僧帽筋

左肩痛は、気をつけて

80才代の女性患者Bさん、肩が痛くてたまらないので、訪問治療に行きました。話を聞くと、心臓の冠動脈に血栓が出来、薬を毎日飲んでいるそうです。しかも、左肩が痛いとなれば、まず狭心症を疑います。そこで、Bさんの息子さんに医者に診てもらうよう勧め、治療を始めました。その日は、C点という正中線から4~5cmの生え際に、3本置鍼したのが効き、肩の痛みが無くなりました。それから5日後、息子さんの運転する車で来院されました。

「先生、病院では高血圧じゃ言われた・・・大丈夫じゃった。」

一安心です。今考えると、C点の肩に対応する個所に置鍼し、肩痛が無くなった時

点で、肩に問題があり、心臓ではないと理解すべきだったのかもしれません。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診、首診をしたうえで、頭に置鍼をしました。

内訳は、右胸椎5本、右脳幹2本、左頸椎2本、左肩4本、左小腸、左三焦(さんしょうー消化器系)、左大腸にそれぞれ1本。

Bさんは、2カ月前激しい嘔吐、下痢、血便があり13kg痩せました。この状態が左の僧帽筋に現れていたのです。首診で、小腸、大腸、三焦は僧帽筋に位置しています。置鍼する個所は、こめかみ辺りです。この置鍼3本で、僧帽筋がゆるみました。

改めて、山元式新頭鍼療法(YNSA)の凄さを感じたのです。

肩甲骨がポイント

2年前から首、肩こり、五十肩となり、頸椎症と診断された50才代の男性患者Aさん。2カ月前から、1週間に1度、通院されています。Aさんのカルテを見てみると、最初の1カ月とその後の1カ月とでは、治療方針が変わり、Aさんの状態も変化しました。

Aさんは、特に右腕の挙上時、右肩に痛みがあります。最初の1カ月は右臀部に置鍼をする治療。結果は、2~3日は調子が良いのですが、その後元に戻る状態でした。そこで、肩甲骨に置鍼、灸治療。これを境にAさんの右肩に変化が生まれてきました。

「何か、嬉しなってきたわ・・・肩を気にせんようになってきたんよ。」

今回の治療は、山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭に12本置鍼。その後は、左右の肩甲骨の圧痛点に鍼を刺して抜くこと10分間。かなりゆるみました。

どうやら、肩甲骨がポイントのようです。

手術はしない方がいい

「先生、これ見て!」

いきなり金具とネジを見せてくれるのは、60才代の女性患者Bさん。Bさんは、左脚にO脚矯正の為の手術を1年前にし、10日前に1年間左脚(脛骨=けいこつ)を支えていた金具とネジを取り出す手術をしたばかりです。

「こんなんが、入っとったん?・・・ビックリじゃわ・・・」

「ほじゃけど、思ったより軽かったわい。」

それで、金具を持ってみたのですが、私には重く感じました。こんな異物をよくまあ、カラダが受け入れていたものだ・・・と、カラダの忍耐力に感心しました。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者、山元敏勝先生が若い頃は、外科手術をされておられました。その先生が、

「手術はしない方がいい。」

と、セミナーでは、しょっちゅうおっしゃっています。

山元先生は、患者さんのカラダに神を見ておられるのだと思います。神を冒瀆することは、やめましょう。とおっしゃっているのだと思います。

私も、患者さんのカラダから、神を感じるようになりたいと思っています。

(この写真を掲載するのはBさんの許可を得ています。)

もっと早く首診が出来ていたら・・・

「先生、今日調子が良くて、頭が痛くないんですよ!だから、今回はキャンセルしていいですか?」

3年前から頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんから連絡があったのは、先週のことです。そして、本日の治療となりました。

「Cさん、体調いかがですか?」

「先生、それが体調いいんです・・・頭痛を忘れている時が多かったんです。でも、昨日から後頭部と左アゴに痛みが出てきたんです・・・・」

「でも、良かったね~、ホントに良かった❗️・・・何が効いたと思う?」

「・・・・よく分からない・・」

「ボクもよく分からんのよ・・・・」

などと、会話をしながら、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋触診)、首診をしながら、頭に置鍼をしていきます。特に今回は首診で、左右の側頭部にしっかり置鍼をしました。前回の治療で初めて、首診をし、左側頭部(Y点)に置鍼したので、もしかすると、側頭部(Y点)の置鍼が効いたのかも知れません。

今回も、首診をした後、側頭部のY点(東洋医学の12経絡を表す12内臓点)に置鍼すると、一瞬で首のコリが取れることが多いのです。左側頭部に12本置鍼、右側頭部に6本置鍼することになりました。結果、Cさんの頭痛もなくなり、首が軽くなりました。

後は、肩甲骨に左右14カ所に鍼を刺して抜きます。これで、Cさんの肩もずいぶん楽になりました。施術の最中、Y点の12内臓点の結果の凄さを痛感していました・・・もっと、早く首診が出来ていたら、Cさんがもっと早く治っていたのでは・・・・と、申し訳ない思いでした。

もっと、謙虚に勉強します。

草刈りするぞ!


京都から戻りました

高速夜行バスで、松山に着いたのは5時50分ころ、まだバスが動いてないので、タクシーで「あじさいの杜鍼灸院」に向かい、松山での治療を9時から開始。

草刈りを一日中したため、腰痛となった50才代男性Aさんの症例を紹介します。

2年前から頸椎症といわれ、首肩の調子も良くありません。

「今年最後の草刈りじゃけん、ついつい頑張ってしもうたわい。」

「ありゃ~、それは大変じゃ・・・・そしたら、診させてもらいます。」

いつものように、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)をし、頭に置鍼をしていきます。腰痛のはずですが、腰には反応がありません。頸椎と胸椎に反応があるので、それに対応する箇所に置鍼します。すると、徐々に首が楽になっていくのが分かります。

私は山元式新頭鍼療法のセミナー中級を修了しただけです。それでも、初級には無かった首診を使うことができます。首の圧痛点を探り、それに対応する側頭部に置鍼すると、首の圧痛点がなくなっていきます。結果、首が軽くなりました。

「あっ・・・・これは、楽じゃ!首がよう動くようになったわい。」

「それは、良かった!そしたら、これから肩甲骨を診ようわい・・・肩甲骨と腰は繋がっとるけん、肩甲骨を丁寧に診たら腰がゆるむし、首もゆるむんよ❗️」

右肩甲骨の圧痛点を丁寧に診ながら、鉛筆で印をつけていきます。10カ所以上見つけ、鍼を刺して抜いていきます。

「Aさん、これで腰はどうですか?」

「あれ!・・・すっかりええがね~・・・嘘みたいじゃ❗️」

「そしたら、もう一回ベッドでうつ伏せになって下さい・・・この石(陶器の丸石)で肩甲骨をマッサージしようわい・・・・」

これは、気持ちが良いので最後の施術としては、最適だと思います。

「あ~あ、これで明日から、草刈りするぞ‼️」

「え・・・あんまり、無理せんといて下さいね~」

ちょっと心配・・・・・です。

山元敏勝先生の凄さ!

13カ月ぶりに来院のAさん

営業の仕事で車移動が多い40才代男性患者Aさん、13カ月ぶりの来院です。

「忙しくて、なかなか来ることが出来んで・・・・やっと、時間とれて来ました。もう1~2カ月前から、右の踵(かかと)が痛うて、痛うて・・・・歩くのが、辛いんです。」

「それは、大変ですね・・えっと・・・前と違って、今は頭に鍼を刺す治療をしているのですが・・・それで、いいですか?」

「はい、お任せします。」

了解を得たので、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)4本置鍼。Aさんに1本の置鍼で、上腕がゆるんでいくのを確認してもらいます。次に、足ウラをねらって後頭部に1本置鍼。

「Aさん、これで右の踵(かかと)どうですか?」

「・・・・・・・???・・痛く・・ない?」

今までの治療と全く違う上に、1本の置鍼で、1~2カ月前から痛かった踵(かかと)が良くなってしまうと、キツネにつままれた感覚になってしまいます。

現実を受け止めるには・・・もう1本置鍼して、確かめてもらう事にしました。

「もう1本同じところに鍼を刺しますね・・・・どうですか?」

「・・・・痛くないですね!」

どうやら納得してもらったようです。これで、治療を終えても良かったのですが、色々世間話をしているうちに、Aさんは腎臓が悪いという事に気がつきました。

「そうしたら、ここ痛くないですか?」

「痛った‼️」

左の鎖骨の上に腎臓の診断点があります、そこを軽く押すだけで、Aさんは悲鳴。そこで、側頭部にある腎臓のポイントに置鍼をし、再び痛かった診断点を押圧します。

「どうですか?」

「あれっ、柔らかくなってる。」

今度は、右の鎖骨上の腎臓診断点を、軽く押圧します。

「どうですか?」

「あんまり、痛くないですね~」

「左とずいぶん違いますね!」

「先生、これって右の腎臓になるんですか・・・右の腎臓は正常なんです‼️」

この言葉を聞いて、山元敏勝先生の凄さを改めて感じました。なんで先生はこの法則が分かったのだろう・・・・本当に凄いです。ただただ、尊敬いたします。

足ウラは後頭部で治す

7年前に、大腿骨を骨折しボルトが3本入っている70才代女性患者Aさんの続報です。Aさん、来院されるや否や、

「先生、足のシビレが全然ないなった!ようなりよる。」

初診の問診では、臀部から足までのシビレだったのですが、最初の治療で足首から足底までのシビレになって、2回目でシビレは取れたようです。ただ、朝起きた時、腰が痛く熱を持つ時もあるそうです。それは、しばらくすると治ります。

2回目の前回では、足先の感覚が無かったのですが、それが戻ってきています。しかし、まだ完全ではありません。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)上腕診(肘内側の横紋の触診)で、頭に6本置鍼。最後に足ウラねらいで、後頭部に2本置鍼します。

「先生、顔が熱うなってきた・・・・カラダもポカポカしてきた。」

「反応が早いね~~、びっくりじゃ‼️」

その後、前回同様に、指先を1寸(長さ3cm)5番鍼(直径0.25mm)で指先に「ツンツン鍼」をします。

「先生、今日は痛ない・・・・気持ちがええ・・・・・何か、眠ならい(眠くなります)。」

「えっ・・・ホント!変わるもんじゃね~~、前回はあんなに痛がっとったのに。」

「先生、今度は腰が熱うなってきたわい・・・・・腰が治りそうな気がする。」

「う~ん、そうじゃね~治らい(治るよ)。」

眠くなったAさんには、ベッドで眠ってもらうことにします。20分ほど眠ってもらいカラダをチェック。受付の台を持って爪先立ちが何回もできます。杖なしでスタスタと歩けます。

「先生、爪先の感覚はあるし、シビレもない。」

パイオネックス(円皮鍼)を耳ウラと手の甲に貼って終了としました。

 

 

ツンツン鍼2

ツンツン鍼2

7年前に、大腿骨を骨折しボルトが3本入っている70才代女性患者Aさん、昨日ブロック注射をしたところです。今、一番気になっているのが、両足先に感覚がないこと。感覚がないため、歩行時転ぶ可能性があり、怖いそうです。そのため、室内でも杖をついて歩いています。

今回は、2回目の治療。前回の治療では、両足先の感覚が戻ったのですが、翌朝には元に戻り、感覚がなくなったそうです。それでも、感覚を取り戻した体験があるので、元気よく来院されました。合谷診(人差し指と親指の間の触診)の後、左A点(オデコの生え際)に置鍼をすると、

「先生、足先に来た❗️」

「えっ・・・もう来た?」

「来た・・・両方の足先❗️」

左A点は、頸椎をねらっているのですが、たった1本の置鍼で足先に反応があるとは、驚きです。理由はよく分かりませんが、頸椎に変化があると、当然つながっている腰椎、胸椎などにも変化があるはずです。A点には、合計3本、Iソマトトープ(小さな人型)の耳ウラに2本、後頭部にあるKソマトトープの足ウラに4本置鍼しました。

「先生、膝から下にドーンと来とる・・・感覚(足先の)あるし、力をいれることができらい。」

しばらく経って、

「先生、これ見て❗️爪先立ちが出来る‼️」

受け付けの台に左手を置き、しっかりと爪先立ちを何度もするAさん、大変嬉しそうです。頭鍼だけでかなり効果が出ています。今度は、足ウラに対応する左右手のひらに一番細い鍼を刺して抜きます。続いて「ツンツン鍼」を左手にします。「ツンツン鍼」とは、1寸5番鍼(長さ3cm直径0.25mm)で、行う強刺激の散鍼。

「先生、これ効く‼️・・・凄い・・・両方の足先にジンジンジンジン・・・もの凄い‼️」

「先生、痛いほど効く・・・痛い‼️けど、効く・・・」

前回は、1日しか保たなかったので、今回は、左手の指関節にパイオネックス(円皮鍼)を合計8ケ貼り終了としました。Aさんは、3日後に来院予定です。

ツンツン鍼

ツンツン鍼

1年半前から、通院の50才代女性患者Aさん。19才の時、交通事故で1か月入院し、体調不良でメニエール病、腰痛、膝痛等に悩んいました。当初は、週に2回の通院。それから、週に1回、2週間に1回となっていき、今では1か月に1回、体調管理で通院されています。

今回の主訴は、肩こり。

東京で、山元式新頭鍼療法(YNSA)中級2セミナーを受け、頭に刺す鍼の威力をしっかり体感しました。そのため、患者さんの表情で、その効き目をある程度リアルに感じるようになりました。以前、Aさんは1本の置鍼で、くしゃみと目の充血、流涙の反応が1度に起こった事がありました。今回はどうでしょう?

合谷診(人差し指と親指の間の触診)で、脳幹と頸椎対応で6本置鍼。途中で、鼻と目に反応が出てきたので、オデコにある感覚点(目、鼻)にそれぞれ置鍼。

さて、これからC点の肩(正中線から4.5cm外で生え際のやや上)ねらいで、置鍼をしていきます。左親指の爪を立て、

「こことこっちは、どっちが痛いですか?」

「あっ、そこです・・・」

Aさんの感覚に寄り添って置鍼をしていきます。しばらく経って、

「先生、肩が熱くなってきました・・・手も、ほらっ・・・・こんなに熱いでしょう?」

「あらっ、ホントだ・・・・熱い!」

今回は、肩から指先に効いているようです。左右に2本ずつ合計4本置鍼。

次に肩甲骨⇄腸骨という関係より、肩甲骨のコリをお尻(大臀筋、中臀筋、小臀筋)に鍼を刺してゆるめます。手首の圧痛点にも鍼を刺して抜いていき、最後は、1寸5番鍼(長さ30mm直径0.25mm)で、足の親指をツンツンと刺します。

「先生、今の効いてます・・・肩が軽いです❣️」

足先の鍼を、「ツンツン鍼」と呼んで首、肩こりに使おうと思います。

正三角形

正三角形

遺書を、書いた安堵で、長生きし

居れば邪魔、出かけりゃ事故かと、気をもたせ

この動悸、昔は恋で、今 病(やまい)

などの川柳を教えてくれる80才代の女性患者Bさん。2年前、右膝に人工関節の手術をしましたが、今回、気になるのが前腕の痛み。それと、腰痛(腰椎4番、5番あたりの1面)です。

親戚から、釣ったスズキとアジ28匹をもらい、重い包丁で調理。その上、アイロン掛けの仕事を1時間したため、前腕(特に右)が痛みます。昨日は、痛くて仕方がないので押圧し過ぎ、3カ所ほどアザができています。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)で基本点に置鍼。これで、腰痛は腰椎5番あたりの1点。その後、右前腕をねらいC点の前腕(オデコの生え際正中線から右に4.5cmあたり)に、3本置鍼。

「先生、右腕ずいぶん楽❗️やわらかい・・・どうして?」

「そういう法則があるんですよ。」

ついでに、左前腕も同じように左のオデコに置鍼します。これで、前腕の痛みは8割なくなったようです。

「Bさん、まだ右腕痛いところ、あるでしょう・・・そこ、探して、鉛筆で印つけますね~」

すると、3点の綺麗な正三角形ができました。それと同じ圧痛点の正三角形が膝の下にもあるはずです。丁寧に見つけていくと、相似形の正三角形がありました。そこに寸6(50mmの長さ)3番鍼(直径0.2mm)を3本置鍼。

「先生、びっくり‼️痛くない・・・・どうして❓」

「Bさん、肘を膝で治すという法則があるんですよ!」

後は、大好きなフォークソングを聴きながらゆっくりしてもらいます。いつも新鮮な驚きを持っているBさんは、とても素敵です❣️