそのことが分かっている大坂選手は、やはり只者(ただもの)ではありません。

こういう人を天才と呼ぶのでしょう

白鵬の蹲踞(そんきょ)

白鵬の蹲踞(そんきょ)

初場所12日目の結びの一番は、2敗の玉鷲と1敗の横綱白鵬の大一番。

通算成績13勝0敗の白鵬絶対的有利の下馬表にもかかわらず、玉鷲が勝ってしまいました。

これは、全く予想外でした。

この予想外の説明をいたします。

大相撲では、塩をまき土俵を清め、お互いが呼吸を合わせて、蹲踞(そんきょ)し、仕切り線に両手を突き、見合います。この動作を何度か繰り返すことを仕切りなおしといい、時間が来ると、やっと立ち合いとなり、相撲が始まります。

この時の姿勢、所作がもっとも美しいのは白鵬。

玉鷲と白鵬が蹲踞(そんきょ)している姿を見比べていただくと、一目瞭然です。

玉鷲は膝に手のひらを付けていますが、白鵬は手の甲を付けています。

この差は、天と地ほどの違いです。玉鷲のように手のひらを膝に置くと、親指に重心がかかる傾向となり、脇が空きます。ところが、白鵬のように手の甲を置くと、小指に重心がかかる傾向となり、脇が締まります。

仏様の手のひらは、白鵬のように上を向いています。リラックスした、カラダが「ほどける」状態となり、「ほどける」→「ほとけ」となります。

次に、玉鷲と白鵬の足底の土俵に対する角度の違いを見てください。共に、カラダの軸は母趾球に乗ってはいますが、足底の角度が違うため、親趾(おやゆび)をはじめとする趾先(ゆびさき)にかかる体重が違います。つまり、白鵬の足の方が土俵を力強く噛みしめているのです。

そのため、立会いの瞬間、両者の姿勢が全く違います。

相撲は立会いでほぼ決まります。この時点で、白鵬の勝ちなのですが、何が起こるか分からないのが相撲・・・・・ということでした。

頭への鍼の最も効いた例

60才代男性患者Cさん、去年の9月に来院されました。

Cさんは、若い頃から陸上競技の選手として活躍され、いまでも週2回のトレーニングを欠かせません。若々しい体躯(たいく)は、まるで、40才代。シニアの大会でも記録を持っておられます。

20才代に右膝半月板損傷し、40才代から慢性的右膝痛。

しかし、初診の目的は首痛。首が1年間も思うように回らず、やっと1ヶ月前から回る様になったのですが、やはり、痛みがあるそうです。

そこで、首痛に関する治療を施(ほどこ)し、最後に、右膝痛の治療として14cmのステック(ダイオード鍼)で、頭部正中線から約4~5cm右寄りの生え際より1cm上の圧痛点に押圧。

「痛っっっっった❣️」

ピンポイントだった様です。その結果、

「アレ?・・・先生、膝が痛くない❣️」

チョット、二人ともキツネにつままれたような感じで終了。

それから、2ヶ月間Cさんから連絡が無かったので、心配ではあったのですが・・・

去年の11月にCさん、再来院。

「先生、かかりつけの医者に、『30年間治らなかたったのが、1回の治療で治りました。』って、言ったんですよ。すると、『医学的に解明できないことでも、現実にこういうことは、あります。』と言われたんです。先生、あれ以来痛くないんです❣️」

私は、一瞬

『何のこと⁉️・・・』っとボーっとしていると、

「膝です。膝が痛くないんです❣️」

患者さんには、申し訳ないのですが、私の場合、前回のカルテをしっかり読んでいないと、治療内容を覚えていないことが多いのです。読んでいくうちに記憶がよみがえってきます。そのため、カルテ書きが、非常に大切な作業となります。

今回は、その膝に多少の痛みが出始めたのと、左腕全体がしびれるので来院。

あれこれ治療している途中、

「先生、私の場合、頭に鍼を刺すのが合ってるみたい。」

と、Cさんから提案がありました。Cさんのカラダが欲しているのだから、それが一番。

「そうしましょう!」

そこで、シンプルに右膝と、両腕狙いの3本を頭に刺しました。20分経って、チェックです。

「先生、右膝は痛くない。左腕は、鍼を刺している間は、しびれてないのに、抜くと、スーとしびれてきます❣️」

「へえ~~じゃあ、原因がはっきりしてますね!もう一回、今度は左腕用に1本、鍼を刺しましょう!」

Cさんの頭に1本だけ刺し30分ゆっくりしてもらいます。30分経ったので、

「Cさん、起きみてください・・・・いかがですか?」

「ん、しびれていませんね~~」

さて、今度はいつまで持つかわかりません。Cさんからの連絡を待つことにして、予約しないで帰られました。

丸選手の打撃練習が凄い❣️

先日のスポーツ番組で、巨人軍に移籍した丸選手のバッティング練習の紹介がありました。

これは、本当に素晴らしい。もし、この練習を若手の選手が取り入れると、巨人の打撃は必ず底上げ出来ると思います。

私は、アンチ巨人で特に好きなチームがあるわけではありません。ところが、この番組で丸選手のファンになったような気がします。

丸選手がやっているのは、シンプルでバリエーションが豊富。

シンプルというのは、ボールとバットが当たる瞬間の角度が90度、その時のバットとバットを握っている腕との角度が90度という事。

この角度を作らないとボールはを強く叩けません。これは、剣道の素振りと同じ。

世界のホームラン王、王貞治選手が、日本刀で丸めたゴザを切る練習をしたのは有名な話です。この真髄が、丸選手のシンプルな練習です。

日本刀で丸めたゴザを切る為には、その瞬間、腕と日本刀が90度のアングルを作ります。そのためには、脇をしめなくてなりません。しかも、素早い最短距離で無ければゴザは切れません。

素早く脇をしめるためには、小指を使わなくてはなりません。

操体法では、身体運動の法則というカラダの動かし方のルールを説(と)いています。そして、これを「重心移動の法則」と「重心安定の法則」に分類します。

「重心移動の法則」を言葉で説明すると紙面を割(さ)きますので、今回は省略。

「重心安定の法則」は、足は親指、手は小指という簡単なルールです。

しかしながら、こんな簡単なルールを多く人々は知りません。

スマホでは、親指ばかりを使ってカラダを壊しています。「手は小指」なのです。

「手は小指」に関しては、いずれしっかりと説明します。話を丸選手に戻しましょう。

丸選手は、「手は小指」とは言ってませんが、「脇を締める」と常に言っています。「脇を締める」ためには、小指を意識し、力を入れなければなりません。これが「手は小指」という所以(ゆえん)です。

バットにボールが当たる瞬間は、脇を締めてそれぞれ90度の角度を作るには、「手は小指」です。

丸選手は、このシンプルな瞬間を、様々な状況(高低内外)設定して練習しています。また、右片手打ち、左片手打ち、左右握り逆さま打ち(左バッターの丸選手が、右拳を上、左拳を下にして打っています・・・これには、驚きました‼️)。これが、バリエーションです。

今シーズンの丸選手、注目しています。

くつ下が履(は)けなかった50才代女性の続報

くつ下が履(は)けなかった50才代女性患者Bさんの続報

前回の治療では、左の股関節が痛くて、くつ下が履(は)けなかったのが履けるようになりました。今回もやはり気になるのは、左股関節。痛みの範囲が狭まっていますが、股関節の外側に痛みがあります。

カラダはある箇所に負荷がかかると、対角に位置する箇所に負荷を散らします。そこで、左股関節の対角に位置する右肩関節の圧痛点を探す事にしました。すると、

「痛った❣️・・・もの凄く痛いです。」

「私が19才のとき、バイクに乗ってて車と衝突。随分飛ばされて、右肩から落ちて1ヶ月入院しました。あの時の後遺症はあると思います。」

どうやら、その時の古傷が左股関節にも影響しているようです。まずは、 右脇の圧痛点に指を軽く触れて様子を探ります。この治療法はカラダが様々な現象を起こして(例えば、ある箇所が軽くなったり、熱くなったり、痛くなったり、光がみえたり・・・)治ることがよくあります。

「私は、18才の時にも交通事故に会ったことがあります・・・」

突然、Bさんはその時の超常現象について、話してくれました。皮膚への軽い刺激は過去の記憶を蘇らせることも多いのです。

今度は、右母指球。丁寧に探ると、

「痛った❣️そこ、めっちゃ痛いです。痛った❣️」

これほど痛みを感じるならば、直接鍼を刺すのがベストです。4カ所にしっかり刺しました。今度は、肩の筋肉(三角筋前部繊維といいます)に鍼を刺します。

「先生、それさっきの親指にピリピリ来てます❣️凄い来てます❣️」

右親指から右肩そして、左股関節までがつながって影響しているようです。

「はい、それではゆっくり起き左の股関節をチェックしてください。」

「あぐらがスムーズにかける❣️痛みの箇所が1/3くらいになっています。」

一週間後に来院の予約をして帰られました。

自主性が大切

スキー大好きな60才代の男性患者Aさん。先週スキーでお疲れ。そこで朝、温泉に入ってからの来院。

スキーを履(は)く時、前屈(まえかが)みすると、右股関節がつる時があったそうです。しかし、温泉のジェットバブルが功を奏したのか、股関節は大丈夫。ただ右のお尻(坐骨あたり)に、痛みが現れたそうです。

ボ~っとAさんを見ていると、何となく左胸が気になりました。こういう時は、その感覚に従うことも大切です。気になるところを押すと、

「痛っった❣️痛い、先生そこ。」

そこで、軽く中指を痛い部分に触れることにしました。10~15分経ったので、改めて押さえると、痛さが半減しているようです。今度は、お灸をその周辺に3カ所しました。

ベッドを起き上がると、

「先生、左の小指あたりが気になるんじゃけど・・・」

軽く押圧すると、

「先生、左の股関節に響く❣️」

敏感なAさんは、様々な箇所に響きが伝わるようです。

「ところで、Aさんお尻の痛みは?」

「・・・うん?・・・チョット歩いてみます・・・・アレ?痛くない。先生、痛くないです❣️」

「何が効いたのかな~~多分、お灸じゃないのかな~~。Aさん、今日はこのぐらいにしておきましょう。後は、ご自分でメンテナンス。」

「学校教育と同じで、全部教えるんじゃなくて、あとは自主性に任せるってこと、これが大事なんです。」

最後は、Aさんから教訓をいただきました。