操体法とYNSA の融合

前々回から、操体法のみの治療を行なっている70才代の男性患者Cさん。現在、農業に従事されているので、作業時のカラダの異変には敏感になっておられます。前々回、仰向けになってもらうと、左足の方が2cm長くなっていたのですが、今回は同じ長さを保っています(ご本人が毎日、操体法をされているようです)。

操体法を行う前に、山元式新頭鍼療法(YNSA)の合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)、首診を行い、操体法後、再びそれぞれの触診を行いました。結論からいうと、操体法で全ての圧痛点がなくなりました。今後ともCさんの治療法では、山元式新頭鍼療法(YNSA )の枠組みの中に操体法を入れ、鍼を使用しないYNSAを作ってみようと思います。

Cさんは、両膝痛のため膝ウラに圧痛点があります。特に左膝から大腿内側に硬く大きな筋(すじ)があります。これを取るには、色々方法があるのですが・・・・言葉で説明すると、ややこしくなるので、省略。

左右の膝が楽になりました。

「先生、脚(あし)が軽いです・・・・」

次に仰向けでゆっくり寝てもらいます。操体法で全身がゆるんでいるので、改めて左上腕診をし、最も痛い診断点を探ると、左大脳。そこで、大脳の治療点に軽く指先を当てるだけの操法を行います。

「・・・なんか、左の太ももに圧がかかっている感じです・・・・」

7~8分間続けると落ち着いて来たようです。今度は、左の首診。心と三焦(消化器)に圧痛点があります。そこで、最初は、心の治療点に軽く指先を当てます。

「・・・・左肩が、なんか・・・気持ちいいです。」

Cさん、半分意識が飛んで頭は覚醒しているのですが、カラダが寝ている状態です。やはり、7~8分続け、今度は三焦(消化器)の治療点に指先を当てます。

「・・・・気持ちいいです・・・・」

しばらくして、私はベッドを離れ、Cさんにはゆっくりしてもらい、時間が来たので起きてもらいます。治療前の上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)、首診の結果は、下記に圧痛点がありました。

上腕診

左:頸椎、胸椎、小脳

右:頸椎、腰椎、大脳、小脳

首診

左:腎、膀胱、肝、胆、三焦(消化器)、脾

右:肝、胆、心、肺

ところが、操体法での治療後は、圧痛点が全て消えました。以上今日の結果でした。

お腹が痛い

「先生、今日はお腹が痛くて・・・・仕事場でも、何度もトイレに行くので、同僚に心配されるぐらいでした。病院では、薬で治れば腸炎、治らなかったら虫垂炎かも知れないと言われました。」

30代の女性患者Bさん、引っ越しの準備でストレスがたまり、お疲れのようです。
合谷診(人差し指と親指の間触診)は左。左側から治療を始めます。
上腕診(肘内側横紋周辺の触診)

左:頸椎(1)、胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)
右:頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳

今回は、左右の圧痛点に差がなく、左右ともに痛いそうです。ただ、合谷診では、左合谷に圧痛点があったので、左側のみの治療にしました。それぞれ左ひたいの生え際に1本の置鍼で左肘の圧痛点はなくなりました。これで、自律神経が整いました。お腹が痛いBさんにとってストレートに効く治療法です。

続いて、首診を行い内臓の状態をチェックします。
左:肝、胆、心、大腸、三焦(消化器)
右:腎(0)、膀胱(1)、胆(0)、心(1)、大腸(1)、三焦(1)、小腸(0)

置鍼の前に、もう一度合谷診(人差し指と親指の間触診)を行うと、右合谷の方が痛いとのことなので、右側頭部のみに置鍼の治療となりました。この首診で大腸の診断点に軽く親指を当て、圧をかけると、

「あっ痛い、痛い、痛い・・・・お腹が痛い❗️

と、Bさんは右腹を抱(かか)えて絶叫。

「えっ・・・・ここは、大腸の診断点なんじゃけど・・・お腹に響くん?」

「はい!痛い、痛い・・・グ〜って来ます。」

「・・・・なるほど・・・山元先生は、凄いね・・・これを見つけたんじゃけん・・・」

大腸診断点は、首と肩の境目あたりにあります。そこを軽く圧をかけるだけで、大腸に響くのですから・・・・本当に驚きました。上記のように置鍼をすると、

「先生、冷えてた両手とお腹がポカポカ暖かくなって来ました!」

とBさんニコニコ顔。それで、治療は終了。後は、世間話をして過ごしました、おしまい。

ギックリ背中その2

昨日に続いて、「ギックリ背中」の患者さん(昨日の患者さんではありません)から、突然の電話連絡がありました。本日は暇(ひま)にしていたので、突然予約大歓迎です。

30才代の男性患者Aさん。3日前ソファーで寝てしまったせいか、朝起きると左肩甲骨の下側に痛みが走り、それがドンドン加速、昨日はガマン出来ず、救急病院に駆け込んだそうです。

病院では内臓の検査には全く異常なく、ロキソニン服用となりました。今回は、1錠飲んで来られているので、痛みはガマンできる程度のようです。

早速、合谷診(人差し指と親指の間の触診)左(明らかに左に圧痛点)から治療を始めます。

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳それぞれに圧痛点。小脳なし

右:なし

今回は、操体法を導入。奥のベッドに移動してもらい仰向けになってもらいます。すると、左脚が1cm長いので、左カカトをゆっくり押し込んでもらいます。私は、右手親指でAさんのカカトをしっかり支えて程よい抵抗を作ります。これで、左右差がなくなりました。次は、両膝を曲げてもらい、左と右にゆっくり両膝を倒してもらいます。そして、可動域の少ない方から、可動域の大きい方へ、ゆっくりと戻してもらいます・・・が、私が軽く抑えているので、実際にはAさんの膝は動きません。

「カラダの中心腰を使ってゆっくりと・・・・実際には、私が抑えているので、動きませんが、ゆっくりと気持ち良くカラダの中を動かしてみて下さい。」

などと、言葉がけしてAさんの動きを誘導します。これで、背中の痛みが10→7になりました。

再び、合谷診(人差し指と親指の間の触診)をすると、左右差はほとんどなくなっていました。

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:小脳

右:腰椎

最初の触診と、全く違う圧痛点を感じました。こうなると、直接左胸椎を狙って、E点という左の眉毛の上の圧痛点に3本置鍼。

「これでどうですか?」

「随分いいです!」

次に後頭部にあるマスターキーという点に1本置鍼。

「これでどうですか?」

「あっ、もっと軽くなりました。」

最後は、胸部ソマトトープ(小さな人型の投影)の胸骨圧痛点に1本置鍼で終了。30分ゆっくりジャズを聴きながら休んでもらいました。来院された時の痛みが10→2になりました。また3日後に来院されます。

ギックリ背中とひょう疽(そ)

ギックリ背中とは、ギックリ腰のように腰から上で肩甲骨の周辺に突然生じる痛みの事を言うようです。

ひょう疽(そ)とは、指先に生じる感染症のひとつです。正常な皮膚が破壊された場所に細菌が入り込むことから発症します。

今回の患者さんは、ギックリ背中で来られたのですが、よくよく見ると右手の中指が包帯でグルグル巻きの50才代女性患者Cさんです。

「いつから、ギックリ背中になったんですか」

「3日ほど前から、仰向けになると痛くて寝れません。」

「それは、大変ですね・・・・・あれ?右手の中指・・・これは?」

「まき爪にバイ菌が入って・・・・病院でひょう疽(そ)と診断されました。」

「いつからですか?」

「・・・・3日ほど前からです。」

「?・・そしたら、中指のひょう疽(ひ)とギックリ背中が関係あるかもしれませんね。」

などと話しながら合谷診(人差し指と親指の触診)を始めます。左右差はないようです・・・ということは、左右どちらからでも治療していいと解釈しています。

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:頸椎(1)、腰椎(1)

右:胸椎(1)

この上腕診で見つかった圧痛点を、オデコの生え際にある治療点に置鍼し、圧痛点を無くします。ここでポイントになったのが、右胸椎。Cさんはギックリ背中のため、胸椎に異常があります。そのため、治療点の右眉毛の上の圧痛点を丁寧にさぐりました。

「痛いところがあったら教えてください。」

「・・・・・痛い!そこ!」

その圧痛点を押し、診断点の右肘内側の圧痛点が無くなるのを確認し、置鍼します。

「これで・・・・仰向きになって寝てもらっていいですか?」

「・・・・・・・よいしょ・・・??・・痛くない!・・・・けど、起き上がる時、右肩あたりが痛いです。」

「そしたら、右耳のここあたり・・・・痛くないですか?・・・・痛いでしょ・・ここに刺しますね・・・・・これで、起き上がる時、どうですか?」

「・・・・・・うん?・・・痛くない!」

と、ギックリ背中が良くなりました。あとは、念のためオデコのB点という肩の治療点に置鍼して終了。するとCさん、

「右手の中指(ひょう疽で包帯を巻いている)が、ピリピリ、ジンジンする!」

とニッコリ。右手中指は、頭蓋骨から頸椎、胸椎、腰椎に対応するところ(写真参照:龍村式指ヨガ健康法より)なので、私もニッコリ!

家族ぐるみ

「今日は、腰診(み)てもらおうか・・・だいぶ、足のむくみはのうなった。」

「腰はどうすると、痛いんですか?」

「歩くと、だるいんよ。」

と答えくれるのは、今年90才になる女性患者Bさん。ニコニコ穏やかな笑顔がかわいいのです。美空ひばりが大好きで、昭和の空間でゆったりとした時間が流れます。寝るのが得意で、イスに座っていても、いつの間にかウトウトしてしまいます。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左側から治療を始めます)

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:頸椎(1)、腰椎(1)、大脳(1)

右:腰椎(1)

Bさんには、後頭部に置鍼します。後頭部にラムダ縫合という骨と骨の継ぎ目がアーチを描くようにあるのですが、この周辺に置鍼します。置鍼するたびに上腕の圧痛点がなくなったかどうか、確認します。

「ここどうですか?」

「痛くないです。」

「これは?」

「楽じゃ・・・」

「美空ひばりのマドロスさん」がゆったり流れます。

「これで、歩いてみてください・・・・どうですか?」

「・・・・・よっこらしょ・・・ありゃ・・・だるない、軽い、軽い。」

「そりゃ~、良かった・・・そしたら、首を診(み)ましょう。」

「これとこれは・・・どっちがいたいです?」

「う~~ん、そっちです。」

などと時間が過ぎていきます。

首診

左:腎(1)、膀胱(1)、心(0)、脾(0)、小腸(1)

後側頭部に置鍼後、首の圧痛点がなくなるのを確認します。(0)は、他の置鍼の影響を受け、圧痛点自動消滅したことを示しています。

「これで、もう一度歩いてみて下さい。」

「・・・・・軽い、大丈夫。」

「そしたら・・・あとは、イスでゆっくりしてくださいね・・・」

しばらくすると、ウトウト・・・・

途中から足をバタバタするBさん、

「足のウラが変ですか?」

「・・・足ウラが、ベタベタ引っつくような感じで気持ち悪いんよ」

「そしたら、鍼しましょう・・・・」

左側頭部に2本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・・ええ感じ、軽い。」

「左だけですか?」

「いや、両方とも軽い。」

などと、過ごしていると、娘さんが車でお迎えに来られるました。

「先生、明日は私、お願いします(^^)」とお迎えの娘さん。家族ぐるみのお付き合いになっています。

尻もちと大腸

松山市に引越して、4年目ですが、大雨による避難勧告が初めて出ました。雨が少ない瀬戸内地方でこんなに雨が降るのは、本当に珍しい事ですが、今後は当たり前になっていくのでしょうか・・・一階が治療所で二階が住居の我が家、二階に避難しています。

(しばらく経って・・・どうやら避難勧告は、解除されたようです)

「先生、ひどい雨じゃね~・・・・・今日は、お尻が痛うて、痛うて。」

「どしたん?」

「あんね~、仕事場で靴下履(は)こうとして・・・こうやってクルマが付いとるイスを座(すわ)っとるとこから、思い切って引いたんよ・・・・そしたら、ドスンっと尻もちしてしもて・・・」

「そしたら、皆んなに笑われたろう?」

「それが先生、一番後ろじゃったけん、見られてないんよ・・・(^^)」

「・・・良かったなあ・・・こういう時は、大腸じゃな~・・・あんね~、ここ痛ない?」

と、同い年で生年月日が近い女性患者Aさんの首と肩の境目あたりを、押圧。

「痛い!先生、痛い痛い。」

「尻もちすると、どうも大腸が下がるみたい・・・・じゃけん、ここ(首と肩の境目)が良うなったら、お尻も良うなるかも知れんね・・・」

「先生、痛いんは、右のお尻と右の股関節とあし(下肢)の外側・・・・膝を上げると痛いんよ。」

Aさんは、お尻を強打したことで、初診時の痛みと同じところに痛みを感じるようになっていました。

合谷診(人差し指と親指の間触診):左(左側から治療します)

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:頸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(1)

右:なし

左の生え際あたりに置鍼し、上腕の圧痛点を取りました。これで、自律神経が整いました。

首診

左:腎(1)、胆(1)、心包(1)、大腸(1)

右:大腸(1)

左側頭部に4本置鍼、右側頭部に1本置鍼で、首の圧痛点が取れました。

大腸診断点(首と肩の境目)の圧痛点を取ると・・・・

「先生、あれっっ・・・どしたん・・・膝上げても痛ない!先生、大丈夫じゃわい!」

ということになりました。やはり、お尻の強打は大腸と非常に関係があるようです。後は、待合室のテレビを点(つ)けて大雨情報番組を見ながら、おしゃべりして30分過ごしました。

ピンクの狭い部屋

昨日は、精魂尽き果て・・・・爆睡。電話連絡も取れず・・・・『ヒロム、倒れたかもしれない』っと身内の電話があちこちを駆け巡(めぐ)って、大騒ぎになっていました・・・・・・申し訳ございませんでした。もう、大丈夫です。

30才代の女性患者Aさん。前回までは、右手首が腱鞘炎で痛みがあったのですが、右足首に8本置鍼したのが、よく効いたようで、右手首に痛みはありません。

本日の主訴(しゅそ)は、頭痛です。孫悟空の頭の輪っかのように、締めつけられる様な痛みだそうです。これは、2日前の雨降りから始まりました。気圧が下がると、血流が悪くなり頭痛を感じる患者さんは、かなりおられます。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左右どちらも同じ様に痛い。

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)

右:腰椎(1)、小脳(1)

(  )内の数字は、各部位診断点の圧痛点が無くなった置鍼の数。

これで、自律神経が整いました。

首診

左:膀胱(1)、小腸(0)、肺(0)

右:膀胱(1)、小腸(0)、肺(0)

左右とも、膀胱の治療点に1本ずつの置鍼をし、小腸、肺の診断点の圧痛点が無くなりました。

Aさんの場合、慢性的なので陽性の後頭部、後側頭部に置鍼しました。

「Aさん、頭痛はどうですか?」

「・・・まだ痛みがあります。」

「そうしたら・・・・ここ(左の頬)・・・・どうですか?」

「・・・・目がスッキリしました。」

「今度は・・・・ここ(頭頂部やや後ろの圧痛点:Kソマトトープ)・・・・どうですか?」

「・・・・大丈夫です・・・痛くないです。」

後は30分ほど、ゆっくりしてもらいます。山元式新頭鍼療法(YNSA)セミナー講師の加藤直哉先生著の「人は死んだらどうなるのか」を読んで過ごしておられます。

「先生、私の弟は母親のお腹にいた時の記憶があるそうなんです。ピンクの狭い部屋にいて窮屈(きゅうくつ)になったので滑り台を通ってスルリと出て来た!って言うんです。」

「やっぱり、そういう記憶を持っている人っているんじゃ!面白いよね~」

と生命の不思議を感じたのです。

ペンが・・・・

ペンが・・・・

最近は、iPadのカルテに専用のペンで記録し、スクリーンショットという方法で写真保存しています。そのため、患者さんの置鍼した写真と共に記録できるので、非常に便利です。もちろん、写真には日付けがしてあるので、前回の治療も復習することができます。

今日は、同い年で誕生日も近い60才代女性患者Aさんの治療。
早速、カルテに書きこもうとした時、手がすべってペンが落ちてしまいました。

「ありゃ・・・落ちた!Aさんちょっと待って・・・・探すけん。」

「どうぞ、どうぞ・・・ガッタちゅうて、音はした!」

「・・・・・・・・・あれ〜・・・・・ない・・・・」

「先生、床、見とうみい・・・絶対あらい(あるでしょう)」

「・・・・・・・それが・・・・ない・・・・」

しばらく探しても見つかりません。仕方がないので指先でipadに書くこととして、治療をはじめました。

「体調はいかがですか?」

「先生、最近は体調がええんよ。特に痛いとこはないんよ」

Aさんは、2週間に1度のペースで体調管理で通院されています。そのため、治療は淡々と進み下記の通り。

合谷診(人差し指と親指の間触診)左=左側から治療をはじめます。

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)
左:胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(0)、大脳(1)、小脳(1)
右:頸椎(1)、大脳(1)
( )内は治療点に置鍼し圧痛点が無くなった時の鍼の本数。(0)は他の個所の置鍼の影響で圧痛点が無くなったことを表しています。これで、自律神経が整いました。

首診
左:腎(1)、膀胱(0)、肝(0)、胆(0)、心(1)、大脳(0)、三焦(0)、胃(1)、脾(1)、小腸(1)
右:肺(0)、三焦(0)
これで、内臓が整いました。
後は、ベッドでゆっくりしてもらいます。

「Aさん、あとはフォークを聴きながら休んください・・・私は、これからペンを探します。」

「先生、そしたら私が、拝んであげらい。『見つかりました。ありがとうございました』」

「・・・・・」

「先生、これな、友だちに教えてもろたんよ・・・・探しもんをする時は、探す前に『見つかりました。ありがとうございました』ちゅうて、言うとくんじゃと・・・その方が前向きになろう?じゃけん、先生すぐに見つからい❣️

「・・・・・・あった‼️棚の箱に入っとった・・・・良かった、Aさんのおかげじゃ。」

めでたし、めでたし。

足ゆび打撲

 

昨日、左足の第3、4趾を打撲した80才代の女性患者Aさん。娘さんの運転する車で来院されました。

「先生、ばあちゃんが、しきいにつまずいてしもて・・・歩くと、痛いんじゃと・・・」

「あらら・・・それは、大変じゃ・・・ゆっくり診させてもらいます・・・・病院には、行ったんですか?」

「行っとりゃせん・・・湿布貼っとるだけじゃ。」

という事で、治療に入ります。

合谷診(人差し指と親指の間触診)は左に圧痛点。左側から治療をします。

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:頸椎(1)、胸椎(1)、腰椎(1)、大脳(0)

右:胸椎(1)、腰椎(0)

(  )内の数字は圧痛点が無くなった置鍼数、(0)は他の圧痛点への置鍼の影響で圧痛点が無くなったことを表します。これで、自律神経が整いました。

首診

左:腎(1)、膀胱(0)、胆(0)、三焦(0)、脾(0)

右:なし

腎の治療点に置鍼し、全ての圧痛点が無くなりました。これで、内臓が整いました。

さて、これから左足第3、4趾の治療になります。左側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の足趾に当たるところに置鍼。

「これで・・・・・歩くと、どうですか?」

「・・・・・あれ?・・・ようなっとる。」

Aさんは、イスにすわったままで、左足底に圧をかけてチェックしています。

「今度は、別の場所に鍼をしますね!」

と、左耳の前側の圧痛点に置鍼。

「・・・・先生、痛ない・・・大丈夫じゃ」

後は、左足第3、4趾に対応する左手第3、4指にパイオネックス(円皮鍼)を貼って終了。

美空ひばりの曲を聴いてゆっくりしてもらい、娘さんのお迎えを待ちます。

「ガラガラ・・・こんばんは。」(午後9時ころ、お迎え)

「さあ、歩いてみてください。」

「・・・痛ない、歩ける、歩ける❣️

と玄関を出られるお二人でした。

痒み止めのメカニズム

先日、蚊🦟に刺された60才代男性患者Aさん。左薬指を腫(は)らし、とても痒(かゆ)いので、オデコの左側の生え際に置鍼、左足第4趾の圧痛点にパイオネックスを貼り刺激、そして、左側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の指に当たる個所に置鍼し、痒(かゆ)みを取りました。

🦟は、Aさんを刺した時、唾液を注入し皮膚を3分間マヒさせ(ウルトラマンみたいにその間に命がけの仕事をします)、刺した針が詰まらないように、血液を固まらない成分も出します。この成分が痒(かゆ)みの原因だそうです。

ではなぜ、山元式新頭鍼療法(YNSA)では、痒(かゆ)みまで取ることができたのでしょう?それは、山元先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」に書いておられます。

75Pから始まる、「科学が証明した、針の6つの効果」の2番目の効果・「痛みを脳が感じないように、情報の通り道をブロックする」を「痛み」と「痒み」に置き換えると理解できます。

それでは、置き換えた文章にしてみます。

『針には、体から脳への情報の通り道をブロックする、つまり通せんぼをして、「痒み」の原因を脳に伝えないようにする働きもあります。

「痒み」は怪我などをした部位で起こっているように思えますが、そのメカニズムは大変に面白く、実は、「痒み」は脳が作り出しているのです。

(中略)

では、手や足などから遠く離れた脳へ、どのように情報が伝えられるのでしょうか。その情報の通り道となるのが「神経」です。神経は、白く細い繊維で、脳から体中にはりめぐらされています。針には、怪我などをした部分と脳との間にある神経をブロックする働きがあります。情報が脳に届かなくなり、脳は「痒み」を作り出さ出せなくなるのです。』

これでお分かりになると思います。

山元先生の著書は、何度も何度目読み返し、体験を通して身につける必要があるようです。