絵を描いた女の子

絵を描いた小学6年生の女の子Aちゃん、今日は治療です。

1月半ばまでは、元気に普通の生活を送っていたのに、1月20日頃から朝起きて、調子が悪くなり、車酔いも激しく起立性調節障害と診断されました。思春期前後の小児に多くみられる自律神経の機能失調です。

Aちゃんのお母様は、操体法にも興味があるので、操体法の治療から始めます。今回はその内容を省略しますが、3種類の動きの操法を行い、Aちゃんに、お家でもやってもらうように指導しました。お母様にも覚えていただき、親子で楽しんでもらいたいのです。操体法はカラダの歪みを気持ちよく取る療法で、自力で治療できます。

Aちゃんは、鍼が嫌いなので指を鍼代わりとする手技をおこないます。施術前の合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診が、指の手技後で変化し、圧痛点が少なくなれば、鍼に代行出来る治療と言えます。結論からいいますと、下記の通り鍼ほどではありませんが、ある程度の結果は出ました。

施術前              施術後

合谷診:左             合谷診:どちらも圧痛点なし

上腕診:左大脳           上腕診:左なし

:右頸椎、腰椎、小脳        :右腰椎

首診:左腎、膀胱、心、大腸、三焦  首診:左腎、膀胱、三焦

:右腎、膀胱、大腸、三焦      :右大腸、三焦

私がなぜ、どこに指を置いたか・・・説明しようとしましたが、私の文章力では、限界。

誰がいくら読んでも理解できないものになってしまいます。そこで、Aちゃんの頭に指を置いている間の会話を記(しる)しますので、想像してみてください。

「今、どんな感じ?」

「背中の下の方が、ジンジンしています。」

「今度は、どうですか?」

「お腹の上が何か変・・・・・・・・・抜けました。」

「今は、どうですか?」

「おへその辺りが痛いです。」

「今は、どうですか?」

「痛くなくなりました。」

となり、治療を終了。Aちゃんのカラダが素直なため、触れた頭の治療点にカラダが正直に反応しているのが良く分かりました。今後も続けていきます。

寝違えて首痛の高校生

2日前に寝違えてしまい、首を捻(ひね)っても、前に倒しても痛みが走る高校生A君。

15カ月ぶりの来院となります。

「今は頭に鍼を刺す治療法に変わったんよ・・・・それでもかまん?」

「・・・・えっ・・・いいです・・・」

ただでさえ大きい目のA君が、まん丸の目でポカ~ンとしています。やや不安そうな表情が見え隠れするので、

「あんね、この鍼はね・・・すごく効きがいいのよ。特に首じゃろ、首にはぴったりじゃわい。」

「はい!」

ちょっと安心するA君。それでは、いつもの様に合谷診(人差し指と親指の間の触診)から始めます。

合谷診:左(左側から治療します)

上腕診(肘内側の横紋の触診):左腰椎

:右頸椎

A君は、左腰椎に対応する左肘内側に圧痛点があります。それで、左耳前方の圧痛点を見つけ、1本置鍼。すると、左肘内側の圧痛点がなくなりました。これで、A君は納得したようです。次に右頸椎に対応する右肘横紋の外側圧痛点を、再確認して、オデコ中央部の生え際の圧痛点に3本置鍼。すると、右肘横紋の外側l圧痛点がなくなりました。これが基礎治療です。

「首・・・どう?」

「少し楽になりました。」

続いて、応用治療になります。首診をすると、

首診:左膀胱、肝、三焦

:右腎、膀胱、三焦

上記のようになりました。そこで、左側頭部膀胱に対応するところに1本置鍼。これで、首の膀胱に対応する圧痛点がなくなりました。続いて、左側頭部肝に対応するところに1本置鍼。やはり、首の肝に対応する圧痛点がなくなりました。そうすると、左三焦の圧痛点は、置鍼しなくても、なくなりました。

「これで、首はどう?」

「左は軽くなりました・・・でも、右に痛みがあります。」

右側頭部の腎に対応ところの圧痛点に1本置鍼。首の腎に対応する圧痛点がなくなりました。次は膀胱、やはり同じように、首の圧痛点がなくなりました。このように首の圧痛点がなくなってくると、痛みが絞られてくるようです。

「A君、どこへんが痛い?」

「ここです。」

もう痛みは首というよりも肩の部分になっていました。そこは、丁度残った三焦に対応する圧痛点です。側頭部の三焦に対応する圧痛点に1本置鍼。首(というか肩)の圧痛点がなくなりました。それでも、首、肩に圧痛点がまだ残っています。その圧痛点は、大腸と胃に対応するところにあります。それぞれに対応する右側頭部の圧痛点に1本ずつ置鍼。

「A君、首どう?」

「あっ、大丈夫っす。」

「もう一回、ゆっくり調べてみて・・・」

「・・・・・大丈夫っす❣️」

後は、30分Jポップを聴きながら休んでもらいました。首診のある山元式新頭鍼療法は寝違えに良く効くと実感しました。

左首痛が、突然右首痛に!

「先生、今日治療してもらえる時間ある?」

「え~とね・・・・21時半、9時半からじゃったら、大丈夫です。」

「そしたら、それでお願いします。」

本日の最終患者は、60才代の男性患者Cさん。Cさんは大変感覚が鋭く、様々なことを教えてくれます。本日は左半身に痛み。左首、左肩が特に痛いそうです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)では、左右ともに圧痛点があるそうです(こんな時は、左側からでも右側からでも鍼を打っていってもいいと思います)。

上腕診(肘内側の横紋の触診)で圧痛点がある個所。

左:頸椎、腰椎、脳幹、大脳、小脳

右:頸椎、胸椎、腰椎

まず左側から始めます。脳幹、大脳、小脳の順で、それぞれ1本の置鍼で、圧痛点がなくなりました。次に頸椎です。

「今、先生ポキッと音がして入ったわい。」

『・・・・?オレには、聞こえんかったけど・・・』

続いて左腰椎ですが、3本の置鍼が必要でした。これで、痛い左半身は終わり。

右頸椎。1本の置鍼で圧痛点がなくなりました。次に胸椎。2本で圧痛点がなくなりました。そのころ、しきりにCさんが右頸椎を押さえ始めます。

「先生・・・ワシは、元々右側を痛めとるんよ。左側の方が新しいんで、左側が治ったら、古傷の右が出始めたんじゃ・・・」

Cさんが押さえている個所が、丁度大腸の内臓点にあたるので、側頭部の大腸治療点に置鍼。すると、圧痛点が心の内蔵点に移りました。そこで、側頭部の心治療点に置鍼しましたが、まだ痛みがあります。そこで、Cさんに軽く口を開けてもらい、耳の前にある頸椎治療点に2本刺し、3本目を刺すと、

「ひゃーーー効いた!・・・じゃが、まだここが痛い・・先生、ここ押さえてみて。」

Cさんの指示した個所を押圧すると、

「先生、効く・・・・・先生が押すと、3本目に刺した鍼のところが痛なる・・・・これ、つながっとるな!」

押圧が効いたのか痛みが少なくなって来ました。しばらく、座っていたCさん、

「先生、右肩から指までジンジンして来た・・・・・ひどいな・・・今度は、背中の方に下りて来た・・・・3本目が効いとるなあ。」

「これで、先生もうええです。」

後は、Cさんにベッドで休んでもらうだけです。Cさんのカラダが治療の終了時間まで教えてくれます。私にとってCさんは先生です。ありがとうございます😊

スーッと立てた

90才の女性患者Bさん、特に悪いところはないのですが、歩行が困難でツエが必要です。また、イスにすわってから立ち上がるのが非常に難しく、時間もかかります。実際に、イスにすわって立ち上がってもらいましたが、太ももに手を置き時間をかけてやっと立ち上がることが出来ました。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、どんな患者さんでも、脳と頸椎、胸椎、腰椎を整える基礎治療から始めます。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左→左側から治療を始めます

上腕診:左頸椎、脳幹

:右頸椎

合谷診の進化系(合谷治療点を探す方法)で、合谷にある圧痛点を探し、左右とも腰椎にあることが分かりました。

合谷診の進化系:左腰椎

:右腰椎

それぞれに対応する個所に1本ずつの置鍼で、全ての圧痛点がなくなりました。

「Bさん、ここでイスから立ち上がってみて下さい。」

「・・・・あれ?立てた!」

あまりにもスムーズに立ち上がるBさんを見て、驚きました。次に、首診で12内臓点の圧痛点を探します。

首診:左小腸

:右腎、膀胱

やはり、それぞれに1本ずつの置鍼で、圧痛点がなくなりました。

「Bさん、もう一度立ってみて下さい、」

「・・・・スーッと立てた!」

最初よりもっとスムーズに立てました。今回は、膝や下肢を特にねらった訳ではありません。それなのに、こんなに効果があるとは驚き。Bさんは4日後に出張治療の予定です。今後の経過がたのしみです。

お絵描き教室

小学校6年生の女の子Aちゃんが、来院。

「途中しんどくなってしまい、治療出来なくなるかもしれません。」

娘さんの体調を気づかい、心配されたお母様の来院早々の一言です。その時点で、どの様な治療にするか全く白紙の状態になりました。とりあえず、カルテに氏名、住所などを書いてもらいます。

「ペンの持ち方が、しんどそうじゃね。そうやって、書きよったら、疲れろ?」

「はい。」

「あんね・・・ペンは、軽く持って、手首や肘を使ってこうやって書いたらええんよ。」

ペンを指だけ使って握り締めながら書いているAちゃんに、ボールペンでクルクルと曲線を引いて、ペンの握り方指導をしました。

「あんね・・・指だけ使って握りよったら、カラダも自然とうつむいて来て・・・・気分も自然と落ち込んで来るんよ。」

「気分良くなろうと思ったらな・・・・・手開いて中指を軸にして、小指を外に向けて回して・・・・・そう、そうしたら、自然と上向いて顔が向いていくじゃろ・・・その方が、気持ちええじゃろ!」

まず身近な生活指導から始めることにしました。そして、Aちゃんには、ペンを軽く持って曲線を引く練習をしてもらいます。

「上手じゃね~・・・・そしたら、色鉛筆持ってきたけんな・・・これで、色塗っとおみい(色塗てみてね)。」

中学生になったら美術部に入りたいくらい絵が好きなAちゃん、一瞬で緊張がほどけ、好きな色を探して、塗り始めるました。その時の姿勢やペンの持ち方が、重要です。勿論、小学校でも習っているとは思いますが、私が小学生(50年以上前)頃に比べると、習い方の厳しさは違うと推測します。

私の場合は、明治生まれの祖父さん、祖母さん(2人とも学校の先生)に習ったので少しでも、変な鉛筆の持ち方をすると注意されました。姿勢が悪いと竹の物差しを背中に入れられ、背筋を伸ばす習慣を身につけました。お陰で正しい鉛筆の持ち方が身についたようです。今は、あの時の厳しい愛情に心より感謝しています。

「そうじゃ!上手なったな~」

小学校6年だと、教えてすぐ修正できます。Aさん、ゆるんだ手で楽しそうに色塗りしますが出来ています。手がゆるむと、カラダがゆるみ、心もゆるみます。ましてや、好きな色塗りを楽しみながら・・・途中から、私も色塗りを始め、2人で楽しくおしゃべりも出来ました。

その結果、出来たのが写真の絵です。ウラに日にちと、それぞれの名前を書き、Aちゃんに差しあげると、

「あれだけ(60分弱)鉛筆持ったら、いつもは手が痛なるのに、今日は痛くない。」

と言い、お母様は、

「次回にカラダを診ていただきます。」

の言葉を残されて、2人は帰られました。

指が鍼に・・

間違った個所に指、結果は・・・

鍼に対して過敏に反応するため、鍼を使わず指で触れるだけの治療をする60才代女性患者Aさん。今回は胃腸の調子が良くないとのことです。そこで、治療方針を説明しました。

「まず、脳、脊椎を整えて、自律神経に働きかけます。これで内臓が整ってきます。そのあと首診で12の内臓点を診て治療します。」

上腕診(肘内側の横紋の触診) :左胸椎、腰椎、小脳

             :右なし

首診:左肝、胆、心包、胃、脾、小腸

  :右膀胱、胃、脾

Aさんには、ベッドに移動してもらい仰向けで寝てもらいます。

上腕診の左胸椎を私の思い違いで、左頸椎に対応する個所(オデコの生え際中央部のA点・・・実際には、左眉毛やや上の圧痛点E点におくべきでした)に軽く右中指を添()え、人差し指を、もう少し上の個所(脳点)に添えます。左腰椎に対応するAさんの左耳の前にあるD点に左中指を添えます(イラスト参照)

「左の胃だか腸だかが、グルグル動いています。」

この状態を78分続け、自律神経を刺激する基礎治療終了します。次に応用治療として、12内臓点のうち、最も反応のあった右脾、左脾に対応する側頭部(Y)の治療点に、左右の中指を軽く添えます。

「胃と腸全体が動き出しました・・・・・・歯(Aさんは、歯の治療をしています)に、やっぱりズシンっと来ますね。」

この状態で78分。次に、右膀胱、左肝に対応する側頭部(Y)の治療点に、左右の中指を軽く添えます。この間、Aさんは一言も話をすることなく78分過ぎました。

「今、どうですか?」

「落ち着きました。」

後は、ゆっくり20分ほど過ごしてもらいます。

最後に上腕診と首診を行い、指を添えるだけでそれぞれの診断に変化があるのか、チェックすることにしました。

上腕診:左胸椎圧痛点あり    首診:左肝圧痛点あり    

   :左腰椎圧痛点なし      :左胆圧痛点なし    

   :左小脳圧痛点なし      :左心包圧痛点なし   

                  :左胃圧痛点なし

                  :左脾圧痛点なし

                  :左小腸圧痛点なし

                  :右膀胱→圧痛点なし

:右胃→圧痛点なし

:右脾→圧痛点なし

上記のように、83%良くなっていました。左胸椎は、私の失敗で圧痛点が残った可能性があります。次回は、失敗しないようにします❗️

やっぱり、耳と仙腸関節

3年前から偏頭痛で悩んでいるCさんの続報

「今回は、翌日から少しずつ痛みが出て、金曜日がピークやった。」

前回は、完治したかと思うほど調子良かったのですが・・・・やはり、波があるようです。

「今回は、ノドが痛くて、痛くてノドを触りながら仕事していたんです。」

「そしたら、ここが痛ない?」

と、左側頭部の圧痛点に親指の爪を立てると、Cさんは、とっても痛がります。しばらく、押圧を続け、

「ノド・・・・どう?」

「痛み・・・だいぶ減ってる!」

そこで、山元式新頭鍼療法(YNSA)の教科書を見てもらい、首診で12内臓点を診て、ノドにあたる内臓点が肺であることを、理解してもらいます。その肺の治療点が側頭部にあり、たった今痛みを感じたところであることをお教えしました。

「ノドが痛なったら、ここを爪立てほぐしたらええんよ。」

「先生、ここも痛いけど・・・」

「そこは、小腸じゃけん、ここ・・・」

と、 その圧痛点の下にある圧痛点を、押圧。

「痛っっっっった・・・・確かに、痛みが減ってきた。」

Cさんには、圧痛点を感じることで、覚えていただきました。そして、今回も合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診をし、頭部に合計24本置鍼。

これで、かなり頭痛はなくなりましたが、まだアゴにしつこい痛みがあります。これをなくすために、昨日の「耳と仙腸関節」の理論を使います。

Cさん、ここ痛ない?」

「痛い!」

Cさんの左座骨付近を押圧すると、確かに圧痛点があります。そこは、Cさんが痛がっていたアゴに対応する個所だと考えています(興味ある方は、昨日の症例をみていただくと分かります)Cさんには、左脚だけあぐらを組んでもらい、私がCさんの足ウラを固定。Cさんには、固定した足ウラをゆっくり元に戻すような動きをしてもらいます。

「どう?」

「あれっ・・・・痛くない・・・どうして?」

やはり、「耳と仙腸関節」は、筋膜が綱引きをしている関係のようです。そこで、C さんに自分自身で出来る操法をお教えしました(イラスト参照)。これは、かなり効果があると思います。次回の来院を楽しみにしています。

耳と仙腸関節

1年ぶりに来院の20才代の患者Aさん

1ヶ月前から腰痛で悩んでいました。前屈をすると痛いそうです。前々回の症例で説明したのですが、前屈をして痛みがある場合は、椎間板が原因で起こっている可能性があります。前屈することで、椎間板の髄核を刺激し、神経が炎症をおこして腰痛になるようです。

Aさんにも、頭に置鍼する事で腰痛治療をします。なぜ、頭に置鍼して腰痛が治るのでしょう?特に、腰痛は耳の前後に置鍼するのは、何故でしょう?これから説明するのは、あくまで私の解釈ですので、本当かどうかわかりません。

耳は、頭蓋骨と下顎骨と頸椎が交差する個所、大事なポイントです。これに対応する個所が、仙骨と寛骨(腸骨+座骨+恥骨)と腰椎が交差する仙腸関節になります。

腰痛の場合、この仙腸関節付近が痛い場合が多くあります。この周辺の筋膜がねじれて、頭蓋骨と下顎骨と頸椎の交差している筋膜と、綱引きのように引っ張りあいをしていると考えます。

そこで、耳の圧痛点(筋膜がねじれたところ)に置鍼すると、軸索反射という現象が起こり、周辺がゆるんできます。すると、今まで綱引きをしていた仙腸関節あたりの筋膜がゆるんでバランスを保つのだと思います。

Aさんには、いつものように合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)。

合谷診:左(治療を左側から始めます)

上腕診:左頸椎(1)、胸椎(3)、腰痛(5)

:右胸椎(3)、腰痛(5)、大脳(1)

( )内の数字は置鍼の数です。Aさんは、前屈をしても腰に痛みはありません。

「今度、なんかあったら早めに来てくださいね!」

と言ってお別れしました。

ギックリ腰のCさん

仕事を終えて、夕方に来院されました。ここで、師匠・加藤直哉先生の著書「山元式新頭鍼療法の実践」から急性腰痛症のフィンランドの報告記載を、引用します。

急性腰痛症の患者さんを無作為に3つのグループに分けます。

第一グループは2日間安静をとります。

第二グループは運動指導を行います。(理学療法士が前後左右に腰を動かすように指導)

第三グループは痛みの範囲でなるべくゆっくり普段通りに過ごします。

そしてその後の腰痛持続や程度、仕事の支障、欠勤日数をチェックしていきます。

結論です。

最も結果がよかったのが第三の、出来る範囲で安静をとらず動いたグループ、もっとも悪かったのが安静にしていた第一のグループでした。

とあります。ですからCさんは、ギックリ腰にもかかわらず夕方まで仕事をしたことが、良かったのです。では当院治療効果は・・・

「昨夜は、全く動けない感じ・・・・朝起きても、同じ。それでも、車運転したり、取材の仕事を受けたり・・・何とかこなせて、来れました。昨日よりは、良くなっています。」

「実は、なるべく普段通りの動きをしてる方が、安静にしてるよりカラダにはいいんですよ。」

加藤直哉先生のオオム返し。

早速、上腕診(肘内側の横紋の触診)

左:頸椎(1)腰椎(D2.Iソマ7)

右:腰椎(D2.Iソマ7)

上記でギックリ腰は治りました。

補足として、外果治療点(外くるぶしの圧痛点)にパイオネックス4ケ。

両肘外側の圧痛点に2本ずつ4本置鍼。

足底に1本ずつ2本置鍼。

左:頸椎(1)腰椎(D2.Iソマ7)

右:腰椎(D2.Iソマ7)

を説明します。

①左上腕診で、頸椎に対応する個所に圧痛点があり、オデコの治療点(A点)に1本置鍼で、圧痛点がなくなりました。

②Cさんの腰痛に集中します。

D2とは、D点に2本置鍼ということです。(イラスト参照)

Iソマ7とは、Iソマトトープ(小さな人型)に7本置鍼ということです。(イラスト参照)

途中、感覚の鋭いCさんは、置鍼するたびに、

「あっっ・・・今の効きました・・腰がゆるんで来るのが分かります。」

など経過報告をしてくれるので、楽しく治療できました。

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洗髪時、頭のてっぺんが痛い!

50才代の女性患者Bさん、8ヶ月ぶりの来院です。2日前から腰痛になり、前屈すると痛いそうです。ここで、師匠・加藤直哉先生の著書「山元式新頭鍼療法の実践」で腰痛に関する記述があるので引用します。

椎間板ヘルニアとは、「椎間板の軟骨が破れて、ゼリー状の髄核により神経が機械的に圧迫することで起こる痛み」というのがこれまでの説明でした。しかし近年は髄核そのものに、神経の炎症を起こす作用があることが分かってきました。つまりヘルニアの痛みは単なる圧迫によるものではなく、炎症によっておこるものと考えられるようになっています。そのため、神経の炎症が収まればヘルニアがあっても痛みは収まります。機械的な圧迫という要因を完全に否定するものではありませんが、「神経の圧迫だけで痛むのではない」、というのが正しい理解です。

また、炎症の痛みも、免疫細胞の一つ、「マクロファージ」が炎症を感知して、その原因であるヘルニアを食べてくれることで改善します。そのため、自然に消えていくヘルニアがたくさんあることもわかってきました。椎間板ヘルニアの90パーセントの患者さんは、自然治癒が期待できます。

とあります。椎間板ヘルニアの患者さんには朗報です。また、前屈をして痛みがある場合は、椎間板が原因で起こっている可能性があると、加藤直哉先生は、おっしゃっています。

Bさんは、前屈すると痛いので、前屈することで、椎間板の髄核を刺激し、神経の炎症を起こしていると考えられます。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)右:右側から治療を始めます。

上腕診(肘内側の横紋の触診)

左:頸椎(1)、胸椎(3)、腰椎(5)、脳幹(1)、大脳(2)

右:胸椎(2)、腰椎(6)、大脳(1)

( )の数字は、置鍼の数を表します。

この置鍼で、Bさんは、前屈がスムーズに出来指先が、足の甲まで届くようになりました。

その後、肩甲骨と膝ウラに鍼を刺して抜き、後はゆっくり休んでもらいます。

「コホン、コホン!」

「あらら・・・ノドが痛いんですか?」

「10月下旬から、3ヶ月で4回も風邪をひいて、その度に抗生物質を飲んでいました。」

「じゃ・・・・ここ、痛くないですか?」

と、頭の頭頂部付近の圧痛点に親指押圧。

「痛い・・・・そこって、シャンプーするたびに、痛いところです‼️」

「ここは、ノドと肺のツボなんです・・・だから、痛かったんです・・・刺激してあげると、いいですよ。」

納得した顔のBさん。頭頂部に2本置鍼し、30分程休んで、治療終了です。

「これで、明日から仕事大丈夫です。」

とニコニコ顔で帰られました。